宇治日和

宇治や城陽にお住まいの方、そしてこれから住まれるお客様のために、ユニティがレアな宇治の情報をお伝えします。

宇治人形

2009-11-24 | 文化
ご存知の方は少ないようですが、京都に御所人形、伏見に伏見人形があるように、宇治には宇治人形があります。
茶葉の栽培ができなくなった古い茶の木を使って、茶摘み姿の女性や宇治川の鵜匠などを彫刻したもので、昔はお茶と並んで宇治の名物でした。


(赤い前垂れに姉さんかぶりの茶摘み姿の宇治人形)

江戸初期、金森宗和という茶人が宇治に隠棲していた頃、茶の木で千利休の像を彫ったのが始まりで、写真のような茶摘み姿の女性を彫り始めたのは上林清泉という茶師。その息子の楽之軒が2代目を名乗る頃には、広く「宇治人形」として知られ、宇治の名物になりました。
往時は皇室や大名、茶人などに縁起物として愛玩され、その後何度か途絶えたものの、現在も細々ながら宇治人形を作り続けている作家がいます。
茶の木は大きく成長しないので、直径は5cmからせいぜい10cm。人形もほとんどが小さい作品ですが、一部にツバキや土で作った大型の人形もあります。


(左が材料の茶の木。直径5cmくらい)

現在は、宇治茶祭りなどのイベントで展示される程度。写真は花園大学で行われた「宇治人形展」で撮影したものです。