


SF要素かと思ったら神様の悪戯的な話だった。遥が段々垢抜けてゆく過程がガッツリ尺を取ってある。可愛いけど元々可愛いので、可愛いのはもうわかったよっ! と途中で思わないではない。それがラヴとの交流の過程でもあるワケだが、本当なら約半年の季節の移り変わり描写の中でラヴと遥があれこれやり取りしながら心を通わせてゆく筋が入るはず、しかし予算や日程の少なさがあったようで遥の着替えと相田との『お試しデートごっこ』をリピートしてほぼ半年が過ぎていた。思い余った相田のキスでごっこの魔法は解けてしまい、遥は混乱。いよいよ本格的に三角関係か?! と構えたところで相田は渡仏っ。ええっ?! ここから本来の目的に戻って製菓コンテストを目指すが、それ以前のそもそもその夢は現実逃避じゃないか? という点と、そもそもラヴが人間じゃないという点もあり、そこに目をつぶった遥はやみくもな努力をした挙げ句コンテスト前に自爆っ。やけっぱちに。だが、ラヴの秘密を親友に教わり奮起っ! そしてコンテスト前日、ラヴとの別れの時がきて・・・とクライマックスになる。別れもグッときたが、ラヴにコンテストに改めて挑戦すると告げる件の遥も美しかった。やっぱり痛み越えた決意の表現が映える人だ。テーブルにペチャ~と突っ伏すやたらキュートな、お馴染みの柔軟性もバッチリ。スマホ撮影はスマホをスマホとして扱える自撮りのシーンが一番無理がなかったかな? 今は飛び道具気味になってる昔のTBS深夜の若手女優育成枠ドラマを思い出した。ラヴの存在をあっさり相田に明かす展開は無理に隠すよりスッキリして良かったと思う。最後はまぁハッピーエンド。ただしイケメンに限るっ!! という条件付きだったかもしれないけどねっ。素材そのまんまな作りの作品だった。