アルカイダ系の2組織が同時関与か リビアの米領事館襲撃
アルカイダ系の2組織が同時関与か
リビアの米領事館襲撃
2012.10.25 Thu posted at 18:23 JST
ベンガジの領事館襲撃では大使ら4人が死亡した

(CNN)
リビア東部ベンガジの米国領事館が今年9月11日に襲撃され
クリストファー・スティーブンス米大使ら米国人4人が殺害された
事件で米情報機関がアルカイダ系のテロ組織「イラク・イスラム国」
が襲撃の中核的な役割を果たしたと分析している
ことが25日までにわかった
米政府高官がCNNに明らかにした
米情報機関当局は先に襲撃には
同じアルカイダ系の「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織」
が関与した形跡があると指摘しており
アルカイダ系の2組織が大使らの殺害に加担していた可能性が
浮上した
イラク・イスラム国の戦闘員は
シリア内戦への介入を強めているとの見方も出ている
同組織は
駐留米軍が昨年末までにイラクから撤退した後
活動を再び活発化させていた
リビアで戦闘員を勧誘している
ともされスティーブンス大使は2008年の公電でリビアのデルナ町を
これら勧誘の中心地ともしていた
米領事館襲撃に関連する最新諜報(ちょうほう)によると
攻撃は2段階で実施された
最初の攻撃の中心となったのは35~40人とされ
大使らの殺害現場となった領事館の主要施設を標的にしていた
このうち10人以上が
「イラク・イスラム国」もしくは
「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ組織」とつながっている
とみられる
襲撃された米領事館

2回目の攻撃では
数時間後に領事館から約1.6キロ離れた付属施設が襲われていた
米政府高官によると
リビアの過激派「アンサール・シャリア」や
聖戦を唱えるエジプトの過激派の戦闘員も襲撃の中核となった
と疑われている
ただ
アンサール・シャリアは事件への関与を否定していた
米上院の情報委員会に属する共和党の
サクスビー・シャンブリス議員によると
領事館襲撃に関連し容疑者1人がチュニジアで拘束された
最初にトルコで拘束されチュニジアに移送された容疑者は
チュニジア人で
北アフリカに拠点がある過激派に所属しているといわれる
同議員によると
米国はこの容疑者を聴取する機会などは拒否されている
ベンガジの領事館襲撃や大使らの殺害は
同市の治安状況の分析やオバマ政権の事件への対応の是非と絡めて
来月の米大統領選での争点にも浮上した
野党の共和党は
事件発生でオバマ政権の外交の弱点が暴露されたと攻撃している