ニライカナイへの憧れ

沖縄への思いを自分なりに綴った日記

『古老の島祈りの島』

2009-02-23 | その他
先日NHKで放送されたETV特集。

『古老の島祈りの島
      ~沖縄県西表島・都会の青年と伝統の暮らし~』


田植えをしている青年に島のオジーは
「段取が悪い!!」と怒ります。

「怒られるのは青年の仕事」と撮影スタッフに愚痴を漏らします。
「なんで?」との問いに
「ものを知らないから」・・・・・・



そう答えるのは東京生まれ東京育ちの中坂さん(30歳)。
9年前に、サトウキビの収穫の募集をたまたま見付け
西表島にやって来たのが移住のきっかけ。
彼の島での生活を1年間に渡って追ったドキュメンタリー番組です。

山ではイノシシ狩りをするのですが
山に入る前に手を合わせている姿が印象的でした。
海では魚をとり、田畑で収穫した米や野菜を食べ、ほぼ自給自足の生活。

奥さんと二人の子供と暮らしているのですが、ある日の夕食でお金で買った物は
<豆腐>のみ。
マンゴーの収穫や民宿のアルバイトで得た収入は3万円の家賃と
光熱費に充てて生活をしています。


中坂さんの住む地区は人口約100人。
そのうちの半数が、今は移住者とその子供だそうです。
地区で育った若者達は皆、都会へ出て行き
島へ戻って来ることは稀だとか。。。

島の窮屈さや貧しさが嫌で出て行く若者。
都会の生活に疲れて島にやって来る若者。

中坂さんは外から来た人間であることを自覚しています。
その上で、自然に島の生活に馴染んでいる所が
何だかいいなぁと思いました。
馴染んでいるというのは、島のやり方に従っているというか
元々島に居た若者が、オジーオバーに色んな事を教わり
育ててもらっている・・・そんな印象です。


国の重要無形文化財である島の行事「節祭」
中坂さんはその大事な島の伝統行事の行事部長を任されます。

この時ばかりは、島を離れた青年達も数日前から戻り
初めて祭りに参加する人に熱心に振り付けなどを教えます。

祭りは今は、島の人と移住者が協力して守り受け継がれているのです。

神を信じること、お金より家族が大切なこと。
実りに感謝し、また翌年の豊作を願うこと。
人が幸せに生きる為に一番大事なことだからこそ
500年も守られて来た祭り。

裏方で動きまわる中坂さん。
『この島の少しでも「たし」になりたい』
受け継がなきゃとか、役に立ちたいとかではなく
「たし」になりたい。と。

この島で移住者として暮らして行く自分の役割が
キチンと分かっている方だなぁと思いました。