著者の島崎今日子さんはノンフィクション作家として有名な方ですが
私は初めて読みました。
題名から推察してもっと引き込まれるような面白さがあるのかと思っていたら
全然そうではなくて、ただただ淡々と事実が羅列(と言ったら失礼ですけど)してあって
一応時系列にはなっていますけど、膨大な資料の中から
その時々にぴったりな事実と証言が配置されていきます。
それはもう圧巻と言って良いくらいの調査の結果なのでしょう。
デビュー前からの沢田研二の行動や言動や周囲の人達の言動などが
これでもか!というくらいにあげられていきます。
これが本当のノンフィクション本なのだろうと、読み終わって思いました。
400ページ近いその事実は確実にジュリーの56年の軌跡でした。
大好きな三浦しをんの小説です。
読み終わってもなお、半分夢の中の出来事なのかと思ってしまう幽玄の世界のお話。
古書店の主である若い男性が主人公ですけど
この人を心から慕っている男性達のことです。
慕っているというか、かなり危なげな世界なのですが
当の本人はそんなことには興味がないように見えます。
だけど、本当にそうなのか?
それはわかった上での言動なのか?
そのへんも全然わかりません。
不思議な小説でした。面白かったです。
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