6月27日(金曜日)
関西の朝のテレビローカル番組に 「よ~いドン!」 が有ります。5年半前に放映された寝屋川市にある、「メンズショップ石井」の店主が「隣りの人間国宝さん」に認定されました。
この洋品店の特徴は、店内に沢山のマネキンが有り、それぞれがユニークです。サングラス姿に角刈り、ヒゲ面など約30体店頭に並んでいます。
マネキンに着せているセンスある品々を見て、いつかは買いに行かねばと思っていました。そして1年後、ついに念願が叶いました。4万数千円のブレザーやら1万数千円のシャツやらをお買い上げ。
店主は私よりも5歳上ですが、寝屋川市に長年住んでおられるようで昔の話しに花が咲きます。駅前に「美都(みと)」と言うキャバレーが有り、同僚のN君とあしげに通ったものです。
10日前のことです。「よ~いドン!」を観ていると、円広志さんがこの店で立ち止まり店主と話をしています。この日の取材で分かったことは、マネキンは美容室で新人の練習に使用した不要になった物で、タダで譲り受けたと言うことでした。円さんは、月亭八光君が「となりの人間国宝さん」に認定したシールを見ているので、店主が、「シールをちょうだい」と言うも無視されて可愛そう。
そんな事が有り、今日の夕刊を開くと「さらばマネキンの館 寝屋川の洋品店 今月で閉店」の記事が。
店主の石井さんは姫路市出身。中学卒業後、大阪・船場の洋品店で丁稚奉公し、京阪神を中心に紳士服のセールスに飛び回った。28歳だった1967年、京阪寝屋川市駅前の現在の場所で独立した。ユニークなマネキンを並べ始めたのは7年ほど前。店に遊びに来た小学生の孫娘の一言がきっかけだった。「じいじ、将来、美容師になりたい。マネキンの髪をいじらせて」。知り合いの美容師にもらった練習用の「カットマネキン」を貸し与えたところ、髪を七三に分け、メガネとマフラー姿の韓流スター「ヨン様(ペ・ヨンジュンさん)」が出来上がった。店頭に登場させた途端、商店街を行き交う女性からの熱い注目を受けることに。「写真を撮らせて」とたびたび声を掛けられ、美容室などから、使い古しのマネキンを次々に譲り受け、店頭に並べた。当時は商店街のにぎわいが陰りを見せ、経営不振に悩まされたいた時期。「何かをアピールしなければやっていけない」と、気持ちを奮い立たせた。しかし郊外店への買い物客の流出などもあり、最大で56店舗もあった商店街の店は40店ほどに減少。石井さんも「マネキンもなかなか売り上げにつながらなかった」と打ち明ける。今年春に体調を崩し、肺炎で入院。5月、健康状態を考え閉店を決断した。今、「閉店セール」と書いた紙を首からぶら下げているマネキンの多くは、なじみ客に譲り渡される。石井さんは「商店街を巡る状況は苦しいが、誰かが何かをやらないと変わらない」と話した。
メンズショップイシイ(072・822・3894)の営業は30日午後6時まで。
あの日買ったブレザーには、まだ袖を通していません。これに合うズボンが無いのが理由です。どなたかズボンのプレゼントをしてくれないかなぁ・・・。
2009-11-13
”となりの人間国宝さん”を見に行った
11月12日(木曜日)
朝9時55分から11時25分まで関西テレビで放映している”よ~いドン!”と言う番組がある。1年ほど前に月亭八光が訪れた、寝屋川市にある「メンズショップ石井」が頭の中から離れない。このお店は、店主が自ら制作した沢山のマネキンにメンズウエアーが着せてあり、そのアイディアに八光(はちみつ)は、 「となりの人間国宝さん」に認定した。
それだけであれば沢尻エリカの「別に」だが、この店の商品をパッと見て「おされ!」な品々が多い印象を持っていたからだ。私の近所の大型ショッピングセンターには、メンズの専門店が撤退してしまい、おしゃれな品をお買い上げすることが出来ない。若者であれば「しまむら」「ユニクロ」などで買うだろうが、激安の店にはなかなかアダルトが、購買意欲を掻き立てるようなものはない。
今日は銀行の通帳がまんぱいになり、記帳できないので、新しい通帳を作ってもらうため京阪樟葉駅を目指した。家から三井住友銀行には樟葉支店が一番近い。しかし途中で気が
変わってしまった。そうだ寝屋川の「メンズショップ石井」を探してみようと京阪枚方市駅前に駐車し、電車に飛び乗った。寝屋川駅を下り、大阪に向かって左側の方が賑やかそうなので、左に出た。すると目の前に行く予定だった銀行があり、閉店5分前に飛び込んだ。
新しい通帳をもらい、はてさてお店は南か北かどっちかな?キョロキョロ。
南へ20歩ほど歩いた所に、見覚えのあるマネキンが店先に立っていた。ここだ!
店の中にはこれまた見覚えのあるパンチパーマの店主が立っている。店内に入り「このお店はテレビ放映のあったお店ですね」と尋ねてみた。「そうです。今まで取材にテレビや新聞が10数回来ましたよ」の返事が返ってきた。サイフの中には少ししか万札がないので、「ちょっと品物を見させてください。気にいったものがあれば後日買いにきます」と告げた。茶色のブレザーに合うシャツはどんなんがありますかと聞けば、即座に5~6枚並べてくれた。
14,000円の値札が付いている。「これナンボにしてもらえますか」。「遠い城陽市からわざわざ来られたので1万円にしましょう」。これにしますと決めたのは10秒後だ。パット見ていいなあが重要で、あ~でもない、こ~でもないと考えるのは私の辞書には”むだ”と書いてある。例え車を買うときにしろ同じこと。店主は見た目と大違いで気さくな方だった。今年70歳だそうだが、パンチパーマーが効いて若く見える。こちらから質問したわけではないが、色々話しをしてくれた。
寝屋川駅前商店街の活性化のため、「各店は何か一つ目玉を」のお達しがあったそうだ。そこで店主は他店にはないマネキンを考えたとのこと。取材に来た新聞社の記事には「”
コワモテ”マネキンがお出迎え、男を上げるいかつい紳士服店」として紹介されていた。
お笑いの南海キャンディーズが取材で来店し、しずちゃんは気にいったマネキンがあり、持ち帰ってしまったとぼやいていた。
その他ファッションにうるさいピーコさんも来てくれて、なかなかセンスのある品々が揃っているとホメてもらったそうだ。札幌からは商店街の役員が、活性化のヒントにするため視察にきたとのこと。
マネキンの苦労話は、1週間もすれば髪にホコリが付き髪がしなってしまう。これをシャンプーして手入れをすれば、相当な時間を費やすそうだ。それはそうだろう20体はありそうだ。
女子高生が帰りにちょくちょく顔を出し、 「EXILEのATSUSHIに似て可愛い」と言うのがこのマネキン。
桑野信義に似ていると言うのがこのマネキン。
気にいったブレザーはこれ。
46,000円の値札がぶら下がっている。生地は輸入品で仕立ては日本だ。店主いわく「ここの仕立て屋さんは柄あわせが丁寧で、ポケットの柄とピタッと合っているでしょう。ここまで見てくれるお客さんがいてくれたら嬉しいのだが」。私は見てしまった。「お客さん一度試着してくださいよ」。試着は冷やかしが半分だったが袖を通してみた。何と肩幅といい、袖の長さといい私のオーダー品と言っていいくらい、ピタッしカンカン。今月中にもらいに来ますと言ってしまった。