9月30日(金曜日)
3日前に、元同僚で友人の「手打ちそば 乃田」の店主からメールが来た。 「あまから手帳」 という食マガジンをご存知でしょうか?今発売の10月号に「乃田」が掲載されました。近くの本屋さんに行って、ちゃっかり立ち読みしてみてください。その記事は32ページにあります。この本に載ればひとつのステータスを得られる思っていたのでとても嬉しく思っています。まずはご報告まで。ではお元気で。」。私の返事は「手打ちそば 乃田」をブログにアップだ。
まずは「あまから手帳」を買わねばと本屋さんに行った。若い女性店員に「あまから手帳ありますか」と尋ねた。「手帳ですか?」の返事が返ってきた。「手帳とちゃいます。雑誌ですぅ」。あああの本かと、置いてある場所に連れて行ってくれ「これですか?」と渡してくれた。表紙を見ると「蕎麦呑み 蕎麦喰い」の大きな活字が躍っている。
雑誌を開くまでも無い。「あまから手帳」780円お買い上げ。家に帰りどこだどこだとページをめくる。蕎麦屋さんが20軒ほど記載されていて、最後の方に出てきた。
あったー!
「産地香る”混ぜない”十割」大阪・交野 手打ちそば 乃田。
店主・野田滋大(のだしげとも)さんが話す。「今日の生粉打ちは二つの産地があって、長野は風味穏やかだけど色は鮮やか。福井はとにかく味が強いですね」。双方をもりで食べ比べる。長野は確かにキレイな鶯色で、口あたりはふんわり繊細。風味も柔らかく毎日でも食べれそうだ。一方の福井は、色は地味でも鼻を近づけただけで香るほどの野趣がある。とはいえ、決して荒々しいのではなく、青々しい風味だけが吹き抜ける。「ブレンドは一切しません。打つのも十割だけです」。一言でそばと言っても、産地の傾向、気候、農法や管理の状況によって風味や見た目にかなり差異があるもの。野田さんはその違いを楽しんでもらおうと、日々研鑽に励んでいるのだ。とはいえ、もりそばを押し付けるわけでもなく、あまり見ない生粉打ちの温そばや、霜降り牛のように柔らかな鴨肉の治部煮、鶏ゴボウ炒めなどと、選択肢は幅広く、実に穏やかなムード。日を改めて昼下がりに店を訪れてみると、年配客が数組と30代のカップルが1組。各自が思い思いにそばと会話を楽しんでいた。そばも店も”自然体”。それがこの店の最大の魅力だ。
(撮影/ハリー中西 文/河村研二)
参考:生粉(きこ)打ち つなぎを用いず、そば粉だけで打ったそば。十割そばと同意。
乃田の店主が独身の、今から40数年前に鳥取の私の実家に連れて行った。そのとき倉吉市にある 「土蔵そば」 に食べに行ったとき、目の前で打った蕎麦を食べ、「これは美味しい。いつか俺も蕎麦屋をやりたいな」と思い続けていたそうな(これは店を開店してから初めて知った)。彼が50代に入った頃、K社の経営が苦しくなり早期退職希望者を募った。念願の蕎麦屋をやるなら、まだ体力があり、割り増し退職金が出る今だと決断した。退職した後、山形へ蕎麦打ちの修行に。
普通修行と言えば半年とか1年とかだが、1ヶ月ほどで蕎麦打ちを習得して帰って来た。「お前さんは筋が良い。もう教えることはない」。
会社では建設機械の設計をやっていたので、不具合が出たときの解析方法、ユーザー満足度、効率、手順などはお手のもの。これらはすべて蕎麦屋の経営に役立っている。
会社でのクラブ活動は剣道一筋で、うで前は剣道6段だった。そば打ちも、腰を入れなければいいそばが打てない。これも剣道が役に立っていることだろう。
「手打ちそば 乃田」を開店して早や8年。 食べログの関西・北河内 では蕎麦 ではランキング1位になったり、 グルメWalker関西 に掲載されたりで、蕎麦の人気店の一つになった。
先日愛妻の友人Iさんの息子さんが関東から帰省してきた。そのとき息子さんが「この辺りは関東と違って、美味い蕎麦屋は無いなあ」とぼやき、「美味しいとこ連れていってやる」と「手打ちそば 乃田」へ電車で行ったそうだ。「美味しいと」お代わりをして満足顔で帰ったとメールがきた。
関東はウドンより蕎麦が人気で、関西は逆だ。関東の人間が”美味い”と言ってくれれば、美味い のは間違いなし。
益々商売繁盛は友人としては嬉しいことだが、体が資本。これから体力は、益々下り坂になります。計画的に体を鍛えてや。「あまから手帳」に掲載おめでとう!
店主への連絡事項:
そば漫画 「ニッポン蕎麦行脚 そばもん」 を弟から1~6巻借りて読んだところ、漫画を読まない私が夢中になり一気に読み終えました。
老舗の蕎麦屋の店主が監修したでけあって、今まで知らなかったことが沢山載 っており、少しは賢くなりました。ヒマな時に例え1巻でも読んで見る気があれば、店に持って行きましょうかね。