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大統領報道官とオバマ大統領のコメントの食い違い

2012-09-21 05:11:38 | アメリカ政治
9-11 に起きたリビア米国領事館襲撃と大使殺害について、オバマ政権は「イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜する映像をきっかけとした反米デモの行き過ぎ」とのコメントを出し続けていたが、9月19日の連邦下院公聴会で国務省官僚がアルカイダによる計画的なテロであることを認め、9月20日にはホワイトハウスの大統領報道官もこれまでの見解を覆した。

一方で、大統領報道官がこれまでの認識を翻すコメントを出した後なのに、オバマ大統領はフロリダで選挙キャンペーンのインタビューで、未だに「イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜する映像をきっかけとした反米デモの行き過ぎで、計画的なテロではない」と答えていた。

ただの間抜けと罵倒するだけでは済まない怪奇なオバマの考え方が如実に出ていて興味深い。

正しい現実認識が出来ない、嘘を付いたら、その嘘を自分の中で人事込んで自分の現実として頭に刷り込まれる、という事である。

アメリカの大使が殺害されるのは25年前のカーター政権以来で(何か暗示するものがあるが)、外交上の一大事である。未だに中東では反米デモが続いており、大統領への毎日のブリーフィングの中で、百歩譲って当初は情報がなかったとしても、現時点では大統領報道官も認める様に計画的テロであったことをオバマは知らされているはずである。それなのに、当初「イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜する映像をきっかけとした反米デモの行き過ぎ」という認識(というか嘘)で頭が凝り固まっている。

事実が明らかになるにつれ、ホワイトハウスとしても計画的テロという見解に方向修正を行わざるを得なかったのに、肝心のオバマは当初の嘘を信じきったままになっている。

オバマ政権としては、オサマビンラディンを葬ったことでアルカイダ勢力を弱めている事を謳い文句にしているので、計画的テロを起こされて大使を殺害されたのでは面目が立たない。よって、見え透いた嘘で事態を乗り越えようとしたのだと思う。

これだけでも大問題であるのだが、オバマが自分で付いた嘘を真実として思い込んでしまうというのは、もっと重要な意味を持つ。つまり、オバマの語る事全般に信憑性が乏しいという事になる。

今になって自叙伝の嘘などが暴露されているが、オバマは過去に都合良く付いた嘘を、真実だと思い込んでいる可能性は非常に高い。(初めて付く嘘のときは、やや吃る癖があるが、繰り返される嘘はスラスラでる)ある種の精神病を患っていると思う。一般社会ではまず相手にされないタイプの人である。

大統領の務まる様な人物ではない。


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