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Harry Reid(民主党上院議会リーダー)の失言

2010-01-11 13:27:32 | アメリカ政治
Harry Reidが2008年の大統領選挙中に、当時のオバマ大統領候補に対する人種差別的なコメントが明るみになった。Harry Reidは、素早いダメージコントロールをしており、大統領へも直接謝罪しており、オバマ大統領が受け入れた事で、沈静化はしそうな気配もある。

問題コメントは、「オバマは黒人としては色(黒色)が薄く、自分が喋ろうと意識しない限り黒人訛も出さないので、大統領になれるかもしれない」というものである。("light-skinned" with "no Negro dialect unless he wanted to have one,")

過去に人種差別発言をした共和党上院議会リーダーが、民主党の激しい要求で、過半数党リーダー辞任に追い込まれた事もあり、共和党からはリーダー辞任要求も出てくる事態になっている。

Harry Reidは、どうも失言癖のある人のようある。但し,オバマ政権で、特に健康保険改革法案の上院可決では、大活躍をしており、オバマ大統領を含めて民主党内での問題は、今の所無さそうである。

民主党はリベラル、つまり人種差別については強く平等を打ち出しているのだが、私は民主党のエリート達は、人種差別主義者の疑いを持っている。今回の問題コメントは、図らずもその一部を炙り出した形となっている。オバマ自身さも黒人差別(黒人エリートは別にして)をしているし、黒人エリートでありながら差別されている事をいつも感じているのではないかとも思っている。(昨年、オバマの友人でハーバード大学の教授である黒人の逮捕事件でのオバマ大統領の発言、状況も知らないとしながら、逮捕した白人警官の行動をバカげたものだと批判した。)

最近沈静化して来たが、一時はオバマ大統領やそのやり方を批判するものは、人種差別主義者と、民主党の議員が真顔で発言さえしていた。

大多数の黒人は、一度目は奴隷として、二度目は施しを受ける下流市民(施しは民主党の政策であり、そのために民主党の票の基盤となっている。)としての悲劇がある。政治的以外でも、この状況を抜け出した黒人エリートは、距離を置く様になる傾向が強い。

目の前の黒人がいくらエリートであっても、どうしても下に見る感覚が抜けない人が多いようである。(世代が下がってくるともう少し融和している様にも思われる。)

オバマ大統領も改めて、今更ながらに自分の立場の危うさを感じているのでは無いだろうか?


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2 コメント

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Poor choice of words (ChicagoKoi)
2010-01-12 00:43:14
Political Correctnessのこの世の中でこの人たちはいわばその道のプロなのになぜこのような失言が繰りかえするのかいつも不思議に思っています。

今朝のニュースでは去年罷免された悪名高き前イリノイ州知事が今日発売されるEsquire Magazineのインタビューで I am blacker than Obama. 靴磨きもやったし、貧乏も経験している云々といってのけた。靴磨きと貧乏などを黒人を結びつけるのがOffensiveなんだそうです。

饒舌さが必要とされる職業の人たちには 
Light-SkinnedとかBlackerとかColorfull(No pun intended)な表現をする能力があるからでしょう、英語を母国語としない当方にはしたくても出来ない失言です。

Negroという言葉はその名前を冠するCollegeもFoundationもある位だから当初は決して失礼な言葉でなかったようで、長い間に受けた差別とセットになって、呼称も時代とともに変わっていくようです。

no Negro dialect unless he wanted to have one,"。。。。ただし書きのところが面白いです。だいぶ以前にRev. Jesse Jacksonが大統領候補になったとき、あのDialetが気になるようなことをもらしたら、あれは人気取りの為にわざとDialectをつけてるんだよとアメリカ人に笑われたことを思い出しました。


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シカゴスタイル (ysJournal)
2010-01-12 01:14:38
ある種の人達は、心の奥底にある差別の気持が、どうしても出て来るのだと思います。
ブラゴ前イリノイ州知事の件は、興味があり、どこかで書こうと思っております。裁判にオバマ大統領を証人として申請(却下されたとは聞いておりますが)したり、イリノイ、シカゴの政治シーンのドロドロが一杯出そうで、楽しみ(失礼ながら)です。
オバマは、大統領になるためには、好都合だったとも言えますが、生粋の黒人英語は出来ないのではないかと思います。どこまでもインチキなRev. Jesse Jacksonは、黒人である事を強調しないと、存在価値が無くなるので、商売柄仕方ないでしょう。
オバマの人種的な最大の幸運は、父親が黒人と言っても、本当のアフリカンだった事でしょう。アメリカは、アフリカンアメリカンへの人種差別は根強いくせに、本当のアフリカンにはそれが無いと言う変な感情があります。(これ、非常に良く分かるのですが、私も相当アメリカナイズされているという事でしょう)
人種の違いが、背の高い,低い(これも差別ではありますが)のレベルの話になるには、もう少し時間がかかりそうです。
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