FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



昨日の記事が意外にアクセスが多かったので補足しておく。

ややセンセーショナルな見出しをつけてしまったが、現在のところでは、各州から出されている「州の主権state Sovereigntyについての宣言」は、あくまで、アメリカ合衆国憲法の修正第10条(連邦法のおよぶ範囲)を確認するという意味であり、連邦法を無効にすることのできる能力を各州が持っているということを示すという意味合いである。例えば、このブログの解説がよくできていて中立的である。
 
現時点では、それによって新たな州法を作成して、ただちに連邦から独立するというような話ではない。まして、すぐに州兵を出して軍事的に云々ということではまったくない。あくまで、現在の経済危機に対しての連邦政府議会の責任を問い、これ以上の権限拡大によって州に影響を与えることを牽制しているということである。
 
ただ、それにしても、この州の主権という問題は、アメリカ建国以来のひじょうにデリケートな問題であって、主権が連邦にあるのか、州にあるのかというのはアメリカ史の中で重要な問題であった。近代では、連邦の主権の優位性が確立されたことになっているが、修正10条に見られるように、州の主権を認める考え方も根強く残っている。
 
今の時点で、各州からこのような動きが出てきたことはアメリカ政治史の流れのなかで注目すべき点であると同時に、今後、州の独立宣言、さらには連邦政府との抗争といった流れが生じてくる可能性を暗示していると言えよう。アメリカの分裂・内戦というとさすがに現在は大げさであるが、そのひとつの萌芽が観察されたということは言ってもよいと思う。

なお、下の本が参考になるだろう。

The Tenth Amendment and State Sovereignty: Constitutional History and Contemporary Issues

Rowman & Littlefield Pub Inc

このアイテムの詳細を見る





コメント ( 0 ) | Trackback ( )



« 円安の長期化... バルチック海... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。