FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



フランスの民間シンクタンクであるLEAP/E2020は、今回のサブプライム危機前から警告を発していたということで、日本では特に、2chにスレッドが常時たつなど、人気がある。ここが発行するレポートはなかなか内容が面白いので、このブログでもたびたび紹介してきた。昨年あたりから、ユーロ高を予測しつつ大きくはずれてユーロ安になっているなど、2chなどではさんざんに言われているようだが、予測の当否はともかく、内容には読むべきところがあると思う。今月の刊行は51号(GEAB No.51/英語無料版)になるが、久しぶりにちょっと紹介しておこう。

彼らの予測によると、2011年は、彼らがレポートを開始した2006年以来、経済的にもっとも混乱する年になるとする。具体的には2011年の春から秋の間に、各国の国債による債務問題・公的債務の負担が頂点に達し、各国銀行のバランスシートの悪化、中国などの土地バブルの崩壊とあいまって、突然の大きな経済的なショックに見舞われると予想する。
 
主要な問題としては、米国の金利上昇=国債価格下落、財政悪化、によるドル安が重要であるとされる。それに対して、ユーロの問題は、ユーロの政治的一体化の促進により2010年に比較して大きく改善されるとする。
 
ユーロについては、多くのマスコミや識者が、政治的にばらばらなユーロ圏が、通貨だけ統合されている今の形の不自然さを述べ、将来的なユーロの解体を予測しているのに対し、このレポートでは、ユーロ圏の政治的統合が強化されるため、金融政策との整合性がとれてくると考えている。これはまさにフランスの望むところであるが、ドイツがどう出るか、予断を許さない。ドイツがユーロ圏に留まるのをよしとするか、あるいは独立して、中世の頃と同じように、西側の欧州とロシアとの両にらみの体制をとるのをよしとするか、まだ予想はつかない。この点についてはさらなる考察が必要だろう。ただ、当面、2011年は、ドル安のため、ユーロドルの一時的上昇という目もまだ残されているとは言えるだろう。
 
ということでいろいろな問題があるユーロはともかく、'We believe that 2011 will , globally, be the most chaotic year since 2006.' が真実になるかどうか、じっくり注目していきたい。







コメント ( 9 ) | Trackback ( )



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コメント
 
 
 
ドルラブの踏み上げ太郎氏 (アルピーヌ)
2011-01-19 06:11:00
意外なことに
新興国 先進国ともに弱気です

リスクマネー引き上げで
1~3月が今年の高値と予想
お勧めはWTIだそうです


 
 
 
Unknown (やまはくん)
2011-01-19 16:47:49
アルピーヌさん

ほほう。彼は割とイケイケなんですが、今回は慎重ですね。
いったんの下げはあってもいいでしょうね。

 
 
 
VIX指数 (アルピーヌ)
2011-01-20 08:21:00
Wボトム 反転??
NYダウ 取り合えず上のフシに到達
 
 
 
海外口座について (M52)
2011-01-21 00:58:22
やまはさま、こんばんは。
今回の記事とは無関係ですが、急を要しそうなのでこちらに書かせていただきます。
海外口座ですが、どうも日本人の口座開設お断りとなってしまう業者が急速に増えてきている様です。FXCM UKも然り。
金融庁の圧力かどうかは定かではないですが、早めに開設した方が良いかも?ですね。
至極残念です。
 
 
 
Unknown (やまはくん)
2011-01-21 09:14:04
アルピーヌさん、

VIXは下に行きそうでもありで、悩ましいですね。いずれにせよご指摘のようにサポートラインにあります。気をつけたいですね。

M52さん

それは重大な情報ありがとうございました。まあ、間違いなくその筋の圧力でしょうね。従来ある口座がどうなるのか気になります。さらに情報あればお教え下さい。
 
 
 
LEAPの人 (Gann)
2011-01-21 22:36:18
やまはさんのバックナンバーよんだら、LEAPは
2009年夏に米国デフォルト、新ドル発行を予言していたようですね。
彼等は自分の言ったことの責任は取らない?
面の皮が厚くないと、ああいう仕事はできません。
それでも結構食っていけるからうらやましい。

まー楽しいからいいですが。
 
 
 
Unknown (やまはくん)
2011-01-21 22:45:30
Gannさん、

はは。そうですね。未来予測なのでしょうがないですね。一応自己評価を毎年していて、何パーセント当たったという形でレポートを出しています。私の見るところ、代表者の著書がちゃんとした出版社から出せていないところを見ると、現状ではあまり食っていける状態ではないようです。
 
 
 
Unknown (七師)
2011-01-22 12:49:09
時期の確定を期待するのは、予言等を鵜呑みにするのと一緒ですね

1 市場が楽観視した所でショックのおかわり
2 このままズルズルと悪く成り一世代後位に回復の兆し
3 本当に金融機関、関係者の言う通り危機は去り徐々に回復
突然、全てが御破算に成る事も有るかも知れませんが、真綿で首を絞める様に長い期間苦しむのでは無いかと思います
問題なのは概ねその筋で
世界が動いてる事だと

 
 
 
Unknown (やまはくん)
2011-01-23 18:05:41
七師さん、

予言・予測の内容そのものより、それに付随する論理構成や事実の指摘を元にして、自分の考察の参考にすべきものでしょうね。為替的には、ドルの弱化が一時的なものなのか、このまま夕暮れを迎えるのかというところが問題でしょう。おっしゃるような回復のパターンとあいまって難しいところです。
 
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