東京都の猪瀬知事が辞任して一段落したが、笑わせたのは都議会自民党である。猪瀬氏が退任の挨拶で各党を回ったところ、自民党だけが面会を断ったそうだ。さも自分だけは正義の味方で、クリーンだと言わんばかりの対応だが、笑わせるなと言いたい。誰だって自民党がクリーンだとは思っていない! そればかりか最もダーティーで、金に汚いのはみんな知っていることだ。
それとも、猪瀬はもう必要ないから冷たくあしらったのか。公明、民主、共産など各党は与野党を問わず猪瀬氏の退任挨拶を受けている(共産党は公開質問状を出した)。それが“大人の対応”と言うものだろう。たしかに猪瀬前知事は5000万円授受の件で、弁解の余地はない。誰だって猪瀬が悪いと思っている。
しかし、いやしくも東京都民が選んだ知事だったのだ。最後ぐらいは、きちんと儀礼にのっとって対応できないのか。猪瀬はダーティーだから、猪瀬はもう役に立たないから面会するのもやめようというのは、“打算第一”の姿勢がありありと見える。その点、同じ与党でも公明党の方が大人の対応と言えるだろう。
自民党とはそんなものだ。もちろん猪瀬氏に同情なんかしていないが、要らなくなったらすぐに切り捨てる自民党は、武士の情けも礼儀の“イロハ”も知らない政党だ。私の言い方は古いかもしれない。しかし、自民党は打算と金だけで動く野暮な政党という印象を強く受けた。
どの党もそうでしょうが、特に自民党は都知事選を意識してか、手のひらを返したように猪瀬攻撃に狂奔しました。見え見えです。
都知事選で、東京都民の良識が問われるでしょう。