JR9RVKの雑記的業務日誌

HF帯のモービル運用をメインに行うアマチュア無線局と、その免許人の備忘録。

モービルのアンテナ環境の見直しpart7

2012年06月28日 21時01分08秒 | 多バンドアンテナ

今回の見直しも、残るはメインディッシュだけとなった。これも数年前から導入を悩んでいたアンテナの1つで、第一電波の「HV7CX」という多バンドアンテナだ。先日の「HV5S」との違いは幾つかあるが、その中で最も大きなものは「オプションに14MHz帯のコイルがある。」だろう。ただし7MHz帯のコイルと交換しなければいけないようで、7MHz帯と14MHz帯の組合せは不可能となり、個人的には残念な仕様である。

とりあえず14MHz帯に対応することと、21MHz帯用のエレメントを長めにして18 MHz帯に対応させて、バンド構成は14/18/28/50/144/430MHz帯とした。ちなみに28MHz帯用のエレメントを長めにして24 MHz帯に対応させようとも考えたが、エレメントの長さが長すぎて揺れるとメインコイルに接触するため、これは断念した。

それはさておき、このアンテナ、マニュアル(取扱説明書)が分かり難い。ヘボを付けるつもりは無いが、予想以上に記載不足や不備が多い。私がNGと感じたものは、以下のとおり。

★エレメントの位相について明確な記述がない。
これについての文章説明が全く無く、別の用途で偶然姿絵が掲載されているだけである。つまり現物(出荷時)の位相と、マニュアルの姿絵の位相が一致していないのに、この件に関する記述が全く無い。「見りゃわかるだろ!」では、あまりに不親切である。ホイップアンテナの調整経験が無い人だと、強制的にパズルを解かされる感覚になると思う。決まった位相が必要でも、どんな位相でもOKであっても、その旨を明確に書くべきである。実際に位相を変えないと、全てのエレメントを組付けできない寸法なんだから。

★50MHz帯の調整エレメントの周波数変化量が記載されていない。
オプションである14MHz帯の変化量は記載されているのに、標準である50MHz帯の変化量が記載されていないのは何故?もしかして50MHz帯はオマケバンドってこと?

★折り曲げ機構部の説明があまりに淡白。
現物はロックナットを締める前にエレメントの根元とマッチング部が嵌め合う形状になっているのに、実際は嵌め合わない状態(直立時にガタがある状態)でロックナットを締める必要がある。マニュアルの記述内容だけではこれが正常かどうかを判断する基準が無い(それこそ「見りゃわかるだろ!」ってか?)ため、購入したハムショップへ行き、新品の同じ商品と比較させてもらった。結果的に不良ではなかった(と受け取るしかない?)が、これまで使用してきたホイップアンテナでは経験したことが無い構造だ。

★「横向きエレメントの方向~」って、どれのこと?
このアンテナ、実際には「横向きエレメント」なんて1本も無い。いったい何を指している記事なのか?意味不明である。

等々、国内メーカーのマニュアルにしては苦笑ものの出来である。もしかしてHV-4またはHV-7のマニュアルを流用したものの、上位者による文章校正が全く行われていない?のかもしれないな。うん。

さて調整作業だが、センターローディングの宿命とも言える「ステンレス製エレメントのカット」が山のようにある。そこで重宝するのが「卓上グラインダ」だ。エレメントを砥石の角で切断して、外周で切り口の整形や面取り、長さの微調整を行い、アンテナに取り付けて、車内に乗り込みアンテナアナライザで測定、を繰り返す。

途中、調整が終わった50MHz帯のエレメントを18MHz帯のエレメントと勘違いしてカットするというミスを犯したため、手持ちの余剰エレメントを急遽宛てるということもあったが、最終的には以下の周波数に調整した。

14MHz帯:SSBで国内QSOを想定して、14.143MHz付近に調整。
18MHz帯:SSBで国内QSOを想定して、18.122MHz付近に調整。
28MHz帯:SSBで国内QSOを想定して、28.510MHz付近に調整。
50MHz帯:FMで使用することを想定して、51.06MHz付近に調整。

結果、14MHz帯と18MHz帯をQSYする際に同軸切換器を触らずにできるようになった。これは快適である。またモービルの28MHzSSBで国内QSOの実績は無く、他のバンドよりチャンスは少ないかもしれないが、これも楽しみにしている。このアンテナはハイバンドの国内シーズンに必修のアンテナになった。

今回の見直しは、とりあえずこれで区切りにするが、今後も手持ちのアンテナを必要に応じて確認および調整していこうと思っている。


コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« モービルのアンテナ環境の見... | トップ | コールのモラル »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kuromiya)
2012-07-01 22:57:55
HV-7は私も買ったものの使い勝手が今一つで手放してしまいました。

HV-4の方が使い勝手というか調整は楽な気がします。14のエレメントが7と交換というのが考えていたのと違っていてガッカリでした。

HV-5S? も144/430は要らないから7/21/28/50くらいだったら使い勝手が良いのにと思います。(飛びは期待できないけど)
Unknown (JR9RVK)
2012-07-03 06:16:25
kuromiyaさん、こんにちは。

>HV-7

このアンテナ、28MHzの24MHz化や、横向きに調整したコイルを縦向きにできない(整合周波数が変化し過ぎ)など、HV-4でOKだったことが通じませんでした。結果的に430MHzが絡むと調整がシビアになる傾向(当時の印象)で、「やっぱり無理してるな~。」と感じました。

>144/430は要らないから

最近のはノリが「要らない人は必要な所だけ使ってください」なんですよねぇ~。私にとってもありがた迷惑なことです。本当に144/430MHzで使いたい人なら、専用のアンテナを使う人が多数派でしょうし…。
Unknown (kuromiya)
2012-07-03 07:27:21
> 最近のはノリが「要らない人は必要な所だけ使ってください」なんですよねぇ~。私にとってもありがた迷惑なことです。本当に144/430MHzで使いたい人なら、専用のアンテナを使う人が多数派でしょうし…。

昨今はHFから430まで一台で出られるリグも多いので、そういう人向けなのかもしれませんが、あまりマルチバンドにすると効率とか調整とか必要だしV/UHFは専用のを使った方が飛びも良いし個人的には使わないバンドにまで金を払っている気がして勿体ないというか、無駄な気はします。
Unknown (JR9RVK)
2012-07-04 05:15:59
kuromiyaさん、こんにちは。

>効率とか調整

やっぱり430MHzが絡むと無理が目立つと感じるのは気のせいでしょうか…。HV7CXよりHV-4の方がイイ印象ですが、最近はCONDXがイマイチなので使って様子見するしかないですね。

コメントを投稿

多バンドアンテナ」カテゴリの最新記事