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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
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STEELY DAN / Everything Must Go

2006年02月26日 23時54分30秒 | ROCK-POP
 そういえばコレ未だ聴いてなかったな....と取り出してきた作品。スティーリン・ダンといえば、ご多分にもれず僕も「幻想の摩天楼 」からフェイゲン名義の「ナイトフライ」までの作品に魅了されたクチですが、以来、あまりといえばあまりに待たせた「カマキリアド(`93)」や、スティーリン・ダンとして復活した「トゥ・アゲインスト・ネイチャー(`00)」の出来がどうもいまふたつくらいだったもんで、このアルバムも多分がっかりしたくなかったんでしょう(笑)。もう3年近く放置されていたという訳。

 さて、ほとんど期待していなかったこの作品ですが、意外にもとても良かったです。いや、「ガウチョ」と同等などいうちもりは毛頭ありませんが、少なくとも前作、前々作より数段良いですね。私の考える「スティーリー・ダンらしさ」がかなり復活しているんですね。一体、前2作の何が悪かったかといえば、サウンド面であまり打ち込み臭が強すぎたことに尽きるんじゃないでしょうか。この手のマニアックなミュージシャンが陥りやすい道筋とはいえ、自分の思うがままに音楽をてっとり早くやりたくて、打ち込みでなにもかも作ってしまい。それをデモはおろかベーシック・トラックにほとんど流用するおかげて、出来上がったサウンドはグルーブ感が希薄でコクがないものになるという陥穽に、スティーリー・ダンは見事に落ち込んでいたと思うんですね。曲がどうの、ヴォーカルがどうのこうのという前に、私にはサウンドが死んでいた....としか思えなかったです。

 今回の作品はライブ・パフォーマンスを新旧の楽曲を精力的にこなした成果なのか、比較的固定したメンツを起用して、一発録りによるという方式で収録されたようです(ただし、メンツ的には地味です。僕の大好きなビル・チャーラップが2曲ほど参加しているのはうれしかったですが)。おそらくそのあたりが効を呈しているんでしょう。グルーブ感やサウンド面でも確実に従来のスティーリー・ダンの「ちよっとアーシーで屈折した都会的AOR」が復活していると感じました....というか、調度「ガウチョ」や「ナイトフライ」のデモ・テープって感じです。これを元に超豪華になメンツの音を偏執狂的なこだわりで差し替えていくと、あのサウンドになるといったところでしょうか。
コメント
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