映画とライフデザイン

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映画「PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ」 ソルギョング& イ・ハニ

2023-11-23 18:50:18 | 映画(韓国映画)
映画「PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ」を映画館で観てきました。


映画「PHANTOM ユリョンと呼ばれたスパイ」は日本統治時代の朝鮮京城で、朝鮮総督暗殺を目論む反日の隠密組織が暗躍する姿を描くアクション映画である。「毒戦」イ・ヘヨン監督がメガホンを持ち、ソル・ギョングと「イカゲーム」のパク・ヘスなど韓国のメジャー俳優が出演している。この2人は昨年「夜叉」で共演している。これは良くできていた。

日本統治時代の朝鮮を描いた韓国映画では、「お嬢さん」「密偵」などをこのブログでも取り上げている。それぞれに時期は異なる。当然、反日のムードが強いのは承知してそれぞれの映画を観ている。
英国人女性イザベラバード「朝鮮紀行」を読むと、1890年代の李氏朝鮮時代のソウルが不衛生でひどい状態だったことなど朝鮮の後進性を示す記述がある。日韓併合の後に、識字率が低かった朝鮮の教育水準が向上したのは間違いない。産業も発展した。日本が朝鮮の発展を推進した一方で、日本の統治には問題もある。それ故の反発も数多く起きている。ここでどういう描き方をするのか観てみる。

1933年の京城(現ソウル)反日組織「黒色団」が日本の幹部の暗殺を目論んでいた。朝鮮総督府に新しい朝鮮総督が着任する。歓迎の会で巫女の姿の女が暗殺を目論んだが未遂に終わる。朝鮮総督府内にまだ「ミリョン」という名のスパイが潜んでいるのではと警護隊長の高原(パク・ヘス)は、可能性のある4人、情報受信係 監督官の村山(ソルギョング)、暗号記録係のチャギョン(イ・ハニ)、政務総監秘書の佑璃子(パク・ソダム)、暗号解読係長ウノを人里離れた場所に呼び込む。


ちょっとわかりづらい映画だ。
スパイ映画らしい騙し合いの中で、爆弾が飛び交う激しいアクションシーンが続く。かなり激しい。バックでは音楽が高らかに鳴り響く。音楽のレベルは高い。通常の日本のアクション映画よりもお金がかかっている。

日本の幹部に日本人を起用していると、明らかに日本側の登場人物に属するとわかるが、朝鮮語も時おり話すとどっちの立場かわからなくなる。特にソルギョング演じる村山の立場が途中でわからなくなった。登場人物が不死身な設定もスパイ映画にはよくあるが、これだけ撃たれても、刺されても死なない場面が多すぎる印象を持った。


1933年の京城の街を映し出す。VFXとセットだと思うが、良くできている。マレーナディートリッヒ「上海特急」の映画看板がある街中で、2人の怪しい女性のやりとりを見せる。当時の京城はこんなにムードのある街だったのか?戦前に存在した朝鮮神宮のかなりの高低差がある階段と鳥居を映し出す。


加えて、旧朝鮮総督府の格調高い建物を映す。朝鮮神宮に新任の朝鮮総督が向かった後で、巫女が突如銃を撃つ。この巫女は前夜映画館のそばにいた女で見覚えのある顔だ。「愛のタリオ」で復讐をする女を演じるイ・ソムだ。HPの出演者リストにないし、エンディングロールはハングルで解読不能だけど間違いないだろう。元ミスコリアのイ・ハニと一緒に映る。


日本語のセリフが多い。韓国人俳優たちはセリフに難儀しただろうなあと感じる。若干不自然なイントネーションではあるが、以前観た「お嬢さん」よりはマシである。ソルギョングが映画「力道山」で力道山役を演じた時、不自然さがなく日本語はうまいと感じた。日韓併合から20年経っているので、当時の若い朝鮮人は日本語を流暢に話したであろう。日本の士官学校にいた朴正煕元大統領はもとより、金大中元大統領も日本語が上手だった。

この映画はあくまでフィクションだ。終戦まで12年もある時期に朝鮮総督が撃たれた事実はない。でも、日本人を悪く貶めようとするのも仕方ないことであろう。怖いもの見たさについこの映画を観てしまう。

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