映画とライフデザイン

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映画「ハント HUNT」イジョンジェ

2023-10-01 17:41:24 | 映画(韓国映画)
映画「ハント HUNT 」を映画館で観てきました。


映画「ハント」はNetflixの「イカゲーム」の主演イ・ジョンジェが監督も兼任する韓国現代史の暗部を描くスパイ映画で、数々の作品で主演を張るチョン・ウソンの共演である。1980年代のストーリーでフィクションだと字幕がいきなりでる。とは言うものの、当時の韓国大統領は全斗煥であり、映画でも当然変わらない。われわれの世代だと、金大中拉致事件もあって、KCIAという名に恐怖感を覚えた。KCIAの名前は安全企画部という名に継承されていた。安全企画部の内部での権力闘争と二重スパイ問題に焦点をあてる。

1980年代、韓国の全斗煥大統領が訪米した際、ワシントンDCで韓国民主化を叫ぶデモが行われている。その場面で何者かが大統領へ発砲しようとする。韓国安全企画部の海外グループ長のパク(イジョンジェ)と国内グループのキム(チョンウソン)も現地にいて警護活動をおこなう。両者は対立していた。大統領の車の移動ルートが事前に北朝鮮に伝わっていることがわかり、パクとキムは互いに猜疑心をもって組織内にいるスパイ探しをする。一方で大統領暗殺計画北朝鮮により着手されていることがわかって、組織内部でのスパイ探しに一層拍車がかかる。


韓国得意の現代史の史実をベースとしたアクション映画で、ドンパチは激しい。ただ、同じジャンルの韓国映画の傑作と比較すると、5点満点で3.5位のレベルかなあ。
香港映画「インファナルアフェア」は警察がマフィアに、マフィアが警察にスパイを侵入させる名作である。この映画にも似ているようなテイストがある。ここでは韓国の諜報組織に入り込む北朝鮮のスパイに焦点をあてる。でも、映画では誰かはわからずをつくる展開だ。重要機密が密かに北朝鮮当局に送られている。80年代は至るところで北朝鮮による爆破事件が起きた。この映画はバンコクで大統領殺害がからんだ修羅場となるが、ミュンマーで起きたアウンサン廟爆破事件に題材を得ていると思われる。


日本の在日でも南と北のそれぞれの支持者に分かれるが、北朝鮮派の朝鮮学校出身なのに南にいるのはおかしいなんて女子大生が拷問を受けている場面がある。この映画の拷問はかなり酷い

スパイ映画は敵と味方が入り乱れてわけがわからなくなることが多い。この映画も誰がスパイなのか犯人探しのような体裁をもつ。それが、ラスト30分前に「え!」と驚く場面となる。さすがに自分も驚くが、どうやってラストまで展開するのか目が離せなくなる。それでも、最終のドンデン返しは南北両陣営とも何を考えているのかわからなくなる。


北朝鮮という脅威があり、実際にスパイ戦やドンパチもあったわけで、韓国映画は平和な日本と比べればネタは多い。今の日本はそんなことで心配することがないので幸せだ。数多くの映画を観ていくと韓国現代史の要旨がよくわかる。

実際にリストアップされている俳優陣とは別に韓国映画の主演級大物が突然現れる。いわゆるカメオ出演だ。仁川に北朝鮮の飛行機で亡命する飛行士がファンジョンミンだったり、パク次長の昔の知り合いで重要登場人物の女性の親になるイソンミンなど。「ただ悪より救いたまえ」で残忍な殺人鬼を演じたイジョンジェがファンジョンミンと激しく対立する。イジョンジェの初監督作品にご祝儀で出たという感じかな。

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