初夏の月のひかりのしたたりの一滴恋し想ひ燃ゆる身に
ものごしに静けさいたく見えまさるひとと棲みつつはつ夏に入る
椎のはな栗の木の花はつ夏の木の花めづるひとのほつれ毛
あな胸のそこひの恋の古海の鳴りいづる日を初夏の雲湧く
くちつけを否める人はややとほくはなれて窓に初夏の雲見る
(若山牧水)
初夏の月のひかりのしたたりの一滴恋し想ひ燃ゆる身に
ものごしに静けさいたく見えまさるひとと棲みつつはつ夏に入る
椎のはな栗の木の花はつ夏の木の花めづるひとのほつれ毛
あな胸のそこひの恋の古海の鳴りいづる日を初夏の雲湧く
くちつけを否める人はややとほくはなれて窓に初夏の雲見る
(若山牧水)