みやしたの気まぐれblog

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今も残る現役国鉄形気動車 西日本編 2021年版

2021-07-11 20:46:41 | 鉄道その他
今も残る現役国鉄形シリーズ2021年版の4回目です。

今回の対象はJR西日本、JR四国、JR九州とその沿線の私鉄・第三セクターに譲渡された国鉄形気動車です。形式としての気動車の種類は多いわけでもないのですけど、車両の改造バリエーションが豊富で、結果として写真が多くなるので電車と分けました。

JR各社とも国鉄形気動車は老朽化により次々姿を消していますが、2017年と比較して意外にも消えてしまったのがJR九州キハ31形です。トイレ無しとは言え、国鉄末期製造のステンレス車体ですから、後藤寺線や原田線なら大して問題無かったと思いますが。また、今回の記事の直前に引退したキハ66・67形も掲載対象外となります。

前回も書きましたが、元々神奈川県民の私にとって西日本側はそんなに頻繁に訪問できる距離でも無いので、未撮影の車両がかなり多くあります。古い車両のままの写真で掲載するものや、写真の掲載自体がないものもありますので、ご容赦ください。

キハ30形
通勤用気動車として、国鉄時代にしては珍しい3扉ロングシートで登場したキハ35系。車体強度の問題から、扉を外吊り式にしているのが特徴です。キハ35形が片運転台、キハ30形が両運転台です。JRからは全車引退していますが、JR東日本久留里線で動いていたキハ30形が1両だけ現役で水島臨海鉄道にて、平日のラッシュ時のみ運用されています。


水島臨海鉄道キハ30 100。久留里線時代の末期に国鉄一般色にされましたが、朱色一色の方がこの車両には合っている気がします。


キハ32形
国鉄分割民営化で経営が苦しくなることが予想されていた四国へ、国鉄末期に投入された軽快気動車です。16m級の小型車両で、ロングシートトイレ無し。新潟鐵工所製の車両は前面のライトが丸形、富士重工製は角形になっています。およそ2/3は現在松山運転所所属で、1/3は高知運転所所属。主に、予讃線の松山以西、予土線と、土讃線で運用されており、予讃線用車両には改造車、ラッピング車が多くなっています。JR化後に作られたトロッコ車両2両(キクハ32形500番台)も、キハ32形に組み込まれています。



キハ32形の一般塗装車。高知の車両は全て富士重工製で、松山は大半が新潟鐵工所製。一部に富士重工製があります


キハ32形「鉄道ホビートレイン」。JR四国が行った魔改造列車。新幹線で最も遅いと言われています(四国鉄道博物館より)。車内は座席の一部を0系の転換クロスシート(ただしボックス席として利用)に交換し、鉄道模型の展示スペースを設置しています。写真の反対側は、連結のために普通の平面構造です


キハ32形「海洋堂ホビートレイン」。JR四国の中でも、アンパンマン列車以外では早期からラッピングしている車両です。写真は3代目の「かっぱうようよ号」ですが、まもなく4代目「ウルトラトレイン号」になる予定です。


キハ32-501。現在は「藍よしのがわトロッコ」用車両ですが、少し前は「幕末維新号」として土讃線の高知付近を走っていました。その前は主に土讃線の大歩危付近を走っていました。運用がちょくちょく変わるので、徳島線で定着するのかどうか。なお、キクハ32形500番台は制御車だけですので、エンジンは積んでおらず、連結するキハ185形が牽引しています。


キクハ32-502。アンパンマントロッコ用車両で、元々は通常のトロッコ車両として土讃線等で使われていました。現在は主に瀬戸大橋を渡る列車として運行されています。トロッコの乗車区間も瀬戸大橋内のみです。控え車がキロ185形のため、利用にはグリーン指定席券が必要です。


キハ37形
国鉄が1983年に製造した気動車ですが、5両だけが先行量産車として製造され、量産されることなく終わりました。国鉄では初めて直噴式ディーゼルエンジンを採用し、台車など一部は廃車発生品を利用しています。車内はロングシート。JR西日本に引き継がれた2両はすでに廃車されましたが、JR東日本に引き継がれた3両は久留里線で長く活躍。現在は3両とも水島臨海鉄道に譲渡され、2両がキハ37形同士、1両がキハ30形またはキハ38形と組み合わせて、主に平日ラッシュ時に運行されています。



水島臨海鉄道色となったキハ37形。下の写真の奥には国鉄一般色風に塗られた車両も見えますが、国鉄時代は元々朱色一色(国鉄首都圏色)でした


キハ38形
八高線で老朽化していたキハ35系の一部置き換え用に、7両だけ登場した通勤型気動車です。キハ37形をベースにしていますが、エンジンは若干変更されています。国鉄時代の気動車としては珍しく、登場時から冷房車です。八高線の電化およびキハ110系化に伴い久留里線へ転属し、久留里線でキハE130形100番台によって置き換えられた後は、1両だけが水島臨海鉄道へ転出して現役となっています。


国鉄時代、JR化後も八高線時代はアイボリーに赤帯の姿でしたが、水島臨海鉄道では国鉄一般色風になっています。


キハ40系
1977年に登場した一般形気動車で、両運転台キハ40形、片運転台の両開き扉デッキ無しキハ47形、片運転台の片開き扉デッキ有りキハ48形と大別されます。重くて頑丈な作りですが、反面登場時に搭載されたエンジンの馬力が220PSと低く(それでもキハ28形、キハ35系よりは上)、加速力が低い気動車の典型とも言えます。JR旅客各社の全てに継承され、近年まで多く残っていましたが、JR各社とも置きかえが進んで、ここ2年くらいで激減しています。一方で改造車もまだ多く、JR西日本がキハ47形を両運転台に改造したキハ41形、JR九州がエンジン換装したキハ140形、キハ147形もあります。観光特急や観光快速の車両も多く、しばらくは残ることでしょう。(JR西日本の観光快速用車両は、あいにくこの4年で全く撮影できておらず写真がありません)



JR西日本のキハ40・47形。JR化後も国鉄色を維持していたのは鳥取・島根地域くらいで、高岡色や広島色、岡山色など色々ありましたが、塗装費用の削減で国鉄首都圏色の朱色に統一されています。


JR西日本の岡山地域で、主に津山線で運行される国鉄急行色の車両。レトロ列車として臨時列車中心に運行されます。


JR西日本がキハ47形を改造して両運転台にしたキハ41形。反対側は普通のキハ40系の顔です。



城端線/氷見線用のキハ40形「忍者ハットリくん」ラッピング車。城端線、氷見線は妙にラッピング車が多いのですが、地元氷見出身の藤子不二雄A先生の代表作「忍者ハットリくん」のラッピング車が継続して走っています。



境線用のキハ40形「ゲゲゲの鬼太郎」ラッピング車。もう何度もリニューアルを繰り返していまして、写真の車両は2018年にリニューアルした「鬼太郎列車」「ねこ娘列車」です。


吉備線用キハ47形「桃太郎」ラッピング車。岡山の桃太郎伝説にちなんで、桃太郎や鬼の姿が描かれています。



JR四国のキハ40系。キハ40形とキハ47形が徳島運転所にわずかに残っているだけで、主に牟岐線と高徳線で運用されます。2両1編成だけ朱色の国鉄首都圏色が残っています





JR九州の一般色キハ40系。キハ40形、キハ47形、キハ140形、キハ147形があり、車内はあまり変わっていませんが、エンジン関係はかなり換装されたり、改造されたりしています。若松線(筑豊本線の折尾〜若松)と香椎線のBEC819系置き換え、日田彦山線の部分BRT化、大村線のYC1系置きかえによるキハ200系転出により、運用範囲はかなり減少してきています。


日南線用キハ40形。JR九州では、香椎線のアクアライナー色の撤退により、九州色以外のキハ40形が走るのは唯一日南線のみとなりました。


JR西日本のキハ48形「花嫁のれん」。金沢を起点に七尾線への観光特急として運用されています。前照灯を中央上の1灯式に変えていたり、貫通扉を埋め込んでいることから、だいぶ他のキハ40系と印象が異なります


JR西日本のキハ47形7000番台「みすゞ潮彩 」。2017年に「○○のはなし」にリニューアルされているので、これはその前の姿。山陰本線まで滅多に行けないので、全然撮影できていないだけです。


JR西日本のキハ47形7000番台「瀬戸内マリンビュー」。2020年に「etSETOra」にリニューアルされていますので、これはその前の姿。リニューアル前に、呉線で1回乗車しましたが、一部区間では指定席利用客が私だけだったこともありました。


JR西日本のキハ40形「天空の城 竹田城跡号」。2019年で運行終了し、城崎温泉向け観光列車の「うみやまむすび」としてリニューアルされています。

JR西日本の観光用キハ40系は他に「ベル・モンターニュ・エ・メール」と「あめつち」もありますが、これらも全く撮影できていません・・・。
西日本は範囲が広いので、なかなか狙って行くのが難しいんですよね。



JR四国のキハ47形改造観光列車、キロ47形「伊予灘ものがたり」。2014年の登場後、好評を得ていますが、車両の老朽化に伴って2021年末で運行を終了予定。以降は列車愛称をキハ185系改造車へ引き継ぐことになっています


キハ140・47形「いさぶろう」「しんぺい」。肥薩線の人吉〜吉松を走っていたキハ31形の同名列車に変わり、観光用車両として登場しました。当初は1両のキハ140形だけでしたが、後にキハ47形が2両追加改造されました。その後、送り込みを兼ねた熊本発着の快速となりましたが、車内設備そのままで特急に格上げ。内装が凝っているとは言え、ちょっと残念な運用になりました(人吉〜吉松だけなら普通列車扱い)。しかし、昨年の令和2年7月豪雨で、肥薩線の運行区間を走れなくなり、現在は鹿児島本線で臨時列車に使われています。


キハ147・140・47形「はやとの風」。九州新幹線の暫定開業時に登場した肥薩線の吉松から、日豊本線経由で鹿児島中央を結ぶ特急です。九州新幹線全線開業までは、「いさぶろう」「しんぺい」と接続する人気列車でしたが、全線開業後に旅客が減少。定期運行から臨時列車に格下げされ、新型コロナと肥薩線被災による旅客需要のさらなる減少により、現在は運休となっています。



キハ47・140形「指宿のたまて箱」。鹿児島中央〜指宿の観光特急として、九州新幹線の全通と共に登場し、一躍人気列車となりました。キハ140形は元々「はやとの風」用だった車両ですが、共通予備車となっています。ただし、ほとんどの場合「指宿のたまて箱」に連結されていました。



キハ47形「かわせみ やませみ」。「九州横断特急」および「くまがわ」の置きかえとして、熊本〜人吉で運行する観光特急です。熊本側が濃い緑の「やませみ」、人吉側が濃い青の「かわせみ」ですが、反射がきつくて写真に撮りにくい車両です。昨年の令和2年7月豪雨で、肥薩線の運行区間を走れなくなり、現在は鹿児島本線で臨時列車に使われています。


キロシ47形「或る列車」。車内でスイーツを提供することを目的に改造された団体列車用車両です。他の観光特急と異なり、ツアー販売が基本になっていて、しかもかなり高額のため、今のところ乗ったことがありません。主に長崎方面で運用されています。なお、「或る列車」は鉄道模型愛好家の原信太郎が製作した模型をベースにしています。


錦川鉄道へ譲渡された元JR東日本烏山線用キハ40形1000番台。未だ錦川鉄道での写真が撮れていないので、写真は烏山線時代のもの


北条鉄道へ譲渡される予定の元JR東日本五能線用キハ40形。この写真の車両というわけではありませんが。2022年度中の運行を予定しているそうです。

キハ54形
キハ32形と同じく、経営の厳しい四国向けに投入された21m級ステンレス車両です。北海道用の500番台と違い、四国向けの0番台はオールロングシートのトイレ無しとなっています。主に予讃線の松山以西、土讃線で運用されています。


キハ54形。12両が製造され、現在も予讃線の松山以西ではキハ32形と共に主力の普通列車用車両となっています。朝夕のラッシュ時は、キハ32形とも併結する姿がよく見られます。


キハ54形の「しまんトロッコ」用車両。外装をトロッコに合わせて黄色くしていますが、車内はほとんど元のままです。


キハ183系1000番台
1988年のJR化後の登場ですが、国鉄時代に登場したキハ183系の系列を名乗ります。ただ、エンジンがキハ183系500番台等と同じだから名乗ったというだけのようで、北海道のキハ183系とは全く別物です。登場時は「オランダ村特急」として運行されましたが、後に「ゆふいんの森Ⅱ世」となり、さらに「シーボルト」、「ゆふDX」と大村線と久大本線を行ったり来たりして、2011年に豊肥本線用「あそぼーい!」となりました。あまりにも運用がころころ変わるため流浪の車両とも言われましたが、やっと安住の地(と言ってもそろそろ登場から35年が近づくので車体寿命が心配)を得られたでしょうか。


キハ183系1000番台「あそぼーい!」。写真は地上時代の熊本駅。熊本地震後は、大分〜阿蘇での運行でしたが、豊肥本線の復旧で熊本〜別府での運行に戻っています。

キハ185系
国鉄末期に四国向けに投入された特急用気動車です。JR化後もしばらくは主力特急車両として運用されていましたが、2000系の登場で高速運転できないキハ185系は主要線区からほぼ退き、一部はJR九州へ売却されました。現在でもJR四国では「うずしお」の一部、「剣山」「むろと」で運行されています。一部は普通列車化改造されましたけど、近年は特急用に戻されて、観光列車改造されている物も増えました。JR九州に渡った車両は観光用特急に改造されて、「ゆふ」「九州横断特急」「A列車で行こう」などに改造されています。



JR四国のキハ185系。国鉄時代は緑色ベースで、一時期は国鉄色リバイバルに近い車両もありましたが、現在は水色系のJR四国色(上)と剣山色(下)が基本になっています。


「うずしお」「剣山」のアンパンマン列車で使用される「ゆうゆうアンパンマンカー」。元はキロハ186形で、グリーン室が無くなってお子様用プレイルームになっている。指定席はアンパンマンシート。


JR四国キロ185形「四国まんなか千年物語」。キハ185系の3両を改造し、多度津〜大歩危で運行される観光特急です。全車グリーン車に改造され、車内で食事を提供しています。



JR九州のキハ185系「ゆふ」。「ゆふいんの森」の補完用特急として、4両編成で運行されていることが多いです。


JR九州のキハ185系「九州横断特急」。登場時は、急行「あそ」「くまがわ」の置き換えとして、特急「くまがわ」を含めて人吉〜熊本〜大分〜別府での運行でしたが、熊本地震の影響と、肥薩線観光特急のキハ40系化により現在は「九州横断特急」「あそ」として熊本〜阿蘇〜大分〜別府での運行です。


JR九州のキハ185系「A列車で行こう」。三角線向け観光特急としてキハ185系を改造した車両です。三角線自体がそれほど距離が長くないため、割と乗車時間の短い観光特急になります。熊本〜三角で運行中です。


JR四国のキハ185系3100番台。余剰になったキハ185系を普通列車化改造した車両ですが、トイレの無い車両が使われています。予讃線の松山〜宇和島の普通列車の一部で運行されています。


JR四国のアンパンマントロッコ用キロ185形。元々はキハ185形ですけど、アンパンマントロッコのリニューアルの際にグリーン席扱いに変更されました。


JR四国の「藍よしのがわトロッコ」用車両。少し前は「幕末維新号」として土讃線の高知付近を走っていました。キクハ32形の牽引用として、塗装も合わされています。

まだ漏れがあると思うので、思い出したら追加します。(2021.7.13に北条鉄道へ譲渡される五能線キハ40形の写真を追加しました。2021.7.18にキハ185系「ゆうゆうアンパンマンカー」の写真を追加しました。)
そろそろ西日本のキハ40系観光列車も乗りたいですねえ・・・。

次回は最後に西日本の機関車・客車です。

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今も残る現役国鉄形電車・気動車 東日本編 2021年版
今も残る現役国鉄形機関車・客車 東日本編 2021年版
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