如是姫

如是姫、というのは、善光寺縁起に出てくる天竺(前近代までの日本でのインドの呼び名)のお姫さまです。
“西遊記”で、三蔵法師と孫悟空らお伴が目指した仏教の本場ですね。

善光寺縁起(善光寺公式ホームページなど参照)によれば、善光寺の阿弥陀三尊像は日本に最初に渡来した仏像で、蘇我氏と物部氏の崇仏論争のさい難波の堀に捨てられていたのを、本多善光が見付けて拾ってきたんだそうです。
日本書紀には、崇仏論争のときの仏像は釈迦如来像、って書いてあるんですけどね…
まぁともかく、この仏像は、天竺でお釈迦さまご自身によって作られ、それから百済に渡り、百済から日本にもたらされて、最終的に善光が信濃善光寺に奉った、という壮大な話になってるんですよ。
縁起では。

その、天竺で作られた時の話の中に出てくるのが如是姫。
如是姫の父親であるお金持ちの月蓋長者は、天竺のマハラジャ。
豊かなくせに欲深でケチで、信仰心も持ち合わせていなかった。
しかし、掌中玉の如く溺愛する如是姫が流行り病にやられ、あらゆる治療法を探し求め手を尽くしても、一向に回復の兆しが見られない。
困り果て、とうとうお釈迦さまに救いを求めたところ、西方浄土に住むという阿弥陀如来に乞うことを教えられた。
言われるままに阿弥陀如来を奉ると、脇侍を伴う阿弥陀如来ご自身が現れ、如是姫はたちまち快癒。
あまりの有り難さに“あの阿弥陀三尊の御姿をなんとか残したい”とお願いしたところ、お釈迦さまご自身が阿弥陀三尊像を刻んでくださった、というんですね。
この像が、月蓋長者生まれ変わりの百済の聖明王に渡り、さらに生まれ変わりの善光に渡ったって事なの。
…縁起ではね。

いいんですけどさ。
この如是姫、長野駅前の噴水んとこの石像モチーフともなり、秋には如是姫祭りまで行われるほど、長野市民に親しまれてる。
それで、如是姫って、いるんですよね！
いや、いるの。
リアルなんですよ。存在感がある。
なんだろうなぁ。と。
あのスゴい話どおり、お釈迦さまの時代の天竺のお姫さまかはともかくとして。
(だって、天竺のお姫さまが日本の長野くんだりに霊的に残るかよ！)

***

あのねぇ。
善光寺の西南、直線距離で1.5kmくらいかな。西長野という所に、加茂神社という神社があります。
↓

善光寺とも関わりが深く、特に大本願では神祀りを欠かさない神社だそうですが。
加茂神社というからには、男神だと思うじゃないですか！
京都の上賀茂神社(現在の賀茂神社は上賀茂・下鴨のセットだけど、古くは賀茂神社といえば上賀茂だけを指したらしい)の神さまは、賀茂別雷神ですよね。
その人だと思うじゃないですか！
しかし、長野市誌見てたらね、西長野の加茂神社の神さまは玉依姫一柱だと！
ああ。わかりました。腑に落ちました。
この方です。如是姫。
彦神別＝善助のお姉さんです。
応神天皇の皇后だった方だと思います。武内宿禰＝本多善光と神功皇后＝弥生の娘さん。
この方が、善光寺縁起みたいに、病気になったのかもしれませんね！

…だからさぁ！
京都の下鴨神社の祭神は、玉依姫とその父・賀茂建角身命なんですが。
賀茂建角身命！ 武内宿禰でしょ！ このやろう！
↓下鴨神社・御神前


↓湯福神社・本多善光廟


参っちゃうよ…
上賀茂神社の賀茂別雷神って、下鴨神社の賀茂建角身命の孫で玉依姫の息子さんとされてるんですが。
この方が、応神天皇の御子なんじゃないかなぁ。
この男性が、賀茂の地に入って開拓したのかな。

上賀茂神社って、天武の時代の創建らしいんです。
なんでかなぁ。なんで天武の時代に賀茂別雷を祀り始めたのかなぁ。
単に、この系統が天武と持統に付いた結果の褒賞だろうか。
しかし、天武に滅ぼされた天智の息子・大友を祀る三井寺も天武時代の創建だよね。
持統の父親でもある天智は、おそらく応神天皇の男系子孫だと思うんだけど、賀茂別雷の血を引く人かもしれない。
天智の御霊を鎮めるためとかで創建されたのかな…

それが、天智系の平安王家に戻ったとき、祖に連なる神社として崇敬されることになったとか。
もしかしたら、京都遷都の理由さえ、それかもね。
昔は迷信深かったから。崇神・天武の匂い残る平城京より、先祖の護りのより強い地に行きたかったとかさ…

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武内宿禰と娘さんを、父娘として祀ってるのも、下鴨神社だけなんですよねぇ。
多分。
それでも、昔の人たちも、なんとかかんとか守って来ようとしたんだなぁ。
大切だと信じたことを。

P.S.氷室京介さんだと思う人！ …う～ん。どうしよう。ユーミンともあゆとも、縁無さそうだよね！
あと、今井美樹が清和天皇でもあるのかな…こっち縁(信仰縁)の方が強いの？
(いや、武内宿禰→松任谷正隆さん、神功皇后→ユーミン、彦神別→浜崎あゆみが持論なの)