Oceangreenの思索

主に、古神道、チベット仏教、心理学等に基づく日本精神文化の分析…だったはずなんだけど!

遺伝子の乗り物

2009-10-09 | こころ
遺伝子は指令する。
自らの保持を。自らの増殖を。

遺伝子は、肉体的な自己意識の基礎だけれど、
生命体としての個人を守ってくれる訳じゃない。

遺伝子それ自身を守るだけだ。

遺伝子は死なずに、肉体を乗り捨てながら世代を下っていく。
進化のために、肉体を操作しながら。

乗り物としての生物は、
指令に従っているだけである。

自分の幸せの為に生きているつもりの人も、
実は、遺伝子に動かされているだけかもしれない。

***

遺伝子の目的は、自らの乗り物をサバイバルに勝利させ、
少しでも進化の為に有利な生殖をする事だ。

その為に、遺伝子には、遺伝子のルールがある。

※アウトサイダーには辛くあたれ
※インサイダーには親切にしろ
※可能なときにはいつでもズルをせよ

ライアル・ワトソンの『ダーク・ネイチャー』によれば、
この3つである。

インサイダーとは、遺伝子を共有する血縁と、
遺伝子のサバイバルを有利にしてくれる人間である。

アウトサイダーとは、それ以外の人々であり、
サバイバルに不利益をもたらす人。
また、敵対者である。

サバイバルを有利にする為に、ズルは有用だ。

バレない程度の裏切り、心にもないオベンチャラは
インサイダー内での立場を有利にし、アウトサイダーを蹴落とすために役立つ。

サバイバルに有利になるなら、
嫌いだった人間もインサイダーに取り込む。
ひとたびサバイバルに不利益となれば、
インサイダーもアウトサイダーに突き落とす。

思いに反する顔をするのは、お手のものだ。
本音は、自分の有利だけでも。

これが、遺伝子につき動かされているだけの、
肉体的な人を動かす論理である。

遺伝子の本能をくすぐるオベンチャラに注意せよ。
遺伝子の本能をくすぐる貢ぎ物に注意せよ。

インサイダーと判断されただけの事であり、
もたらされるものは、遺伝子的なメリットだけである。

ひとたびアウトサイダーと判断されれば、
それも失われる。

彼らの“愛”は、平等心に基づく菩提心ではなく、
インサイダー内でのかばいあいだ。

***

チベット仏教で“粗いレベルの煩悩”と言われるのは、
こうした本能の事だと思う。

修行において、意識は、こうした粗いレベルから始まり、
もっとも微細なレベルを目指す。

もっとも微細なレベルは、素粒子のような世界であり、
智恵と慈悲の世界であり、
人間は誰でもそこに至れると、仏教はいう。

劣等感というのは、遺伝子的なサバイバルで勝てない、という思いから
来るものではないか、と思う。

微細なレベルに進むにつれ、失われる。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (菫子)
2009-10-09 13:34:57
よく分かります。
同じ事をずっと考えていました。
文章にして下さって、ありがとうございます。

例の団体では、こんな事言えませんでしたよね~
返信する
菫子さま (Oceangreen)
2009-10-09 17:37:49
コメントありがとうございますm(_ _)m

わたしも現役の頃は、(はからずも)加害者の側でしたから、あまり言えませんが(苦笑)
心の奥にはいつも「違う! こんなのを求めてるんじゃない!」という叫びがあったように思います。
話していても何かそらぞらしくて、本当に触れる事のできる真心がどこにもない感じ、かな。
「世の中がこんな風になるって事なら、弥勒の世なんかいらない!」
というのが捨て台詞でした。

やめてから、「畜生、煩悩に仕えさせられてた」と思いましたけど(笑)

あの中で生きることが苦労でしたね。
返信する
Unknown (菫子)
2009-10-09 20:51:47
本来にそんな感じでしたね。
「清々しいご神気が降りてきて云々」
とか言ってる割にはどきつい感じのする所でした。
私も捨てゼリフを吐いて、飛び出したクチです(笑)。
返信する
菫子さま (Oceangreen)
2009-10-13 18:16:49
コメントありがとうございます。

そうですか(笑)
みんな、あの中にいなければ、いい人たちだったのかもしれませんけど。

もちろん、わたしの主観です(笑)
返信する