僕は、"バンド世代"であり、"カラオケ世代"でもあるので、2つの良い所と悪い所…その両方を、程よく知っている。
いわば、(音楽活動をする上で)非常にラッキーな世代だったりします。
"全然、違うんだぁ~…"
そもそも、"バンド世代"と"カラオケ世代"の違いなんてことを考えるキッカケとなったのは、昔、フジテレビの深夜にやっていた公開オーディション番組「ゴールドラッシュ」。
その初代グランドチャンピオンが藤本千秋(現:千秋)だったんだけど、僕、この時の衝撃があまりに凄くて、今でも忘れられないでいるんだ。
つまり、決勝に勝ち進んだのが10人ぐらいいたのかなぁ?
で、審査員の中の1人が、途中で、ポツリと、こんな事を言ったんだよね…
"これ、決勝をやる必要あるんですか?"
結局、決勝戦は行われたんだけど、もう、圧倒的な力の差だった。そして、決勝進出者の中で、唯一、バンド少女だったのが…千秋。
他の人は、たしか…全員、カラオケ経験のみだったんだ。
でも、僕はね、この時、歌の上手さよりも、質的な違いを感じたんだよね。
あと、もう1つ…僕が、学生時代に吹奏楽部で出会った歌謡曲の数々(400曲ぐらいかな?)。
ぶっちゃけ、石川さゆりの「天城越え」を演奏している時は、"これは、ちゃんとやらなきゃマズいぞ!石川さゆりに悪いぞ!"って思うんだけど、例えば、新田恵利の「冬のオペラグラス」を演奏する時なんかは、楽譜を配られて30秒後にいきなり、全員で合奏しても、どうしても、本人より上手く出来てしまう。
一時期、"どうしたら、もっと下手に演奏できるのか? 新田恵利の雰囲気に近づけるのか?"って、真剣に悩んだぐらい…。
でも、ある時、わかったんだ…"下手な相手に合わせちゃいけない"って。
で、あの時に出した、僕の結論…それは、"バンド(生音)で育った人の歌い方と、カラオケで育った人の歌い方には、決定的な違いがある!"ってこと。
あっ!"生音"って、別に、ピアノでもいいんだけどさ…とにかく、育ってきた環境ね。
ところで、僕、音づくりは、"パズルのようなもの"だと思ってる。
例えば、2000ピースで完成のパズルがあったとして、カラオケに慣れ親しんでいる人の作業って、(実は)もうすでに、1950ピース分が出来上がっていて、あとは、自分が持っている50ピースを埋めるだけ…そういう作業のような気がする。
対して、バンド(生音)で慣れ親しんだ人って、(たとえ)同じ50ピースでも、その過程が全然違う。
例えば、リードギターが500ピース,サイドギターが450ピース,ベースが500ピース,ドラムが500ピース…それぞれに持ってて、で、自分(ボーカル)は50ピース持ってるという状況がある。
でも、バンドの場合は、それを、0から同時に始めるんだよね。
一見、面倒くさい作業…正直、それぞれが、ある程度できるまで待たなきゃならない。
で、その間、サボってもいいし…もう、何やってもいい。
でも、そこに、すごく大事なものがあるような気がする。
そして、その間には、こんな事だってあるんだ…
"お前、ホンマにチューニングしたんか?"
"うっせーな!お前こそ、合ってねーじゃねぇかよ"
"エフェクターばっかり、いじってんじゃねーよ!"
"なんっ!エラそうに…ってゆーか、ベードラ(バスドラム)響きすぎなんだよ!(毛布でも詰めて)ちゃんとミュートせぇよ!ット、やりにくいわ!"…。
こんなんで、内部分裂,殴り合い,ケンカ別れ,他のバンドに移籍(?)…実際に、こんなのを何回も見てきた。
でも、カラオケしかやっていない子は、こういう(のを乗り越えていく)経験を、当然、していないので、実は、音づくりへの関わりの感覚が、ものすごく薄かったりする。
これって、結構デカイんだよね。
だって、地ならし,田植え,水調査,排水,水質管理,虫駆除…そういう底辺作業を全部すっ飛ばすわけだからね。
そして、ソロのボーカルとして、絶対に必要とされる能力…バンド全体のピッチをはかった上で、その設定ピッチの少し上、つまり、ヘルツではなく、(もう一段階こまかい)セントの単位で、メロディーを、少しだけ高めに設定して歌うという感覚の獲得が出来ない。
メロディーラインっていうのは、全体ピッチの2,3セント高いところで響かせると、バンド全体の音に乗っかって(ケンカしないで)、より遠くに飛んでいくものなのに…。
で、カラオケってのは、程度の差こそあれ、基本、うす~くメロディーラインが入っている。いや、入っていない場合でも、和音の調整具合,倍音の工夫,副旋律の作り方で、(お客さんが)より歌いやすいように、わざと、その音を空けて、もう、"完全いらっしゃい!"の状態で、(お客さんの)声を迎える態勢が出来ちゃってる場合が、ほとんどなんだよね。
その結果、カラオケの中に溶け込ませる能力は身に付くんだけど、(一方で)バックの音の状態を察知して、自分の声をより遠くまで響かせる能力は、どうしても失われがちになる。
ましてや、AKBのように、全員のユニゾン合唱の場合、"合わせる"という能力を、まず求められるがゆえ、どうしても…どうしても、自分がイメージするメロディーラインのピッチを、(一瞬)低く設定するクセがつく。
だから、"ここ1発!"のピッチが、下がったように聴こえるのは、そのせいだと思うんだ。
僕は、それが、カラオケの正体、そして、弊害だと思っている。
だから、カラオケで育った子(増田有華,高橋みなみ)の歌の上手さと、生バンド(生音)で育った子(吉岡聖恵,千秋,吉田美和)の歌の上手さは、"質が違う!"って思ってるんだ。
いい悪いじゃないよ…どっちも上手いんだから。
あ、それにね、これ、悪い意味でなんだけど、安室奈美恵の影響ってあると思う。
簡単に言うと、あの音程の低さと、それをカバーするための"しゃくり上げる"歌唱法ね。
あれ…デカイと思う。
でもね、若いうちだったらなんとかなる。
だから、生バンド(生音バック)の経験を、今のうちに、沢山させたってほしいなぁ~。
若い感覚って、1度、そういうのをつかむと、次に、それを再現する能力って凄いからさ…できれば、10代のうちに…。
ところで、去年の秋だったかな?
AKBのバックで、習志野高校吹奏楽部?(忘れた)とにかく、まぁ、そういうコラボ企画があって、その本番終了直後の大島優子の一言…
"うしろで、吹奏楽部の皆さんが、ズンチャ!ズンチャ!って、やってくれているの…すごく歌いやすかった、踊りやすかった…"
あれだよ!
カラオケって、スピーカーの大小に関わらず、外から来る"音の圧"。
そして、それは、均等に来て、後、結構、拡散する。
でも、生音っていうのは、内から来る"音の圧"。
人の体…横隔膜の下から、"ズン!ズン!"と胸の方に突き上げられる、内からの鼓動、生命力の感触。
たぶん、大島優子は、自身の体内に、それを感じたんだろうね…だからの、あの発言。
でも、1回じゃダメだ。とにかく、こういう(生音)経験を数多くさせてやってよ~(今年は)!って感じなのです。
あ、そうそう、紅白観たよ…。
水樹奈々→前田敦子→大島優子→板野友美。
僕、水樹奈々の事は、声優って事以外、何も知らない。
でも、これだけはハッキリわかるよ…彼女は、生音で育ってる。
そして、あの4人のメドレーが、現在の答え。
しっかし、わかっていた事とはいえ……いや、ダメ!ダメ! だから生歌、だからこそ…生歌なんだ! いつか、その子のAKBが終わっても、ある程度、戦えるように、いや、勝負できるようにしといたってほしいよ。
それに、僕、こういうのは、歌だけじゃない!って思ってるんだ…実は。
いわば、(音楽活動をする上で)非常にラッキーな世代だったりします。
"全然、違うんだぁ~…"
そもそも、"バンド世代"と"カラオケ世代"の違いなんてことを考えるキッカケとなったのは、昔、フジテレビの深夜にやっていた公開オーディション番組「ゴールドラッシュ」。
その初代グランドチャンピオンが藤本千秋(現:千秋)だったんだけど、僕、この時の衝撃があまりに凄くて、今でも忘れられないでいるんだ。
つまり、決勝に勝ち進んだのが10人ぐらいいたのかなぁ?
で、審査員の中の1人が、途中で、ポツリと、こんな事を言ったんだよね…
"これ、決勝をやる必要あるんですか?"
結局、決勝戦は行われたんだけど、もう、圧倒的な力の差だった。そして、決勝進出者の中で、唯一、バンド少女だったのが…千秋。
他の人は、たしか…全員、カラオケ経験のみだったんだ。
でも、僕はね、この時、歌の上手さよりも、質的な違いを感じたんだよね。
あと、もう1つ…僕が、学生時代に吹奏楽部で出会った歌謡曲の数々(400曲ぐらいかな?)。
ぶっちゃけ、石川さゆりの「天城越え」を演奏している時は、"これは、ちゃんとやらなきゃマズいぞ!石川さゆりに悪いぞ!"って思うんだけど、例えば、新田恵利の「冬のオペラグラス」を演奏する時なんかは、楽譜を配られて30秒後にいきなり、全員で合奏しても、どうしても、本人より上手く出来てしまう。
一時期、"どうしたら、もっと下手に演奏できるのか? 新田恵利の雰囲気に近づけるのか?"って、真剣に悩んだぐらい…。
でも、ある時、わかったんだ…"下手な相手に合わせちゃいけない"って。
で、あの時に出した、僕の結論…それは、"バンド(生音)で育った人の歌い方と、カラオケで育った人の歌い方には、決定的な違いがある!"ってこと。
あっ!"生音"って、別に、ピアノでもいいんだけどさ…とにかく、育ってきた環境ね。
ところで、僕、音づくりは、"パズルのようなもの"だと思ってる。
例えば、2000ピースで完成のパズルがあったとして、カラオケに慣れ親しんでいる人の作業って、(実は)もうすでに、1950ピース分が出来上がっていて、あとは、自分が持っている50ピースを埋めるだけ…そういう作業のような気がする。
対して、バンド(生音)で慣れ親しんだ人って、(たとえ)同じ50ピースでも、その過程が全然違う。
例えば、リードギターが500ピース,サイドギターが450ピース,ベースが500ピース,ドラムが500ピース…それぞれに持ってて、で、自分(ボーカル)は50ピース持ってるという状況がある。
でも、バンドの場合は、それを、0から同時に始めるんだよね。
一見、面倒くさい作業…正直、それぞれが、ある程度できるまで待たなきゃならない。
で、その間、サボってもいいし…もう、何やってもいい。
でも、そこに、すごく大事なものがあるような気がする。
そして、その間には、こんな事だってあるんだ…
"お前、ホンマにチューニングしたんか?"
"うっせーな!お前こそ、合ってねーじゃねぇかよ"
"エフェクターばっかり、いじってんじゃねーよ!"
"なんっ!エラそうに…ってゆーか、ベードラ(バスドラム)響きすぎなんだよ!(毛布でも詰めて)ちゃんとミュートせぇよ!ット、やりにくいわ!"…。
こんなんで、内部分裂,殴り合い,ケンカ別れ,他のバンドに移籍(?)…実際に、こんなのを何回も見てきた。
でも、カラオケしかやっていない子は、こういう(のを乗り越えていく)経験を、当然、していないので、実は、音づくりへの関わりの感覚が、ものすごく薄かったりする。
これって、結構デカイんだよね。
だって、地ならし,田植え,水調査,排水,水質管理,虫駆除…そういう底辺作業を全部すっ飛ばすわけだからね。
そして、ソロのボーカルとして、絶対に必要とされる能力…バンド全体のピッチをはかった上で、その設定ピッチの少し上、つまり、ヘルツではなく、(もう一段階こまかい)セントの単位で、メロディーを、少しだけ高めに設定して歌うという感覚の獲得が出来ない。
メロディーラインっていうのは、全体ピッチの2,3セント高いところで響かせると、バンド全体の音に乗っかって(ケンカしないで)、より遠くに飛んでいくものなのに…。
で、カラオケってのは、程度の差こそあれ、基本、うす~くメロディーラインが入っている。いや、入っていない場合でも、和音の調整具合,倍音の工夫,副旋律の作り方で、(お客さんが)より歌いやすいように、わざと、その音を空けて、もう、"完全いらっしゃい!"の状態で、(お客さんの)声を迎える態勢が出来ちゃってる場合が、ほとんどなんだよね。
その結果、カラオケの中に溶け込ませる能力は身に付くんだけど、(一方で)バックの音の状態を察知して、自分の声をより遠くまで響かせる能力は、どうしても失われがちになる。
ましてや、AKBのように、全員のユニゾン合唱の場合、"合わせる"という能力を、まず求められるがゆえ、どうしても…どうしても、自分がイメージするメロディーラインのピッチを、(一瞬)低く設定するクセがつく。
だから、"ここ1発!"のピッチが、下がったように聴こえるのは、そのせいだと思うんだ。
僕は、それが、カラオケの正体、そして、弊害だと思っている。
だから、カラオケで育った子(増田有華,高橋みなみ)の歌の上手さと、生バンド(生音)で育った子(吉岡聖恵,千秋,吉田美和)の歌の上手さは、"質が違う!"って思ってるんだ。
いい悪いじゃないよ…どっちも上手いんだから。
あ、それにね、これ、悪い意味でなんだけど、安室奈美恵の影響ってあると思う。
簡単に言うと、あの音程の低さと、それをカバーするための"しゃくり上げる"歌唱法ね。
あれ…デカイと思う。
でもね、若いうちだったらなんとかなる。
だから、生バンド(生音バック)の経験を、今のうちに、沢山させたってほしいなぁ~。
若い感覚って、1度、そういうのをつかむと、次に、それを再現する能力って凄いからさ…できれば、10代のうちに…。
ところで、去年の秋だったかな?
AKBのバックで、習志野高校吹奏楽部?(忘れた)とにかく、まぁ、そういうコラボ企画があって、その本番終了直後の大島優子の一言…
"うしろで、吹奏楽部の皆さんが、ズンチャ!ズンチャ!って、やってくれているの…すごく歌いやすかった、踊りやすかった…"
あれだよ!
カラオケって、スピーカーの大小に関わらず、外から来る"音の圧"。
そして、それは、均等に来て、後、結構、拡散する。
でも、生音っていうのは、内から来る"音の圧"。
人の体…横隔膜の下から、"ズン!ズン!"と胸の方に突き上げられる、内からの鼓動、生命力の感触。
たぶん、大島優子は、自身の体内に、それを感じたんだろうね…だからの、あの発言。
でも、1回じゃダメだ。とにかく、こういう(生音)経験を数多くさせてやってよ~(今年は)!って感じなのです。
あ、そうそう、紅白観たよ…。
水樹奈々→前田敦子→大島優子→板野友美。
僕、水樹奈々の事は、声優って事以外、何も知らない。
でも、これだけはハッキリわかるよ…彼女は、生音で育ってる。
そして、あの4人のメドレーが、現在の答え。
しっかし、わかっていた事とはいえ……いや、ダメ!ダメ! だから生歌、だからこそ…生歌なんだ! いつか、その子のAKBが終わっても、ある程度、戦えるように、いや、勝負できるようにしといたってほしいよ。
それに、僕、こういうのは、歌だけじゃない!って思ってるんだ…実は。
彼女はもともと演歌歌手志望で、AKBメンバーが生まれる前から
歌謡教室を開いていた両親にみっちり歌唱指導を受けてますので。
声優になったことで演歌以外のジャンルも手広く歌う必要が出て、その結果今に至るという感じ。
「メロディーラインっていうのは、全体ピッチの2,3セント高いところで響かせる」というのが、意図的にできるのかどうかよくわかりませんが、プロの歌手なら重要なことのように思われます。
NHKのど自慢のゲスト歌手が、いつもとは違う小編成の伴奏でも、違和感なく歌っているのはすごいことなんだと気づかされました。
私はバンドを組むことに向いてはいませんでしたし、楽器すら弾けません。カラオケに最大限の思いを込めて歌います。それこそ、土台があるとはいえ、100を作る気持ちで。バンドを知らない私には、今回のお話は、カルチャーショックとでもいうものですね。
AKBのメンバーにも、バンド経験者もいるようです。それぞれ切磋琢磨するなかで、カラオケ、バンドそれぞれの良さも学んでいるのではないでしょうか。
カラオケでしか歌ったことがなくとも、それでも、恥じらわず堂々と歌えばそれが歌を歌うってことではないでしょうか。
長々とすみません。
だけど、僕、(結果的に)それを実現する方法…"魔法の言葉"を知っている。
"なぁ、音楽って、川の流れみたいなもんやと思うねん。源流近くのチロチロッってした水深2cmの川…,○○川みたいな、ゆったりとした川…,小さい頃、よく遊んだ川…,台風の時の激流…。そこに、一艘(いっそう)の舟を浮かべたいねん!・・・お前に浮かべてほしいねん!…いけそうか?"
驚くほど変わるから。特に、引っ込み思案の子…、シャイな子…、"みんなと一緒がいい~!"って、川の中に潜ろう潜ろうとしている(していた?)子は、もう、大変身する。そして、そういう子には、変わった姿(自分の音が、全体に乗っている状態)を客観的に聴かせるようにしている。
でも、スピーカーからの音だけだと、リアルな"川"をイメージさせられないんだよなぁ~。
一般参加が生バンドです。
いずれにしても、普段カラオケで練習している一般参加者にとっては、難易度の高い状況の訳ですね。
ピーナッツさんの「川の流れ」の喩えは、難しくてよくわかりません。
「生演奏を絵画とすれば、カラオケは塗り絵」という喩えは、近いでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=Pj4cloza5A8&sns=em