AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

NHK「みんなのうた」が60周年。(ときめき研究家)

2021-02-27 17:50:22 | ときめき研究家
NHK「みんなのうた」で懐かしい歌を放送していた。番組が60周年ということで様々な企画をやっているようだ。NHKのサイトで見てみると、古い楽曲は映像や音源が残っていないので「発掘プロジェクト」として、視聴者が保存していないか呼びかけていた。
それでふと思い出した。中高生時代の一時期(1976年~1978年頃)、「みんなのうた」が好きで、ラジカセをテレビに繋いで録音していた。古いカセットテープの山をひっくり返すと、3本のテープが残っていた。ケースのインデックスカードには曲名と歌手名が几帳面な字で書いてある。「そんなものが残っているから家の中に物があふれるのだ」と妻には呆れられたが、確かに、存在すること自体忘れていた。これを聴くのは30年以上ぶりかもしれない。

現在なら媒体に残さなくても、ハードディスクにダウンロードすればいい。それどころかストリーミングでいつでも聴ける。便利な時代になったものだ。放送局にすら音源が残っていないなんて、今の若者には信じられないだろう。
それでも中高生時代の私の労力が無駄だったかと言えば、そうは思わない。当時は録音すること自体が楽しかったし、40年以上経った今日聴くことができたのも当時の私のおかげだ。

2時間かけて聴いた中で印象に残った曲を挙げる。

『僕のプルー』(岩崎宏美)は、今はもう会えない愛犬「プルー」との日々を思い出している少年の歌だ。プルーとどうして別れたのか詳しくは歌われていないが、聴いていてとても悲しくなるのは当時と同じだった。岩崎宏美のまっすぐで陰りのない歌唱がかえって悲しさを際立たせる。

『巣立つ日まで』(田中由美子)は、イントロなしでいきなり叫ぶような歌唱で始まる印象的な歌だ。卒業を前にセンチメンタルになっている思春期の思いをストレートにぶつけた歌唱に、心を揺さぶられる。当時、NHKドラマの主題歌だったような気がする。

『雪のわすれもの』(大竹しのぶ)は、ゆったりしたテンポ、エコーが強くかかった歌声の幻想的な歌だ。若き日の大竹しのぶは可憐で、後にこんな大女優になるとは想像できなかった。

『瞳をとじて』(善村ゆう子)は、ユーミンの有名曲。離島の学校の校歌として作られたエピソードは有名だが、私は「みんなのうた」で初めて聴いた。善村ゆう子の歌唱は、ユーミンとは違った透明な歌声。

『冬の日の子守歌』(堀江美都子)が、アンニュイでノスタルジックな欧州風のワルツ。堀江美都子は元祖アニソン女王として当時から活躍していて、「みんなのうた」にも度々起用されていた。

『あじさい』(太田裕美)は、太田裕美の独特のハスキー&ウイスパーボイスを堪能できる楽曲。ルノワールの少女が出て来るが、歌の雰囲気もまさに印象派。

「みんなのうた」には、いかにも子供向けの歌と、大人向けの歌が混在している。
有名曲は前者の方が多く、3本のカセットにも『山口さんちのツトム君』『赤鬼と青鬼のタンゴ』『北風小僧の貫太郎』などが入っていた。しかし、私は当時から、そして今も、大人向けの歌が好きだ。

子供向けの歌で『はじめての僕デス』(宮本浩次)という曲があって驚いた。小学生時代のエレファントカシマシが何と「みんなのうた」でデビューしていたのだ。彼は最近、岩崎宏美の『ロマンス』のカバーをよく歌っているが、小学生の彼は岩崎宏美の『僕のプルー』にも涙したのだろうか。

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乃木坂46『僕は僕を好きになる』とカップリング曲を聴く1。(ときめき研究家)

2021-02-21 14:52:22 | ときめき研究家
『僕は僕を好きになる』。
いかにも乃木坂っぽいシングル曲だ。生き辛い青春と、生き辛くしているのは自分自身だったのだという気付きを、非常に理屈っぽく歌っている。『インフルエンサー』や『シンクロニシティー』などと同系統だ。
一番嫌いな人とその理由を紙に書いてみる、辛いことがあったらノートに書いてみる、というのは言ってみれば「悩みの見える化」だろう。頭の中でぐずぐず考えているだけだと、負のスパイラル、堂々巡りに陥ってしまいがちだ。紙に書き出すと、深刻に悩んでいる自分を客観視できる。最初のきっかけは、些細な悩みであって、案外簡単に解決可能だったりする。この曲の眼目はこのセルフコントロール法なのだろう。
終始ユニゾンの歌唱は面白みが無いが、ダンスや頻繁なフォーメーションチェンジを見せることが主眼なのだろう。

『明日がある理由』。
この曲は更に理屈っぽく人生を語っている曲だ。この曲がシングル表題曲であっても良かったと思う。
紙くずをゴミ箱に投げて1回で入る時と全然入らない時があるが、投げ続けていればいつかは入る、投げ続けることが大事なんだ。そのために明日があるんだ。そう要約してしまうと何だかチープな歌だが、そのチープで理屈っぽい歌詞をちょっと気取って歌い、そして予定調和的な救いがあるのが乃木坂流だ。もっと眉間にしわを寄せて歌い、安易な救いを許さないのが欅坂流。

『友情ピアス』。
坂道グループやAKBグループにはデュエット曲の名曲が多いが、また1つ、名曲が生まれた。大園桃子、遠藤さくらというメンバーが歌っているようだが、実際にも仲がいいのだろうか。
恋人のように仲が良く、いつもそばにいる女同士の友情を歌った曲で、ほのぼのとする。
ピアノとアコースティックギター中心のフォークソング調のサウンドに乗せて、少し舌足らず気味に歌う2人の歌唱に惹かれる。2人の声を明確には聴き分けられないが、最初にソロを歌う方がより甘ったるい。ハモリも控えめに入っていて、聴きごたえがある。
大サビに初めて出て来るピアスのエピソードが泣かせる。2人とも気に入って買った1組のピアスを片方ずつしているという設定。実際にそういうことをしている子がいるかどうかは分からないが、歌詞としてのリアリティーがある。
湊かなえの小説『ムーンストーン』にも似たような設定があって、その小説も女の友情を描いた感動的な作品だったことを思い出した。

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NMB48『恋なんかNo thank you』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2021-02-07 13:01:28 | ときめき研究家
昨年発売されていたCDだが、最近になって配信で購入、鑑賞した。
少し前に聴いていた櫻坂46『Nobody’s fault』やカップリング曲と比べると、とても分かりやすい曲ばかりだ。それはどちらが良い悪いということではなく、どちらにもそれぞれの良さがある。

『恋なんかNo thank you』。
サビ先の、いかにもシングル曲らしい楽曲だ。
別離に当たって、「優しくしないで冷たくして、もう逢いたくないと思うくらいちゃんと傷つけて」と相手の男に要求している。それは強がりで、本当は未練もあるのだろうが、健気な気持ちがいじらしい。
恋人にならずに友達のままでいた方がよかったかな、という歌詞は、『ビーチサンダル』や『友達のままで』を連想する。でも、この2人はなるべくして恋人になったのだろう。
もしあなたに会わなければ、今頃結婚してラブラドールを飼っていた、という歌詞は『ラブラドールレドリバー』を念頭に置いた歌詞と思われ、ニヤニヤする。

『アイラブ豚まん』。
肉まんのことを関西では豚まんと呼ぶようだ。歌詞中に出て来る「551蓬莱」は最近では関東でも有名になっていて、関西土産としていただくこともある。関東で言うなら崎陽軒のシュウマイのような位置づけかと推察する。ここまで店名、商品名を連呼するということは、今頃関西ローカルではCMソングとして流れているのではなかろうか。
喧嘩をしても一緒に何か食べると仲直りできるという、このカップルは幸福だ。もしかしたら彼女の方は、『オーマイガー』で、ジャージ姿のままコロッケを頬張っていた女の子なのかもしれない。

『青春念仏』。
青春の煩悩、焦燥、無力感、そういったじたばたの日々を歌っている。同じようなテーマでも坂道グループだともう少し気取った感じの曲調になるのだろうが、NMBだとベタでどこかユーモラスだ。この歌は気に入った。
あれこれ思い悩んでいる呟きを「念仏」と喩える自虐性は大阪人のメンタリティか。「部活もねえ、バイトもねえ、あれもねえ これもねえ」と無い無い尽くしを歌う部分は、吉幾三『おら東京さ行くだ』を想起させる。あるいは、関西の仏教系高校の青春を描いたみうらじゅんの自伝的小説『色即ぜねれーしょん』を思い出す。映画化されて堀ちえみが出演している。

『ダンシングハイ』。
NMB48らしいコテコテのダンスミュージック。往年の『HA!』などを思い出す。
こういう歌は歌詞など気にしても仕方がない。「ダンシングハイ、ハイ、ハイになって踊り明かそう」というサビは、「灰になって」と聞こえて仕方がない。「燃え尽きて」という歌詞もあるから、「灰」の意味も掛けているのだろう。

『一番好きな花』。
吉田朱里の卒業ソングだと、一聴してすぐ分かる。
また『強い花』『思い出せない花』に続く花3部作と言える。
いつも書いているが、卒業ソングは、本人とファンが気持ちよく歌え、聴ける曲ならそれでいいのだと思う。吉田朱里のことは、NMB48一期生で中心メンバーとして活躍して来たということくらいしか分からないが、卒業ソングを与えられ、じっくり歌い上げているので、幸福な卒業なのだろう。
自分の一番好きな花を一人で探しに行こうと歌っている。彼女の一番好きな花が見つかり、大きく咲くことを祈っている。

『我が友よ、全力で走っているか』。
気持ちよい青春回顧ソングだ。学生時代、始業チャイムに急かされ全力で走ったという回想は、『シンクロときめき』や『制服の羽根』を思い出させる。息が弾み、汗が落ちるというのは、AKBグループの常套句で、『スカートひらり』の前田敦子ソロパートから、一体何曲で踏襲されて来たのか数えきれない。
この曲は、あの頃と同じように、我が友よ全力で走っているか?と問いかけている。ここで走るというのは比喩であって、全力で生きているか、夢を追いかけているかという意味だ。
「僕らの10年」と歌っているからには、卒業してから10年なのだろう。創設して10年経つNMB48自身のことも重ねているような歌詞とも言える。そう言えば10年前にも『青春のラップタイム』という、息を切らし、汗びっしょりになって全力で走る歌があった。

『告白の空砲』。
『投げキッスで撃ち落とせ』『バズーカ砲発射』『ロマンス拳銃』『砂浜でピストル』『DA DA マシンガン』『ライフルガール』『キスの手裏剣』と連綿と続いてきた銃器シリーズの最新作。今度は「空砲」と来た。次々によく考えるものだ。格好つけて言っているが、要するに告白しようとしてもできないことを「空砲」と歌っているのだ。ヘタレな思いと大袈裟な曲調が妙に似合っていて、印象に残る。
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