AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

櫻坂46『BAN』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2021-05-16 16:30:25 | ときめき研究家
『君と僕と洗濯物』。
この曲については既に感想を書いた。その中で、彼はどうして彼女が来ると分かっている時にわざわざ洗濯など始めてしまったのかという疑問を書いた。その後考えて、1つの説に辿り着いた。
彼は洗濯などしておらず、洗濯物は押し入れかどこかに隠していた。それを彼女に見つけられ、彼女が洗濯から干して畳むまで全部やってくれた、という解釈が一番しっくり来る。一人暮らしでは洗濯は1週間分くらい溜めるものだ。その溜まった洗濯物を、下着も含めて嬉々として洗ってくれる彼女は、全く都合のいい理想の彼女だ。秋元康の一種のファンタジーなのであろう。

『BAN』。
いかにもシングルらしい曲。「BAN」とは、禁止する、排除するといった意味らしい。
若さにかまけてだらだらと無為な日々を送っていたら、突然BANされて途方に暮れているという内容だ。
確かに若い時は時間が無限にあり、多少回り道や道草してもいくらでも取り返しがつくという根拠のない過信があった。ところがある日気がつくと、もう人生は始まっていて、自分だけ周回遅れになっていて焦る。いつの間にかモラトリアムは終わっていたのだ。私の場合、リクルートブックという分厚い冊子が送られて来た時にそれを感じた。
「時間はあんなにあったじゃないか」と言われればその通りだ。週に3回徹夜マージャンをしたり、それ以外の4日間は夕方まで寝ていたり、夏休みは毎日喫茶店に入り浸っていたりして、莫大な時間を無駄にした。
この曲はそんな後悔を思い出させてくれる。
今になって思えば、そうやって後悔している時間も無駄だった。無駄だったが、そのおかげでこの楽曲を味わうことができたのは、ちょっとだけ無駄ではなかった。

『偶然の答え』。
渋谷の街で偶然「君」に出会って、運命を感じてしまう歌だ。『BINGO』『隕石の確率』『74億分の1の君へ』『必然的恋人』『一瞬のスリル』などで繰り返し歌われて来た、秋元康の好きなテーマだ。
しかし、都会の若者が、若者の街渋谷で知人に会うことはままあることだろう。全然不思議でもない。前から気になっていた「君」だったからこそ運命を感じただけで、都合のいい思い込みだ。まあでも、恋というものはそもそも思い込みから始まるのだろうから、それでいいのだ。
淡々とした歌い出しから始まる曲調もいい。

『それが愛なのね』。
「あなた」は最低の男だが、それでも惹かれてしまう、放っておけない、それが愛なのねという歌。そうやって悪い男に騙されていくのだ。
「後ろ髪引く」は『ひこうき雲』『へそが曲がる』『大人列車』など多くの曲で使われたフレーズ。
「私の胸で眠りなさい」は『聖母たちのララバイ』から続く母性の表出。
曲調は重々しくてあまり好きではない。

『Microscope』。
恋をした未知の気持ちを顕微鏡で研究したいという内容。
実は過去の作品にも同趣旨のものがある。
新田恵利『冬のオペラグラス』は色んな意味でアイドル史に残る不朽の名作だが、歌唱のインパクトに隠れて歌詞をじっくり聴くことは少ない。よく聴くと、「恋をした私の心をオペラグラスで覗いてみたい」というような内容で、正に『Microscope』と同テーマだ。
守谷香『お嫁さんになってあげないゾ』は、望遠鏡で天体観測ばかりしている彼に、「角度を変えて私の胸の中を覗いてみて」とリクエストしている。
「Microscope」という掛け声が印象的で、行進曲風の一風変わった曲だが、妙に耳に残る。

『思ったよりも寂しくない』。
好きだった人と別れた後の心情を歌った歌詞だと思われる。淡々と思い出を振り返り、それでも変わらずに生きて行く決意を歌っている。
口笛から始まるミディアムテンポの曲調は、あっさりしていて印象は薄い。途中でラップも入り、散漫な感じもする。でも何回も聴いているうちに耳に馴染んで来るような曲だ。

『櫻坂の詩』
ワルツだ。アイドルではなかなか成功しないワルツだ。でもこの曲には優雅さだけでなく、力強さがある。
タイトルから、改名した櫻坂46のテーマソングになりうるような楽曲なのだと思う。
歌詞は難解だ。桜の木を象徴的に歌っているのはAKBグループからの伝統だが、いろんな解釈ができるような歌詞だ。今は会えなくなった仲間やファンのことを思ったり、久しぶりにライブで会える日々を夢見ていたり、そんなグループの心情も込められているようにも思える。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

櫻坂46『BAN』カップリング曲『君と僕と洗濯物』に出会えて良かった。(ときめき研究家)

2021-05-01 15:45:29 | ときめき研究家
櫻坂46の第2弾シングル『BAN』が発売されたが、私はカップリング曲『君と僕と洗濯物』にノックアウトされた。ごく稀にだけどこんな曲に出会えるから、カップリング曲も含めて新曲のチェックは欠かせない。

『君と僕と洗濯物』。
一聴して名曲『青空が違う』の姉妹曲だと気付く。「一人暮らしの彼の部屋を来襲」シリーズと言うべきか。
『青空が違う』は山里良太が妄想小説集『あのコの夢を見たんです』でもモチーフにしている楽曲だ。その曲では彼女は「ひまわりの種」を持って来たが、『君と僕と洗濯物』の彼女はチューリップの、多分球根ではなくて花が咲いている鉢植えを持参している。

私も学生時代一人暮らしをしていたので、こういう楽曲のシチュエーションには憧れる。残念ながら当時異性が部屋に来たことは一度もなかったが、だからこそこういう楽曲にはときめいてしまう。
また、多数メンバーのソロパートが代わる代わる続く構成もいい。ユニゾンではなくて、それぞれの子の声を味わいながら、妄想の世界に浸ることができる。歌詞が聞き取りやすいのもいい。
曲調やアレンジも、大らかで、イントロからワクワクして来る。

それにしても、妄想をくすぐる歌詞だ。
突然遊びに行くとLINEして来て、洗濯物を干してくれるとは、何て甲斐甲斐しい彼女だろう。洗濯物には当然下着も含まれるだろうから、そりゃあ「恥ずかしい」だろう。平気な顔で彼の下着を干す彼女は、よほど警戒心が無いか、それとも色んなことを期待あるいは覚悟して来ているのだろう。彼もそれは分かっていて、わざと紳士ぶっているのが青春ファンタジーとして微笑ましい。

ドアを少し開けている「小心者」というワードは久しぶりに見た。『誕生日の夜』『ガラスのI
LOVE YOU』といったAKB48の初期の曲で印象的に使われていたが、10年以上ぶりだろうか。

1番で彼女が干してくれた洗濯物を、2番では彼女が畳んでくれている。洗濯物が乾くまで、2人はこの部屋で過ごしたのだと分かる。部屋が綺麗になったと歌っているから掃除もしてくれたのだろうが、まだ春の日差しでは1、2時間で乾くはずがなく、かなり長時間をどう過ごしたのだろうか気になる。お茶の1杯でも彼が淹れて飲んだのだと思いたい。彼女に一方的に甲斐甲斐しく世話を焼いてもらう至福というのは昭和のファンタジーであって、現代社会ではそんな男はすぐに愛想尽かされる。
「僕たちは次に何しようか?」と歌っているが、そんなことを思っている間に、彼がカレーでも作って振る舞えばいいと思う。その後はキスでも何でもすればいい。『青空が違う』のカップルだってキスはしていた。

ラストの「みんなに自慢したいよ」というのはいただけない。彼女はそんなことされたら激怒するに違いない。彼は本当に鈍感な男のようだ。それとも照れ隠しか。

歌詞の中で時系列がおかしく思える点がある。彼女が「遊びに行く」とLINEして来たのはいつなのか。
歌い出しは「真っ青に晴れた日曜日の午後 遊びに行くからなんてLINE来たけど」だから、素直に聴けば午後になってからLINEが来たように思える。
しかし後で「だから朝からずっと落ち着かなくて」というフレーズがあるので、LINEが来たのは朝か前日だったと理解するしかない。歌い出しのフレーズは、「日曜日の午後」というのは現在の状況説明、「LINEが来た」というのは過去形と解釈するしかない。
でも、そうすると、彼女が来ると分かっている午後に、なぜ彼は呑気に洗濯なんかしていたのだろう。朝のうちから洗濯は済ませて干してしまっておけばいいではないか。いやむしろ下着を見られたくなければ押し入れに隠しておいてもいい。わざわざ彼女が来るタイミングで洗濯中というのは間が悪すぎる。あるいは狙ってそうしたのか?寝坊して午後にゆっくり洗濯をしていたら、突然彼女からLINEが来てしまったというのが自然な解釈なのだが、「朝から落ち着かなくて」というフレーズがあるがゆえに採用できない。
思い切り善意に解釈すれば、「落ち着かない」から深く考えることなく思わず洗濯を始めてしまい、その最中に彼女が来てしまったという不可抗力なのだろう。

因みに私の学生時代は部屋に洗濯機など無く、もっぱらコインランドリーで1週間分くらいまとめて洗濯・乾燥まで済ませていた。『君と僕と洗濯物』の彼は、乾燥機こそないものの、洗濯機は持っていて、洗濯物も干せるベランダ付きのワンルームマンションに住んでいるのだろう。時代は変わった。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする