AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

日向坂46『ってか』カップリング曲『酸っぱい自己嫌悪』を聴く。(ときめき研究家)

2021-11-24 22:32:29 | ときめき研究家
『酸っぱい自己嫌悪』に惹きつけられた。
アコースティックギターが主導するノスタルジックなイントロに続き、頼りなさげなソロ歌唱に心を鷲づかみにされる。4人のユニット曲のようで、ソロパートが多いのがいい。

歌詞の内容は以下の通り。東京の大学を受験すると言った彼女に、会えなくなる寂しさから不機嫌になって背を向けてしまった自分への自己嫌悪を歌っている。応援する、待っている、と快く送り出すべきだったと悔やんでも取り戻せない過去を後悔しているのだ。
そういう自己嫌悪は誰にでもきっとあるだろうと歌っているが、ハイ、確かに私にも2つや3つはある。そういう過去を思い出させてくれる佳曲だ。

ところで、この彼は一体何歳なのだろうかと考えた。彼女の大学受験の時の出来事を「酸っぱい」「ほろ苦い」と振り返っているのだから、何となくもう30歳近いのだろうと思いながら聴いていた。ある程度時間が経ったからこそ、そのように振り返ることができる。直後だと「激辛」「激苦」であるはずだ。
しかし、2番の歌詞で、「僕もやっと夢をみつけた」と歌っているので、実はもっと若いのかもしれない。高校を出てから夢を見つけるのに時間がかかったとしても20歳くらいか。だとしたら「酸っぱい」なんて言っていないで、今からでも関係修復できるのではないか?「新しい彼氏は理解ある人がいい」などと諦めモードでどうする?じゃあやっぱり30歳くらいなのか?よく分からなくなった。
まあでも、彼にとって彼女は、未熟だった自分が逃してしまった未来、希望、夢そのものなのだろう。もう元の関係には戻れない。『大人列車』(HKT48)で旅立ってしまった彼女、『フェリー』(NMB48)で時々帰省して来る都会暮らしの彼女と同じなのだ。

歌詞の中に出て来る小道具にもしびれる。
「何度も自転車を押して歩いた」というフレーズだけで、「僕と君」の関係が鮮明に浮かび上がってくる。「自転車を押して歩いた距離が青春」と『あの頃の君をみつけた』(SKE48)で聴いたばかりだ。
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NHK朝ドラ『おかえり、モネ』と『カムカムエヴリバディ』を見る。(ときめき研究家)

2021-11-12 21:20:04 | ときめき研究家
『おかえり、モネ』は異色の朝ドラだったと思う。
登場人物の誰もが内面に葛藤を抱えていて、それを上手く表現できずに苦しんでいる。そんなドラマだった。言葉が少なく、声も小さいので、集中して画面を見て、セリフや演技の行間を読まないと内容がよく理解できない。見る人に緊張を強いるドラマだった。
そのため、「朝の忙しい時間には合わない」「朝から暗い話は勘弁」といった批判もあったようだが、それはドラマそのものの評価とは違うと思う。また、私もそうだが録画して夜見たり、オンデマンドで好きな時に見たりする人も多くなっており、放送時間帯でドラマのテイストに制約を付ける必要もないと考える。
私はとても丁寧に作られた良いドラマだったと思う。
しかし一方で、主人公の百音(清原果那)はじめ登場人物の言動に対して、もどかしく思う場面が多々あったのは事実だ。もっとストレートに気持ちを伝えたり、行動すればいいのにと感じた。でもそれは、私の「共感力」が低いせいでもあり、またそのもどかしさがドラマの醍醐味という面もあるだろう。そして何より、東日本大震災という災害を体験した当事者しか分からない心情があるのだろうし、その心情に寄り添って作られ、そういうこともあるのだろうと想像させられただけでも、優れたドラマだったのだと思う。

一方11月に始まった『カムカムエヴリバディ』は、登場人物の気持ちや演技は分かりやすい。行間を読む必要はそれほどないと思う。
しかし、違う意味で集中して見なければならない、これもまた異色の朝ドラだと思う。
何が異色かと言うと、1話ごとのストーリー展開が早く、それぞれの回が15分の作品として完成度が非常に高いのだ。1編15分の単発ドラマを見たような充実感がある。
例えば第6話。岡山の和菓子屋の娘安子(上白石萌音)と大阪の大学生稔の1年間の手紙のやり取りを通じて、2人の想いが深まって行く様子を描きつつ、戦争の足音が近づいてくる世相も醸し出されていた。今後の展開を予感させるような効果もあった。『木綿のハンカチーフ』が1編の短編小説のような味わいがあるのと同様の演出だった。
更に、第8話は圧巻。家業の事情から断れない見合い話が持ち上がり、話を受けることを決断した安子は、最後に一度だけと大阪まで汽車に乗って稔に会いに行く。映画を観たりうどんを食べたりして半日を過ごし、見合の話は切り出せないまま、帰路の汽車に一人乗った安子は涙が止まらない。そこでタイトルロールが挟まれ、汽車は岡山に着いたのだが、何と同じ汽車に稔が乗っていたのだった。
ストーリー展開が早いのは、100年間の物語を半年で描くので必然ではあるが、駆け足で進んでいる感じは全くない。濃淡を付けながらも1話1話じっくりと進んでいる印象を受ける。
ヒロインが3代に亘るのも異色だ。もっとも、『あまちゃん』も母子孫の3代がヒロインだったと言える作品だったが、『カムカムエヴリバディ』は100年間を時系列で描き、3人のヒロインが別々に出て来るようだ。
そして3代目のヒロインは元AKB48の川栄李奈だ。AKB、坂道グループ出身の朝ドラヒロインは初であろう。大島優子、島崎遥香、松井玲奈、渡辺麻友、そして川栄李奈自身もかつて重要な役で出演していたが、ヒロインは初だと思う。活躍を期待したい。

『あまちゃん』の感想記事はこちら
『なつぞら』の感想記事はこちら
『エール』の感想記事はこちら
『ひよっこ』の感想記事はこちら


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乃木坂46『君に叱られた』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2021-11-07 15:57:36 | ときめき研究家
『君に叱られた』。
なかなかキャッチーなタイトルだ。自分の欠点をちゃんと指摘して叱ってくれて嬉しい、というお惚気ソングなのは予想通りの内容。それでも軽快な曲調にマッチしていて、楽しくなる楽曲だ。
叱られた状況は、電車の中で「僕のどこが間違っているんだ?」と大きな声を出した「僕」に対し、「君」が、「他人の意見を聴こうとせず」「自分の意見を押し付け」「世界を狭くしてどうするの?」と冷静に諭したのだ。残念なのは、「僕」が主張した意見とはどんな内容だったのかが描かれていないので、具体性に欠き、抽象的な歌詞になっていることだ。
想像するしかないが、「僕」の意見は、例えば「史上最高のミュージシャンはビートルズに決まっている」だったとか、「缶ビールを缶からそのまま飲むと金属の味がして不味い」だったとか、「ワクチンは全国民が打つべきだ」だったとか、色々考えられる。もちろん、素晴らしいミュージシャンは沢山いて、誰が最高かは人によって違う。グラスを用意できない場面で缶からビールを飲むこともあり、金属の味がするかどうかは人の味覚によって差がある。ワクチンを打ちたくない人、打てない人も存在し、その人たちの権利も尊重するべきだ。
自分と違う意見もありえることを想定し、常に謙虚でいられる人になりたい。そういうことに気づかせてくれた「君」が近くにいてくれたことは、「僕」にとって幸いなことだろう。おかげで裸の王様にならずに済んだ。

『マシンガンレイン』。
許されない恋愛を「大人たち」に咎められ、感情を荒立てている歌だ。激しい雨に打たれて、2人どうなってもいいと歌っている。激しい曲調の曲だ。
許されない愛とは、教師と生徒の愛だと2番の最初で明かされる。そこで少し驚く。「大人たち」と言っているから、主人公は未成年かと思いきや、教師なのだ。少なくとも教員免許を持っているのなら立派な大人ではないか。
教師と生徒の恋愛は、「奥様は18歳」や「高校教師」などのドラマでも再々描かれて来た。それなのに「今の時代のせいか 歪な正義に糾弾される」というフレーズに違和感がある。今の時代だけでなく、いつの時代も禁断の恋愛とされて来たのではなかったか。ただ「歪な正義」という言葉には現代を感じる。様々な話題に対するネット上での過激な言葉での糾弾を目にすると、自分の正義を唯一絶対の正義と信じて疑わない人が増えているのかもしれない。

『泥だらけ』。
「泥だらけ」とは、乃木坂46に最も似つかわしくない言葉ではないか。それを敢えて歌わせるところに妙味がある。
「泥だらけになればこれ以上汚れない」というのは、確かにその通りだ。聴いていて清々しくなる曲だ。
曲調はストレートなロック。『空耳ロック』『僕たちの地球』などを思い出す。

『他人のそら似』。
ストーリーのある歌詞で惹きつけられる。曲調も軽快で、どんどん引き込まれる。
スーパーのレジの列で、前に並んでいる彼女にどこかで会ったことがあるのだが、誰なのか思い出せない。君は一体誰なんだ?そういう自問自答だけで、2コーラス目まで引っ張って行く作詞術はさすがだ。
曲の終盤、大サビではじめて謎解きが示されるが、それが私には今一つしっくり来なかった。彼女に会ったのは過去じゃなくて未来。つまり運命の人に出会ったのだ、というもの。AKB48『BINGO』や渡辺麻友『未来の恋人』に通じるような世界観だが、謎解きの回答としては肩透かしを食ったような気がした。
楽しい曲には違いないのだが。

『私の色』。
高山一実のソロ曲。卒業ソングということになるのだろう。
高山一実はバラエティーでもよく見かけるし、小説も出版している。卒業しても多彩な活躍が期待できるだろう。
この卒業ソングもしっとりしたバラードで好感が持てる。本人も気持ちよく歌っているように聴こえる。
「世界はいくつもの色が混ざって一つになっている。じゃあ私は何色だろう?」の「じゃあ」がいい。私は〇〇色だと主張するのではなく、客観的に一歩引いて自分自身を見ている。何色なのかと自分でもまだ分からないけど、自分らしく輝いて行きたいという決意表明は、驕らず、卑下せず、謙虚に堂々と前を向いている。

『もしも心が透明なら』。
ハイセンスなユニット曲。シャンソンのような曲調で、ささやくような歌唱は特徴的。
しかし歌詞の内容は子供っぽい。好きな気持ちを隠してしまう自分に対して、心が透明で誰からもバレバレでいいからストレートに伝えられたらいいのにといった内容だ。『心のプラカード』と同じだ。

『やさしいだけなら』。
この曲を一言で表現するなら「ムード歌謡」だ。私はちょっと苦手な世界だ。

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