AKB48 チームBのファンより

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HKT48『キスは待つしかないのでしょうか?』とカップリング曲を聴く。(ときめき研究家)

2017-08-09 23:00:20 | ときめき研究家
HKT48の10枚目のシングル『キスは待つしかないのでしょうか?』とカップリング曲は、発売後まだ1週間しか経っていないが、結構聴き込めた。乃木坂46の楽曲と異なり、特徴のはっきりした楽曲が揃っていると感じる。

『キスは待つしかないのでしょうか?』。
前作『バグっていいじゃん!』は予定調和的で低調だったが、今作はストレートで楽しい曲だ。
タイトルから、付き合っているのになかなかキスしてくれない彼がじれったいという歌かと思った。『狼とプライド』や『赤いスイートピー』や『白いバスケットシューズ』などの路線だ。しかし少し違った。
片思いの彼を図書室で陰から見つめながら、キスを妄想する女子高生の歌だ。2人で話したこともないようなのに、キスのやり方を心配するなんて、妄想はかなり積極的だ。
センターの松岡はなは、すっかり風格が出て来た。挿入されているセリフで、いきなり「あの、すいません、キスしませんか?」は、あり得ないと思いながら不覚にもドキドキしてしまう。
キスの前に目を閉じるのは、前述の『狼とプライド』、『上からマリコ』、『12秒』などの伝統。「渡り廊下」も久し振りに出てくる。イントロには『言い訳Maybe』のメロディーも忍ばせてある。秋元康の力が入っている王道アイドルソングである証だろう。

『さくらんぼを結べるか?』。
友達の紹介で会ったけどタイプじゃない初対面の男子に、「さくらんぼの茎を口の中で結べる?」と意地悪を言ったら、一生懸命トライする姿は嫌いじゃないという歌。
さくらんぼの茎を結ぶという「あるある」から1曲作ってしまった他愛もない歌だが、今回のカップリング曲になったのには必然性がある。さくらんぼの茎を結べるということは舌が器用でキスが上手といった俗説を言い合った記憶はないだろうか。私はある。キスの仕方を妄想する『キスは待つしかないのでしょうか?』のこの子は、きっとさくらんぼで練習しているに違いない。という妄想をしてしまうのだ。

『恋するRibbon』。
少女漫画誌の「りぼん」が大好きな少女の歌だ。
「来月の3日」というのは、発売日が3日なのだろう。「店着日」というのは、雑誌が書店に届く日のことで、その日に行けばフライングゲットできるということだろう。そのように、推察で補わなければならないが、少女漫画が大好きで、生きがいにしている少女の気持ちが生き生きと描かれている。エンディングで、その少女はどうやらAKBグループのメンバー(深川舞子?)らしいことが仄めかされている。エンタメの世界で「夢を与える」立場の少女が、一方で少女漫画というエンタメから「夢を与えられる」という構図が、この曲に重層的な味わいを加えている。(「全握個握」という歌詞はマニアック過ぎて、耳で聴いただけでは理解できなかったが。)
「漫画の中で微笑む君」という描写は『遠距離ポスター』を想起させるし、チャイムが鳴って学校を飛び出す設定は『放課後レース』と同じ。「1ミリ先に夢がある」とか「努力は必ず報われる」というAKBグループの訓示をも取り込んでいる。もっと言えば、『Reborn』という楽曲のミュージックビデオが「りぼん」に漫画を投稿する少女のストーリーだったことも念頭にあるタイトル、歌詞だろう。この技巧に富んだ作詞が田中奈津美だと知って驚いた。更に、歌唱メンバーは「村重選抜」で、中西智代梨も参加していることにも驚いた。
曲調もアップテンポで楽しいし、今回のカップリング曲ではピカイチだ。
そして、「いつか君と結ばれたい」。「結ぶ」というキーワードで『さくらんぼを結べるか』と繋がっている。

『ぐにゃっと曲がった』。
奇抜なタイトル、ひねった歌詞だ。テーマはずばり老化。
夏が暑すぎてぼうっとする。彼女への思いも続かない。でもそれは夏のせいではなくて、自分自身の若さが衰えたのだ。片思いを持続することは膨大なエネルギーが必要だ。若い時には楽しいだけだった片思いも、年を取ると身も心も消耗して行くようになるのだ。まっすぐだった青春時代は終わり、人生もぐにゃっと曲がってしまったと表現している。
「自転車漕ぐ気になれない(会いたいのに)」という歌詞が象徴的だ。「会いたかった」ので「自転車を全力で漕いで」いた若者もいつかは老いるのだ。
「あんなにしたかったキスなのに もういい加減飽きたかもね」という部分の意味が難解だ。省略されている主語を補ってみる。「(僕が君と)あんなにしたかったキスなのに (君は別の誰かと何回もしたので)もういい加減飽きたかもね」ということなのだろう。僕が一人で片思いを続けているうちに、君は手の届かない所に行ってしまったと虚無感に襲われているのだ。元々手は届いていなかったのだが。
この曲も「キス」で『キスは待つしかないのでしょうか?』と繋がっている。

『ロマンティック病』。
一言で言うとオシャレな曲だ。AKBグループではこれまで聴いたことがないようなタイプの楽曲だ。
歌詞を味わうと言うより、軽快なサウンド、気まぐれなおしゃべりのような歌唱そのものを楽しむ楽曲だろう。曲調は違うが、『キスまで100マイル』とか『スイート&ビター』といった楽曲を連想する。
それらの曲は5、6名のユニット曲だったが、『ロマンティック病』も5人のユニット曲である。しかも、めるみお、なこみく、はな、という豪華メンバーだ。ソロパートもかなりあるが、残念ながらどのパートがどのメンバーの声か聴き分けるだけの力が私にはないのが残念だ。
恋をするとテンションが上がり、ふわふわとして何も手がつかなくなるということを歌っている。タイトルに「ロマンティック」を使った楽曲でまず思い浮かぶのは、『ロマンティックが止まらない』(CCB)、他には『ロマンティックしましょう』(真鍋ちえみ)、『ロマンティックな夜だわ』(中森明菜)、『ロマンティック浮かれモード』(藤本美貴)、『ロマンティックスノウ』(NMB48)など。そして、『キスは待つしかないのでしょうか?』にも使われている。「どんなきっかけでロマンティックになっていくの?」。やはり統一感のあるシングルだ。

『隣の彼はカッコ良く見える』。
「隣の芝は青く見える」をなぞった歌詞。周囲の友達がカッコいいと言い始めたら、みんなが彼を好きになるが、ブームが過ぎると一気に醒めるといった内容。
曲調は、文字数が多いAメロ、Bメロから、急にメロディアスなサビに切り替わる感じが『昔の彼のお兄ちゃんと付き合うということ』とどこか似ている。
大サビではメンバーの名前を全員歌詞にしているが、こういう趣向はあまり好きではない。自己紹介ソングでもないのに必然性がない。メンバーが替わると、そこだけ歌詞を替えて歌うのだろうが。
この曲は他の曲とリンクしていないようだが、よく聴き込んだら発見した。「唾をつけてキープしておこうか」というのがリンクだ。キスをすると唾液が少なからず混じり合う。すなわち唾をつけるということだ。こじつけだが、これで全部のカップリング曲がつながった。


HKT48の過去のシングルCDとカップリング曲の感想記事は以下。

『バグっていいじゃん!』。
『最高かよ!』。
『最高かよ!』カップリング
『74億分の1の君へ』。
『しぇからしか!』。
『12秒』。
『控えめI Love You!』。
『桜、みんなで食べた』。
『メロンジュース』。
『スキ!スキ!スキップ!』。
『スキ!スキ!スキップ!』カップリング。
(オマケ)『初恋バタフライ』。

コメント
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