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今日のあまちゃん。アイドル歌唱で「影武者」は成り立つか?(ときめき研究家)

2023-07-21 21:05:21 | ときめき研究家
再放送中の『あまちゃん』。ストーリーは知っているのに、引き込まれて観ている。
今日は春子(小泉今日子)の若い頃(有村架純)に、鈴鹿ひろ美(薬師丸ひろ子)の影武者だったという過去が明かされた。人気女優の鈴鹿ひろ美は極度の音痴だったので、主演映画の主題歌『潮騒のメモリー』を歌う
に当たって、無名のアイドル志望の春子が代わりにレコーディングしたというのだ。これは、このドラマの根幹となる設定なので、非現実的というような批判はしたくない。そういう設定だと受け入れて、当時は楽しんだし、今回も楽しんでいる。しかし、敢えて、本当にそのような「影武者」が可能かどうか、研究者として考察してみたい。

まず、喋る声と歌声がかなり違っている人は珍しくないという事実がある。
当の薬師丸ひろ子自身、『セーラー服と機関銃』の頃は、喋り声はやや甲高く人工的な声だったが、歌声は柔らかく清らかで、ギャップを感じた記憶がある。
松田聖子がサントリービールのCMソングとして『SWEET MEMORIES』を歌ったとき、英語歌詞ということもあり、当初は松田聖子が歌っていると気づく人は少なかった。
最近では、演歌歌手の真田ナオキは、歌声だけが極度なガラガラ声である。

そもそも、視覚的な容姿と異なり、声の特徴を聴き分けるのは難しいものだ。長年アイドルを聴いているが、持ち歌以外を歌っている時に声だけで分かるというアイドルはそんなにいない。伊藤つかさ、松本伊代、坂上とし恵、菊池桃子、南野陽子くらいだろうか。AKBグループだと渡辺麻友は分かるつもりだが、絶対の自信はない。好き嫌いは別として、河合奈保子、石川秀美、松本典子のような美声のアイドルはまず聴き分けられない。

そういう前提で考えれば、『あまちゃん』の世界で、影武者が成り立ったというのもあながち非現実的ではないと思う。しかし、レコードになった歌声を何回も聴いているのに、春子の親しい人達(母親の夏、娘のアキを含む)が気づかないというのは少し無理があるかもしれない。
ドラマの構造として更に興味深いのは、影武者として有村架純が歌うシーンで、実際に流れる歌声は小泉今日子の歌声だということだ。影武者の影武者ということだ。それでも、有村架純は自分が歌っているかのようにノリノリで演技をしているので、収録時には口パクではなく実際に歌っていて、後で音声を吹き替えたのだと推察する。

更にすごいと思うのは、薬師丸ひろ子の影武者を小泉今日子が演じるという構造だ。一般的な意味での「歌唱力」なら薬師丸ひろ子の方が格段に上だということは当時のアイドルファンなら周知の事実だ。おそらく本人達も、脚本のクドカンも自覚しているだろう。その上で、面白がってこの設定を演じているところに、このドラマの奥深さを感じるのだ。しかも、ドラマ終盤に、この虚実相まった構造が更に複雑な面白みを生み出すことになる。

やや強引に結論を付けるとすれば、80年代アイドルはソロアイドルが主流で、「歌唱力」があろうがなかろうが、個性的で魅力的なソロアイドルが多数活躍していたということ。そして薬師丸ひろ子も小泉今日子もその中心にいたということ。有村架純の歌の巧拙は分からないが、もし彼女が当時に生まれていたなら、きっと歌も歌い、魅力的なアイドルになったであろうということ。そんなことを考えた。
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