AKB48 チームBのファンより

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HKT48『桜、みんなで食べた』。秋元康の才能は枯渇していないようだ。(ときめき研究家)

2014-03-24 00:00:00 | ときめき研究家
「続・秋元康の才能は枯渇しているか?」という記事で、アルバム『次の足跡』を聴いて、秋元康の才能の枯渇を懸念した。
しかし、HKT48のサードシングル『桜、みんなで食べた』を聴いて、その懸念は一旦解消された。

『桜、みんなで食べた』。
卒業ソングだが、アップテンポで気分が高揚する曲。『スキ!スキ!スキップ』のように、ずっと続いて行くような依存性のあるメロディーだ。1番の主旋律を2番やエンディングでは1音だけ変える小ワザも『スキ!スキ!スキップ』譲りだ。その上で適度にセンチメンタルなテイストもまぶせられている。イントロからAメロにかけては、どことなく『君のことが好きだから』に雰囲気が似ている。
桜の花びらを食べるという行為に一瞬違和感を覚えるが、和菓子や筍御飯などに桜の花の塩漬けが使われていることを思い出し納得した。その行為を秘密にする必要もないと思うが、そうしたいのが少女期の不可思議な心情なのだろう。
歌詞で1点疑問なのは「やがて散ってしまったら 遠い青春」というフレーズだ。中学か高校の卒業でもう「遠い青春」はないだろう。楽しかった学校生活の終わりに、青春が終わったという気分になるのも分からないではないが、それでも「青春」はまだまだ続く。
大サビの「いつかきっとここの前で 今日のこと思い出して泣きたくなる」その時にこそ、「遠い青春」を実感するのだろうが、その時を先取りした歌詞なのかもしれない。
MVも、小学生から大人まで、活き活きと躍動していてワクワクする。これぞアイドルを鑑賞する神髄だ。
シングル曲として相応しい、しっかり作られた曲だ。

『昔の彼氏のお兄ちゃんとつき合うということ』。
タイトルから『姉妹どんぶり』(渡辺麻友・浦野一美)を連想する。これぞまさしく姉妹曲(?)だ。
昭和ロマン風のおどろおどろしいAメロ・Bメロと、爽やかに突き抜けるサビがうまく連続していないような印象を受ける。ただ、『姉妹どんぶり』とも共通する「恋愛はいつでも自由なものだよ」というテーマを、少し背伸びして悪びれず歌い上げる若いメンバーは魅力的だ。こういう歌があってもいい。
それにしても「先月までつき合っていた」のは全然「昔」でもないし、その兄弟の家に大胆に上がり込んで何をしているんだか。たぶん(『初恋バタフライ』のMVでやっていた)宿題ではないはずだ。「どっちがキスの仕方が上手か?」もしびれる。「最後のドライブシリーズ」で紹介した松田聖子『硝子のプリズム』の「私よりキスが上手?」を踏まえた歌詞だろう。
MVは歌詞とは全く関係ない、学園ドタバタもの。何かの事情で学校を去る宮脇の姿を、屋上から見かけた多田と朝長が、途中で他生徒をまき込みながら校門まで駆けつける様子を逆回転で描いている。逆回転の意図は不明だが、背後の物語を想像させられる。映画『桐島、部活やめるってよ』のクライマックスを思い出した。

『既読スルー』。
私はLINEをやっていないし、着信後10秒で返信しなければならないようなツール、文化は理解できない。表面的でも多くの「友達」と繋がっていないと不安。仲間に嫌われること、一人でいることへの異常な恐れ。近頃の若者は大変だ。そうした文化を理解した上でないと、この曲を真に鑑賞することは難しいのだろう。そもそも「既読スルー」は「KS」じゃなく「KT」じゃないかと思う時点でアウトだ。
曲調はポップでウキウキする。
歌詞は学校内では2人がつき合っていることを隠したい彼に、はっきりさせてと迫る内容。AKB48『偶然の十字路』では「学校の中に一歩入ると話すだけでも噂になるよ」と歌われていた。昔の地方の共学校はそんなものだった。誰もが異性とつき合いたいのに、なぜかそれが恥ずかしいことのように思い、こそこそとつき合う。多数の生徒は交際そのものができない。今の中高生がどうなのかは分からないが、『既読スルー』の彼にはそういう恥ずかしさのようなものがあるのだろう。共感できる。

『覚えてください』。
研究生の自己言及ソング。曲調はミディアムテンポで爽やか。アコーディオンだか鍵盤ハーモニカだかの音色が印象的。研究生の一生懸命な自己主張が微笑ましい。
しかし、もう聴き飽きたような「努力しながらチャンスを待つことの啓発」フレーズの頻出には、いささかげんなりする。「太陽の位置も動いて 日差しももうすぐ当たるわ」「ただじっと待っていてもチャンスはやって来ない」「夢が叶う可能性は平等なんだ」等々。そして、実際このCDが発売される前後で、この15名のうち数名が正規メンバーに昇格しているという趣向も、仕組まれていたものだろう。
間奏部分で1人1人が名前を名乗る部分がある。「たなかみく!」「やぶきなこ!」の元気良さには参った。

『君のことが好きやけん』。
この曲が今回カップリング曲として収録されたのは嬉しい。この曲を当初HKT48のレパートリーにしたことは好判断だった。ファンが出来たてグループを応援する歌としてぴったりだ。
そもそもAKB48のオリジナル版は『RIVER』のカップリング曲で、2010年リクエストアワーでは2位に食い込んだ名曲だ。何より、偶然だが、指原、多田の2人とも当時アンダーガールズとして参加しており、MVでキラキラ輝いていた記憶も鮮明だ。その2人がAKB48興隆期の勢いをHKT48に持ち込んで来た象徴と言ってもいい。方言に変えている歌詞は少し気恥ずかしいが、それほど違和感がない。掛け声の「だ・い・す・き」が「す・い・とっ・ちゃ」になっているのは、むしろオリジナルよりいい。

『君はどうして?』。
久しぶりに会った中学の同級生が可愛くなっていてドキドキするという曲。
中学時代は部活のジャージ姿で「男みたいだった」とは、NMB48『オーマイガー!』の彼女を思い出す。その歌で「君らしくて好きさ」と言ってくれた彼とは違い、『君はどうして?』の彼は見る目がなかったのだ。「名もない雑草が花をつけるなんて」などと上から目線も甚だしい。
曲調も平板で、歌詞にもドラマがなく、いまひとつ印象に残らない曲だ。
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