百醜千拙草

何とかやっています

ロックダウン再び

2020-07-16 | Weblog
カリフォルニアの再ロックダウン。振り出しに戻ってしましました。

西側ヨーロッパやアメリカ、南アメリカのコロナの死亡者の率は100万人あたり、300-700人ぐらい、陽性確定者の率は2000人から1万人弱ぐらいのようですが、日本では死亡者の率は100万人あたり、8人弱、陽性確定者率は200人弱、と数十倍の差があります。日本でどうして死亡者や感染者の率が少ないのかはっきりわかりません。

検査をしないという理由だけでは説明が難しいような気がします。一つは過去の別のコロナウイルス感染によって交差免疫ができているという説があります。これは、CoV-2をエピトープにして抗体検査を健康な人を中心にランダムに行えば検証できるはずで、定性的な抗体測定キットもすでにあるわけで、誰かすでにやりはじめてはいるとは思いますが、そのデータを他国と比較するのは興味深いと思います。一方、死亡者の数を検査確定の患者数で割った数字は、ヨーロッパ諸国の一部で高いですが、日本とアメリカやブラジル、それから中国や韓国との間で差はありません。ということは、感染によって重症化して死亡する率は人種にあまり関係さそうです。

ということは、日本の場合、検査が不十分で感染の実体が過小評価されている可能性はかなりあるにせよ、オリンピックのために、感染を見て見ぬふりをし、対策は各病院に丸投げして基本的に放置したのに、中国や韓国のように徹底的な封じ込めをした国と「率」でいえば、あまりかわらない数字でとどまっているのは不思議なことです。

二つ目の可能性は、マスクの習慣が理由ではないかと思います。最近、話題になったアメリカの話では、コロナ陽性理容師がマスクをして作業したところ、顧客140名全員でコロナ陰性のままだったという例があります。マスクは思いの外、ウイルス感染予防に有効なのではないかと考えられ始めています。日本でのマスクと手洗いの習慣が空気や接触による感染を起こりにくくしているのではないかと想像できます。この辺の可能性の検討のために、健康な人の抗体を大規模に検査していくことが鍵だろうと思います。一方、韓国では、コロナでは集団免疫は成立しない可能性を示唆するデータが得られたというニュースを聞きました。つまり、抗体はできても短期で消失する可能性があるということで、抗体検査のデータについては慎重な解釈が必要になると思いますし、また集団免疫に頼れない可能性が高いということなると今後はかなり心配です。

あと、もう一つ不思議なのは、アメリカでは活動再開後、フロリダや南部、西海岸、南西部の州を中心に急激に感染が増えたわけですが、ヨーロッパであれほど猛威をふるったコロナなのに、再開後もリバウンドは明らかでないように見えることです。思うに、ヨーロッパでは第一波が激烈だったので集団免疫を獲得したという可能性よりも、ロックダウンを厳密に行ってウイルス封じ込めに成功したからという可能性が高いと思います。フランスなどでは外出するのに許可証が必要だったはずで、一時はかなり厳密な行動制限をしていました。

となると、アメリカやブラジルで必要なのは、完全なロックダウンでしょう。現在もロックダウンの解除に慎重な州では着実に新規感染者数は減っています。思うに、三ヶ月の厳密なロックダウンとその後半年ぐらいをかけて慎重な段階的解除を行えば、抑え込めるのではないでしょうか。多分、世界中で同時にこれをやれば終わりにできるような気がします。

これは日本でも言えることです。日本人はなぜかわからないが、コロナで死ぬ人や感染者が少ないから、ウィズ コロナでいこう、という放置政策はあまりにひどい。感染者は急激に増えているわけで、これまでのデータからは重症化する率はアメリカと変わらないのですから。
それに、コロナ対策を真剣に行わない国で、ウィズ コロナなどと言っている国に、外国人は来たがらないでしょう。特に死人が大量に出たヨーロッパやアメリカの観光客は仮に入国措置が緩和されたとしても来なくなる可能性が高いでしょう。オリンピックなどあり得ません。

徹底的に検査し、国家が国民生活の補償を行って、行動制限によって封じ込めることで、コロナ フリー安全国家として評判を得る方が長期的にもプラスでしょう。ま、無能の極みで、己の利益の増大と権力闘争に勝つことが政治だと思っているような与党政府ですから、大臣クラスが軒並みコロナに感染して死線をさまようようなことでもない限り変わらぬでしょうが。ま、このまま放置政策をとると、世界から拒絶され、苦境にあたって放置される目にあうでしょう。

RNAウイルスは変異性が高く、エイズ同様、有効なワクチンが開発できる可能性は低いと考えられていますし、抗ウイルス薬は副作用の問題がある、となれば、これからしばらく、引きこもることが、最善の解決策だろうと思います。ウィズ コロナ、すなわち放置政策を取った上に、オリンピック損失の穴埋めのために「Go To」キャンペーンで、ウイルスを撒き散らすようなことをすれば、将来に何千倍もの不利益となって返ってくることになります。政府与党は、そうなった場合でも、個人や旅行業者の不注意だと責任をなすりつければよいと思っているでしょうが。
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