百醜千拙草

何とかやっています

ゆるむ

2017-02-17 | Weblog
年を取ってくると、体のいろいろな部分が緩んでくるようです。
肉体に限らず感情の蛇口もゆるくなるようで、普段から、怒りや憎しみや妬みなどの感情を抱かないように、慈しみと思いやりを持つようにしないといけないと思わされます。そうしたものがふとした時に漏れ出てきますからね。

週末は、子供の親友のお兄さんが小さな子供を残して突然死したためにお通夜に出向きました。ウチの子供によくしてくれて、小さい時は色々と遊びに連れて行ってくれたりしました。私自身はほとんど接触がなかったので、話で知っている人という程度で、奥さんは子供を残して出て行ったので、子供が気の毒だなあと思ったぐらいでした。

通夜に出向き、いざ両親にお悔やみを言う段になって、私の中にその両親の気持ちが入り込んできました。急に感情が高ぶってしまって自分でも驚きました。多分、心の栓も緩くなっていて、感情の出入りが激しくなったのでしょう。棺の中に眠るまだ若い我が子を送り出さねばならない両親の悲しみは推し量るにあまりあります。老人が大往生して、天国での次の人生を祝うといったようなものではないのです。ただただ痛々しく、かける言葉を失い、その両親の肩をさするばかりでした。

私は、若い頃は打算的な方で、心から人に共感するということが少ない方でした。自分のことだけで精一杯で先のことばかりを心配して何かと忙しく人のことを考える余裕もなかったのだと思います。社会のことにも関心もなく、新聞を読むのも三面記事ぐらい、仕事と遊びのことだけしか考えていませんでした。それが、年を取って、隙ができていろいろ緩んできたのでしょうか、いろいろな情報を受け入れることができるようになり、そして人に共感する余裕もできてきたように思います。また、悪いことがあっても引きずらなくなってきました。大抵は「ま、いいか」とか「仕方ない」で済ませれるようになりました。しかし、一方では共感する能力というものに絶対的に欠けているように見えるアベ政権やトランプに対しては、怒りを感じるようになりました。この辺、なかなか達観できないものです。

遠方から、かつて一緒にやっていたプロジェクトを仕上げに共同研究者が短期の予定でやってきました。彼女も人の親で、プロジェクトの仕上げが遅れたのは子供が病気で精神的に研究のことを考える余裕がなかったからでした。折々のメールで「止まない雨はないよ」とは励ましつつ、どうなるだろうかと案じていましたが、半年経って元気になった子供が旦那さんと一緒に尋ねてきてくれました。元気な様子を見て、しみじみと良かったなあ、という感情が急に湧いてきて、また驚きました。

年をとって涙もろくなるという話はよく聞きますが、コレのことか、と思いました。多分、あちこち、ゆるくなっていて感情の流れのコントロールが悪くなっているのでしょう。

でも、締め直す気はありません。ゆるくても、実さえ出なければ、「ま、いいか」です。
グラント書きながら、元気に仕事をしている彼女を見て、ちょっとしみじみしてます。
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外国の目

2017-02-14 | Weblog
なるべく批判や悪口はやめようと思っているのですけど、アベ氏、不愉快な話題を作るのは天才的です。世界各国でトランプへの批判が高まり、各国首脳がトランプとの距離を測ろうと慎重になっている中、就任前から飛んで行って、その異常さに世界を驚かせたアベ氏、先週末、トランプに揉み手で会談。会談内容が発表されず。ゴルフの話に終始しているということは、プーチン会談の時と同様、何一つ日本に有利なものは引き出せず、日本国民の年金や税金をアメリカのインフラ改善と雇用上昇のために投資する(リターンの見込めない投資は、「貢ぐ」というのですけどね)という約束でもさせられてきたのでしょうな。アベ氏の異常な対米隷属ぶり、内弁慶のくせに、アメリカとロシアには言いなりは、外国の目からもかなり異常に見えるようです。確かに、提灯記事を垂れ流すプロパガンダ新聞の行間を読むよりも、ストレートに書いてある外国のメディアの記事の方が真実を知るのに都合が良い場合もありますね。

タイムから。アベ氏の異常なゴマスリぶりを皮肉る記事。

Japan's Prime Minister Showed the Way to President Trump's Heart: Flattery Zeke j Miller.:日本の首相がトランプの心へ入り込む方法を示した;「へつらい」である。

、、、大統領選が終わった数日後には、日本の首相アベシンゾーがNYへ飛んできた。、、、この会合で、アベは金の象眼の入った40万円のゴルフクラブをトランプに贈った。、、、
金曜日には、彼はホワイトハウスでトランプに会う世界で二人目のリーダーとなった。、、、イーストルームでは会見で、アベは大げさにトランプを持ち上げた。、、、
アベがお世辞をふりまいている間、トランプはうなづいたり、アベ向けての仕草を見せたりしたが、どうも同時通訳のイヤフォンはつけていなかったようだ。、、、
「私のゴルフのスコアはトランプ氏には及ばないが」と前置きして、アベ氏は、目的を達成するには注意深いよりもやり過ぎるぐらいの方が良い、という意味のゴルフの格言に触れ「私のポリシーは、届かなければ、入らない、常にカップを目指すだ」といった。


つまり、ゴマスリもやり過ぎるぐらいでないと効果がない、と言っているわけですな。

記事よりマンガの方が外国人がアベ政権の異常な対米隷属ぶりをよく風刺していると思います。(以下、風刺画へのリンク)
GLOBAL TIMES アベのトランプ政権との関係への過剰な自信は実利性を無視している。

以下は大統領就任前に慌ててトランプに会いに行った異常なアベ氏の行動を皮肉ったもの。
Global times 一度は冷たくしたトランプに擦り寄るアベ

SPUTNIK Abe's Trump Card?


第二次大戦の大きな犠牲を無視して、アメリカの言いなりに使われるアベ氏を皮肉ったニューヨーク タイムズのマンガ。
日米同盟の実態というのはこういうことです。

歓迎の絨毯を引くアベ氏

トランプの行動のトゲに最も敏感なアベ氏
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深まる対立(2)

2017-02-10 | Weblog
東京新聞で報じられている最近の辺野古の動き。

辺野古、ブロック投下作業を開始 沖縄反発、対立深まる   
政府は7日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とする名護市辺野古の沿岸部で、埋め立てに向けて汚れの拡散を防ぐ膜を海中に張る際の重りにする大型コンクリート製ブロックを海底に設置する作業を始めた。6日に始まった海上工事の本格化で辺野古移設に反対する沖縄は強く反発し、政府との対立が深まりそうだ。

辺野古、海上工事を本格化 反対の市民が海上で抗議
六日に始まった海上工事の本格化で辺野古移設に反対する沖縄は強く反発し、政府との対立が深まりそうだ。

辺野古海上工事 米の「外圧」利用 政府、国防長官会談後に開始
政府が沖縄県名護市辺野古(へのこ)の新基地建設で、六日に海上本体工事入りしたのは、ワシントンで十日に行う安倍晋三首相とトランプ米大統領の初の首脳会談を見据えた対応と受け止められている。、、、、、共産党の小池晃書記局長は記者会見で「首脳会談の直前に工事を強行したのは、会談に備えて、トランプ氏の言うことを聞く姿勢を示したと言われても仕方がない」と批判した。

国民よりも国土よりも独立国の矜持よりも、ご主人様の臭い靴を舐める方が大事なようです。

辺野古海上工事 民意は置き去りなのか

日本は法治国家だが民主主義国家でもある。安全保障は国の専管事項でも、選挙に表れた沖縄県民の民意を置き去りにしては、日米安全保障条約で課せられた基地提供の義務は円滑には果たせまい。
 、、、 沖縄県や名護市など、地元自治体が強く反対する中での工事の着手である。到底、容認できない。、、、安倍内閣は自由、民主主義、人権、法の支配という基本的価値を重んじると言いながら、翁長雄志県知事や稲嶺進名護市長に託された「県内移設」反対の民意をなぜないがしろにできるのか。、、 稲嶺氏は、海上での工事着手を「異常事態だ。日本政府はわれわれを国民として見ているのか」と批判した。怒りの矛先は、法治国家と言いながら、憲法に定められた基本的人権を沖縄県民には認めようとしない政府に向けられている。本土に住む私たちも、そのことを自覚しなければならない。

一方、植草さんは、県知事の対処にも問題があるとの見解。

識者、法律研究者らは、以前から、埋め立て承認を法的に撤回することが可能である事、その撤回を速やかに行わねばならないという事を提言、要請をしてきたにもかかわらず、翁長知事が、その要請や提言を無視してきたことが疑念となっているようです。

翁長雄志氏が本当に「辺野古に基地を造らせない」と考えるなら、知事選の公約に「埋立承認撤回・取消」を明記していたはずだ。そして、知事就任直後に「埋立承認撤回・取消」
に動いたはずだ。ところが、翁長氏の行動はあまりにも遅かった。「埋立承認取消」に動いたのは、辺野古基地本体工事着手に必要な事前協議書を沖縄県が受理してからだった。本体工事に着手する条件が整うまで、「埋立承認取消」を先送りしたものだと理解できる。


仲井真前知事の最後の心変わりの例もありますが、翁長知事は沖縄と民主主義のために誠実に取り組んでいると信じたいと思います。
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辞めさせる方法

2017-02-07 | Weblog
I swear I will not dishonor my soul with hatred, but offer myself humbly as a guardian of nature, as a healer of misery, as a messenger of wonder, as an architect of peace. ー DIANE ACKERMAN

世界の名言をメールで毎日受けとるサービスをいくつか利用していて、朝の一服の時間に、そんな言葉を味わってみるようにしています。上のは「A Network for Grateful Living」というサイトの「本日の名言」で送られてきたものです。

私の魂を憎悪で汚さないと誓います、、、ハッとしました。オレンジを絞ればオレンジジュースが出てくるの喩えの通り、私から出てくるものが不平や不満であるのなら、私は自分で自分の魂を汚しているのです。

ちょうど、トランプ政権とアベ政権のデタラメぶりにまた憤っていたところだったので。
憤ったり怒ったり憎んだりするのではなく、そういうネガティブな感情を抜きに、坦々と現状を客観的に分析しそれを良くするのに何をすべきかにもっと集中すべきなのでしょう。

沖縄基地問題では、沖縄県と県民の意向を一顧だにすることなく、「辺野古が唯一の選択肢」と言い切ったアメリカ国防省とその飼い犬の日本政府に、訪米中の翁長知事はあらためて、抗議の声明
「沖縄県民に対して大変失礼なやり方だ。絶対に阻止する決意は変わらない」と批判した。「私の決意はかえって強くなっている。沖縄県民は国を相手に闘っていると気付いたと思う」

しかし政府は、強権的に工事を再開、辺野古の海を破壊するためのコンクリートブロックを問答無用で搬入し始めました。

アメリカ隷属が唯一の選択肢という無能極まりないアベ政権に腹を立てないというのは難しいです。しかし、その感情にとらわれて愚痴や悪口を言って終わりではなく、理性と思考力を使って、どうやったらアベ氏を辞めさせられるのか、という問題に集中すべきです。悪口も皮肉も批判も効かない相手です。さすがに己の能力の限界は自覚しているでしょう。それでも権力を持っていてそれを手放したくないと思っているのです。そういう厄介な相手とどう戦うか。

先日の国会で、山本太郎氏は、アベ政権ののデタラメ政策とウソをあげて、「このままでは国が持たない。いつ総理を辞めてくれますか」という質問をしました。その内容の一部を議事録から一部を削除すると言われたそうです。
経緯は、以前、アベ氏が国会(2016 5.16)で「自分は立法府の長だ」と発言して、「行政府と立法府の違いもわからない首相」とネットで散々批判されたことがあり、今回、山本氏は、それを踏まえ、アベ氏の強権ぶりを批判して、そのうち「司法の長にもなる」と発言したことを、議事録から消すと言われたわけです。しかし、驚いたことに、議事録そのものがすでに改竄されており、この昨年のアベ氏の発言は立法府の長ではなく、行政府の長と言ったことにされていたという事実が明らかになりました。立法府の長」発言が国会議事録で改竄されて記録されたために、事実を述べた山本氏の発言の方が記録上、誤りだと強弁せざるをえなくなったという話のようです。権力側が白といえば黒も白、さすがウソとゴマカシはお手の物のアベ政権ですな。(【議事録から削除される?】山本太郎議員の参議院代表質問を書き起こしました
、、、安倍晋三閣下は、行政府の長であるばかりか、立法府の長でもあるとご本人が宣言されました。司法の長になられるのも時間の問題ではないでしょうか?そのためにも現行憲法など守っていられませんし、守りもしません。当然です。不都合な真実、事実を声高に叫ぶ人間は邪魔です。、、、、次の事故が起きたとしても、安倍総理ならもっと上手に誤魔化せます。、、、皆さん、安倍総理を信じて、このバスに乗り込みましょう。次の停車駅は、地獄の一丁目一番地です。今回無理をして、批判は避けようと思いましたが、どう考えても無理です。総理、あなたがこの国の総理でいる限り、この国の未来はもちません。最後にお伺いします。総理、いつ、総理の座から降りて頂けるのでしょうか?教えてください。


ま、気持ちはわかります。アベ政権、デタラメですもの。しかし、ウソつきにウソを言うな、バカに賢くなれ、といっても全く無駄なように、辞めたくない人間に辞めてくれと頼んでも辞めてくれるワケもありません。どうやったら、辞めさせれるのか、を考えて実行するしかありません。

その点で、トランプ政権に関するニューズウィークの次の記事は、もう一歩踏み込んでいると思わされます。

トランプを追い出す4つの選択肢──弾劾や軍事クーデターもあり

われわれは本当にあと4年、あの男で我慢するしかないのだろうか。
今、世界中の多くの人が同じことを考えていることだろう。ドナルド・トランプがアメリカの大統領に就任してからわずか1週目で、誰の目にも明らかになったからだ。皆が恐れた通り、彼は常軌を逸している。、、、、
 トランプの就任直後の支持率は調査開始以来の最低を記録した。大統領としての仕事ぶりに肯定的な評価を下した国民はたった36%。さらにイギリス国民の約80%がトランプは「悪い大統領になる」と回答。フランスでは77%、ドイツでは78%が同じように回答した。わずか1週間でこの有り様だ。

トランプを追放する方法は4つある。1つ目は、次の大統領選がある2020年11月まで、ひたすら辛抱強く待つこと。その頃には、さすがにアメリカの有権者も目を覚まし、無能な男を切り捨てる心の準備ができているはずだ。、、、
だが1週目であの破壊力を見せつけられると、とても4年は耐えられそうにない。となれば2つ目の選択肢、「弾劾」だ。、、、
世界の一部の人々は、合衆国憲法修正第25条を心の拠り所にしている。これが3つ目の選択肢だ。これまであまり注目されたことがなかったが、この条項には「副大統領と......各省長官の過半数」が、大統領には「職務上の権限と義務を遂行できない」と判断した場合、「副大統領が直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行する」と明記されている。これならマイク・ペンス副大統領の野心もくすぐるだろう。ペンスはいつか大統領になりたいと思っているはずだ。彼は政治家として、必ずしも穏健派ではない。絶えず同性愛者を差別する政策を掲げ、気候変動にも懐疑的。それでも彼は、狂ってはなさそうだ。、、、
4つ目の選択肢は、アメリカではまさかあり得ないと思われるかもしれないが、軍事クーデター、或いは米軍の上層部が大統領命令の一部に従うのを拒否することだ。、、、、みんな覚悟が必要だ。どう転んでも、これからの数年は荒れ模様になるだろう。


なるほど。私は予感が当たることが多い方ですが、トランプが大統領に選ばれた時に比較的楽観視していたのは、この男がまともに任期を勤め上げることはできないのではないか、という予感がしたからです。死亡以外の理由で任期中に辞めた大統領といえばウォーターゲート事件のニクソンを思い浮かべますが、ビル クリントンも結構危ないところまで行きました。トランプも史上二人目の任期中に辞任(もしくは罷免)される大統領になるような気がします。それでもニクソンはスキャンダル以外ではそれなりの仕事を評価されていますが、トランプがそのように評価されることはないでしょうね。

あいにく、日本と言えば、問題は、民主党政権の大失望をトドメに、政治への人々の関心が急降下してしまい、アベ氏を本気で辞めさせなければならないと思う国民が、トランプを辞めさせないと大変なことになると案ずるアメリカ人よりもはるかに少ない事でしょう。ワシントンには外様のトランプと違い、アベ氏は連綿と続く長州藩、政府官僚と経団連の馴れ合いに守られています。弾劾も憲法25条もクーデターも難しい。選挙で落とすことが実際的には唯一の手段かと思われます。国民の意思次第ということなのですが、それを受け止める野党がまだまだ。公明党が離脱して、民進党が隠れ自民を追い出して、野党連合に合流すればイケると思うのですが。学会員の良心が公明党を動かして欲しいと思いますけど、権力のために自民と一緒になった公明党に、もう一度、日蓮の教えを思い出せというのは、アベ氏に辞めてくれと頼むのと同じく難しいことなのかもしれません。
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値段設定

2017-02-03 | Weblog
久しぶりにウイルスを作ろうと思って、293細胞用のtransfection試薬のFugeneを買おうとしたらその値段に驚きました。こんなに高かったでしょうか。ウイルスを使って大量スクリーニングをやっている施設ではTransITを使っていましたが、それでもFugeneより若干、安いぐらいです。それでPEI法を試してみたのですが、あいにくかなりToxicitiyが高く、Optimizeしている時間もないのでEcoFectionといういかにも安そうなreagentを試してみることにしました。Fugeneの半額です。よさそうです。節約といえば、リアルタイムPCRの試薬は、Solis Biodyneという会社の製品を手に入れて使いだしてから長いです。この会社は、バルト三国の北の端エストニア、グーグルアースで見ると、田んぼと住宅地の間にぽつんとある研究室で製品を作っているようです。一応ちゃんと動きます。値段は他のメーカーの半額以下と思います。それを10ulにスケールダウンして使っています。節約してそれなりの結果が出ると得したような気がしますが、こういう安い試薬は扱ってくれる業者があまりないので手に入れるのに苦労するのが難点ですね。

そんな節約生活の中で、昨日、久しぶりにステムセルの研究室の内輪のミーティングに出ました。私はステムセルはほとんど関わりがないのですけど、微小細胞のRNA-seqをプロジェクト一部としてやっているのでその関係です。しかし、ステムセル業界のシークエンシングはシングルセルでやるのが当たり前になりつつあるような感じで、時代の流れの早さに驚きます。Drop-seqの論文が出たのが2年ほど前で、今や、Drop-seqは効率が悪いので10Xとかいう会社のシステムを使っているのだ、という話を聞いて技術の進歩はすごいねーと感心していたら、機械に加えて一セットの実験の試薬代に100万円以上かかるという話で、すっかり気持ちが冷めました。こういう技術を使って他ではなかなか出せないデータを得られるのは強いですけど、結局、カネ次第なのね(わかっていたけど)と、格安PCR試薬をスケールダウンして使っている我が身が、なんとなく可哀想に思えてきました。ま、こうなると、一部の研究室をセンター化して、何をシークエンスするかを皆であらかじめ決めて、包括的かつオーバーラップがないような方法でやって、データを共有するという形にしないと、いくらカネがあっても足りませんな。

こういう先端技術に依存する会社も利用者次第ですし、技術はすぐに新しいものにとってかわられるので、売れるうちに高く売るというのは理解できますが、しかし、値段が1/10ならば100倍の利用者が見込めるのではないだろうか、と思いました。薬にしても、開発費の回収が絶対なのはわかりますけど、一年の薬代が1000万円とかの最近のハイテク医薬品の薬価設定はむしろ逆効果なのではないのかと思うのですが。

何れにしても、私は特にシングルセルにこだわるようなプロジェクトはないので他人事ですけど、気軽にシングルセルseqができる値段なら、とにかくやってみようとは思うでしょうね。

ところで、

週明けにも辺野古海上工事 政府、県の許可求めず」というニュース。力ずくです。この弱いものいじめ、思いやりと共感のなさ、さすが戦後史上最悪の政権。沖縄県と民主主義にとって政府はもはや倒すべき敵です。翁長知事は、聞く耳を持たない日本政府に何を言ってもダメだと思ったのか、再び渡米しアメリカの議員に直訴。日本がアメリカの属国であることがよくわかりますな。
一方、史上最悪の内閣のアベ氏、これまたアメリカ史上最悪の政権のトランプと会談して、ロシアに3000億をタダで貢いだ後は、アメリカ経済振興のため日本は「アメリカ ファースト」の経済政策を取るというバカの極みな話をしに行くらしいです。この調子だと、沖縄いじめの挙句に無理やり基地を作った上に、年貢(思いやり予算)の増額まで約束してきそうです。しない方がマシなことは何もせずに寝ていてほしいです。
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Post-truth時代と思考力

2017-01-31 | Weblog
早速、トランプはバカをやり始め、あちこちで抗議活動が起きています。おまけに相変わらずツイッターに気分が悪くなるような書き込みもしているようです。メキシコとの国境の壁の話では、そのアイデア自体が荒唐無稽なのに、加えてメキシコに建設代金を払わせる、とバカ丸出しを言い出して、メキシコとの首脳会談がキャンセル。先週のイスラム圏からの入国を大統領令でいきなり制限した行為には、憲法と法治を冒涜しているという批判が上がり、穏健派のイランのロハウニ師も非難、イランへのアメリカ人の入国を制限すると言いだしました。いらぬ敵を作って憎しみを煽り立て、これまでオバマ政権がイランの核兵器縮小を目的に辛抱強く交渉してきた苦労を台無しにしました。人々が苦労をして築きあげてきたものを己の自分勝手なエゴと独りよがりの考えでぶち壊す、そのくせ自分は何を勘違いしているの英雄気取り。ゲーテは活動的な馬鹿ほど恐ろしいものはないと言いましたが、まさにキチガイに刃物です。せめてバカにハサミであって欲しかった。

何れにしても、これまでの世界の秩序を揺さぶっているのは確かですが、問題は、彼には人に顔を背けさせる人間としての醜さがあります。汚いものや破壊することに刺激や欲求不満の捌け口を求める人間も確かに多く、トランプをヒーローのように勘違いする人もいるようですが、そんな刹那的な解決法が長期的に有意義なものを生み出した試しはありません。加えて、人をマニピュレートするために、その場その場で適当にウソを言い、他人を罵る。ウソも百回言えば本当だ、ましてオレが白といえば黒いものも白になる、そういう幼稚で傲慢なトランプの態度は、良識のある人々に危機感を抱かせます。

東京新聞のコラムによると、政府がウソで塗り固めて国民を管理する世界、「2 + 2 = 5」となるような世界を描いたジョージ オーウェルの「1984」が、突然、売れ出したのだそうです。このフィクションに現実味が感じられるほど、トランプはデタラメだということでしょう。真実が価値を持たない「Post-truth era」は、人は客観的事実に基づいて理性的に判断を下すのではなく、事実関係は二の次にして自分に都合のよい話だけを信じる時代です。考えるのではなく感覚で反応するだけです。ブルース リーではあるまいし。人間の心、感情というものは一瞬で変化する頼りないものです。人間は知性というものを授かり、真実を見極めることによって長期的により良い判断を下すことができるようになりました。考えることをせず、反応するだけなら動物と同じです。知は力であり、思考力はその武器です。ペテン師の口車に乗ってはいけません。

また、客観的な「真実」があるということを前提に世界の理解を進めようとする「科学」にとって、この傾向は好ましいものではありません。(e.g. Post-truth: a guide for the perplexed. Nature; )いまだに「STAP細胞は存在して、何らかの利権の犠牲になって、ないことにされているのだ」という陰謀論を振りかざすような一般人が結構いますからね。彼らにとって、自分に都合がよいものを信じるのに客観的事実の検討は必要ないのです。
そういえば、随分前にポストモダンという思想的流行がありましたが、どんな流行も廃れるもので、もはやポストモダンなどお好み焼屋のメニューでさえ見かけなくなりました。Post-truth という馬鹿げた時代もすぐ過ぎ去るとは信じてはおりますが。

話を戻します。トランプはその「オレが一番」というエゴのままに行動しているだけでしょうが、結果として、これまでの秩序を破壊しようとしているようです。確かに持てるものと持たざるもののディスパリティーがここまで大きくなった現代社会の歪みは正されないといけないと思います。しかし正すことと壊すことは別です。既得権益を享受する者に対する一般人の不公平感や妬みやあるいは憎しみというものは、正当なものではあるものの、それ自体は、エゴゆえに生まれる醜いものです。それがトランプの醜いエゴと共鳴していると私は感じます。敵を作って攻撃して勝てば幸せになるというものではありません。われわれは戦争から学びました。戦争の一番の被害者は戦勝国も敗戦国も一般人であり、勝っても負けても、戦争は地獄です。物事をビジネスディールのレベルでしか考えられない単純なトランプは、どうやればアメリカ国民と世界の人々が平和に長期繁栄できるのかという観点から考えることができないようです。アメリカ株式会社の利益を上げることが自分の使命だとでも勘違いしているようです。つまり、自分だけが得をすれば(同じ地球上に存在して資源を共有する)他の国はどうでも良い、という浅い考えで十分に事実を集めて深く考えることなく行動しているのだと思います。これらのキチガイじみた大統領令がその証拠でしょう。

結果、トランプ政権での、一番の被害者は、旧体制の既得権者ではなく、一般国民と世界の一般市民となるでしょう。結局は一般市民が大迷惑を受けた挙句により悪い社会体制に落ち着くことになると思われます。壊すのは作り出すよりもはるかに易しいですからね。

同じようなことが日本でも起こりました。公約は破るのが当然で、選挙前の話のほとんどは票をもらうためのデマカセでした。結果、史上最悪と言ってよいアベ政権を生み出すことになりました。アベ氏の口から出る言葉は多くの場合、日本語として意味をなさず、残りの半分はウソであり、さらに残りは逆ギレとヤジという中身のなさです。真実を元に誠実に訴えるのではなく、人々の耳に心地よく、インパクトがあればそれで良いと思っているような政治家が続きました。自民党をぶっ壊すとか、暴走老人だとか、扇動的な演説で一時的に人々の注意を引くことはできます。それで、壊したり暴走行為をしたりすることもできるでしょう。しかし、その後、何か良いものが生まれたとは思えません。国民の問題は何も解決せず、選挙の度に「改革」を叫んで、当選すると、結局はより悪い方向に変化しました。そして、すべての悪政のツケは結局、一般国民が払わされます。暴走老人はこれから吊し上げられるこのになるでしょうが、いずれにしても豊洲の巨額のツケは結局、都民が払うことになるし、オリンピックで残されるであろう巨大な負の遺産の処理も、都民と国民の税金で賄うしかありません。

ま、それはともかく、トランプに今のところは味方がいます。それは、これまでの体制に不満を持っていた人々です。アメリカの戦争産業と金融産業、この二つの巨大の力がアメリカの世界覇権を維持してきました。力と金で人々をコントロールする、というのは反吐の出る話ですが、しかし、その一方、そのおかげでアメリカは世界一豊かな国でいることができ、そのライフスタイルを求めて移民が集まる国となりました。旧体制に不満を持つ一般アメリカ人でさえ、アメリカが世界に仕掛けた物理的な戦争や金融戦争のお陰を被ってきたのは事実だと思います。

つまり、世の中、既得権を持つ側と一般国民、搾取する側とされる側、正義の味方とショッカー軍団が、敵対していて、相手の損失が自分の得につながるというような単純なものではないと思います。皆が一つの地球というリソースを共有しているのです。お互いのパーティーが満足できるような落とし所を辛抱強く探っていくしか解決はないと私は思います。

日本の支配者層(税金を集める側)と一般国民(税金を払う側)も同様の関係だと思います。国民が豊かであるからこそ税収も上がるわけで、ないところから消費税などを使って搾り取ろうとしても結局は税収の増加には繋がりません。では、単純に霞ヶ関をぶっ潰せば国民はハッピーになれるのか、そんなワケはないでしょう。包括的に物事を見れる有能な官吏や政治家は必要です。そういう人々が国が全体として(自分だけでなく)みんながある程度豊かに暮らしていくためにどうすべきかを考えるのがリーダーシップというものです。そういう人が見当たりません。
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ポモドロでんでん

2017-01-27 | Weblog
この一年、一週間が過ぎるのが異常に早いような気がします。月曜日だと思ったらもう週末。週末が終わったと思ったらまた週末。その間、何も進歩がないような時もあります。もうちょっとバランスのとれた生活をすべきだろうと、前回のグラントの時から、時間管理のためのポモドロ タイマーを使い始めました。もともとトマトの形のキッチン タイマーをコンピューターソフト化したものですが、私がフリーで使っているものはあいにくトマトのデザインではなくて残念です。これで、20 -30 分時間を、1日に何枠か確保して、その間は一つのことに集中し、他のことは考えない。というルールでやります。これは意外に良いです。実験をする時間と考え事や書物をする時間を分離することは意外に生産性を上げます。
昔は、作業や義務の合間ぐらいにしか論文を読んだり、書いたりするしか余裕がなく、机の前にじっくり座ることもできないような時代がありましたが、それでは、やはりマトモな研究は難しいと思いました。作業をこなすだけでなく、あれこれと考えたり読んだりして楽しむ時間、余裕、というものが、必要だと思います。

一流の研究者には余裕のある人が多いと思います。以前は、一流となったので先々に心配が少ないから余裕があるのだろう、と思っていましたが、どうもそういうものでもなさそうです。どちらかというと逆で、仕事を余裕を持って楽しくやっている人が自然と良い仕事を出していいっているように思います。時々、偉い研究者の人に用事でコンタクトを取ることがありますが、偉い人ほど親切だなと感じます。これも偉いから親切する余裕があるというよりは、そういう人が偉くなるのだろうと思います。

週末、YouTubeでWayne Dyerのしばらく前の映画「Shift」を見ました。人は欲しいものを呼び寄せるのではなく、自分であるところのものを引き寄せるのだと言っていました。いわゆる「引き寄せの法則」ですね。頭では理解できても実行するのは難しい。これと似た話を別のところでも聞きました。うろ覚えですが次のような話だったと思います。
「成功したい」と思っている若者が成功者の人々に会って、仲間に入れて欲しいという頼みます。「成功していない人間は仲間に入れることはできない」と成功者は言います。「それでは、どうやったら成功できますか」と若者。それに対する答えは「成功していないものに教えることはできない」でした。

なるほど。余裕のある穏やかな人間にまずなることができなければ余裕のある穏やかな人間にはなれないのかも知れません。
それで、先日の国会答弁で話題になった「漢字の読めない総理」の話でもしようと思ったのですがやめます。そんなことをあげつらうよりも、決して瞋らず、いつも静かに笑ってゐる、さうゐふもものに私はなりたい、です。日本のトップ二人が、漢字の読み書きができない、というのも愛嬌だと笑って済ます余裕もないようでは、人間まだまだです。ビデオで見ましたが、自信たっぷりに読み間違えるパフォーマンス(?)はなかなかのものです。一国の首相として恥ずかしい、と、目くじらを立てるより、ハハハ、と笑い飛ばす方がいいに決まっています。答弁にフリガナを振らなかった官僚が更迭された、とか、新しい漢字の読み方を強行採決で決定した、とか、お笑い拡大中。
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毒を持って制す

2017-01-24 | Weblog
最近、どういうわけか、サファリを使うと東京新聞の記事にアクセスできなくなりました。クロムだとできます。何か政府に都合の悪い情報をブロックするようなウイルスでも仕込まれたのかな、などと勘ぐっておりますが、理由をご存知の方がありましたら教えてください。

というわけで、顔を背けさせるような人間の醜さを放つ人間が、世界最強の軍隊のチーフコマンダーという権力を手に入れてしまったという悪夢が現実となってしまったわけです。この人の話題が出るたびに皆が不愉快になるので、雑談の時もなるべくその存在を忘れ、話題にしないようにしている日々です。ま、日本も似たような状況が続いているわけではありますが。
しかし、いくら人間としてクソであったとしても、人間性とその行為の影響というものは切り離して考えるべきであろうと思います。

予測不能ですが、ひょっとすれば、日本にとっては戦後70年余りの対米隷属から脱出するいい機会となるかもしれません。
沖縄と日本国民が声を揃えて、ヤンキー ゴー ホームを叫べば、あの単純なトランプですから、米軍を引き上げてくれるかも知れません。トランプという「毒」で、日本をアメリカの植民地として搾取してきた別の「毒」を制すことができるかも知れません。そのチャンスの時に日本の指導者がアベ氏ではダメです。アメリカのジャパン ハンドラーズの指示通りにしか動けないのですから。角栄のようなタイプ、行動力と総合的な判断力を持った人間が必要です。トランプはアジアの安全保障に興味がないと言っているのですから、日本は中国とロシアとの関係をもっと重視しアメリカの属国という立場から独立性を高めていくしかないと私は思うのですが。大体、日米安保など建前だけであり、それは日本の安全保障には何の役にも立っていないのですから。

トランプ就任の前日の東京新聞の記事。
トランプ政権でアーミテージ報告書路線は… 日米連携の設計図失う?
 、、、安倍政権は、米国の知日派がかつてまとめた「アーミテージ・ナイ報告書」に沿う形で多くの政策を進めてきたが、トランプ氏の就任で、こうした関係は成り立たなくなる。(木谷孝洋)
 安倍政権が行ってきた施策は、野党から「完全コピー」と批判されるほど報告書の内容と酷似している。
 一二年の報告書は、他国を武力で守る集団的自衛権行使の容認、国連平和維持活動(PKO)拡大などを日本に要求。安倍政権は世論の反対を押し切って集団的自衛権を行使できる安全保障関連法を成立させ、南スーダンPKOで陸上自衛隊部隊に「駆け付け警護」などの新任務を付与した。
 経済では、報告書が求めた環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に踏みきり、各国と合意。歴史認識問題にも報告書通り向き合い、韓国と旧日本軍慰安婦問題の解決に向けて合意した。、、、


つまり、自民党政権は、アーミテージ、ジョゼフ ナイらジャパンハンドラーズの「提言」という名の「命令」を受けて、アメリカの日本支配を忠実に実行してきたわけです。それによって、対米隷属で生じる数々の利権にぶら下がる官僚組織などからの支持を受けて政権を維持してきました。なにしろアベ政権の政策はアメリカの提言の「完全コピー」ですからね。

ところが、従来のアメリカ政界とは無縁のトランプが、一般アメリカ人に耳触りの良いことを適当に並べ立てて当選してしまい、トランプもちょっと簡単に後には引けないような状態になっているのではないでしょうか。それで、戦後、独立国の体裁を保ったままで、都合よく日本を植民地状態において利用してきたアメリカと霞が関ですが、その「大人の事情」をよく理解できないトランプが、「アメリカ第一」と言って、その馴れ合いをブチ壊そうとしているように見えます。

 外圧でしか動かない日本、これを利用して、うまく在日米軍の規模を縮小できるかも知れません。ロシアが北方領土を返さないのも、世界最大の国外米軍基地が日本にあるという事実があるからでしょう。アメリカの命令を完全コピーするような政権をどう間違えばプーチンが信用するのかという話です。アメリカが出て行けば、北方領土も返ってくるかもしれません。
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ヒューマニズムの退行

2017-01-20 | Weblog
難民の受け入れに寛容だったドイツのメルケル政権、先月のチュニジア人によるベルリンのテロ事件を受け、「テロを起こす危険があるとみなした人物の足首に衛星利用測位システム(GPS)付き「電子足輪」を装着するなどのテロ対策をまとめ、法改正に乗り出した」とのニュース。どうも、イスラム過激派を念頭に置いているようです。

「テロを起こす危険があるとみなす」とは、誰がどの基準で判断するのかという点が、最も危うい問題であり、先日のアベ政権の、罪の計画段階で処罰可能とする、いわゆる「共謀罪」を創設するための組織犯罪処罰法改正案を20日召集予定の通常国会に提出する方針を固めた、という動きを思い出させます。

いずれも、権力を持っている者次第によって、容易に暴走する可能性のある法案です。

確かに イデオロギーと現実とをうまくすり合わせられない人々は危険です。オウム事件やそれよりさらに前の日本赤軍とか活動家の内ゲバ事件とかを思い出すまでもなく、人並み以上の知能を持つ人間が、他人や自分自らから洗脳状態に入って、異常な視野狭窄を起こしているわけです。ま、一種の精神病と言ってもいいでしょう。こう言う人々は少数なわけで、世界最大の宗教であるイスラム教教徒のほとんどは、普通の人ですから、どうやって、危険な人間をより分けて、監視し、場合によっては権力で拘束するか、という点にambiguityが許されるのであれば、これは一挙に人権問題となり、ひいては現実的に民主主義を破壊することにつながるだろう、とは多くの人々の危惧するところでしょう。

イデオロギーに「狂った」人も危険ですが、イデオロギーがない人間も困りものです。トランプのことです。イデオロギーがないというのは正確ではないかもしれません。彼もイデオロギーらしいものは持っているかもしれませんが、それはおそらく、自分が一番で、儲かることは絶対的に良いことだ、というような幼稚極まりないものでしょう。

いずれにせよ、間も無く始まる彼の政権は、始まる前から大荒れです。マトモに国家の運営などできないことは遠からず明らかになり、彼に投票した人々を絶望させることになるであろうと予想されます。すでに40名近い議員が、大統領のinarguration ceremonyへの出席をボイコットすると表明しており、数多くの有名アーティストはセレモニーでのパフォーマンスの招待を拒否し、当日から、人権保護団体は、トランプのマイノリティーへの政策に反対するデモを行う予定にしており、数日前には、テレビ番組で以前に性的嫌がらせを受けた女性がトランプに対してクラス訴訟を起こしています。次のモニカ ルウィンスキーになる候補者には事欠かないようです。

これらのニュースはバラバラのように見えますが、共通項として、人が人を思いやり、他人の権利を尊重するという、戦争の世紀から痛い思いをして学んだ教訓から逆行していく傾向を示していると思います。「自分さえよければ良い」という考えがヨーロッパ、それからアメリカの帝国主義を生み、世界を陰惨なものしてきたのではなかったのですかね。殺し合いの20世紀から、人類は、多少賢くなって、ケンカをしないで憎しみ合わないで生きていく方がより効率的で人間的であることを学んだのではなかったのですかね。トランプ現象が、前人間時代の断末魔の悪あがきであってほしいと思います。
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訪れる終わり

2017-01-17 | Weblog
週末、ポスドク時代の知り合いが亡くなったという知らせを受けました。多分最後に会ったのは10年ぐらいは前の学会だったように思います。病気になってからウェッブサイトで病状報告をしていたようですが知りませんでした。地方大学で教鞭をとっていましたが、そのウェブサイトの記録によると、最初に腹痛で見つかってから、わずか5ヶ月ほど、亡くなる一月前まではまずまずだったようですが、化学療法を試してから急激に悪くなったようです。

その記録を読んでいると、彼の口調が蘇ってきて、なんとも言えない感情が湧きあがってきます。映画のシーンのように昔のことが思い浮かびます。そして、映画が終わった後、知らぬ間に観客が去って行って、ふと自分だけが取り残されていることに気づく、そんな感覚を覚えるのです。映画は終わったけど、みんなはもういない、一体、自分はこの後、どうすればいいのだろう、そんな途方にくれたような気分になります。
自然と「善き者は逝く」とつぶやいていました。

一緒に研究室で過ごした日々が昨日のことのようです。あれから十数年が経ったのだ、もう自分も含めて何があってもおかしくない時期に来ているのだとあらためて思いました。

忘れたころや予期しない時にこそ、物事の終わりはふと訪れるのかも知れません。私は死ぬ時は跡を残さずにすっと去りたいものだと思います。そのために、この数年来、そろそろ終わり方を考えよう(でもまだいいか)と、折に触れては思いついては先延ばしにしてきたことですが、今年のグラントが落ち着いたら、ジックリ取り組むか、と思いました。
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今日はいい日

2017-01-13 | Weblog
研究計画が行き詰まり、あれこれとまとまらずに、計画書が一行も書けないという日々が続いています。仕方がないので、周辺作業の図を描いたり、イントロの使う論文を漁ったり、そんなことをしている間に、1日が暮れてしまいます。そういう時に限って、他のところにも問題が出てきたり、雑用がやってきたりして、焦りに拍車がかかるものですが、やはり、気持ちに余裕がないのはダメですね。

それで、うまくいかないことがあった時には、「今日はいい日だ」と言うようにしております。そう言うと、その言葉を正当化しようとして脳が何かいいところを探し出そうとするのだそうです。いいことに注意を向けて、うまくいかなかったという事実からネガティブな感情を生み出すのを予防する効果があるということです。

斎藤一人さんは、いいことがある時には、「いやーな感じ」がするのだそうです。いやーな感じがあった時、「今日はいいことありそうだ」と言うのだそうです。そうするといいことが起こる。

物事には、アプリオリにいいことや悪いことが存在しているわけではなく、良い悪いを判断しているのは実は私たちです。望まないことが起きた時には、私たちはそれを悪いことだと単純に反応し「悪いこと」というラベルを貼ってしいまいがちです。その反射的な作業を意図的に止めて、望ましくないと見えることの中に、もしも良いことがあるとすれば、それは何だろうか、と考えてみることは有効だと思います。よく考えてみれば、一見悪く見えることの中にも一つや二つの良いことは発見できます。仮にその時に発見できなくても、十年経ってからその意味が理解出来るようなこともありますから、少なくとも、物事を「悪いこと」と即時に判断するのを保留するようにするのが良さそうです。

思うようにいかなかった出来事に悪いことが起こったと反応して、自分の機嫌を悪くすることは、少なくとも私にとっては大変有害です。

そんなことを、ますます酷くなるトランプの言動を聞いて思いました。この品性と良識と誠実さに欠ける傲慢で幼稚な俗物王が、民主主義国家を引っ張っていくリーダーに最もふさわしくない一人であるのは間違いありません。そんな人が世界最強の軍隊を持つ国家の元首ですから、これは良識を尊ぶ人々にとっては、間違いなく悪い事でしょう。

ただ、始まりがあれば終わりがあります。限界に達した近代資本主義が、核反応のような強烈な連鎖反応によって、暴力的に終わるしかないのであれば、その時にどんな大統領がふさわしいのだろうか、と考えてみました。そう思うと、この時期にトランプが大統領をやるのも必然の成り行きなのではないかとも思えます。

ゴルバチョフのペレストロイカの後、ソ連が崩壊しました。ソ連の崩壊は、ゴルバチョフが引き起こしたのではなく、それは必然であっただろうと今ではなんとなく思います。アメリカは国家として崩壊しないかも知れませんが、その金融システムは崩壊するするかも知れません。遅くともその時にトランプは退場することになるでしょう。中国も同様でしょう。中国政府が規制をし始めたようですが、それまで中国人がビットコインを大量に買い漁っているという話を聞きました。アメリカ経済の崩壊は、即、世界経済の崩壊につながります。中国富裕層はそれを見越しているのかもしれません。

それはともかく、
昨日は過ぎ、明日は来ず、今日しかない1日は、何があってもいい日です。
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言論弾圧

2017-01-10 | Weblog
アベ氏も属するという右翼カルト集団「日本会議」。ベストセラーの「日本会議の研究」の出版さして止めという異常な判決に、言論弾圧と批判。

東京新聞から。
ベストセラー「日本会議の研究」 異例の出版差し止め決定

 ベストセラーの新書「日本会議の研究」によって名誉を傷つけられたとして、書籍内に登場する千葉県の七十代男性が、出版元の扶桑社に出版差し止めを求めた仮処分で、東京地裁(関述之(のぶゆき)裁判長)は六日、「真実でない部分があり損害も著しい」と判断し、差し止めを命じる決定をした。
 扶桑社によると、昨年春からの発行部数は約十五万三千部。裁判所がベストセラーの出版を差し止めるのは異例だ
 書籍では、保守系団体の日本会議と宗教法人「生長の家」の関係を記載。生長の家幹部だった男性は、六カ所について真実ではないとして仮処分を申し立てていた。、、、、、
 書籍は日本会議の成り立ちを探った上で、安倍政権による改憲に向けた動きを批判する内容。各書店でベストセラーランキングの上位に入った。、、、
 「日本会議の研究」著者の菅野完さんは六日の東京地裁決定後、取材に「、、、本件は言論弾圧の一環と言わざるを得ない」とコメントした。
<日本会議> 保守系団体の「日本を守る国民会議」と「日本を守る会」を統合し、1997年5月に設立された民間団体。「皇室崇敬」や「新憲法の創造」を掲げ、近年は夫婦別姓反対や外国人参政権反対などを訴える。、、、


日経新聞では、その詳細について次のように報じています。

決定によると、書籍では、宗教団体の活動の中で自殺者が出たと記載。宗教団体の幹部だった男性は自殺者が出たことについて「馬耳東風であった」と描かれていた。決定理由で関裁判長は、自殺者が出たことを裏付ける客観的な資料が存在せず、一部の取材対象者は伝聞を述べているにすぎないなどと指摘。著者が男性に対して直接の取材も行っていないことなどから「真実でないと言わざるを得ない」とした。


うーむ、微妙ですね。ベストセラーであるからその影響力を考えて、差しとめの判決になっただけかもしれませんが、昨今の強権的アベ政権と行政に牛耳られる司法を見ていると(先の沖縄県と国との裁判など)、言論弾圧の意図があった可能性は大きいと思います。出版差し止めというのは異例の判決のようですから。日本では、政権に有利な判決を出す、所謂「ヒラメ裁判官」が多いのは、日本の裁判官は最高裁総務局を頂点とする司法官僚に給与と昇進と転勤人事で管理されており、最高裁判事の人事権は時の内閣が握っているという(司法が現実的には行政の下に置かれている)事情があるからのようです。この判決が政権批判を含んだ本であったために、政権の意図を「忖度」したヒラメの判決だ、との批判が出るのでしょう。

だいたい、新聞でさえ世論誘導のためにウソを垂れ流して後で小さな訂正記事で終わらせたり、週刊誌が売らんがために信用度ゼロの記事を書き散らしたりしているわけで、今やPost-truth時代、ウソでもインチキでも売れれば勝ちというご時世なのに、「日本会議」と政権批判の本には厳しい判決ですな。

もう一つ。
政府は5日、犯罪の計画段階で処罰可能とする、いわゆる「共謀罪」を創設するための組織犯罪処罰法改正案を20日召集予定の通常国会に提出する方針を固めた、というニュース。
 犯罪も犯していないのに計画段階で処罰とは、怖い世の中になったものです。中世の魔女狩りを思い出させます。犯罪の事実もないのに「犯罪の準備段階である」ことを判断するのは誰か、権力を持っている連中でしょう。つまり、やりたい放題。これも言論弾圧の一環といえるでしょう。法案成立の際は、憲法を無視して独裁国家を作り戦争犯罪を計画している危険なアベ政権に、まず第一にこの法案を適用してもらいたいものです。
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世のため、人のため

2017-01-06 | Weblog
ちょっと前に再会した昔の友人と色々話をした中で、印象に残った話。

私の研究室は超零細で、人を公募したことはありません。私のところに来たいという人は、たいてい私の研究に興味があるというよりは別のところに本来の目的がある場合が多いので、こちらの要望とアチラのプランをすり合わせることができるかどうかという物理的レベルの交渉して、条件が合えば一緒にやるという感じです。しかし、彼の研究室は、若手研究者やポスドクから応募が多数あるようです。それで面接の時は、なぜ彼の研究室を選んだのか、という当然の質問をするそうです。

彼自身は基礎研究者なのですが、関連した珍しい難病を扱っており、彼自身がその病気のadvocateとして活躍しテレビにも出たりしたこともあるので、そんな活動を見て応募してくる人も多いようです。それで、インタビューでは、なぜ彼の研究室に来たいのか、という質問に対して、「苦しんでいる患者さんの役に立ちたい」というような趣旨の回答をする人が少なからずいるのだそうです。

興味深いことに、「患者さんのために」研究すると答えた人のただの一人も長続きした試しがないのだそうです。

誰かのために働くためには、そのことによって自分にも何らかのメリットがなければ長続きしないのだろう、と思いました。誰でも自分が一番です(人間だもの)。その本音のところを見つめずに、「誰かのために」と言う人は、その建前のところで思考が終わってしまうのではないでしょうか。誰かのために一生懸命やれば、(自然と)自分も報われるだろう、と根拠なく想像してしまい、具体的にどう報われたいのか、自分が目指すゴールはどこなのか、ということを突き詰めて考えないのではないでしょうか。

あるいは、「誰かのために」という大義を全面に出す人は、己の本音を言わなくて済むと思っているのかも知れません。

そういえば、「復興支援」で福島に赴任した人が給料を不当に下げられたことを理由に福島を去ったという話を聞きました。給料が理由で辞めるのなら、「復興支援」という大義を前に出さなくてもいいのにな、と思った記憶があります。

人のため(為)と書くと「偽」になる、と斎藤一人さんの言葉を思い出しました。

などと、エラそうなことを言いましたが、若いときの私は典型的な何も考えていない人間でした。とにかく一生懸命やれば、結果は(自然と)ついてきて、自分も含めてみんなハッピーになるだろうと根拠もなく思っておりました。当たり前ですが、具体的に目指すものがなければ、いくら必死で漕いでも目的地に到達しませんね。また、そのその目指すものに正直でなければ長続きしないのだろうと思います。まずは自分の自己実現、その手段として「誰かの役に立つ」ことをしたいと欲求もあるのだろうと想像します。誰かの役に立ったが、利用されて騙されたのでは、満足しないでしょう。人の役に立ちたいというのも、突き詰めれば、結局はエゴの表れ、トランプが大統領になりたいとかアベ氏が首相を続投したいとかいうのと大差なさそうです。(他者への貢献を考えているだけ、彼らよりはマシですが)

ま、最近は、もう大義も自己実現も目的地に到着するということもそんなに重要ではないと思うようになりましたので、私も人の役に立ちたいとか、意義のある貢献をしたいとかの欲求は随分なくなくなりました。

こだわりなく流れのまま、雨に打たれては冷たいと言い、風に吹かれては寒いと言い、みんなにデクノボーと言われるが、別に苦にもされない、そういう者に私はなれればいいな、と思います。
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今年もよろしくお願いします

2017-01-03 | Weblog
あけましておめでとうございます。

相田みつをさんの話で知りましたが、正月の「正」という漢字は「止」ヘンなのだそうです。「一」に「止」と書いて「正」。「一」すなわち「原点」に止まること、自分の原点に立ち返ること。正月は原点に立ち返る月ということなのだそうです。

研究者としての自分の原点とは何だろうかと考えてみました。それは新しいものを見つけ出すことの喜びだろうと思いました。多くの実験は意味のある結果を得ることなく終わりますが、それでも失敗の実験からも学ぶところがあり、知る喜びがあります。そんな小さな喜びがあるおかげでここまで何とか来ました。そんな地道な実験を繰り返して得た失敗や小さな成功が、研究者という畑を耕すと私は思います。よく耕された畑に種が蒔かれ、地道に世話をする苦労を経て、実は実るのだろう、そんなことを思いました。

とはいうものの、人間ですから、研究者の原点以前に、社会的動物としての原点、自分や家族の生存に必要な資源を確保し喰っていかねばならぬ、というものが付きまといます。残念ながら、研究の喜びは、社会動物としての原点とは直接リンクはしていません。

というわけで、この半年ほど、二ヶ月後に締め切りのグラントのことばかりを考えていました。グラントは生存のための原点であり、研究費を獲得するということが最終ゴールです。研究のゴールは、そうして得た研究費を使って、価値ある成果を出すことですから、グラントと研究のゴールは全く別です。グラントのゴールを達成するには、レビューアの興味と興奮を惹起して、敵ではなく味方になってもらうことが必要だと思います。それをロジックとレトリックで達成するゲームといえるでしょう。映画で言えば、インパクトのある予告編とその期待を裏切らず、読み進めるほどに期待が上昇していくようにうまく構成された本編が要求されます。何れにしても、研究の原点とはほどんど無関係な活動と言えるでしょう。

グラントのことばかりを考えすぎると、視野狭窄になって研究の原点に立ち返ることを忘れてしまいがちになります。それで、迫る締め切りのことはとにかく置いておいて、研究費がもらえたつもりになって、その準備に向けて、共同研究者を探し、できる範囲で実験をやっています。そうして出たデータをグラントに使うという目的もありますが、何より、実験をやって結果を見て、何らかのデータが出て、そのデータの解釈を色々と考えるというプロセスは、グラント書きのような作文とは全く別のTangibleな喜びを与えてくれます。そのデータや実験でどれぐらい自分は興奮できるのかを確かめたいのです。私の場合、自分が心から興奮できなければ良いグラントは書けないです。

日々ウジウジとやっている間にちょっとずつアイデアと現実が連動し出したような感覚が出てきました。これがもう少しはっきりしてくれば、グラントも書けると思います。

本年もよろしくお願いします。
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沖縄の戦い

2016-12-30 | Weblog
政府、辺野古工事を再開 沖縄反発、断固阻止と知事。
辺野古工事を再開 沖縄知事「絶対に造らせない」

工事再開に先立ち、翁長知事は二十七日午前、首相官邸で菅義偉官房長官と会い、再開前の事前協議を要請。菅氏は「わが国は法治国家で(辺野古移設を巡る)確定判決の趣旨に従って工事を進める」と拒否した。、、、
 翁長知事は工事再開後、東京都内で記者団に、県民の怒りと悲しみは非常に大きいと指摘。「そう簡単に物事は進まない」と述べ、政府の思い通りにはさせないと強調した。、、、沖縄平和運動センターの大城悟事務局長(53)は「県民だけでなく知事の声にも耳を傾けない。強硬姿勢が改めてはっきりした」と批判した。
 「国はやりたい放題だ」と憤るのは、第二次普天間爆音訴訟の原告団長島田善次さん(76)。「辺野古に基地ができれば、子や孫の世代にまで基地負担が残る。止める以外にない。正念場だ」とつぶやき、口を真一文字に結んだ。


トランプ会談で怒りを買ったオバマ政権へのゴマすりで真珠湾訪問したアベ氏のスピーチが、また国内とくに沖縄の人々の怒りを買っています。

首相の真珠湾慰霊 国内から注文「これで和解成立でない」

演説を聞いた国内の戦争被害者や在日米軍基地が集中する沖縄出身者からは「言葉よりも行動を」「まずアジアへの謝罪を」という厳しい声が上がった。「安倍首相は日米関係を希望の同盟と強調したが、沖縄にとっては絶望の同盟になりつつある。沖縄が置き去りにされていると実感した」、、、首相は「(日米は)共通の価値のもと信頼を育てた」と語った。元山さんは「日米が共通して持っているはずの民主主義や地方自治の価値観をないがしろにして、沖縄に米軍基地の負担が押し付けられているのに」と違和感を覚えた。、、、、首相は「和解」を強調したが「私たちは原爆被害者として政権に対して『和解』は求めていない。軽々しく和解という言葉を使ってほしくない。言葉よりも、その後の行動が大事だ」と語った。


また同紙、社説では、

首相の演説は、かつて激しい戦火を交えた両国が「歴史にまれな、深く、強く結ばれた同盟国」になった意義を強調することに重きが置かれ、反省や謝罪の言葉はなかった。、、、、戦後七十年の安倍談話でも、戦後五十年の村山談話や戦後六十年の小泉談話に盛り込まれた「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「心からのおわび」の文言を使っている。、、、¥不戦の誓いが、先の大戦に対する痛切な反省に基づいているのなら、こうした言葉にも言及すべきではなかったか。さらに、真珠湾攻撃は日米戦争の戦端ではあるが、三一年の満州事変に始まる「十五年戦争」の一部にすぎない。日米開戦時点ですでに中国大陸への侵攻は続いており、真珠湾攻撃と同日にはアジア・太平洋各地域への攻撃を始めている。日本が真に和解すべきは、安全保障や経済ですでに深い関係がある米国ではなく、中国をはじめとするアジア諸国だろう

と当然の意見。反省も不戦の誓いも口先だけで、本音は別です。

一方、お抱え新聞、産経は3ページにもわたる提灯記事。
寛容の価値を世界に すぐに歴史問題を振りかざす中韓にも理解を迫る

中国は日本の戦争被害者であり、戦勝国、日本はアベ氏も含む歴代首相が、侵略戦争であったと反省と謝罪の談話を発表してきています。その加害者が、被害者に向かって、「寛容の価値を解いて、理解を迫る」のはスジが違うというものでしょう。

読むのもアホらしい記事ですが、そこに引かれている聞き捨てならないアベ氏のセリフ。

「これで戦後は完全に終わりになるかな。いつまでも、私の次の首相まで戦後を引きずる必要はない」


日本が日米地位協定で植民地状態にずっと置かれていて、そのツケのほとんどを沖縄一県に押し付けていることを何と考えているのか。独立国の首長のはずなのに、オバマとトランプの機嫌取りに東奔西走させられているのをどう思っているのか。国際社会の誰かも相手にされていない理由をちょっとでも考えてみたことがあるのか。
その勘違いの激しさに沖縄の人々ならずもはあきれ返っています。

戦後ではなく、沖縄ではまだ戦時中です。戦後が終わるどころか、戦争そのものが継続中だと見る方が妥当でしょう。

民主主義によってトランプ選ばれてアメリカが二つに分裂してしまったり、ヒトラーが選ばれて民主主義が独裁制を支持してしまったり、と民主主義が国民の利益と逆方向に働いてしまうことはしばしばあります。社会の構成人員の多数が必ずしも成熟した判断能力や同様の価値観を持つわけではないですから。しかし、民主主義は最善ではないが他の政治形態よりはマシである、というチャーチルの言葉には同意します。

問題は、民主主義の精神に基づいて政治を行おうを考えている政治家や官僚が国家中枢に極めて稀だということでしょう。自民党やその他の議員の多くは、民主主義というのは権力を手に入れるための方便だとしか考えていないようですし、アベ政権の強権的で雑な政権運営は、民主主義だから選挙で勝って多数を占めれば好き勝ってやっても良いのだと思っているようです。

しかし、民主主義は文字どおり、国民一人一人が主権者であり、政治家はその権利を託されているにすぎないという建前です。国家権力を嵩に着て一部の国民に不利益を押し付けるようなイジメが平気でできるアベ政権は、一刻も早く消えてもらわねばなりません。

沖縄県の人々が日本国民として他の国民と同様の権利が保障されるようにすることは民主主義、立憲主義の立場をとる人々にとって当然の願いです。辺野古の自然を破壊した上で、そこに強制的に米軍基地を新設して沖縄を恒久的にアメリカ植民地にしようとする日本政府は、沖縄県の主権者の意思を踏みにじり、憲法と民主主義を否定するものです。そして放置しておくと、同じことが本土の我が身にもふりかかってくるでしょう。

この戦いは県と国と対立ではなく、民主主義とファシズムとの戦いです。国家権力を使って、己の利益のために弱いものを利用して負担を押し付けようとする人間が政府中枢にいる限り、沖縄に起こっていることと同じことは本土の人間にも起きます(事実、起きています)。沖縄と国との戦いにおいて、我々や子孫の将来を考えれば、どちらを応援し、どちらが勝利しないといけないのかは、一般国民にとっては、考えるまでもないと思うのです。
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