百醜千拙草

何とかやっています

危ない男

2016-12-02 | Weblog
悪口が多くて悪いのですが、客観的事実に基づく個人的評価ということで、、、

いくらなんでもトランプがアメリカの大統領というのはあまりに不適格ではないのかと私は思うのですが、大統領選後もいろいろ聞こえてくるニュースを聞いても、この男は危ないと思わせるものばかりです。昔のテレビでのリアリティーショーや美人コンテストでの俗物ぶりがあまりに印象に強いので、色眼鏡で見ているのかも知れないと戒めながらニュース聞いてはいるのですが。TVのショーで印象に残っているのは、10年ほど前、トランプがやっていたミスUSAで、ミスUSAに選ばれたTaraナントカさんが、薬物、アルコールなどの問題を隠していて資格基準違反を問われた時の話
トランプは規則を曲げて、"I've always been a believer in second chances. Tara is a good person. Tara has tried hard. Tara is going to be given a second chance"と言って、ミスUSAに留めました。

現在ニュースによると、ウィスコンシン州の緑の党からの候補者、ジル スタインが大統領選の票計算に不正の疑いがあるとして、再集計を要求しており、僅差でトランプが勝った、ウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニアでの再計算のためにすでに5億円を集め、ウィスコンシンは再集計の準備に入ったとのこと。対して、トランプは「選挙結果は尊重されるべきであって、異議申し立てやののしりを受けるべきではないのに、ジル・スタインはまさにそれをやっている」と述べた。だがトランプ氏自身は選挙期間中に、もし敗北したら結果を拒否すると威嚇し、メディアと体制派エリートが選挙運動で不正を行っていると主張していた。、、、、そうです。

自分の都合の良い時は、明らかな違反があってもsecond chanceを認め、自分が負けたら選挙結果を拒否して不正を行っていると主張するクセに、都合の悪い時は「選挙結果は尊重されるべきだ」ですからね。Second chance believerなら、選挙不正を疑われた投票は積極的に再計算を支持すればどうですかね。この傲慢不遜で自己中心的な性格も嫌らしいが、その品性も下劣。ミスUSA事件の時に、コメディアンのRosie O'Donnellがトランプの言動をギャクのネタにしたついでに、TVのワイドショーでトランプの結婚倫理性の無さやビジネスのやり方をあげ、ミスUSAなどで若者のモラルについて云々できるような資格のある男ではないと厳しく批判、そこからこの二人の敵対関係がしばらく話題になりました。

その後、トランプは芸能ニュースのインタビューでO'Donnellを口汚く批判し、私は、これを見て、心底ゲンナリしました。コメディアンにギャグのネタにされてワイドショーで批判されたと言ってここまで切れるのは大人気ない、と当時は笑っておりましたが、今やその幼児性丸出しの男が強大な国の世界最強の軍隊の最高司令官となるとなれば、さすがに多少の恐怖も感じます。しかも、今だに気に入らないものに対しては、すぐに感情的になって悪口を言いまくるこの人のツイッターを見ていると、中身は全然成長していないままのようです。

当時の芸能ニュースのインタビューから。
 Rosieには吐き気がする。外見も中身もだ。彼女はズボラでトラック運転手みたいにしゃべる。、、、彼女のトークショーが失敗すれば、とっても愉快だ。、、、、Rosieのような悪い人間が失敗するのを見るのは気分がいい。、、、もし私が「View (ワイドショー)」の責任者なら「お前はクビだ」とあの汚らしい太った顔に向かって言うだろう。、、、Rosieを訴えてやろうかと思っているところだ、それは面白そうだからだ。あいつの膨らんだ財布の中から幾らかの金を搾り取ってやりたい。、、、RosieはLooserだ。


これが、仮にショーのためのヤラセのセリフでも、こういう物言いをするゲス人間が大統領ってどうよ。ま、十年前の芸能ニュースではありますが、当時でも立派な初老の大人ですからね。

これを思い出したのは、フィデル カストロの死去のニュースにトランプがツイートしたのを取り上げたブログ記事、「生けるトランプ死せるカストロを罵る」を読んだからです。

キューバ革命の「英雄」フィデル・カストロが死んだことで、トランプがツイッターで吠えた。カストロを残忍な独裁者と呼び、彼の「業績」を「盗み、想像を絶する苦悩、貧困、基本的人権の否定」だったと断定した。

これはアメリカの資本家階層のキューバ観をトランプが代表して表明したということだろう。カストロのおかげでアメリカの資本家たちはキューバで金儲けをする機会を奪われた。だからカストロは不倶戴天の敵というわけだ。

トランプがオバマの対キューバ融和政策を批判していることは周知のことだ。これをトランプは、アメリカがキューバに救いの手を差し伸べたと捉え、キューバの一方的な利益になるものだと言ってきた。しかし実際はそうではないことは、現実をきちんと見ている者の目には明らかだ。

近年キューバへの中国の接近ぶりが際立つようになり、両者の関係はキューバ国内に中国の軍事拠点を設けるところまで発展する勢いだった。それがアメリカにとってどんなに耐え難いことか、軍事専門家でなくともわかろうというものだ。オバマはその危険を回避するために、キューバに手をさしのべ、キューバに対する中国の影響力が高まることを牽制したと言える。だからオバマの対キューバ融和政策は、むしろアメリカの安全保障のために行われたと言ってよい。

トランプにはそういう外交的な背景は一切見えていないようだ。、、、キューバとの外交交渉は、不動産売買の取引とは違うのだ。

トランプはカストロを罵って残忍な独裁者と呼び、「盗み、想像を絶する苦悩、貧困、基本的人権の否定」こそがその業績だったと罵ったが、こうした懸念はむしろトランプその人について、世界中の人々が抱いていることではないのか。


その後、このブログ主さんの懸念した通り、キューバに対して早速、高圧的で傲慢なツイート。

「キューバがもし、キューバ国民やキューバ系米国民、そして米国全体のために関係を改善する気がないのなら、私はその取引を打ち切る」と書き込んだ。

掛け値なしの単純XXです。(XXがやりそうなことを心配していたら本当にやりました)

オバマは近代アメリカ最大の危機であったケネディー時代のキューバ危機から学んだが、トランプは思慮の浅さと品性のなさでせっかくの苦労をぶち壊す。XXにつける薬がないのは東西を問わずということですかね。

カネと国民の不安を煽りたてて得た大統領の地位も、本人もビジネス ディールぐらいに思っており、アメリカと世界の国の人々の生命と将来を左右する職であるという認識もなさそうです。こんなのを選んだアメリカ国民、American Valueというものもすっかり消えてなくなったような気がしますね。
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アベコベ

2016-11-29 | Weblog
戦後日本の発展は、アメリカの青写真によって作り上げられたが、日本はそのアメリカ支配の縛りの中で面従腹背、自国の利益を追求してきました。その中で沖縄一県にババを押し付け続けるという悲劇を生んだわけでもあるわけですが。そして近年、アメリカ覇権が傾き始め、世界各国がアメリカから距離をとって巻き添えを食わぬようにと注意を払う中で、日本政府は、かつては生き残るための手段としての「対米隷属」が、今やほとんど「教義」となってしまい、それ自身が目的化してしまっている様相です。官邸に至っては、自分が何を目的に何をしているかもどうも理解できていない様子。やることなすことアベコベなのは、歴史認識、客観的かつ俯瞰的で長期的な視野に立った情勢判断と行動の能力に欠けているからでしょう。愚かな行動をとって国民や諸外国に批判される前に、まずは「安倍でもわかる政治思想入門」でも読んでもらいたいものです。

そのアベ政権の歴史認識と判断能力の欠如を示す最近の行動に呆れた田中良紹さんの最近の解説が良かったので、貼り付けます。

日本が自由貿易を主導してトランプを説得するという身の程知らず フーテン老人世直し録(264)

アメリカ大統領選挙の結果を読み違え、結果が出る前にTPP協定を衆議院で強行通過させた安倍政権は、TPP撤退を選挙公約に掲げたトランプが次期大統領になったことに慌て、摩訶不思議なことを言い始めた。

保護主義の台頭を抑えるため、日本がTPPに代表される世界の自由貿易を主導し、トランプ次期大統領を粘り強く説得していくというのである。まるで日本が自由貿易のリーダーであるかのようで、アメリカ人が聞いたらびっくり仰天腰を抜かすのではないか。
、、、
トランプの勝利で「TPP脱退」は米国民の「民意」となった。それを外国人が、とりわけ日本人が説得して覆すことなどあり得る話ではない。やれば足元を見られて逆に徹底的に揺さぶられ、日本の国益を吸い上げられるのが関の山だ。
、、、
以下は有料記事なので、ちょっとだけ抜き書き

安倍総理はトランプを「信頼に足る指導者」と持ち上げた。 ところが直後にトランプはインターネット動画で「TPP脱退」を明言する。
、、、
安倍総理は帰国すると自由貿易を主導してトランプ次期大統領を粘り強く説得していくと言い始めた。そうでも言わないと今国会が何のための国会かということになり、アメリカの現政権にすり寄ることしかできない安倍総理の外交能力のなさが浮かび上がってきてしまうからである。
、、、
日本は資源に乏しく資本主義に遅れを取った国である。強者の餌食にならないよう細心の注意を払わなければならない。常に自分と同等の基準を要求してくるアメリカに対し様々な手段を弄して自国経済を守る必要があった。

戦後の日本に僥倖をもたらしたのは冷戦時代の米ソ対立である。世界の共産主義化を恐れるアメリカはヨーロッパではドイツ、アジアでは日本を「反共の防波堤」とし、両国経済を発展させることで共産主義の浸透を防止しようとした。
、、、
そのころの日本は様々な手段で輸入を抑え、輸出にだけ励む貿易立国であった。 これがアメリカの怒りを買いアメリカは常に日本の保護貿易主義をやり玉に挙げた。、、、様々な障壁に守られた日本の市場をこじ開けるためアメリカは日本の経済構造そのものをアメリカと同じ仕組みに変えようとする。それが80年代から続く「構造協議」や「年次改革要望書」であり、その延長上にTPPがある。
、、、
冷戦が終わりグローバリズムの時代が到来すると、「唯一の超大国」アメリカの考え方が世界を覆うようになった。
低賃金を求めて資本は国境を越え、中国、ベトナム、バングラディシュ、ミャンマーなどを次々に国際市場に引き込む。、、、それがデフレを生み、また先進国の中間層は雇用を奪われて没落する。そして富裕層と貧困層の格差が限りなく広がるようになった。

、、、アメリカが世界の覇権を握るために進めたグローバリズムで国民は幸せになったのか。まるで逆ではないか。その声を代弁したのがトランプであり、サンダースであった。 、、、

それにしてもさんざん保護貿易で経済を豊かにしてきた日本が、アメリカ型の経済構造に変えられて、いまや自由貿易のリーダーを自認しているが、そのことで国民が豊かになっているわけでは決してない。

むしろ「デフレからの脱却」を叫ぶ安倍総理が気づくべきは、行き過ぎた自由貿易がデフレをもたらすという昨今の世界経済の動向なのである。
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お休みの音楽

2016-11-25 | Weblog
アメリカ大統領選挙後のバタバタが今だに続いており、ニュースを聞く限り、やはりトランプほど国家の元首として不適格な人間はいないと認識を新たにする日々です。まだヒトラーでないだけマシか、と思うしかないです。しかし、日本にとっては、実は良い影響があるかも知れません。内向き、保護政策のトランプは、日米同盟にもTPPにも積極的ではなさそうです。これらは極東におけるアメリカ覇権主義のコアであり、それから手を引くということは、極東の安全保障は、アジア諸国で考えろ、ということだからです。トランプが極東からアメリカ軍を引き上げるとなると、安全保障(おそらく最も実際的な問題はインド洋、東シナ海を運行する貿易船の安全に関してではないでしょうか)は、イヤでも中国、フィリピン、インド、などのアジア諸国と共同で賄う必要が出てきて、自然と東アジア共同体の形成を促進し、七十年来続いた対米隷属、その犠牲になってきた沖縄の問題が解決に向かう可能性があります。日本の官僚組織は対米隷属を一種の道具として政治を操ってきました。対米隷属ゆえに官僚は政治を強くコントロールすることができたとも言ます。ですから、日米同盟からアメリカが手を引いてTPPが潰れるということは、同時に官僚政治からの脱却にもつながるかも知れません。アメリカ抜きのTPPに意味がないと政府が言うの、それでは対米従属の道具として何の価値もなくなるからでしょうj。
 トランプは気に入りませんが、行きすぎたグローバリゼーションに歯止めがかかり、労働者と資本家のバランスを取り戻し、日本もアメリカからの独立を実現することになるのであれば、人間に問題があっても、目をつぶりましょう。しかし、問題は、この人の思考は、"Deal or no deal"の短期的、短絡的思考で動いていることで、現在は、国民の投票のために内向き保護政策を打ち出していますが、日米同盟やTPPが金になると踏めば、平気でコロコロと政策を変えそうな点でしょう。

さて、それはそれとして、残りの人生、意義ある日々にしなければならんな、と思うことが増えました。やる価値のあることに集中するために、できるだけ安らかな気持ちで過ごせるようにと、寝る前には、意識的に、美しいものや楽しいものに注意を向けるようにしています。

最近の就寝時の音楽は、バッハの二つのバイオリンのためのコンチェルトです。この第二楽章を聞きながらうとうとするのが最高です。Youtubeで幾つかの演奏を聴き比べてみました。6年前パリでの録音された諏訪内さんとスタインバッヒャーの演奏。さすが、一流のプロ、二人の共演は素晴らしい。二挺のバイオリンの澄み切った音が奏でるフーガ。ソロの協奏曲でハイテクなカデンツをよりも、最近はこういう音楽が好みです。

この第一バイオリンのArabellaさんは、どうも日本人とドイツ人のハーフのようです。ソロでの演奏も聞いてみました。素人の私が言うのもナンですが、素晴らしい。ジャズ風に言えば、強力にスイングする演奏。対して第二バイオリンの諏訪内さん、渋い、うまい。でももうちょっと色気があってもいいのでは。でも、その辺が諏訪内さんの魅力なのでしょうね。




こちらは、フランス、Nemtanu姉妹によるブカレストでの演奏。表情豊かに体全体で演奏しているのがいいです。

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よく似た二人

2016-11-22 | Weblog
続 壺 齋 閑 話で紹介されていたニュースから。

ハミルトンというミュージカルを見に行った時期アメリカ副大統領予定のペンスは、観客から拍手とブーイングを受け、ショーの後の舞台挨拶の中で次のように言われたらしいです。

多様なアメリカである私たちは、新政権が我々や、地球や、子供たちを守ろうとせず、譲ることのできない権利を保護しようとしなくなるであろうことに、危機感と不安を覚えています。、、、しかし、このショーによって、あなたがアメリカの価値観を守ることを考え、われわれ全員のために働いていただけるようにと心から願っております。

これにトランプが腹を立て、ツイッターで、こう言ったそうです。

劇場というものは安全で特別な場所であるべきだ。昨晩のハミルトンのキャストは、マイク ペンスという大変良い人間に対して非常に無礼だ。謝れ!

このニュースを紹介したブログ主さん(続 壺 齋 閑 話 )の感想。

安倍総理が朝日やTBSなど、気に入らないものを攻撃するところとよく似ている。

トランプ、いい年して精神年齢は幼稚園児なみですな。アメリカの一国民(黒人)が次期副大統領となる人に対して不安と要望を述べたことに対して「謝れ!」ですからね。これで大統領が務まるとは到底思えません。
そういえば昔、マッカーサーは「民主主義において、アメリカやドイツが45歳ならば、日本はまだ12歳の少年だ」という発言をしたそうですが、アメリカはそれから70年も経ってすっかりボケが入って幼児退行してしまったちゅーことですかね。トランプが正式に大統領に任命される前に、現職の大統領を差し置いて一国の首相がのこのこ面会に行って、アメリカの属国としてのニッポンの姿をあらためて世界に曝け出し、隣国に「朝貢」と揶揄されて、笑いものになったアベ氏。
結果、まだ、大統領でもなく、ロクに政治のことも知らず、政権の青写真でさえ定かでない人間と、何の実のある話もできるわけもなく、、、。
元外務省、佐藤優氏、曰く

トランプ-アベ会談は「異常」なことだ。正式な元首であるオバマをすっ飛ばして、時期大統領予定候補者に会うということは外交儀礼上極めて異常なことで、世界のどの国もそんな非常識なことはしない。就任前の大統領と他国の元首が会談するということは「初めての出来事」と言われているのは、これまでにそれほど非礼な国家元首は現れなかったからだ。
 外交会談の報道の表現では、「冷たい雰囲気の中で」と表現される事はない。今回の「あたたかい雰囲気の中で」という表現になっているのは友好的でなかったということだ。(友好的雰囲気であれば、友好的と普通は表現されるから)ちなみに「実務的雰囲気の中で」という表現は喧嘩気味であったという意味。
トランプが「信頼できる人であることを確信した」という主観的表現になっているのは(つまり、客観的な事実の記載がないということは)、相手からなんの言質もとれなかったということを示している。つまり会談は失敗であったということだ。
 会談は総理官邸の勇み足、外務省の不作為。外務省は止めなければならなかった。
 APECの前、日露会談の前に、トランプに会うことによって、オバマ政権の反感を買うことで、日露関係にも悪影響が懸念される。(APECでどんな顔をしてオバマに会うつもりなのか)やらない方がマシ。サッカーでいえばオウンゴールだ。
 安倍は選挙前まではヒラリー支持であり、ヒラリーとしか会わなかった。それが急に手のひら返しでトランプに擦り寄って、それを世界の目に晒されて、日本は信用のある国だと思ってもらえるのか?


そのAPECでの様子について、元外交官の天木さん「オバマ大統領と立ち話すらできなかった安倍首相

APEC首脳会議に出席した安倍首相の姿が見えない。それはそうだろう。各国首脳は、保護主義に走るトランプを牽制することで精一杯だからだ。
そんなトランプと真っ先に会ったにもかかわらず、トランプの保護主義に釘をさすどころか、「信頼できる人物であると確信した」と絶賛して迎合した安倍首相に、あきれ果てているからだ。
唯一の首脳会談がプーチン大統領との会談だが、北方領土問題の進展は無理だと引導を渡された。
、、、オバマ大統領との会談はどうなったのか。まったく報道がない。ということは、立ち話さえ出来なかったということだ。日米同盟を最優先する日本の首相が、首脳会議の場で米国の大統領に会わない、会えない、などということは、前代未聞だ。世界にさきがけてトランプ氏との会談を急いだ代償だ。、、、


きっこの日記では、別の記事が紹介されていました。

コーネル大学の酒井直樹教授(日本思想史・比較文学)「安倍晋三とドナルド・トランプは非常に類似している。両者ともポピュリストで、ナショナリストであり国際情勢に関して単純な考え方を持っている。両者とも、強い反知性傾向があり、日本には移民はほとんどいないにもかかわらず、アベはトランプの反移民、反マイノリティーの立場を共有している。性差別主義もまた同様だ。、、
アベは反共産主義イデオローグであり、大日本帝国の栄光を夢見つつ、中国の軍事力強化を心配している。彼は、戦後憲法の改変と、冷戦中の極東でのアメリカの軍事力優位の枠組みの中での日本の軍事力増強に熱心である。彼は、本質的に極東におけるアメリカの代理人であり、トランプが極東でのアメリカの経済的サポートを減らそうとしていることを非常に心配している。
日本の内閣はTPPに非常に前向きであり、アベの目的の一つはTPP脱退に関してのトランプの意見を変えさせることである。トランプは明らかに大企業利益優先であるため、長期的には彼の意見が変わることはあり得るが、現時点ではそれはない。
極東におけるアメリカ覇権は明らかに低下しており、アメリカ軍進駐のみによって維持されるものではすでにない。TPPは極東における汎アメリカ主義維持のための最後のチャンスである。


この方は、アベ政権がしようとしていることは、アメリカの属国としての日本が、極東で汎アメリカ主義の下、第一の手下として他のアジア諸国の上に(でもアメリカの使いパシリだが)立つことだと考えているようです。ま、それなら、アベ氏の考える「大日本帝国」とは何ともみみっちいものですな。「小日本帝国」ぐらいに修正すべきでしょうね。内弁慶なのですかね、日本会議の面々は。

ちなみに、なぜ発効しない可能性の高いTPPにここまで前のめりになるのかということに関して、「すでにTPP法案は貿易協定ではなく農水利権の草刈り場と化している」という意見を見ました。多分、当たらずとも遠からず、やっぱりカネと力、ちゅーことですな。
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Chomsky's take on Trump

2016-11-18 | Weblog
前回、予備選の段階でのチョムスキーの大統領選に関する意見を紹介しましたが、その後、大統領選が終わった後のインタビュー記事が11/14に出たのを見つけました。

Trump in the White House: An Interview With Noam Chomsky

ちょっと長いので、飛ばし飛ばし適当に意訳してみました。興味のある方は原文を読んでみてください。カッコの補足などは原文にはないものです。

(質問)ノーム、考えられないようなことが起こってしまいした。予測に反して、ヒラリークリントンにトランプが勝ち、マイケルムーアが「卑劣で、無知で、危険なパートタイムの道化の、フルタイムの反社会人間」と呼ぶところの男が次のアメリカ大統領になることになりました。このアメリカ政治最大のどんでん返しとなった有権者の意思を決めたものは何だと思いますか?

チョムスキー:質問に答える前に、われわれがどう反応するかにもよりますが、人類の歴史で最も重要な日となるかもしれない11月8日に何が起こったのかをちょっと考えてみるのは重要だと思います。
誇張ではないですよ。
11月8日の最も重要なニュースはほとんど触れられることはなかったのです。このこと自体に意味があります。

11月8日、世界気候機構(WMO)は、COP21のパリ協定を推進するために開かれたモロッコの気候の変化における国際会議(COP22)において、報告を行いました。WMOは過去5年は史上で最も温暖化が進んだと報告したのです。さらに、海面の上昇、予想以上のスピードでの北南極の氷、特に南極氷河の融解が起こることを報告しました。北極海の氷の量は、すでに過去5年間、それ以前の過去29年の平均を28%も下回っているばかりか、北南極の氷による太陽光線の反射能の低下による冷却低下効果をもたらし、地球温暖化が促進していいます。WMOはまた、他の厳しい状況や見通しの報告とともに、現在の温度はCOP21で定めた限界温度に危険なほど近づいていると報告しています。

11月8日のもう一つの歴史的意義を持つかもしれない出来事もほとんど注意を払われませんでした。世界で最も強力な国が選挙を行い、その結果、政府、議会、最高裁、の完全なコントロールを共和党が握った問いうことです。これで、共和党は世界史の中で最も危険な組織となったのです。

最後の文句は突飛で言語道断に聞こえるかも知れませんが、そうでしょうか?この党は人類の生命の破壊に向かって突き進むことに専念しているのです。このような立場をとったものは過去に例がありません。これは誇張だと思いますか?われわれが今、目にしたものをよく考えてみてください。

共和党の予備選挙の間、ジェブ ブッシュのような中道者を除けば、すべての候補者が今、起こっていること(温暖化)を否定しました。ジェブ ブッシュは、全ては不確定であるが、水圧破砕法のおかげでもっと天然ガスを掘れるのだから、何も心配することはない、と発言しました。また、ジョン カシクは、温暖化が起こっていることは認めたが、「オハイオで石炭を堂々と燃やせばいい」と付け足しました。

最終候補、現在では次期大統領ですが、彼は、石炭を含む化石燃料の使用をもっと増加させるといい、規制を外し、再生エネルギーへと向かおうとする発展途上国を助けることを拒否し、総じていえば、崖っぷちへと一刻も早く向かおうと言っているのです。

トランプはすでに、環境保護院(EPA)を無くする第一段階として、悪名高い温暖化否定論者のマイロン エベルをEPA移行の責任者に据えました。エネルギー問題におけるトランプのアドバイザーである億万長者の石油会社役員であるハロルド ハムは彼の(政権移動後の)予測を述べましたが、予想されたものでした。規制の撤廃、企業と金持ちの減税、化石燃料の増産、オバマが止めたダコタ パイプラインの開通。株式市場は素早く反応しました。破産申請をした世界最大の石炭会社であるピーボディー エネルギーを含むエネルギー会社の株価は、トランプの勝利の後、50%も上がりました。
共和党の現実否定はすでに感じられます。、、、

(その後、バングラディシュを例に挙げ、海面の上昇と異常気象によって、バングラディッシュだけで数千万人の難民が出るであろうこと、この難民たちは、温暖化を作り出したアメリカなどの国へ向かうことになるであろうこと、人間が作り出した破滅的な環境の変化は悪くなりさえすれ、よくなることは見込めないこと、とりわけ南アジアでの被害が増えるであろうこと、現時点でもすでにヒマラヤの融氷によってインドでは三億人の人々が適切な飲料水が欠乏していること、などを述べています。また、もう一つの人類の生存を脅かす大きな問題は、核による破壊であると言っていいます。)

質問に戻ります。正確には、クリントンはトランプよりも多く票を集めたようです (100万票ほどクリントンが上)。トランプの勝利はアメリカの投票制度による(Electral College制)によるもの。興味深いのは、18-25歳の若年層においてクリントンははるかに支持が高く、サンダースはさらに支持が高かったことです。

現在の情報によると、トランプは白人層、労働者クラス、年収が5万ドルー9万ドルほどの中の下クラス、田舎、大学教育を受けていない層において、記録的な支持を受けています。これらの人々は中道派エスタブリッシュメントに対する怒りを共有しており、イギリスのEU離脱の投票結果と同じく、中道派政党の崩壊を示しています。多くの怒りは、過去のネオリベ政策の犠牲になったためです。前FRB議長のグリーンスパンの証言の通り、2007-08年の経済崩壊までの間の彼の成功は、「労働者の職の不安定さの増大」に基づいたものでした。虐げられた労働者は、ネオリベの基準からすれば健全な経済の指標である「上がらぬ給料や劣化する福利厚生」に文句をいうこともなかったのです。

このような経済セオリーの実験体となった労働者は、その結果に満足はしていません。ネオリベの経済の絶頂であった2007年でさえ、一般労働者の給与は以前よりも低く、男性労働者の給与レベルは1960年代と同等でしたが、一方で巨額の利益は上位1%のトップの懐に入ったのです。これは市場の圧力でも彼らの努力の結果でもなく、むしろ政治的決定によるものだと経済学者のDean Bakerは近年の論文で述べています。、、、

(以下、労働者の搾取を許すアメリカのシステムについての意見と、トランプ支持者の描写が続きます。)トランプ支持者は、トランプが彼らの酷い状況を改善するために何かをしてくれると信じさせらているのですが、実際の彼の政策はその逆です。

投票出口での調査では、トランプの支持者はトランプが「変化」をもたらすと見られているのに対して、クリントンでは苦境が続くことを示すと考えていることがわかりました。トランプが引き起こす「変化」はおそらく有害で悪い方への変化でしょうが、そうしたユニオンなどの組織を持たず、孤立化している地方の人々にとって、トランプの「変化」がどういうものになるかは、おそらくよく理解できていないのでしょう。(労働者の苦境という点においては)1930年代の大恐慌の時に多くの労働者が希望を持っていたことと、現在の労働者が絶望を抱えていることが決定的に違います。

他にもトランプの勝利に利したものがあります。研究によると、「白人優越主義」は南アフリカよりもアメリカ文化に強い力を持っています。将来、白人はマイノリティとなると予測され、従来の保守的文化が危機に瀕していると思われていることです。(白人優位のアメリカ文化が変わることに抵抗があるということ)

地球温暖化に関しては、40%のアメリカ人は何が問題なのかを理解していません。、、、

民主党は、労働者階層に対する真摯な関心を70年代までに捨ててしまい、以来、彼らから敵階級とみなされるようになりました。(共和党の)レーガンが親しみやすいジョークを言ったり、ジョージ ブッシュが発音をわざと誤ってみたり(Yale大学で彼があのように喋っていたとは考え難い)して、(普通の労働者階級のアメリカ人に仲間とみなされようとしたのと同じく)、トランプは、政党な怒りを持つ人々の声となったということです。

教義主義システムは人の怒りを、企業から(その企業がデザインした)政策を実行する政府へと向かわせました。企業と投資家の利益を過剰に守るためのシステムは一様に「自由貿易協定」とメディアでラベルを張り替えられます。
ビジネス界にとっては、人々の嫌悪が(資本家ではなく)政府官僚組織に向かい、政府が人々の総意を反映する、国民の国民による国民のための機関となるかもしれないという(期待によって起こる)反政府的な考え方に向かうことは、喜ぶべきことです。

(質問)トランプはアメリカ政治の新しい動きを示しているのですか、あるいは従来の政治にうんざりした人々の反ヒラリー票の現われですか?

新しさは何もないです。両党ともネオリベ期間の間に右傾化しました。現在の新民主党は、かつての「中道共和党」と呼ばれたものと同じです。バーニーサンダースが提唱した「政治改革」はアイゼンハワー(1950年代、共和党)を驚かせるようなものではありません。共和党は金持ちと企業優遇する方向へ向かったが、それでは票が取れないので、政治的に組織されていない団体へと近寄りました、キリスト教原理主義者、移民排斥主義者、人種差別団体やグローバリゼーションの犠牲者たちです。

その結果は明らかです。こうした支持層からの候補者、バックマンやケインやサントラムはあまりに極端なので、共和党主流派は彼らを降ろすのに苦労しました。2016年は、それ(共和党主流派によるトランプ降ろし)にしくじったのです。

クリントンは恐れ嫌われた政治を代表している一方、トランプは「変化」を代表しました。キャンペーンは彼の政策の吟味がされることなく成功しました。トランプは「アメリカ人全員を代表する」と言ったが、国がここまでひどく分裂しており、彼自身が女性やマイノリティーを含むアメリカの多数のグループに深い嫌悪を表明している中で、そんなことがどうしてできるのでしょうか?イギリスのEU離脱とトランプの勝利に類似を感じませんか?

イギリスのEU離脱、ヨーロッパの右翼化、国粋主義の台頭に(それらのリーダーはトランプの勝利を我がもののように祝福した)類似点が多く見られます。オーストリアとドイツの選挙を見てみると、1930年代の辛い時代の記憶が蘇ります。今だにヒトラーの演説は覚えています。意味はわからなかったが、その調子や聴衆の反応は身震いするようなものでした。

(質問)トランプには、経済、社会、政治問題における彼のスタンスを決めている政治理念が欠けているようですが、彼の振る舞いには、明らかに権威主義的なものがあります。トランプが「友達ヅラをしたファシスト」の台頭を示しているという意見は正しいですか?

私は、長年、カリスマ性のあるイデオローグの危険性について述べてきました。この社会にたぎっている恐れや怒りを利用して、それを本当の悪の根源ではなく、より壊れやすいターゲットにそれを誘導するような人間です。それが、社会学者バートラムグロスが「友達ヅラしたファシスト」と35年ほどの前の研究で呼んだものです。しかし、それは実直なイデオローグであることが必要です、ヒトラーのようなタイプです。つまり、唯一のイデオロギーは「自分だ」というような(トランプのような)タイプではない人間です。しかしながら、トランプを野に放った「力」を考えると、危険であることに間違いはありません。

(質問)共和党政権となり、上院、下院、最高裁を共和党がコントロールすることになるのですが、次の4年間、アメリカはどうなるでしょうか?

多くの部分がトランプのアドバイザーと誰が任命されるかによるでしょう。今のところ、あまり魅力的な人選ではないですが。

トランプがライアンのような財政政策を取るならば、裕福層には大きな恩恵があるでしょう。トップ0.1%の層は14%以上の減税となる一方、一般には全く減税はないと予想されます。、、、、
一つ明るい動きはトランプが約束したインフラストラクチャー政策です。これはオバマの経済振興政策と本質的に同じであるのですが、それを隠しています。共和党議会で、負債を増やすことを理由に潰されてきたものです。当時は、その通り(負債の増大を起こす)だったかも知れませんが、現在の低金利を考えると、確実にトランプの政策に組み入れられるでしょう。しかし、極端な裕福層への減税と国防省への予算増大とセットになって。

(インフラ政策反対者に向けて)逃げ道はあります。ディック チェイニーがブッシュの財政官オニールに「レーガンが 財政赤字は問題ないことを証明した」と説明した通りに。つまり、共和党が人気を得るために作り出した財政赤字は、誰か(民主党が望ましい)にツケを回して、後始末をさせれば良い、ということです。このテクニックは短期的にはうまくいくかもしれません。

(質問)トランプとプーチンはお互いを認め合っているようですが、アメリカーロシアの新たな関係についてはどうですか?

一つの希望的観測はロシアとの国境線での危険な緊張の緩和があるかも知れません。(ロシアとの国境であり、メキシコ国境ではありません)。また、ドイツのメルケルや他のヨーロッパの指導者たちにすでに見られるように、ヨーロッパがトランプのアメリカを距離を置こうとするかも知れません。ひょっとしたら、プーチンが復活させようとしているゴルバチョフが考えたような軍事同盟なしのユーラシア大陸安全保障システムの実現へと進むかも知れません。

(質問)トランプ下でのアメリカの外交政策は、オバマやブッシュ政権下以上に、軍事的なものになるでしょうか?

これについては自信を持って答えることはできません。トランプはあまりに予測不可能です。言えることは、動員と活動を組織化して行うことで、政策に大きな影響を与えることはできるということです。



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示唆される社会の崩壊

2016-11-15 | Weblog
前回、アメリカ大統領選に見られたような煽動型キャンペーンをする候補が勝ってしまうということは、国民の不満が鬱積しているということを意味していると私は思い、そう書いたわけですが、今回の大統領選についてチョムスキーがどういう見解を述べるのか興味を持って調べてみました。残念ながら、大統領選後の彼の意見を見つけることはできませんでしたが、チョムスキーは6年前、すでに、トランプのような候補が現れれば大統領に選ばれるだろう、という予言(?)をしていて、「恐ろしいことである」と語っていたことを知りました。また、今年の2月の時点でトランプが人気を集め出した頃の彼のインタビュー記事を見つけました。

Chomsky: Trump's rise due to 'breakdown of society ーチョムスキー:”社会の崩壊”ゆえにトランプは躍進する

(当時のトランプの躍進に関して)「恐怖と新自由主義の社会の崩壊」(を感じる)とチョムスキーは答えた。 「人々は、孤立し、無力で、理解できない強い力の犠牲になっていると感じている」
 チョムスキーは、トランプが台頭できる社会情勢と1930年代の大恐慌の時の類似性を指摘し、さらに「大恐慌当時は、客観的には、貧困と苦しみははるかに大きかったが、貧しい労働者や失業者の中でさえも、希望の感覚というものがあった。しかし、それは今はない。というのは、主に戦争労働運動の増大と主流の外にある政治団体の存在のためだ」と述べた。 、、、
チョムスキーは、過去のバーニー・サンダース(予備選での民主党候補)のキャンペーンに貢献したが、スイング州(民主党と共和党支持が選挙の度によく入れ替わる州)に住んでいたならば、彼は「絶対に」共和党ではなく、クリントンに投票すると述べた。インタビューでは、チョムスキーはサンダースを賞賛したが、選挙は主に「買う」ものであるという選挙制度故に、彼が勝てるチャンスのはあまりないと述べた。


アメリカ人を辞めたい、カナダに移住したい、カリフォルニアは州をやめて独立したい、トランプの当選を受けて、感情的になっている人も多いようですが、カモミールティーでも飲んでリラックスしましょう。世界は広いです。上には上があり、下には下があります。北の将軍様みたいなのもいます。政治の素人だからこそ、できることもあるかも知れません。もちろん、とんでもないことを大統領令でやろうとするかも知れませんし、当然の政策に拒否権を使うかもしれません。ただ、彼の主な動機はエゴでしょう。大きな専用飛行機にTRUPと大書して空を飛んでみたい、成金趣味丸出しのトランプタワーをマンハッタンのど真ん中に立てて、その最上階からセントラルパークを見下ろしながら、ミスユニバースの若い女の子にお酌をさせたい、そんな子供じみた欲求の延長が大統領というわけで、チヤホヤされればそれで満足するのだろうと思います。アベ氏のように「大日本帝国の復活」みたいな狂気じみた野望は持ち合わせていないだろうと、私は思います。その辺は議会の人間もアドバイザーもわかっているだろうし、トランプがそのような単純な人間であれば操縦するのは難しくないだろうと私は楽観しているのです。

ただ、トランプを担いでいる一部の連中は、社会的混乱を望んでいます。泥棒するには火事場がいいのです。そういう連中は、トランプ支持、反トランプ層の両方を煽って、対立を起こさせることが第一の目的とも言えるでしょう。現在のところ、トランプは社会の歪んだ不満の鬱積を示す単なる象徴でしかないわけですが、彼が大統領になった後には、扇動者であるトランプを利用して扇動を拡げようとする一部の連中と、トランプを頭に乗せたままで従来の共和党路線を踏襲していきたいと考えている保守勢力の駆け引きが始まるだろうと思います。その勢力同士がお互いの利害の一致する部分で妥協し、ボヤ程度の火事が起こるのではないかと私は予想しているわけですが、火事というものは、ちょっとしたタバコの火の不始末から丸々一軒が全焼に至るわけで、火遊びほど怖いものはありません。チョムスキーのいう社会の崩壊は、それを意図するものによって人為的に煽られたボヤが、結局、コントロールできなくなって、国中に広がるように起こるのだろうと思われます。いずれにせよ、普通に真面目にやっている人には迷惑な話です。

トランプ個人をいくら嫌っても、そのトランプを大統領にした社会の歪みは解消されません。とりあえずは、トランプがあまり尊敬できない人間であっても、彼がホワイトハウスでバカをやっても、笑ってスルーするぐらいの鷹揚さがある方が精神衛生に良いだろうと私は思っております。人間的に難があってもいいではないですか。成金が大統領になるというアメリカ資本主義を絵に描いたような話で、将来はJFKよりも面白い映画のネタになりそうです。大統領夫人が20歳以上も年下の東欧のモデル出身でもいいではないですか。イタリアにはベルルスコーニというつわものもおりました。それでもイタリア人は、地震や経済困難にあっても日々の生活を楽しむ心を忘れません。「社会の崩壊」も嘆くことはありません。形あるものは、いつかは壊れるのですから。

ところで、ベルルスコーニの発言が愉快です。トランプの発言もジョークだと思えばいいでしょう、世界は劇場です。なんでも面白がれる人の勝ちです。

ベルルスコーニ、迷言集(Wikipediaから)

「選挙期間中はセックスを断ちます」と公に宣言した。投票を1週間後に控えていたため、事実上1週間だけの禁欲宣言だった。

バラク・オバマがアメリカ大統領選に勝利した話題に触れ「オバマは若く、ハンサムで、そして日焼けまでしています」。ミシェル・オバマ大統領夫人に関しても「君たちは信じないだろうけど、2人でビーチに行ったんだ。なぜなら奥さんも日焼けしているからね」と語った。

イタリアで多発するレイプ事件に関して、「イタリアには可愛らしい女の子がたくさんいるから、レイプをなくすことは無理だ」と発言した。

イタリア中部地震発生の際、家を失くした人々の被災者キャンプを見て、「キャンピングホリデー」と発言し、被災者の怒りを買った。また被災者キャンプで医療活動に従事していた女性医師に対し「あなたからの蘇生措置なら喜んで受ける」と言い、そこにいた黒人牧師に対し「いい感じに日焼けしてますね」と発言した。
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黒塗り、言い訳、なし崩し

2016-11-11 | Weblog
世の中、思いもかけないことが起こるものですな。どう見ても大統領としての資質に欠けている人間が勝ってしまったということですが、冷静になって考えたら、これは、アメリカ人(特に中級ー下流のブルーカラー白人)が、トランプに大統領になって欲しいと願ったからではなく、民主党政権での彼らの生活に不満が募ったための「反民主党」票が結果的に共和党に流れ、さらにその結果として共和党ノミニーであるトランプを勝たせた、ということに過ぎないのでした。ま、トランプが取った戦略は東京都知事の選挙戦略と同じ、Natureが指摘したように、国民の不満に手を突っ込んでの扇動です。だから彼の言うことは一定せず、しばしば矛盾しているのです。地上げ屋上がりのビジネスマンで、イデオロギーがあるわけでもなく、国家運営を十分に考えてきたわけでもなく、政治の内情に詳しいわけでもない。だからこそ、人が聞いて喜びそうなことをその時、その時の都合に合わせて、適当にしゃべるわけです。

だから、私は、トランプが大統領をやったところで、それほど危険なことは起こらないし、オバマ時代と大して何も変わらないだろうと思います。彼が国家の舵取りをするわけではなく、舳先に据えられるだけのことですから。レーガンも8年もやりましたからね。

民主党と共和党の政権が行ったり来たりしても、どっちにしても大差のない政治しかできないのだから、誰がなっても同じです。ま、それに、英語もマトモに喋れないジョージプッシュが政権にあった時にアメリカ研究界に及ぼした負の影響、親子揃って中東に侵略戦争を仕掛けて非道を尽くしたことなどは、いまだに覚えていますから、それに比べればトランプの方がまだマシかもしれません。

いずれにせよ、アメリカでは一般労働者と専門労働者の格差、教育の格差が広がり、持たざる白人層の募った不満がかなりのレベルに達しているのは間違いありません。残念ながら、これは政権が共和党に変わって、多少、移民制限をしたりしたところで、無くなるものではありません。トランプは一種のガス抜きで、大統領選というのはそのためにあり、どちらが政権を取っても、国民ではなく権力者の利益を優先する(陰謀論的に言えば)「カバルのアジェンダ」が実行されるだけのことです。日本はその極端な例と言えるでしょう。国民にとって、大統領も首相も、いわばクリスマスツリーの頭につける飾りみたいなもので、その飾りをいくら叩いても何も変わりません。叩かれすぎて汚くなったら、今回のように飾りを新しいのに変えるだけのことですから。

さて、アベ政権、TPPの衆院強行採決に東京新聞は厳しい批判。この政権、デタラメ、メチャクチャですが、それを隠そうともしないところがもう末期です。TPP発効に必要なアメリカの賛成、そのアメリカの大統領にTPP反対のトランプが選ばれたことで、TPPの発効はされない可能性が高まりました。その点は喜ばしいことです。その発効されない可能性の高い協定に前のめりになって、有無を言わさず、強行採決するというのは、外国から見たら理解に苦しむキチガイ沙汰ではないでしょうか。事情通の人はアベ氏個人がTPP一番乗りをしたとか、戦後初めて改憲したとか、歴史に悪名を轟かせたいと言う個人的なエゴゆえにやっている、と解釈する人もいますが、これに賛成している自民党員も揃いに揃って、そこまで愚かだとは思えません。ま、カネなのでしょうな。

TPP国会決議なし崩し 「聖域」関税撤廃 「情報公開」黒塗り

 政府が環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加を決めた二〇一三年に、衆参両院は、コメや麦などの「重要五項目」の聖域確保、十分な情報公開など八項目を政府に求める決議を行った。与党は十日にTPP承認案と関連法案の衆院通過を目指しているが、国会決議は守られておらず、「筋が通らない」と疑問視する声が出ている。 (清水俊介)
 国会決議は、一三年三月に安倍晋三首相が交渉参加を表明したことを受け、自民、民主(当時)、公明各党などが共同提出。参院が四月十八日、衆院は翌十九日にそれぞれ農林水産委員会で決議した。
 関税撤廃によって国内産業が「深刻な打撃」を受けることを懸念した上で、重要五項目は「除外又(また)は再協議の対象」とし、「聖域が確保できないと判断した場合、(交渉からの)脱退も辞さない」よう求めた。
 現実には、TPPに「除外」の規定はなく、全ての項目が交渉のテーブルに。重要五項目を構成する五百九十四品目のうち、約三割にあたる百七十品目について関税が撤廃された。
 関税が維持されたのは百五十五品目。これらについても、新たに低関税や無関税で輸入する枠が新設されるなど、変更がない品目はゼロだったことが今年四月の国会審議で明らかになった。野党側は「守れた聖域ゼロ」と批判するが、政府は「関税撤廃の例外やセーフガード措置を獲得した」と反論している。
 一三年の国会決議は、企業や投資家が貿易相手国を訴えることができる「投資家と国家の紛争解決手続き(ISDS)」の条項には合意しないよう求めた。しかし、協定にはISDS条項が盛り込まれている。
 国会決議は、交渉で集めた情報について「国会に速やかに報告」し「国民への十分な情報提供」を行うよう求めていた。
 ところが、政府は今年四月、野党が公開を求めた交渉の関係資料を、日付と表題以外は全て黒塗りで開示。政府は「交渉過程は公表しないのが前提。結果を議論してほしい」(首相)との姿勢に終始している。


日付と表題以外は全て黒塗りした資料を「開示」して、交渉が終わった後の結果を議論しろ、とは、バカですか。そういうのを後の祭りというのではなのですかね。いつも、なし崩し的にやってしまって、取り返しのない状態になってから、反省するフリをするのがこの国の政府のいつもの手口です。そして、それをそのまま言い訳として平気で口にする首相。
カモミールティーでも飲みましょう。
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Evidence-based funding

2016-11-08 | Weblog
東京新聞の社説、週のはじめに考える 若手に研究費をばらまけ から。

 軍学共同研究が話題になる一方で、基礎科学の危機が叫ばれています。「役に立つ」ばかりが研究目的ではありません。急減する若手研究者を支えたい。
 きっかけは、ノーベル医学生理学賞の受賞が決まった大隅良典・東京工業大栄誉教授の訴えです。
 受賞決定直後の記者会見で、自らの研究について「人がやらないことをやろうと酵母の液胞の研究を始めた。がんにつながるとか、確信して始めたわけではない。基礎科学の重要性を強調したい」と話しました。
◆「役に立つ」の危うさ、、、一方で「科学が役に立つというのが、数年後に企業化できることと同義語になっている」と最近の風潮を批判しました。理学部長会議も声明の中で「『役に立つ』研究推進の大合唱が基礎科学を目指す若手の急激な減少をもたらしています」と警告しています。、、、
◆1人に年間100万円を、、、大隅さんは日刊工業新聞のインタビューで「年間百万円のお金があれば、やりたいことをやれる研究者が日本にはたくさんいる。もう少し研究費をばらまいてほしい」「小さな芽をたくさん育てなければ、大きなとんがった成果は生まれない。、、 文部科学省は先月十三日、大学から支給される研究費が年百万円に満たない研究者が約八割とするアンケート結果を発表しました。
、、、防衛省が軍民両用の基礎研究費として百十億円要求しています。評判の悪い予算をやめて、文科省予算を増額すればよいのです。一万一千人に百万円ずつ配れます。
 


私も同様に思います。税金で賄う研究を投資であるとすると、プロならば、目先のリターンを目指して一部の成長株に集中投資することはしないでしょう。Divertification は長期投資の基本であり、集中投資はは短期リターンを狙ってバクチで負けるいつものパターンです。

アメリカNIHでは、数年前から「evidence based funding」というような概念の元に、研究資金の配分を最適化していこうと考えているようです。現在のところ、NIHが資金を提供した研究者がどれぐらいの研究成果を上げているかということを分野を超えたメトリクスを開発して評価するというようなことをやっている段階です。例えばこういうようなサイトを立ち上げています。アメリカも日本同様、研究費の獲得がブッシュ政権以来、困難となっているのに加え、研究費の総額は変化していないのに、インフレによる経費の上昇、規制の増加、そして増え続ける研究費申請応募数に伴い、ブッシュ前と比べて、採択率は-50%の減少、購買力は20%以上の減少を示しており、研究を志す若手の優秀な人々は減少していると思います。(当然ですな)

問題のコアは、金に対して研究者の数が多すぎることに集約できます。そのバランスを長期的にどうとっていくのか、それは研究機関や学位授与機関、政府、複数のパーティーの利害が複雑に絡み合うので、簡単ではないでしょうが、根本的な解決はそれしかありません。クリントンが短期的リターンを目指して急激に研究資金を増やしたこと、その後ブッシュが同様に短期的視野で研究費を抑制したことが、以来15年近くに及び、まだまだ続くであろう、現在の研究費問題の原因となっていると思います。

とは言え、NIHはNIHでできることをしなければなりません。Evidence-based fundingのアイデアの元になっているのは、税金による研究資金の分配が国家の投資であるとした場合に、そのリターンを考慮して、次の投資ストラテジーを考える、というごく当たり前の考えです。そうした投資方法と単に無闇にバラまくのとどちらがリターンが良いかは、研究の場合はやってみて長期的に解析するしかありませんが、少なくとも、理論とデータに基づいて投資方法を見直していこうというのは、科学的アプローチであり、少なくとも、研究配分方法について評価することは可能になると思います。しかるに、現在、資金配分法には、研究費の投資のリターンを公平に定量的に評価することが困難であるという問題以前に、そもそも、投資効率はほとんど評価されていないと言って良い現状があります。すなわち、研究者にとって研究費の獲得というのはすでにゴールであり、その金によって何が生み出されたかという点はfundingの決定に直接関与しないのです。もちろん、論文を第一の研究成果とすれば、論文の書けない人にはまず研究費は当たりませんから、「生産性」の評価はされていますが。現状は、研究費申請に書いた内容など、すぐ時代遅れになるし、もちろん研究費の申請の目的は、計画にある研究を遂行することではなく、研究費を獲得することですから、多くの場合、評価の対象になった研究計画のかなりの部分は遂行されないと思います。もちろん、私はそれはOKだと思います。研究費が降りた時点で、計画を忠実に遂行するよりも、より有意義なものに研究費が使われて、より大きな価値を生み出す方が上ですから。同じ研究費でも、グラントはコントラクトとは違います。

研究費配布に関しては、私は、少額のグラントを増やして、広くばらまいた上で、生産性を主な基準とした競争的研究資金分配を積み上げるという方式が良いだろうと思います。分散投資の上に一部の資金で成長株に集中投資するというやり方です。それで金が足りないのであれば、金ができるまで、私ならインデックスファンドを買いますね。多少負けても大丈夫なぐらいの体力もない時には、バクチをすると負けます。貧すれば鈍する、引き寄せの法則ですね
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Make Science Great Again

2016-11-04 | Weblog
8合目まで登ったところで行き詰まり、頂上を見上げながらどうしたものかと焦りを募らせる日々です。仕方がないのでできることをひたすら探しています。そんな合間にも、Low-keyな論文のレビューが三本。私のところに回ってくる論文で面白いと思うものなど滅多にありませんけど、相手に合わせてそれなりにやります。誰かがやらねばならないコミュニティー サービスですし。クオリティーの低いものは大体、著者のやる気や真面目さからしてダメなものです。やる気のないものにはそれなりのやる気でレビューします。ま、それでも淡々と、統計はサンプル数と統計方法を書いてくださいとか、原稿は正しい文法で書いてください、とか、コントロールはちゃんととりましょう、とか、バカみたいなことを毎回、書いています。そういうレベルの論文が多すぎてサイエンスの議論にまで到達しないのです。しかし、時折、ムカっとくる論文もありますね。三つのうち二つがそうでした。一つは日本人の研究室からのそこそこのレベルのジャーナルだったのですが、数年前によく似たモデルを使って出した論文を焼き直したような論文なのに、そのオリジナルの論文をロクに議論していないのです。新規性を損なわないように、意図的に過去の自分の仕事を隠したように見えました。あと二人のレビューアーのうちの一人も、私と同じコメントを書いたので、結局、リジェクトになった様子です。もう一本は、中国からで、これは、全く同じマウスを使い、過去に出版した論文とオーバーラップする結果を書いていながら、その論文を議論するどころか、引用すらしていないのです。これは意図的に隠しているわけで、私は、こういう不正直なことをする人々が、どうも我慢できないのです。ま、それでハラを立てて、ブログに愚痴を書いているのですから、これらの論文のレビューに要した時間に加えて、ハラを立てた分、余分に時間を無駄にしている自分が一番バカなのは明らかなのですけど。しかし、人間、なかなか、理性で感情はコントロールできませんね。くだらないことにハラを立てないようにしないといけません。他人を変えることはできません。

アメリカ大統領選が近づきました。どこで、どう間違ったのか、Donald Trumpから寄付のお願いのメールが来ました。その文句が面白いのでペーストしておきましょう。カネがすべてではないと言いながら、寄付を募るちゅーのは如何なものか。Nastyなのはお互い様。そのカネを使って、ネガティブキャンペーンを垂れ流すのでしょうが、目くそ鼻くそですな。

My son Eric came up with a Big League idea, and it’s simple: If we can get every one of my supporters to contribute $20.17, just one time, Crooked Hillary’s big spending special interest cronies won’t be able to save her!

Money isn’t everything in an election. I’ve proven that in this race.
But for Hillary Clinton, believe me, money IS everything – she would have zero chance without her big dollar donors, nasty TV ads and the lying liberal media!

Eric’s plan is tremendous. Help us make it a huge success. I’d love to see your name on the list he provides me each morning.
Help me win in 7 days and Make America Great Again!
Best wises,

Donald J. Trump

教え子である極東の某首相を批判して、二つの「ムチ」と評した法学部教授がおりました。「無知」と「無恥」だそうです。大統領選候補を並べると、二つのムチと一つのムチ、どちらがマシかという究極の選択みたいに見えます。当然ながら、研究界はクリントンを支持。Nature Front pageの「Hillary Clinton will make a fine US president And not only because she is not Donald Trump」 ではトランプをこき下ろした上で、その危険性について次にように言っています。

Trump is the product of a social phenomenon that cannot be ignored. He has tapped into a much larger undercurrent of legitimate anger that is fuelling political upheaval in many countries. (トランプは無視できない社会現象の産物だ。彼は、多くの国で政治的混乱を起こす正当な「怒り」の巨大な底流に手を入れてそれを利用している)

ま、煽動型劇場政治ですな。人々の不満を煽り、仮想敵を作って鬱憤ばらしさせることで支持を得る、昔ながらの子供だましです。しかし、民主主義の恐ろしさは、そうしたポピュリズムだけで一部の人間に権力を集中させてしまうことが起こり得ることです。ナチスの例を挙げるまでもなく、人々が十分に成熟した判断力を持っているわけではないですからね。

トランプのこの陳腐なセリフ「Make America Great Again」聞くと、気持ちが悪くなりますが、どうもこれはギャグのネタにもなっているようで、Natureでは、フロントページ(@ScientistTrump will make science great again)で、トランプの言い回しで研究を風刺をツイートするScienceTrumpが話題に取り上げられていました。

Scientific Donald ‏@ScienceTrump
I hear Crooked Hillary is modeling her tax plan after university overhead. Crazy idea, would hate to be in the @Caltech bracket!

Scientific Donald ‏@ScienceTrump
93% of my tweets are not plagiarized

てな具合です。おヒマならどうぞ。
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一挙三損

2016-11-01 | Weblog
ニュースの見出しに一言。

1. 豊洲盛り土なし決定 副知事ら8人前後に責任 11年8月の会議焦点。

実行犯を特定するということのようですけど、副知事の責任は問われるのに、知事の責任追及まで及ばないのは、理解に苦しみますね。都の最高責任者である知事が「記憶にない」とか「もう年だから」とかで済まされてはならんでしょ。

2. 小池百合子都知事、二階俊博幹事長に“おわび” 処分の7区議が面会提案を拒否。

自民党の意志に反して、都知事選に出た小池知事を支持したとして離党勧告処分にした区議に自民党幹事長が逆にすり寄ろうとした事件。慇懃に拒否。自民党もみっともないですな。とにかく多数を確保して権力を維持するといういじましい根性で動いているのがあからさまで何とも。機を見るに敏で、小泉仕込みの劇場政治で都知事になったな小池知事ですから、もはや自民党と近く付き合うのは得策ではないと読んでいるのでしょう。自身が主催した「政治塾」とやらに数千人集まったらしいですから、小池劇団(新党)を作って、自民党政治と戦う(フリ)「小池劇場」の新しい芝居を考えているのだ、というゲスの勘ぐりも当たらずとも遠からず。どっちもどっち、国民不在はいつものこと。

3.核兵器禁止条約 決議案が国連の委員会で採択 日本は反対。
NHK - 国際NGO、ICAN(アイキャン)の核兵器廃絶国際キャンペーンの川崎哲国際運営委員は、今回の決議案に日本政府が反対したことについて、「驚くとともに憤りを感じている。日本は核のない世界を目指すという目標を掲げておきながら、核兵器禁止条約の交渉を拒否した。日本政府はこれまで核兵器を持つ国と持たない国の橋渡しをすると言ってきたが、今回反対したことで、完全に軸足を核保有国側に移したと言える。国内でも理解されるとは思えないし、強く抗議をしていきたい」と述べました。

呆れ果てました。日米同盟があるので、立場上、どうしても賛成できないのであれば、中国のように採択を棄権して、賛成できないことを「察してもらう」こともできたのです。なのに「反対」票を入れるとは。その一方で日本は国連で「核廃絶」を訴え続けてきているわけで、こういうのをOxymoronというのではないでしょうかね。不特定の隣人は愛することはできても、自分の隣人は愛することはできない、という冗談を思い出しました。
反対票の言い訳も詭弁にしか聞こえません。世界で唯一の被爆国である日本、世界最大の原発事故での放射線被害で福島の人々の生活を破壊した日本、が核兵器と核兵器用プルトニウム生産施設である原発に反対の意を示さずにどうするのか。いつまでも、アメリカ先生に怒られる、とか回りの人にいじめられる、とかセコい自己中心的な理由で、大義を堂々と主張できないのは、情けないとしか言いようがないです。「いつまでも親や周りの人間の顔を窺ってオドオドしているから、国際社会では、誰も一人前に扱ってくれないのです。義を見てせざるは勇なきなり、知っていてやらないことは悪事をなすことと同じですから。唯一の被爆国が世界人類の平和のためにできることをしない、というのは「悪」です。これで、また日本は綺麗ごとだけ並べるくせに、何もできないアメリカの飼い犬だということをあらためて世界の人々は認識したことでしょう。一つの投票行動で、被爆国としての悪を行い、日本がアメリカの属国であることを大っぴらに表明し、言うこととやることが一致しない信用できない国であることを見せつけるという一挙三損をなしました。

4. クリントン氏、メール問題でFBI長官を非難
(CNN) 米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏の私用メール問題で、連邦捜査局(FBI)のコミー長官が新たなメールを調査していると議会指導部に通知したことに対し、クリントン氏は29日、大統領選直前の動きとして「前代未聞」だと述べて長官を非難した。クリントン氏は遊説先のフロリダ州デイトナビーチで支持者らを前に、「選挙直前のタイミングでこのように実体のない情報を公開するのはおかしい」と主張。さらに「前代未聞の、深く憂慮すべき事態。有権者には事実の全容を知らせるべきだ」と力説した。

前代未聞はアメリカでの話。日本ではもっと露骨なのが、2009年の政権交代前に、当時、最大野党の党首であった小沢氏の失脚を狙って、自民党と検察が「陸山会事件」という架空の事件をでっち上げた事件がありました。メディアも国家権力も長いものに巻かれている日本はもっと陰湿でエゲつないと思いますね。

ニュースを見ると、結局、全部愚痴になってしまいました。次回からはほのぼの、明るい話にしようと思います。
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結局どちらも犬

2016-10-28 | Weblog
フィリピンの過激派大統領、ドゥテルテ大統領、来日しアベ氏と会談。

過激派が過激派となるにはそれなりの理由があります。数々の暴言、強権的政策にもかかわらず、多くの支持を集めるのも理由があると思います。そのやり方や下品な発言の裏には共感できる部分もあり、学ぶところもあると思います。トランプでさえ、一部の主張には賛成します。

朝日新聞から。
 米国に犬のように扱われている――。来日中のフィリピンのドゥテルテ大統領は27日、前日の安倍首相との首脳会談で、米国に対するこんな自身の思いを語ったことを明らかにした。記者団の取材に答えた。米軍の再駐留を可能にする軍事協定を見直したい考えも改めて示した。、、、、
 ドゥテルテ氏は、安倍首相からこれまでの「反米発言」の真意を聞かれたと明かし、「単なるうわさだから気にしないで」と言ったと説明。そのうえで「犬のように(米国に)パンを遠くに投げられる。問題があるたびに『援助を止める』と言われる」と個人的な感情を伝えた、、、


「日本も米国の飼い犬だが、よく貢いでいるので可愛がられてるよ。国民から税金を巻き上げて、中央銀行にバンバンと金を刷ってもらって、バラ撒けばいいんだよ。カネが足りなくなったら国債を日銀に買ってもらって塩漬けにすればいい。そしたらご主人様は美味しいエサをくれるよ」と、アベ氏も言ってみたらどうですかね。

フィリピンは外国からの援助が必要な状態、小突かれて見下され、軍事戦略のためだけに利用される旧宗主国のアメリカよりも中国に擦り寄りたい。対して日本は、官僚組織が対米隷属を根本教義とし、対米隷属よって(国民ではなく)官僚組織が利益を得るシステムを長年にわたって構築してきたため、アメリカ抜きの外交も経済も最初から考えようともしないわけです。日本政府は、アメリカに日米同盟という偽りの「保険」に多額の保険料を払い、アメリカのハゲタカファンドの喰いものにさせるために国営産業を民営化しようとし、TPPで国内の市場を明け渡して外資企業に内需産業を食い荒らさせ、結果として、医療制度、食料、水などの社会のインフラを不安定化させようとしているわけで、まさに国民を犠牲にしてアメリカに貢いでいるのだから、ご主人様からの扱いが違っても当然ではあります。ドゥテルテ大統領から見たら、日本はさぞマヌケな国に見えるでしょう。彼は、「俺の唯一の主人はフィリピン国民だ」と言いましたが、アベ氏はそんなことは1センタボ分も思っていないでしょう。それを見抜けないドゥテルテ大統領ではないですが、日本からの援助も欲しい。さすがにアベ氏に向かっては、アメリカに対するような暴言は吐けないでしょうが、本音のところを聞いてみたいです。
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また楽しからずや

2016-10-25 | Weblog
週末、遠来の友人と晩飯。一年ぶりの再会です。いつもの学会では二年に一度ぐらいは顔を見るのですが、学会中は忙しくてなかなかゆっくり話をすることもできないので、こういう機会は貴重です。

シトラスフレーバーのベルギー風ビールで乾杯。クラムチャウダーとシシリー風蒸しムール貝、イカスミのリングウィーニにエビ、貝柱、とイカを添えたもの。クラムチャウダーはクリーム仕立てのボストン風。ロードアイラインドクラムチャウダーはクリームを使わないすまし汁、ニューヨーク風はトマトスープ仕立て。好みはロードアイランド風チャウダーですが、このレストランではメニューにはありません。私は、ムール貝から出るダシに焼いたバゲットを浸して食べるのが好きなのです。味噌汁ごはんみたいなものでしょうか。前菜だけで半分、満腹。

こういう昔の友人と楽しいひと時を過ごすことは、何よりの喜びの一つです。私が研究をやめてしまわないのも、興味を同じくする人々とのこんな付き合いがあるというのが大きな理由の一つだろうと思います。私の研究生活でのもっとも有意義なものはこうした人々との縁を得たことだろうと思います。また来年も彼らと会って楽しく思い出話をしたいがために、ガンバローという気持ちになっている部分も大きいと思います。

しかし、分子生物学、分子遺伝学に引っ張られてきた基礎医学系研究は、研究手法のサチュレーションに伴って行き詰まりつつあるという認識は、お互い分野は多少違っても共有していることを確認しました。一つの分野が始まり、そこに大勢の人がやってきてやれることをやった後、分野から去っていくわけですが、分野の始めの方からいる人間は、なかなか、ブームが去ったからと言って、新たな分野に移ることはできないものです。新たな分野に移ったとたんにその他大勢のフォロアーという立場からやらねばならないわけですから。それで、斜陽になっていく分野を寂しい気持ちで眺めつつ、そこに軸足は置いたままでまだできそうなことをやるという感じになります。

思うに、行き詰まりというのは、果実が成熟しきったような状態ではないかと思います。そこに新しい種は内包されているのですが、その種が発芽するためには、果実は朽ちて落ちなければなないのです。「一粒の麦も死せずば」ということですね。そんなことを思いつつ、私が次にすべきことは、朽ちつつある果実の中に新しい種を見つけて、その芽を出させる手伝いをすることであって、私自身が死せる果実となって朽ちるのではないはずだ、と言い聞かせたのでした。
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エピジェネティックス シンポジウム

2016-10-21 | Weblog
1日シンポジウムに出ていたので、更新が遅れました。
エピジェネティクスがトピックでしたが、あまり、興奮するような話はなかったような感じです。途中で集中力が切れてしまいました。年のせいですかね。

1. 特定のDNA領域とinteractする蛋白を、in vitroの再構築系を使い、pull-down後にiTRAQを使ったMass Specで解析するという実験。artificial すぎるし、iTRAQも感度悪そう、あまり食指が動かず。
2. ヒストン修飾をSingle nucleosomeレベルで解析するという話。Nucleaseを使ってSingle nucleosomeを単利、DNA断端をビオチンと蛍光色素で標識し、アビジンをコートしてスライド上にまばらに結合させて、そこでヒストン修飾特異的抗体を使って、免疫染色、イメージングで解析するという技術。その後DNA-seqも可能という話。これまで生化学的な方法であったChIPをin situ(というと語弊がありますが)に近い状態で解析するという発想の転換。メリットは複数のヒストン修飾が同じヌクレオソームで起こっているかどうかを調べることができること。面白いが、あまり応用範囲が広くはなさそう。
3. 非常に少数の細胞を使って、DNase hypersensitivey site assayを行い、オープンクロマチンを同定する技術を開発し、マウスの初期杯に応用。こういう技術開発は役に立ちます。やってくれてありがとう、という感じですね。
4. tiling gRNAを使ってのCRISPR/Cas9によるシステマティックなmutagenesisアッセイで転写調節に重要なシスエレメントを同定。内在性の遺伝子発現調節をリードアウトにアッセイできるというメリットは大きいが、実験が大変そうです。ヒストンマークで当たりをつけて、昔ながらのエンハンサーレポーターを使ったアッセイではいかんのですかね。プラスミドで多くのレポーターコンストラクトを作るのと、ガイド/Cas9発現ウイルスを作るのとどちらも大変でしょう。
5. Public data baseにあるChiP-seq, DNase-seq, ATAC-seqなどのデータをもとに巨大なメタデータベースを構築したという話。Cistrome Projectの一部。お世話になりそうです。早速web siteに行ってみました。充実してそうです。
6. 特定のRNAに結合するsmall compoundのスクリーニング法の開発。企業の研究室からの成果。創薬に生かそうということですが、まだまだ先は相当長そうです。

あと、いろいろ特定分野に特化した話もありましたが、休暇あけの疲れが残っているようで、集中力が切れました。
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新潟の民意

2016-10-18 | Weblog
溜まっていた雑誌をパラパラ見ています。中国から発生初期のゲノムのepigeneticな変化を解析したという論文が二本、Natureに出ていました。最近、力技の効く基礎研究は中国に持って行かれているような気がします。生命学研究に最大の予算を割くアメリカでは何かと規制が強まり、コストも高く、研究効率が悪くなりつつあり、加えて、基礎研究よりも応用研究を重視するような傾向が強まってきているため、基礎研究に投入されている資金に対するアウトプットは必ずしも高くないと思います。一方、中国では良かれ悪しかれ規制も緩く、人件費も安いということでしょうコストパフォーマンスは良いのだろうと思われます。無論、その裏には学生のabuseや倫理規制のlaxさもあるだろうと想像されます。ま、昔の(今も?)日本もそんな感じでした。しかし、高コストと低効率をを考えると、遠からず、基礎研究は中国産ということになりかねないのではないでしょうか。ちょうど、戦後、アメリカの製造業が斜陽に入って、日本が工業製品などを輸出するようになり、そして今や、それが中国にとって代わられた、製造業の変遷を見るようです。

現在、アメリカの主たる産業は金融などのサービス業、日本もそうなりつつあり、日本の中核産業は今は、製造業でもテクノロジーでもなく、ひょっとしたら外食産業なのではないかとさえ思わされます。また、一方で、高齢化する社会で介護のニーズの上昇などで、医療関係のサービス業も随分、増えたような感じがします。国内の需要を国内で供給するわけで、これで、役人のピンハネがなくなれば、内需型サービス産業でそこそこ安定して社会が回るかも知れません。外貨は、スシ目当ての外国人観光客で稼ぐ、というのはどうでしょう。アベ政権もするはずのない「経済成長」のために、日銀の輪転機を回転させるよりも、内部で金を回してよりself-containedでSustainableな社会構造を目指してもらいたいものです。(が、そのためには霞が関官僚とはじめとする役人が身を切る必要があるので、無理でしょうな)

さて、多少、明るい話題。週末の新潟県知事選挙で、反原発候補の米山氏が大差をつけて自民党候補に勝利。泉田知事の不可解な出馬断念を受けて反原発候補は出遅れたため、自民候補が楽勝するだろうという当初の予想を裏切っての大逆転です。この知事選、終盤に向かって民進党党首が、この知事選で米山氏の応援演説に来たという事件がありました。民進党は対立候補を支持する連合を慮り、離党した米山氏を公認せず自主投票としたにもかかわらず、党首自らが応援演説に入ったというのはどういう意図でしょうか。単に、勝ち馬に乗るのに聡いだけなのか。いずれにせよ、民進党党首は、再大戦犯を幹事長にした段階で党首してはダメですが。党一番ではなくて二番目ではダメだったのでしょうか?

この際、民進党に残っているまだマトモな人々は、自由党に入ればどうですかね。幹事長だけ民進党に残ってもらえたらいいでしょう。いまだに「単独政権を目指す」と言っているらしいですから、この際、お一人で頑張ってもらったらいいでしょう。

東京新聞の社説では、この選挙結果に関して、
 安倍政権は選挙で示された民意を真摯(しんし)に受け止めるべきだ。再稼働を既成事実化してはならない。
 七月の参院選では民進党など野党四党の統一候補が与党候補に競り勝ったにもかかわらず、県知事選で民進党は支持組織の連合傘下に電力総連がある事情から早々に自主投票にとどめた。
 終盤になって蓮舫代表が米山氏の応援演説に駆け付けたが、与党と野党のどちら側につくのか、国政選と地方選との違いがあるとはいえ、軸足が定まっていないことを露呈した。猛省して今後の選挙戦略を練り直すべきである。

とアベ政権と民進党に苦言。

ともかく、米山氏、選挙後に自ら語った通り、原発再稼働の話は遠からず出てきます。それに絡んで、利益誘導、脅しや妨害工作がいろいろ出てくることと思いますが、是非、負けずに初心を貫いてもらいたい、と思います。
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風に吹かれて50年

2016-10-14 | Weblog
ようやく現場復帰したところで、まだ調子が出ませんので、短く。

Autophagyがノーベル賞になったのも正直、意外でしたが、ボブ ディランがノーベル文学賞というのには意表を突かれました。約35年ほど前に初来日したのを子供心に覚えておりますが、その時でさえ、過去の人、「ボブ ディラン、ボク シラン」などと週刊誌に書かれていました。メッセージ ソングですか、60年代の彼の活躍は、日本のフォークソング ブームのきっかけであっただろうと思います。「戦争を知らない子供たち」とか「あの人の手紙」とか、日本でも反戦ソングが歌われました。
しかし、なぜ、今、ノーベル賞なのでしょう。貧富の差が拡大し続ける世界で、ノーベル賞選考委員の人々が、世界的な戦争への危惧を感じ取っているのかも知れません。生けるレジェンドをもう一度、反戦のシンボルにしようとしているのでしょうか。しかし、そうだとしても、今の若い世代にそのメッセージは伝わるのか、ちょっと疑問ですが。その点に関しては、オバマの平和賞ぐらいのインパクトしかないのかもしれません。

マスコミも政府とスポンサーに縛られて、独立した表現の自由などないに等しい北朝鮮化する現代ニッポン。メッセージは芸術、音楽を通じて、間接的に伝えるしか無くなっていくのかも知れません。そういう意味では、ボブ ディランの受賞は意義があるかもしれません。一人の音楽が娯楽の域を超えて社会的な影響を及ぼすことが可能であるということを示したのですから。だからこそ、ノーベル賞なのでしょう。社会的影響力の少ないものには与えられませんからね。
しかし、彼の社会的インパクトが大きかったのは半世紀前、やはり、どうして今頃、とは思いますね。
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