百醜千拙草

何とかやっています

追い込まれた検察

2011-07-15 | Weblog
研究費申請の実験計画で、別の研究室から既に出版されているマウスを貰おうと、とらぬ皮を当て込んで計画書をつくっていたのですが、問い合わせの返事が来ず困っています。知り合いを頼って、最初に話を通してもらい、その後、直接連絡したのですけど、無視されています。日本のとある有名大学の研究室です。
ま、他の研究者からこの手のリクエストは、忙しくてメールを読むヒマがないとか、面倒くさいなと思いながら忘れてしまうことはよくあることですので、このマウスは貰えないものとの前提で研究計画の変更にとりかかりました。
 建前上は、出版された研究材料は基本的に要求があれば、研究者がわは配布する義務があり、論文もそれが掲載条件になっている雑誌もあります。ただし、現実は、マウスを作るのも飼うのもコストがかかるし、同様のプロジェクトが進行中で共同研究ができないなどの事情もあったりしますから、リクエストしても断られることもありえます。ただ、同業の研究者同士で、わざわざ知り合いを通じて話を通してもらった後の正式依頼を無視されるというのは余りないことなので、どういう事情なのかと勘ぐってしまいました。また聞きではその研究室はこれまでマウスを外にださないという話もあって、今どき珍しいスタイルだなと思いました。研究者によっては、スクープされたり研究結果を盗まれたりして痛い目に合った過去のトラウマから、他の同業者を信用しなくなってしまうような人もいます。個人的な偏見だと、こういう傾向は縦割り社会の日本で、特に分子生物学分野で多いような気がします。マウス遺伝学をやっている人々は、多分、もうちょっとオープンだと思います。マウスを作ったり、解析したりするのは手間と時間がかかるので、研究結果を盗まれるという危険が少ないからかも知れません。それに、今どきは、いろいろなマウスを複合的に解析することが多く、マウスをやりとりしないと研究がお互いに進まないという事情もあります。実際、これまで、何度も色々な研究室にマウスのリクエストをしましたが、アメリカやその他の国では、出版されているマウスをリクエストして、断られたことは一度もありません。一度、渋られた事がありますが、それはマウスを作った研究室が別の共同研究者と既に私がやりたいと思っていたと同じような研究をしていたからという事情があったからで、私がその別の研究者と実は知り合いだったことがわかったら、すんなりマウスは貰えました。マウス研究の場合、持ちつ持たれつですし、同業者の間で悪い評判が立つと色々差し障りもでてくるという実利的な事情もあって、みんな親切な人が多いです。今回も、マウスをお願いしたら、いいですよ、とサクサク話が進むことを期待していたので、不意をつかれました。むこうの事情はわかりませんが、こちらの事情も説明して、知り合いも通しての問い合わせなのに、全く無視するという態度は、困ります。ま、協力したくないということなのでしょうけど、協力すると口では言っておいて実際にはしない、空きカンのようなウソつきもいますから、そんな連中に比べたら、まだマシだと思って忘れることにします。

さて、毎日新聞、「陸山会事件」の小沢氏の初公判を10月にするというような協議が行われているというニュースがありました。「陸山会事件」とは、端的に言えば、政権交代阻止のために小沢氏失脚を狙った当時の自民党が検察を使ってでっちあげた事件です。選挙前をわざわざ狙って、現職国会議員を含む小沢氏の秘書三人を逮捕し、ありもしない西松献金事件で立件という絵を描いたところが、何の証拠もみつからず、引くに引けなくなって、政治資金報告書の書き方が悪いといちゃもんをつけて小沢氏を共謀罪で起訴しようとしました。さすがにムチャで起訴を断念したと思ったら、これまた架空の察審査会まででっちあげて、ムリに裁判に持ち込もうとした醜悪極まりない悪質な事件です。
 秘書の公判が始まって、裁判所は大量の検察側の証拠を却下しました。石川議員に関しては、検察の唯一の「証拠」である供述書15通のうちの10通を悪質な誘導や恫喝のもとになされたもので信用できないとして証拠採用却下。残った供述書には事件の核心に関連するものはなし。つまり、裁判では検察の起訴内容には根拠がないということになりました。秘書はどうも三人ともすでに事実上、無罪は確定している様子です。秘書が無罪なら共謀罪など成り立つはずがないので、自動的に小沢氏も無罪でしょう。裁判所もグルかと最初は思っていましたが、マトモな場合もあるようです。
 そして、小沢氏のでっち上げの検察審査会の不正のカラクリについて、森ゆうこ議員がついに証拠を掴み報告したとのこと。検察組織などの国家権力の闇を探ってインチキを暴き出すと、一昔前なら、三井氏のようにいきなり逮捕されるか、石井議員の様に暗殺されていたところでしょうが、森議員元気でがんばっておられるようで、頼もしいです。この状況で小沢氏の公判がどうとかいうのは荒唐無稽といえるでしょう。そもそも全てが陰謀によるでっちあげなのですから。検察側ももうどうしようもなくなって責任者は逃げ出している様子。前の村木さん事件のときの前田元検事のように、誰かをスケープゴートにして、しっぽ切りで逃げようと思っているのかも知れません。それにしても、醜悪極まりない話です。小沢氏の起訴も不正、秘書もでっちあげて逮捕、犯罪事実の証拠はゼロ、よくもここまでメチャクチャできたものです。東京地検特捜のようなヤクザ組織は直ちに解体すべきですね。連中も税金を食い物にして、組織の保身のためには、権力を乱用して平気で汚い事をすることをためらわないのですから、本当にタチが悪い。益よりも害の方がはるかに多い。

今後は、おそらく、空きカンの辞任と小沢氏の公判棄却と復権がシンクロしていて8月には、空きカンもお陀仏、そして「陸山会事件」はウヤムヤになってマスコミも手のひらを返したようになるのでしょう。あれだけ検察のウソのリーク情報を無批判に垂れ流して来たマスコミですから、マスコミは共犯者です。ウヤムヤにして忘れるのではなく、しっかり自己批判し、この事件の片棒を担いだことを反省して、事件の全貌を正確に報道してもらいたいと思います。
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