「原発と映画」プロジェクト準備ブログ

原発に関する映画の紹介をメインに2011年から書いているブログです。

原発に関するその104「終わりなき原子力災害」

2023-12-24 23:56:02 | 原発と映画

「終わりなき原子力災害 3.11東日本大震災から10年」(2021年 43分)

制作 アジア太平洋資料センター 国内環境NGO FoE Japan

監修 細川弘明(原子力市民委員会)

アジア太平洋資料センターは、様々な社会問題について、特に海外とのつながりを生かしてDVDを制作しておられますが、こちらもその中の一本です。

公式HPはありませんが、詳細はこちら

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上記に書かれている作品の説明を下記に転載します。

2011年3月11日に発生した東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故。あれから10年、「復興」が語られる一方で、いまだに多くの人びとが収束の見えない原子力災害のもとでの暮らしを余儀なくされています。

事故によってまき散らされた放射性物質は、人びとが長年続けてきた生業を一瞬にして破壊しました。出荷制限が解除されても、農作物の価格は戻らず、農家はいまも葛藤を続けています。放射性物質による汚染は、人びとの故郷と暮らしも奪いました。国は、避難への支援を求める人びとの声を無視して、除染に費用を投じていますが、それは住民に高い放射線量のもとでの生活を強いる政策となっています。国が避難指示の被ばく量の基準を年間20ミリシーベルトという高い数値に設定したため、避難・帰還をめぐって人びとは選択に苦しみ、地域は分断されることになったのです。事故を起こした原発の廃炉の見通しは遠く、増え続ける汚染水をめぐる国と東電の対応に、漁業者は不安と怒りを表明しています。

事故とその後の政策によって振りまわされてきた人びとの声に耳を傾けて、本当の意味での「復興」とは何かを問いかけます。

本作は、FoE Japanの「ふくしまミエルカプロジェクト」の事故被害者への取材を踏まえながら、新たにインタビュー撮影と編集を行い、43分の作品としてまとめたものです。FoE Japan のウェブサイトで公開されているインタビューもぜひあわせてご覧ください。

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アジア太平洋資料センターがだされているDVDは、その問題の初心者にもわかるように、わかりやすく、なおかつ全体を網羅しているような、いわば教科書的なものが多い印象ですが、この映画も、そんな映画の一つです。

311から10年がたち、一般のメデイアだけを見ている人は、もう避難指示も解除されたし、もうこの問題は終わったのだと思っている人も少なくないと思いますが、そういう人に観てもらって、「10年たっても、終わってない原子力災害」の現状を伝えることのできるDVDです。

☆とはいえ、完全に全体像を伝えるという点では、不足している点もあり、真相が究明されていないことや、廃炉への道の状況や、焼却の問題なども、付け加えられていたら、さらに完全なテキスト的映像になったと思われます。

☆なお町ぐるみ避難をした双葉町の避難の映像をみたあとで、ここで語られている避難の苦労を聞くと、町ぐるみ避難にはプラス面があったということは感じます。本当はこんな災害時にどうあればよかったのか考える上で、双葉町の避難は貴重な経験を残してくれていると改めて感じます。

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原発に関する映画その103「原発の町を追われてー避難民 双葉町の記録」

2023-12-24 21:00:00 | 原発と映画

公式HPはこちら

ドキュメンタリーは、同じものをとろうとしても、それを撮った人によってまるで違う映画が生まれ、撮った人の、人となりとか生き方なりが、まっすぐその作品にあらわれるものだと実感させられます。

 

この映画「原発の町を追われてー避難民 双葉町の記録」は、埼玉在住で、双葉町民が自分のうちの近くに避難してきたことから、仕事の合間を縫って通い続けて、言葉を交わし、カメラを回し、一人また一人と親しくなっていった堀切さとみさん制作の三部作の映画です。

第一部「原発の町を追われて」(2012年 49分)

第二部「2年目の双葉町」(2013年 23分)

第三部「ある牛飼いの記録」(2017年 30分)

別に仕事を持ちながら、この映画が二作目という堀切ひとみさんについて、監督という表記はなく、撮影・編集・ナレーションそして制作ということで、名前を出しておられます。

 

以上は一枚のDVDにまとめられていますが、その後「原発の町を追われて・十年」(2021年 50分)を公開されています。

福島第一原発事故によって7千人の町民が全国に散り散りになった双葉町。10年たった今も帰還者はゼロだ。家屋は壊され中間貯蔵施設がそびえ立ち、緑豊かな風景は一変した。30年は住めないと言われていた町が、来年には帰れるようになるという。五輪を足掛かりにした復興は進むが、町民の思いは複雑だ。避難して10年。原発の間近で暮らしてきた家族の軌跡をたどる。

「原発の町を追われて・十年」についての堀切さんのトークはこちらからみることができます。

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親しくなっていった双葉町の人に寄り添い続けている堀切さとみさんの撮影には終わりはなく、今もなお撮影を続けておられます。

地道に通っておられる堀切さんに、どの人も信頼を寄せておられることが感じられ。。。それ故に、本音を発しておられます。

ただ寄り添おうとしている堀切さんのカメラは、絶望だけを描くわけではなく、希望を簡単にみせてくれるわけでもなく、ありのままの人々の生活と思いをみせてくれます。

このような信頼関係にもとづいて、細く長く撮り続けておられるドキュメンタリーは、時がたてばたつほど、貴重な映画となっていくと思われ、今後の作品にも注目したいと思います。

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原発に関する映画その102「ママの約束 原発ゼロで見つけた本当の豊かさ」

2023-12-22 23:28:15 | 原発と映画

「ママの約束 原発ゼロでみつけた本当の豊かさ」(増山麗奈監督 90分)

予告編はこちら

HPはみつけられませんが、クラウドファンデイングの時のページが映画のことを伝えてくれています。こちら

画家で、映画もとり、さらにジャーナリストも自称される増山麗奈監督は、自由奔放な生き方と、行動力で、閉塞した時代に、新しい風を吹き込んでくれている人と私は感じています。

この映画「ママの約束 原発ゼロでみつけた本当の豊かさ」は、311福島原発事故に出会い、原発をなくす社会を作ろうとお子さんたちと約束したところから、はじまった旅の記録ともいえるドキュメンタリーです。

増山麗奈監督の、自由奔放さと行動力がそのまま表れた作品で、ほかの監督がいっていないところにいき、とっていない人にインタビューしているので、映画としてのまとまりはかけている感じですが、歴史の証言としてあとから貴重なものとなるかもしれません。

後半は、ドイツに行き、廃炉の様子・風力発電・廃棄物処理の現場に取材したり、インドに福島の子どもを連れて行ったときの映像も、増山監督ならではという感じです。

日本国内では、南相馬や江戸川区で見つかった黒い粉を巡るインタビューや、焼却を巡って、大阪・富山・鮫川にまで取材に行かれているのも貴重です。木田節子さんにインタビューし奇形のクローバーをみせてもらったり、長崎にこられたオリバーストーン監督をうつしたり。。。書ききれないほど多方面にわたって、描いています。

深刻な問題を、明るいトーンで描いているのも、増山監督らしいと思います。

 

 

 

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原発に関する映画その101「チェルノブイリその後の世界」

2023-12-18 05:34:56 | 原発と映画

「チェルノブイリその後の世界」(2018年 フランス 90分)

チェルノブイリについての映画は、少なくありませんが、1986年原発事故が起きてから30年以上の歴史を、被害当事者の視点で、まとめて伝えてくれる映画は、とても少ないです。

この映画は、フランスを中心にヨーロッパから、ベラルーシ支援を長年続けてこられた団体「チェルノブイリ・ベラルーシのこどもたち」の手による貴重な映像です。

2016年同会代表のイブ・ルノワール氏がベラルーシに取材に行き、その時点で、顔出し名前出しで、現状を語ってくれる数人の人たちに、事故直後のことから現在までのことをインタビューして、撮影した映像に、マーク・プテイジャン氏が、古い映像を追加し編集し、歴史がわかるようなドキュメンタリーとして完成させたものです。

未曽有の核被害に対して、良心的な科学者・医師・市民の闘いの記録であり、原発を収束させるための闘いに始まり、核物理学者ネステレンコ氏が、ベルラド研究所を創設して、被ばくしたベラルーシのこどもたちを救済する事業に奔走する様子が、貴重です。その後エートスによって、ベルラド研究所がダメージを受けたこと、そして現在かろうじてその火を守っている人たちの声や、放射能汚染が生物にどんな影響を与えているかも伝えてくれています。

かって来日して講演もしてくれた故アレクセイ・ヤブロコフ博士やミシェル・フェルネ博士の姿も映しだされています。

フランス在住の日本人の方が、日本人にみてほしいと日本語訳もつけてくれています。

適当な資料やトーク付きでないと理解はむずかしいかもしれませんが、資料とトーク付きで広がってほしい映画です。

公式HPなどはありませんが、これまで数少ない上映の案内をリンクします。

東京谷中の月一原発映画祭はこちら

大阪十三のシアターセブンでの311特集上映はこちら

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原発に関する映画その100「蘇生Ⅱ」

2023-12-15 12:09:51 | 原発と映画

多くの映画監督は、原発と原発事故・放射能・フクシマに、それぞれの向き合い方で、映画を撮ってくださった12年だったと思っています。

映画監督として経験を重ねてこられている様々な監督による多様な視点は、多くの気づきを与えてくれます。

こちらは白鳥哲監督による「蘇生」に続く放射能をテーマにした映画です。

フクシマに取材されただけでなく、ベラルーシと韓国にも取材され、より幅広い内容となっています。

 

311後あまりに隠されていることが多方面にわたっています。

放射能汚染と健康被害のこと、当時何が起きたのかという二つのことは、大きく隠されてきましたが、それだけでなく「放射能を低減させることができるのは何か」ということについても、隠されてきています。

そのタブーに挑まれた映画。。。多くの人に観て、考えてもらいたい映画の一つです。

公式HPはこちら

 

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原発に関する映画その99「フタバから遠く離れて」一部二部

2023-12-14 22:05:32 | 原発と映画

311による放射能避難は、それぞれの家族の判断、一人一人の判断に任されていた中、一つの自治体だけが違っていました。

井戸川町長ひきいる双葉町でした。

社会的弱者だけが避難から取り残されることを避け、町としての機能を避難先に持っていこうという、全く新しいスタイルでした。

どこに避難するのか、いくつかの受け入れ先の中から、井戸川町長が選んだのは埼玉県でした。

避難から8か月を描いたのが、「フタバから遠く離れて」、さらに三年までを描いたのが「フタバから遠く離れて」第二部です。

公式HPは、こちら

監督は舩橋淳監督

ほかではありえなかった町ごと避難の姿をみせてくれる貴重な映像です。

二部では、町長選で、井戸川町長が対立候補に敗れて、町ごと避難が終わる過程も描かれています。

井戸川町長の、住民のためを一番に、放射能の現実を見つめ、理不尽なものと闘う姿勢が貫かれていて、それゆえに、このドキュメンタリーがただの被害の記録とは一味も二味も違うものになっているのだと思います。

第二部のDVDには、スピンオフ「放射能」という短編も収録されています。

井戸川さんが町長選に敗れ、町ごと避難が終わった後、井戸川さんは、たった一人で原告となって、裁判を続けています。こちら

元町長という立場から訴えている裁判の報告集会には、毎回支援の人たちがたくさん集まる熱い場となっているようです。

私は一回参加しただけですが、舩橋監督はそこにも姿をあらわしていました。

第三部「できる」「つくります」とは簡単に言えない状況と思いますが、いつか第三部が公開される日がくるかもしれません。

 

 

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薬害エイズの闘いを描いた映画「人間の尊厳をかけて」があります

2023-12-13 21:23:37 | 原発問題ではないけれど重要な社会問題を扱

様々な社会問題があり、闘いがありますが、終わって年月が経っていくと、どんどん忘れられていってしまいます。

でもその時に映像という形で残してくれていると、あとから知ることができ、次の世代に伝えることがしやすくなります。

どんな映像でもいいわけではありませんが、薬害エイズの闘いは、その闘いの全貌を伝えてくれる貴重なドキュメンタリーを残してくれていました。

 

「人間の尊厳をかけて 薬害エイズ10年のたたかい」(40分)

企画・制作 東京薬害HIV訴訟原告団・東京薬害HIV訴訟弁護団

制作協力 電波ニュース社

こちら

薬害エイズのことは、このようなジェノサイトともいえるような事件が起きたということ、そこから闘いによって、原告が望む解決への道を切り開いてこられたということ。。。

どちらも忘れてはならないことだと思います。

責任の所在は、ほかの事件に比べて明らかにされたともいえますが、まだまだ本当のことは隠されているのではともいわれています。

 

5つの被告企業の一つであったミドリ十字は、731の生き残りの人の手で、GHQにお伺いを立てて作られた企業といわれています。

 

和解のあと、薬害根絶への努力が当事者の手で続けられていますが、根絶どころか次々に新しい薬害が発生している状況です。

731にまでさかのぼって、歴史を見つめなおし、戦後の日本がどんな構造の中におかれているのか、見つめなおす作業が、薬害根絶のためには、必要と思われます。

この映像「人間の尊厳をかけて」は、被害・加害・裁判・運動すべてをまとめてみせてくれるすぐれたドキュメンタリーと思います。

あちこちで上映会が開かれ、広がっていってほしいと願います。

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原発に関する映画その98「原発夫婦」

2023-12-13 07:55:48 | 原発と映画

日本のあちこちで次々に原発が建設された時代、それは同時に原発を止めるための闘いが活発に行われた時代でもあり、実際に原発建設計画を止めさせることができた地域もあったことは、知っておくべき貴重な歴史と思います。

私は「渡されたバトン」「シロウオ」そしてこの「原発夫婦」によってそれぞれの地域での原発を止めた闘いというのがどんなものだったのか、そのいったんをみることができました。

当時は映画にして残そうなどとは誰も思っていない中での必死の闘いだったので、「渡されたバトン」は劇映画ですが、「シロウオ」と「原発夫婦」は当時の残された資料や写真と、インタビュー映像によって描こうとしているので、どちらもドキュメンタリーとしての完成度の高さを期待してはいけないと思います。知る手がかりがあることに感謝して観させてもらう映画と思います。

◇原発を止められた地域があった一方反対運動は起きたけれど、止められなかった地域もあったわけで、止められなかった人たちの力や頑張りが足りなかったという方向に考えないためにも、原発を止められた地域でそれが可能になった背景についてもトークなどで知っていくことが大事と思います。

私は「原発夫婦」の上映会で、詳しい人の話を聞くことができましたが、背景として以下の点が印象に残っています。

◇江戸時代船が主要な貨物輸送の手段だった時に、このあたりは港町として栄えていて、ある意味進取の文化のある地域だったこと。

◇戦後軍隊から帰ってきた人が漁師になることが多く、「お上には二度と騙されたくない」という思いが強かったこと。

◇豊かな漁場と大都市に近いことから、海を守っていれば漁業で食べていけるという見通しを持てたこと。

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「原発夫婦」(2020年/ 78分/日本)

HPはこちら

上記HPから作品紹介を転載させていただきます。

【作品紹介】

1963年(昭和38年)三重県の南に位置する南伊勢町と大紀町にまたがる芦浜に突如、原発建設計画が持ち上がる。1963年〜2000年までの37年間にもおよぶ苦闘の末、芦浜原発計画は白紙撤回となった。この作品は、その長く辛い闘争を生き抜いた漁師夫婦の記録である。

 

元々は原発反対の牙城だった漁協が推進派に乗っ取られて行く中、反対を貫き最後の砦となった小倉夫妻。夫 正巳と妻 紀子のインタビューを中心に、闘争時のこと、地域の仲間、そして3.11を経て出会った次世代の母親たちとの交流を描く。

芦浜原発計画白紙撤回から20年を迎えた今、同志夫婦は何を思い、これから先をどうして行くのか… 得体の知れない大きな力に揺り動かされた町、夫婦の想いとは…

 

出演 :小倉正巳 小倉紀子

柴原洋一/大石琢照/大野裕子/中村和人/野村五輪夫

荒木章代/加藤茜/河野みずほ/福田ゆふな/カミシバラーミキナカムラ

(2020年/ 78分/日本) 

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原発に関する映画その97「逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者」

2023-12-11 23:33:57 | 原発と映画

「逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者」

(2012年/74分/日本語字幕・選択可(聴覚障害者用)監督:飯田基晴)

公式な案内はこちらです。

この映画は、作品案内に書いてあるとおり、311が起きて健常者でさえも、大変な状況に一気に投げ出されてしまった中、福島の障害者の方たちの歩みを追いかけたドキュメンタリーです。

当然災害時に障害者ゆえの困難さとしては、何があるのか、どういう助けが必要なのかということを伝えてくれるドキュメンタリーですが、同時に別のことも浮き彫りにしてみせてくれる映画です。

ひとつは、全国自立生活センター協議会(JIL)組織が、福島を中心に全国組織としてあり、そのネットワークの存在が、どれほど災害時に役にたってきたのかということです。その中にいち早く東北関東大震災障害者救援本部が作られ、様々な支援活動が行われたことを映画はみせてくれます。

もうひとつは、全国自立生活センター協議会の運動にとって欠かすことのできないピアサポートというのが、どんなものなのかもみせてくれているということです。

監督はそういう視点では映画を構成されていないので、見逃してしまうこともありえますが、日本の障害者運動の歴史のいったんをみせてくれるということからも貴重なドキュメンタリーです。

障害者自立生活運動とは何か、樋口恵子さんが簡単にまとめておられた文に出会ったので、リンクします。こちら

私はご縁があり、この映画に登場されている福島県内の障害者自立生活運動の草分け的存在だった故・鈴木絹江さんの存在を知り、その存在と、歩んできた道を知ることで、自立生活運動について一端を知ることができました。

機会があれば詳しく書きたいと思いますが、この映画はその鈴木絹江さんの生前の言葉が映し出されているという意味でも貴重と思います。

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福島県での障害者自立生活運動の歩みに関心持たれた方が、おられたら、こちらの本に詳しく書かれています。

「往き還り繋ぐーー障害者運動 於&発 福島の50年」(2019年)

 「しどろもどろ」な歴史をつむぐ!

白石清春、橋本広芳、鈴木絹江、安積遊歩、桑名敦子、殿村久子、遠藤美貴子、高橋玉江、渡部貞美……運動の中心を担ったひとやそこに繋がるひとびとへのインタビューをもとに、その草創期から停滞期、発展期、そして2011年3月11日を経ての現在まで、東北・福島で展開されてきた/いる障害者運動、その50年の全貌に迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

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原発に関する映画その96「国民の選択」

2023-12-10 17:02:58 | 原発と映画

「国民の選択」(2021年 73分 宮本正樹監督 日本)

HPはこちら

新型コロナ禍で、新しい映画を作ることが困難な時期に、若手の宮本正樹監督による意欲作。

原発のことをよくわかっていない若い人たちにこそ観てほしいという願いを込めて作られた劇映画です。

原発を推進するのか止めるのか、国民投票で決めようとなったという設定のもと、ある家族に何が起きたのかを描いています。

私は映画館で観ましたが、観に来られているのは、ずっと原発に反対をしてきたような方たちばかりの印象で、そういう人たちからすると多少物足りなさはあるかもしれませんが、一方の主張に偏ることなく、必要な内容はすべて網羅しつつ、ラストに向けてもりあげていく、よくできた映画と思いました。

問題は、原発のことをよくわかっていない若い人たちにこの映画をどうすれば観てもらえるのかに尽きると思われます。

高校とか大学とか、全員対象の映画会で、活用してほしい映画と思いました。

 

宮本監督の前作「第九条」はかなり話題になりましたが、「国民の選択」の方はそうはならず。。。2022年は「死刑」を公開されてます。

ポリシーを持って映画を作ってこられている宮本監督の今後に注目したいと思います。

宮本監督のHPは こちら

 

 

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