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ドキュメンタリーは、同じものをとろうとしても、それを撮った人によってまるで違う映画が生まれ、撮った人の、人となりとか生き方なりが、まっすぐその作品にあらわれるものだと実感させられます。
この映画「原発の町を追われてー避難民 双葉町の記録」は、埼玉在住で、双葉町民が自分のうちの近くに避難してきたことから、仕事の合間を縫って通い続けて、言葉を交わし、カメラを回し、一人また一人と親しくなっていった堀切さとみさん制作の三部作の映画です。
第一部「原発の町を追われて」(2012年 49分)
第二部「2年目の双葉町」(2013年 23分)
第三部「ある牛飼いの記録」(2017年 30分)
別に仕事を持ちながら、この映画が二作目という堀切ひとみさんについて、監督という表記はなく、撮影・編集・ナレーションそして制作ということで、名前を出しておられます。
以上は一枚のDVDにまとめられていますが、その後「原発の町を追われて・十年」(2021年 50分)を公開されています。
福島第一原発事故によって7千人の町民が全国に散り散りになった双葉町。10年たった今も帰還者はゼロだ。家屋は壊され中間貯蔵施設がそびえ立ち、緑豊かな風景は一変した。30年は住めないと言われていた町が、来年には帰れるようになるという。五輪を足掛かりにした復興は進むが、町民の思いは複雑だ。避難して10年。原発の間近で暮らしてきた家族の軌跡をたどる。
「原発の町を追われて・十年」についての堀切さんのトークはこちらからみることができます。
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親しくなっていった双葉町の人に寄り添い続けている堀切さとみさんの撮影には終わりはなく、今もなお撮影を続けておられます。
地道に通っておられる堀切さんに、どの人も信頼を寄せておられることが感じられ。。。それ故に、本音を発しておられます。
ただ寄り添おうとしている堀切さんのカメラは、絶望だけを描くわけではなく、希望を簡単にみせてくれるわけでもなく、ありのままの人々の生活と思いをみせてくれます。
このような信頼関係にもとづいて、細く長く撮り続けておられるドキュメンタリーは、時がたてばたつほど、貴重な映画となっていくと思われ、今後の作品にも注目したいと思います。