「原発と映画」プロジェクト準備ブログ

原発に関する映画の紹介をメインに2011年から書いているブログです。

「あいときぼうのまち」について

2020-12-26 21:50:10 | 原発の映画(観てないもの・上映情報等)

以前に名前だけ書きとめていた2013年の劇映画「あいときぼうのまち」。。。まだみていませんが、まとめておきます。

HPはこちら

2013年 日本 126分 菅野 廣監督 配給:太秦

上記HPから抜粋して紹介します。

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日本の原子力政策に翻弄され、傷つき、失い、絶望しながらも、「それでも生きて」いこうとする、四世代一家族の1945年から約70年にわたる物語。

歴史は歴史ではない。過去と現在へ、そして未来へとつながっている。
土地もまたそうである。被災地へと車を走らせれば、東京と福島は地続きであることを痛感するだろう。
これは、3.11後の世界に生きなければならない我々すべての話である。この世界に生きる、家族すべての話である。

監督 菅乃廣(福島県出身 脚本家)

本作が監督デビュー作となる。20数年前、死が迫っていた父親が呟いたひと言「この奇病は昔原発で浴びた放射能が原因かもしれない」をきっかけに、いつか原発を描こうと思っていた菅乃は、3.11でその思いを新たにする。資金集めからキャスティング、スタッフィングまで、この映画は監督自らがかいた汗と執念の結晶である。切れば血が吹き出るような演出は、福島県出身でなければ出来なかったであろう。そういう意味でも、本作は他の3.11映画と決定的に違っている。

◇観た人の感想は真っ二つに分かれているようです。観ることができたら、また書こうと思います。

 

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原発に関する映画 その82「朝日のあたる家」

2020-12-19 19:44:34 | 原発と映画
太田隆文監督の『朝日のあたる家」をようやく観ることができました。
 
公式HPはこちらです。
 
監督日記ブログから、劇場公開時の舞台挨拶映像をみることもできます。
こちらです。
 
2013年製作/118分/日本 監督太田隆文
配給:渋谷プロダクション

映画.comより<物語>と<監督紹介>を転載させていただきます。

<物語>

原発事故により悲劇に見舞われる家族の姿を描くドラマ。静岡県の自然に囲まれた町で農業を営む平田家は、両親と2人の娘が暮らすごく平凡な家族。大学生の長女あかねは、いずれあこがれの都会に就職し、ひとり暮らしすることを夢見ていた。しかし、そんなある日、大地震により原子力発電所で事故が発生。避難所へ移った一家は何カ月も家に帰れず、父は仕事を失い、母はノイローゼに、妹は病気になってしまう。一家のために沖縄から避難所へやってくる伯父・光太郎役で山本太郎が出演。共演にいしだ壱成、藤波心ら。

<太田隆文監督紹介>

アメリカに留学し、南カリフォルニア大学映画学科で学ぶ。帰国後、脚本家としてキャリアをスタートし、大林宣彦監督の「理由」(04)ではメイキングを担当する一方で、TVドラマ「怪談新耳袋」(03~06)などのメガホンをとる。映画監督作では、故郷・和歌山県田辺市を舞台にした「海と夕陽と彼女の涙 ストロベリーフィールズ」(06)が初めて劇場公開され、続く「青い青い空」(10)では静岡県浜松市を舞台に女子高生たちの成長を描いた。「親子に伝える大切なこと」をテーマに地方の美しい自然を背景にした作品を作る。13年の「朝日のあたる家」は原発問題を扱っていることから、なかなか公開劇場が決まらなかったが、有志による署名活動の結果、徐々に公開規模が拡大された。
 
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311と原発事故を意識した劇映画は、そんなには作られていません。
 
『朝日のあたる家」は、監督がチェルノブイリにまで行って、相当基礎知識を学ばれた上で、作られた映画で、映画によってはスルーされている放射能がもたらす問題が、実にきちんと描かれていました。
この問題をあまりよく知らない人にも、原発事故がもたらす問題がすごくよくわかるようにと、多くの人に共感してもらいやすいようにと、作られている映画と思いました。
中学生と二十歳を過ぎたばかりの姉妹が主人公の映画で、このテーマでそういう映画は珍しいので、貴重と思いました。
若い人に大勢観てもらい、原発事故がもたらす被害について考えてもらうために、たくさん上映できたらいい映画と思いました。

☆完成した当時、原発問題をタブー視し、マスコミにも、あまりとりあげられず、劇場公開する先もなかなかみつからなかったそうです。

脱原発をアピールしたために芸能界から追い出された山本太郎さんが熱演されている映画ですが、山本太郎さんの応援団の方たちが、あちこちの劇場に声をかけられて、劇場公開にこぎつけられたとのことです。

 

 

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『フィーネ 2-2-A-219』という映像ができているそうです。

2020-12-19 19:22:57 | 原発の映画(観てないもの・上映情報等)

ひとつ前に紹介した《レイバーフェスタ2020》で上映予定の短編です。

レイバーフェスタ2020のHPより抜粋して紹介します。

 

●『フィーネ 2-2-A-219』(2020年・10分・中筋純)

 原発事故から9年。被災家屋の解体が進む福島県浪江町で、カメラは一軒の解体現場に密着する。撃ち抜かれる壁、破られるガラス、へし折られる大黒柱―。家族の思い出が詰まった「家」が、番号を振られた「解体物件」になる不条理を写し込む。

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12月26日「レイバーフェスタ2020」が開催されるそうです。

2020-12-19 19:09:17 | 原発の映画(観てないもの・上映情報等)

「レイバーフェスタ2020~コロナを吹き飛ばせ!」のHPは

こちらです。

以下上記HPより抜粋して紹介します。

レイバーフェスタ2020〜コロナを吹き飛ばせ!

ーあなたの怒りと希望を表現しようー

「アベノマスクたった二枚でどう生きる」(乱鬼龍)。2020年はコロナ禍一色の年になりました。アベスガの無策が状況を悪化させ、「非正規・女性・外国人」をはじめ、はたらくものの雇用不安・生活不安は深刻です。さあこれからどうするか? やはり声をあげなければ始まらない。はたらくものの文化祭「レイバーフェスタ」で、あなたも「見て・聴いて・歌って」一緒に表現しませんか。

●12月26日(土)10.15〜16.50(開場9.45)
●東京・田町交通ビル6階ホール
 港区芝浦3-2-22(JR田町駅「芝浦口」徒歩3分)
参加費 一般当日1700円
    前売・予約1500円
    失業者・障害者(一律)1000円
    学生・20歳以下 無料
予約・問合せ レイバーネット日本
 TEL03-3530-8588 FAX03-3530-8578
メール予約 http://labornetjp.jimdofree.com
主催 レイバーフェスタ2020実行委員会
*チラシ配布にご協力を。無料で多部数お送りします。事務局までご一報を。

 

〔プログラム〕12月26日(土)10.15〜16.50

9:45 開場
10.15 ドキュメンタリー映画『雄叫びー気候変動へのたたかい』(フランス・2016年・1時間40分)
12.00 公募川柳発表
12.15 休憩(45分)
13.00 音楽 川口真由美ほか
14.00 映像+トーク《ニッポンの今》
 1,フクシマの今『フィーネ 2-2-A-219』(10分)
  トークショー(20分) 中筋純(制作者)+堀川夫婦(避難者)
 2,『強制送還』(山村淳平 20分)
 3,『バスドライバーの憂鬱』(北穂さゆり 20分)
 4,『メトロレディーブルース5』(ビデオプレス 20分)
15.45 休憩15分
16.00 3分ビデオ一挙上映(10本+α)
16.50 終了
■プログラムは変更の可能性があります。最新プログラムは  レイバーネットHPを参照してください。

 

 

 

 

 

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原発に関する映画その81「Fukushima50」

2020-12-19 18:28:40 | 原発と映画
「Fukushima50」をようやく観ました。
 
監督 若松節郎
2020年 日本 122分
主演 佐藤浩市 渡辺謙
原作 門田隆翔「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)
製作代表 角川歴彦
製作 KADOKAWA 松竹 IMAGICAGROOP 中日新聞社 報知新聞社 
   読売新聞社 福島民友新聞社 産経新聞社 西日本新聞社 中国新聞社                       
   ムービーウオーカー 
製作協力 復興庁
 
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この春の映画館での上映は、新型コロナによりガラガラだったようですが、11月からDVD/ブルーレイが発売になり、今レンタル屋さんで盛んに貸し出されています。
このあと海外で上映されるようです。そもそも海外での上映を意識して、作られた映画だったそうなので、これからがこの映画がその力を良くも悪くも発揮していくのだろうと思われます。
 
◇そんな中、一度はみておかなければと、「Fukushima50」をようやくみました。
現場を再現したリアリテイも、俳優さん達の迫真の演技も素晴らしく、映画館で観終わったらすぐに立ち上がれない感じになったかもしれませんが。。。すぐに感想を書くことのできない複雑なものを受け取った映画でした。
 
◇2011年春、チェルノブイリへのかけはしの野呂さんの発信にようやく出会い、、、
「今爆発しないですんでいるのは、現場で頑張ってくれている人達がいるからこそ」「今もまだいつ爆発するかわからない中だけど、無事に収束するように、そしてその人達の無事を祈りましょう」といわれて。。。本当にその通りと思ったことを思い出しました。亡くなられた吉田元所長のこと、一緒に頑張っておられた人達のこと、忘れてはいけないと思いました。そういう意味で、日本人が観るべき映画だと思いました。
 
◇「太陽の蓋」をみたときに、官邸側中心の視点に違和感を感じたものですが。。。こちらはまさに現場の視点からあの時のことをみせてくれた映画でした。「太陽の蓋」とこの映画を比べるなら、こちらの視点の方が、大事だし、そういう意味でも観るべき映画と思いました。
 
◇だから素晴らしい貴重な映画だったといいたいけれど、そうは言えない大きな違和感も残りました。
95%事実にもとづいている中に5%事実ではないことが紛れ込んでいるために、印象操作される可能性もある映画と思いました。
復興に向かっている印象を与える点が気になるという声はいくつも耳にしましたが。。。
少なくとも私は4号基の爆発と、トモダチ作戦は、事実と違う部分があり、気になりました。
また最後の吉田元所長の手紙は映画全体のメッセージに深くかかわっていて、大事な気がしますが、本当にご本人が書かれたものなのか確かめておきたいと思いました。(この手紙に限らず、吉田元所長の発しておられたこと、もっと知っておきたく思いました)
 
◇あの時何があったのか真相を伝えるには、もう一本映画が必要なのだろうと思いました。映画という形で作られることはないかもしれませんが、本としては残していけないものかと思いました。
 
 
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原発に関する映画その80 「夢」

2020-12-19 17:43:36 | 原発と映画
黒澤明の「夢」をみました。
 
』(ゆめ、英題:Dreams)
監督・脚本 黒澤明
製作総指揮 ステイーブン・スピルバーグ
   
製作    黒澤プロダクション
製作国   日本・アメリカ(日米合作映画)
1990年 119分
配給    ワーナー・ブラザーズ
「日照り雨」「桃畑」「雪あらし」「トンネル」「鴉」「赤冨士」「鬼哭」「水車のある村」の8話からなるオムニバス形式の映画
 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
30年近く前に観た時には、黒澤映画ファンだったにもかかわらず「わからない」映画と思いましたが。。。
今観たらしっかりわかりました!!
人によって受け止め方も違うとは思いますが、感想を書きとめます。
 
黒澤監督、やっぱりすごいです。
「こんな夢を見た」ということで始まる8話をつなげた作品ですが。。。幼少の時、少年期、大学生、戦争の時代、壮年期とご自身の人生の色と、日本の歴史を重ね合わせて、描かれていて、伝わってくるものがありました。
 
◇第一話から第三話・幼少期から大学生までのところでは、桃の木の精霊が見えたり、きつねがみえたり、雪女がみえたり。。。黒澤監督は、木内鶴彦さんみたいな地球との一体感をもつ感覚の人だったのかもしれません。
 
◇第四話・戦争を描いたところは、戦争の本質を見事に描き切っておられ、ものすごく伝わってくるものがありました。(黒澤監督は、戦争の時代を生きた人だったわけですが、逆に、これまでの黒澤映画は、戦争に行った人達の事は描いておられなかったことを思いました。一番描きにくいテーマを晩年になって描いたのかもしれません)
 
◇第五話・ゴッホを描いたところは、ゴッホを描いていながら、何かに追われるように創作を続けるゴッホの姿に、ご自身の壮年期の映画作りも重ねて描いていたようにも感じます。
もしかすると働き蜂という言葉さえも生まれたほど、働き続けた当時の壮年期の日本人男性の姿も重ね合わせていたかもしれません。
 
◇原発爆発と、その後の世界を描いた第六話と第七話
おだやかな未来を描いた第八話
その二つは私達の前には二つの未来があるのだと、見せてくれようとしたのかなと感じました。(未来は二つある。。。これも木内鶴彦さんが言われたことと重なります)
原発爆発の場面も、それはそれはリアルで、プルトニウム・ストロンチウム・セシウムがそれぞれどんな健康影響をもたらすかも見事に伝えてくれていました。
とりあえず逃げ延びたほとんどの人は、これから何が起きるのかを察して、自ら死を選び、でも小さい子を抱えたお母さんが「この子たちはまだそんなに生きてないんですよ」と叫ぶ。。。
原発事故後の世界の中で、タンポポは巨大化し、食べ物のない中で、共食いをして生きることを選んだ人たちが、鬼になって、死ぬこともできない苦しみにもがく。。。
こんな未来を選んではいけないと強く思わさせました。
 
最後の第八話は、対照的に穏やかな水車村の話は、「電気はどうしているんですか」という主人公の問いに答えて、お年寄りが、「電気なんかなくても幸せに楽しく暮らしていける」と答え、素晴らしい自然と元気でやさしい子ども達の姿を見せてくれます。そして、年を重ね、死も自然な、むしろおめでたいこととして、受け入れられている様子を伝えてくれました。
 
◇ものすごいメッセージ性のある、黒澤監督渾身の映画と感じました。
・原発爆発後を描いたところでは、「予言的映画だ」という人もいますが、予言者じゃなくても、原発とは何かの知識がある人ならば、当時でも十分描ける未来の姿だったのだと思います。
・また、黒澤監督が、ハリウッドとつながりが深かったこともあり、原発を爆発させるシナリオがある事を知って描いた警告的映画だという人もいますが、そうかもしれないし、そうではなかったかもしれないとしか言えません。もしそうだったとしたら、逆に日本が自然と一体となって生きる文化を持っている国であることをその人達に伝えたかったのかもしれません。
 
◇後期の黒澤監督は、国内ではなく、海外資本で映画を作り続けたそうで、こちらも、アメリカ資本の映画です。
外国人に観てもらおうという意識も感じられました。
 
◇それにしても黒澤映画に出てくる人は強い個(この映画では、黒澤監督ご自身ですが)を持っていると改めて感じました。
桃の木の精霊たちに責められて、泣きながら反論する少年の場面とか、戦争で亡くなられた人の亡霊に対して、叫ぶ場面とか。。。だんだん失われている中なので、追い詰められた時に精一杯叫ぶ個の強さが印象的でもありました。
 
◇黒澤映画は映像へのこだわりが特徴でもありますが、目を見張るような映像があちこちにちりばめられてもいました。
第一話の家の門もこだわりの門でした。
ゴッホが何かに追いかけられるように絵を描いている場面で、蒸気機関車の映像が挿入されるなど。。。「黒澤映画らしい」と思ってうれしくなりました。
 
◇二つの未来で、描いて見せてくれた原発爆発とその後の日本は、フクシマ原発事故により、終わった話にはなっていないことを思います。
原発がある以上、さらにひどい原発の爆発とその後の日本がある事を知らないといけない。だからこの映画は今も十分に上映する意味がある映画と思いました。
 
 
  
 
   
   
   
   
   
   
   
   
   
 
 
 
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