国が決めたたったひとつのカリキュラムにもとづくのではなく、もっと違う学校を求める動きはいろいろあるようです。
今あるいろいろな新しい学校の動きやネットワークをまとめておきます。
オルタナテイブスクールとフリースクールという言葉があり、違うそうです。
オルタナテイブスクールは、何らかの教育理論があり、それが今の日本の学習指導要領とはあいいれないがために、自主独立の道をいっている学校ということのようです。
フリースクールは、不登校になってしまったこどものために生まれて存在している学校ということになるようです。(外国のフリースクールということばは全く意味が違うそうですが)
<オルタナテイブスクールのいろいろ>
デモクラテイックスクールについてはこちら
シュタイナー教育の学校はこちら
ジャパンフレネはこちら
インターナショナルスクールはこちら
ラーンネットグローバルスクールはこちら
箕面こどもの森学園はこちら
きのくにこども学園はこちら
札幌自由が丘学園は こちら
まだまだ実際にはあるかもしれません。
<フリースクールのいろいろ>
考え方としてフリースクールの中でも、いろいろな種類があるようです。
A 傷ついた心をいやすための居場所としての空間を大切にする
B 不登校になったって学びたい!勉強重視
C 時間割にそった学習というものとは違う場を与えることで元気の回復をはかる。例えば農業とか陶芸とか料理とかやっているところは多いようです。
D コミュニケーションスキルがちょっと足りなかったと考えて、ソーシャルスキルトレーニングに力をいれる
E 学校がおかしいから不登校の子がうまれる。不登校になった子は心優しく感受性が強いいいものをもっている子たちなので、その 子たちの良いものを伸ばして、学校にいっている以上の教育を与える。(例 師友塾 実際にいってどうなのかはわかりませんが、そういう主張をされています)
大きくわけると以上のような感じで、でも実際には完全には分類しきれず、それぞれの指導者の考えや個性やいろいろな条件に左右されるようです。関心ある人はこんな違いがあるのだと思って、見学されるとよいでしょう。
実際には小さいフリースクールは経営難のことが多く、そのためもあって継続して安定してやっているところは何かほかのことと一緒にやっているところが多いです。特に通信制の高校と一緒になっているところは多いかもしれません。いくつか有名なフリースクールをあげておきます。(有名だからいいということではありませんが)
東京シューレ
星さ学園グループと星さ中学
東京大志学園
YMCA
<いろいろなネットワーク>
登校拒否・不登校を考える全国ネットワーク
フリースクール全国くネット
不登校の子どもの権利宣言を広めるネットワーク
親の会
<行政にのぞみたいこと>
学校が合わなかったらつらかったら、さっと見切りをつけて、すんなり他の学校にいけるようになれば、こどもたちは今よりずっと幸せになれるのにと思います。現状ではフリースクールを選択した場合の親の経済的負担は相当大きいので、この点が解決しない限り、なかなかそういうふうになるのはむずかしいと思います。
「フリースクールへ公立学校に通っていると同じ程度の経済的負担でいけるようになりますように」と書いておきます。
さもないとぎりぎりまで公立学校にこだわって自分をおいつめていくか、フリースクールにいくこともできずにひきこもりになるかしかなくなり、義務教育内容を満足に受けないまま大人になる人たちが今後ますます増えていくことでしょう。
行政も適応指導教室をもうけたり、不登校対策をしているところは多いようですが、この内容が果たしてどうなのかということと、そもそも通えない子どもへの対策が今後もっと求められると思います。週一回適当な人が訪問して、一緒に遊んだり学んだりでかけたりして過ごしてあげるなどの道があるとずいぶん違うように思います。
※それをやっているところが民間であることはあります。東京家学・関西家学です。(評判を聞いていないので、おすすめしているわけではありませんが、こういう取り組みは今後ますます必要とされるだろうと思います)
<おわりに>
「学校がよくない社会に未来はない」と思っています。私たちのある種あこがれでもあるドイツでも、学校は日本とは比べ物にならないちゃんとした教育が保障されているそうです。
「学校をひどい状態で放置していて、決して希望のもてる未来はこない」と思います。
明治維新の改革は(明治維新が何もかもいいというわけではないですが)、幕末の寺子屋の存在があったからこそと思います。新しい時代のためにぜひ新しい教育の場を作れたらと願います。
追伸① 公的な発表でも、不登校のこどもは平成23年度11万人台です。(うち中学9万人小学校2万人)別室登校しているこどもやフリースクールに通いながら出席認定を受けている子どもも少なくなく、この場合人数にいれていないかもしれません。だとするとこの数の何倍かはいそうです。
追伸② 不登校状態になるとすぐ「カウンセリングを受けてください」とか、「発達障害ではないか」とか「精神的な病気はないのか」とか、「家庭に問題はないのか」という方向に学校現場では話がいきます。そういう視線が学校で浴びせられることが、不登校の道を歩みだした親子をさらに傷つけ苦しめます。専門的な対応が必要なケースもあるかもしれませんが、そうでない場合もたくさんあります。学校のあり方が、日本はきわめて特殊な状態になってしまっているのだということへの理解が、学びの場はもっとたくさんあっていいのだ・それが世界の流れなのだという理解が大きく広がっていくことを願います。
追伸③ 「登校拒否・不登校を考える夏の全国大会」と「全国子ども交流合宿」というものが毎年夏に行われていて、今年はもうおわっていますが、いってみる価値のある大会です。