新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

土俵が危ない

2020年11月12日 | 日記

 大相撲11月場所の2横綱がはじめから休場、3大関のうち2人までが5日目にして休場に入る。近年の傾向を如実に表している。
 きょう休場を発表した正代は、一昨日の取り組みで、相手力士とともに土俵下に落ちた。正代は右足を土俵に残しながら左足を土俵下に落とし、左足一本で体を支えようとしたようだった。そのため左足を痛めた。花道を引き揚げるときすでに左足を引きずっていたし、昨日の相撲ではまったく精彩を欠き、一瞬にして土俵を割った。「休場やむなし」の感がすでにあった。
 原因が土俵の構造にあることを指摘する人がほかにいないようなので、ここであえて採りあげる。昔ながらの土俵は俵の外が狭く、土俵を割るとアッという間に土俵下に転落する構造になっている。多くの力士が転げ落ちるのを目の当たりにしてきたし、それが原因でけがにいたった力士が少なくない。俵の外を四方ともあと1メートルずつ広げてはどうだろうか。転げ落ちる力士が減れば、それに比例して力士のけがが減るだろうし、砂かぶり席の客の安全が増す。
 小学生のころ学校の休み時間に相撲をとって遊んだものだった。砂場に円を描いて、それを土俵に見立てた。子ども心にも安全への配慮が働いたのだろう。けがをしたおぼえはないし、一緒に相撲をとって遊んだ友人たちも大きなけがをしなかったと記憶する。平面のうえでなら転んでもけがする確率はぐんと減る。
 大相撲で従来の土俵の大きさにこだわるのなら、土俵下をウレタンなど柔らかい素材で敷き詰めたらどうか。棒高跳びの着地点はふわふわの素材を敷き詰めてあるではないか。できないことはないだろう。伝統にしがみつくばかりが能ではない。横綱、大関のこの体たらくを見て、改善しようとしないのは相撲関係者が精神に柔軟性を欠いている結果にほかならない。