たけちゃん活動・生活日誌

県議としての活動に追われてきましたが、引退後の生活の様子や、感じていることを発信しています・・・。

「森林づくり県民税」の今後に向けて

2016年09月16日 | 私の議員活動

 9月6日の午前中に行われた富士通長野工場見学会後は、午後1時半から開催された県の「みんなで支える森林づくり県民会議」を傍聴しました。
 なぜ傍聴したのかと言えば、大北森林組合の補助金不正受給問題により、二年後に「森林づくり県民税」を更新するかどうかが問われるため、委員構成が変わって第1回の同「県民会議」の議論や反応を確かめたかったからです。
 この会議の様子については、翌日7日の信濃毎日新聞の朝刊で「県森林税、3分の1使われず15年度執行4億円余に急減」という見出しで下記の通り報道されました。

【信濃毎日新聞】(9月7日朝刊)

 里山での森林整備のため、県民税に1人当たり年間500円を上乗せ徴収している県森林づくり県民税(森林税)の2015年度執行額が、収入(6億6300万円)の約3分の2に当たる4億3900万円にとどまったことが6日、分かった。執行額は、導入初年度を除く09年度以降で最少。徴収した森林税の3分の1が使われなかったことになる。
 県林務部が同日、長野市内で開いた森林税活用事業を検証する「みんなで支える森林づくり県民会議」(座長・植木達人信州大農学部教授)の本年度初会合で報告した。積み立てたまま使われていない基金残高は15年度末で前年度比2億2300万円増の3億4200万円となった。
 15年度の森林税執行額は、14年度(6億3500万円)と比べ3割余の大幅減。森林税の活用事業は13事業あり、このうち、切った木を山に放置する「切り捨て間伐」への補助の執行額は2億5400万円と前年度比4割余減となった。同部によると、森林整備は切り捨て間伐から、林業事業者が運び出して活用する「搬出間伐」へ移行しており、森林税を活用していない国庫補助事業が充てられているという。
 森林所有者が細かく分かれたり、所在不明だったりと間伐に向けた同意が取りづらい箇所が多く残っているとし、同意を得る「集約化」への補助の執行額は7割余減の約900万円だった。
 執行額の大幅減について林務部は、15年1月に県が公表した大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件を受け、大北地域などで森林整備が滞ったことも影響したとしている。ただ「原因がしっかりつかめていない」とも説明し、さらに分析を進めるとした。
 森林税は村井仁前知事が08〜12年度を課税期間として導入。阿部守一知事が13〜17年度の継続を決めた。県はさらに継続するかは「白紙」(林務部)とし、次回以降のみんなで支える森林づくり県民会議や、県地方税制研究会の意見を聞きながら検討する。

 この会では、各委員から「森林税も7~8年目となり課題が出て来ている。」「戦略的な見直しが必要。」「集約化への何らかの対策が必要。」「集約化への対象面積を小さくしたらどうか。」「三期目があるかどうかも吟味しなければならない。」等の意見が出されていました。

 私は、この税は、全国的にも森林面積の広い本県にとって、 地球温暖化対策や水資源の確保など森林が果たす多目的機能を維持するためにも必要な制度と考えており、本来は国が果たすべき役割であると思いまいが、国が新たな税制度創設を検討しつつも、現状では里山整備事業まで制度が確立していないことから、全国的にも森林が多い長野県として、この税の果たす役割は大きく、継続すべきと考えています。
 でも、大北森林組合の問題は森林組合だけでなく県の対応が組織ぐるみではないかとの不信感や、不正受給した大半は森林づくり県民税による事業であるとの誤解を県民に招いており、継続するには、なぜ継続が必要なのか多くの県民が納得できる根拠や説明が求められます。
 そこで、私は今後、大北森林組合問題の真相究明とともに、森林整備をしなければならない里山面積はどれ位あるのか、里山の間伐に必要な集約化が目標に達していない理由の明確化と対策の見通し、担い手に見あった年間の整備面積、切り捨て間伐と搬出間伐の連携、国の補助制度の現状と今後の動向、森林県から林業県を目指す中での税の活用、荒廃した森林の県有林化の検討等々を分析して行きたいと思っています。

 また、全国的には平成15年にはじめて税を導入した高知県をはじめとして同様の税を導入しているのは38府県(宮城県は環境税)ありますが、この内既に3期目(1期を5年として)を越えて継続しているのは17県、本年度2期目が終わるため検討中の県が6県、来年度2期目が終わるため今後検討する県が長野県も含め6県となっています。
 私は、これらの県についても税の使い方を調査するとともに、特に更新した県については、更新時に当たって見直した点や県民の反応、集約化の取り組みと問題点、国の補助制度との使い分け、税金の使い道が県民に見える取り組み、担い手育成対策等について調査したいと思っています。
 この中では、宮城県の「みやぎ環境税」(個人年1,200円)の事業内容と県民反応についても注目したいと思います。

 さらに、本県に対しては、これまでの森林づくり県民税の評価や継続の是非、廃止する場合の理由、継続するとした場合の改善点等について、市町村へのアンケートの実施を、当面県に求めて行きたいと思います。

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辺野古新基地建設に関する初の司法判断についての社民党の談話

2016年09月16日 | 社民党

辺野古新基地建設に関する初の司法判断について(談話)

          2016年9月16日   社会民主党幹事長 又市征治

1.本日、福岡高裁那覇支部は、国側の主張を認め、翁長雄志沖縄県知事が埋め立て承認を取り消した処分を取り下げないことは違法であるとの判決を言い渡した。沖縄県の米軍普天間基地の辺野古移設に関して、国と沖縄県の和解後の初の司法判断として注目されていた今回の判決には、公有水面埋立法上の問題や環境問題に加え、住民の同意なくして国が新たな米軍基地を建設できるかどうかという根本的な問題があり、地方自治のあり方、沖縄の民意と法の支配という民主主義の問題提起に真摯に応えることが求められていた。しかし、今回の判決が本質的な問題に踏み込まず、辺野古新基地建設に関する国の姿勢にお墨付きを与えるものとなってしまったことは、極めて残念である。

2.第一次地方分権改革によって、国と地方の関係は「上下・主従」から「対等・協力」になり、機関委任事務は廃止され、「国は、地方公共団体に関する制度の策定及び施策の実施に当たつて、地方公共団体の自主性及び自立性が十分に発揮されるようにしなければならない」(地方自治法第1条の2)とされた。法定受託事務であっても、国の関与は最小限に限られ、埋立の合理性等の判断に関しては、当該地域の実情を熟知している知事の自主的な判断が尊重されなければならない。安全保障や外交上の国の政策に自治体が従わないからといって、国土交通大臣が知事に指示をすることは分権・自治に反するものといわざるを得ない。しかし今回の判決は、福岡高裁那覇支部が自らが行った和解勧告と国地方係争処理委員会の判断を踏まえて期待されていた、法の支配と地方自治の本旨を実現するようなものとは到底いえるものではない。

3.9人の尋問申請のうち認められたのは翁長氏の当事者尋問のみにとどまり、県が敗訴することを前提に最高裁における確定判決に従うかどうかを裁判長が質問するなど、裁判自体についても、丁寧かつ公正な審理だったのかという疑念を抱かざるを得ない。残念なことに、和解勧告も、国敗訴の事態を回避するための「助け船」であり、裁判所が国と一緒になって、辺野古新基地建設を押しつけようとしていると受け取られても仕方がない。

4.辺野古移設反対の沖縄県民の民意は、6月の沖縄県議選や7月の参院選の結果からも改めて明白となっている。和解条項では訴訟と協議の2本立てになっており、国地方係争処理委員会も、国と県が真摯に協議することが問題解決に向けた最善の道だと強調している。にもかかわらず、「辺野古が唯一」との姿勢に固執し、協議をないがしろにし訴訟だけを一方的に進めようとする国の姿勢に大きな問題がある。鶴保庸介沖縄・北方相が「早く片付けてほしいということに尽きる」と暴言を吐いたことは、県民感情を逆なでするものであり、断じて許されない。社民党は、国に対し、今回の判決を振りかざすのではなく、沖縄県民の民意により添い、県との実質的な話し合いを真摯に行うよう、強く求める。

5.米軍基地の整理・縮小と日米地位協定の見直しの賛否を問うた1996年の県民投票から20年が過ぎた。しかし政府は、翁長知事が求める協議をないがしろにし、一方的に訴訟を起こし、高江では米軍ヘリパッド建設のため、全国から機動隊を動員した上、ついには自衛隊ヘリまで投入するなど、「緊急事態条項」を先取りしたかのような異常な暴力的弾圧が進行している。社民党は、地方自治と民主主義の回復のためにも、これからも沖縄県民と連帯して闘っていく。

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