ここのところ毎日がコロナウイルスのニュースで、我が家は８０歳を過ぎる老夫婦であるから、感染が心配であり、買い物へ行く時にも、何となく心配である。それでなくても持病で医者に罹ってる身なので感染が気になって仕方がない。テレビが少しおおげさに報道しているのかもしれないが、最近までは高齢者の運転が毎日のように報道されて、とうとう自分もまわりからうるさく言われていたので。免許返納を決心した。これで自分の行動範囲が更に狭くなって、ますます老け込むことになるようだ。免許返納はボケの進行になるような気がする。
昨日からきょうの正午までに、半藤一利のＢ面昭和史を一気に読み上げた。自分も昭和生まれ（戦前）であり、終戦の時は小学校（国民学校となっていた）３年の時終戦であった。自分の当時の生活体験が一度に思い出され、欲しがりません勝つまでは、という当時の政府の命令で苦しい生活を強いられたことが思い出された。本を読んでいるとなんて馬鹿げたことを、真剣に信じて生きていたことだろうと、恐ろしくなる。学校の帰り道、アメリカのグラマン艦載機にの機銃をうけたときは、がくがくふるえて、立ちすくんでいたことを思い出した。それでも日本は戦争に勝と（最後には必ず神風が吹くと信じていた）思っていた。でも、今、皇居の前で日の丸の小旗をたくさんの人たちがふって、万歳をしている風景を見ると、一瞬、当時の若者があの旗の波の中を戦地に送られ、ほとんどの人たちが戦死してしまったことが（自分の叔父も戦死した）思い出され、あまりいい感じがしていない。だからと言って、自分は天皇制に反対しているわけではないし、日の丸の旗には誇りを持っているが、３月９日の東京大空襲で生き残り、疎開先の学校でよそ者扱い（今流にいえば（いじめ）にあったことなど思い出される。
ここの所寒さが厳しいので、庭に（庭というほど広くはないが・・・）出てみたらいつの間にか福寿草がきれいに咲いていた。ろくに手入れもしてないが、やはり春近しになると花を咲かせてくれる。この福寿草は自分が現役で働いていたころ、家内と正月の花市で求めたものだ。その時、ふと、啄木の短歌（我よりも皆えらく見ゆる日、花を求めて妻と楽しむ）が頭をよぎった。しがない公務員生活でせめての楽しみと思い買い求めたものだ。咲いた福寿草を見ながら、貧乏生活は相変わらずだなと、自分には春は来ないのかなと・・・・
ここ、2,3日寒さが身に染みるようになってきた。今年は比較的に暖かであったが、（貧乏人には暖房費の関係で、よかったが・・・）ここにきてやはり寒さが舞い戻ってきた。それでも、梅の盆栽が花芽も大きくしてきて、来週には咲きそうだ。最近は体力が、か、なり落ちてきて、盆栽の手入れもままならず、今年は咲くかどうか案じていたが、なんとか花が咲きそうだ。今年の春は（4月中頃）植え替えをしなければならない。この梅の盆栽も（品種は野梅で珍しい品種なのだが）自分の体力の衰えに比例して全体的に弱ってきているようだ。かなりの古木（80年ものだ）なので、植え替え、選定が大変なのだ。近くに若い盆栽好きがいるので、もらってもらおうと思っている。
寄る年波といいながら、最近の自分はすっかり足が弱ってしまった。毎日の散歩に歩数が最近では5000歩がやっとと、いうところになってしまった。内科的には血圧が少し高いだけで、あとは全く健全なのだが、どうも足が衰えてきたようだ。人間足から衰えてくるというが、最近の自分を見ていると全くその通りだ。今年は84歳、人生100年と言われているが、この調子では10年は無理。自分の人生を振り返ってみると、戦災に遭い、敗戦を迎え、高校卒業の時は空前の就職難、いろいろな職業を転々として、38歳の時やっと公務員になれた。神武景気の時は安い公務員の給料で我慢して今に至ったが、これから長生きしても、あまりいいことはないような気もする。子供二人を公務員の安給料で大学まで上げられたことが（国立だが・・・）自分の人生ではよかったかなと思う日々である。
