絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

イリアスを読みました

2010-06-21 | 読書
ホメロスのイリアスを読みました。

ホメロスというと、イリアス、オデゥッセイアと誰もが知っているでしょう。
私も、棒暗記で覚えました。そして、内容はトロイ戦争のことだと。

美術史を勉強していると、ギリシャ神話を勉強した方が良いとわかり、勉強して行く内に
トロイ戦争につながりました。それでホメロスが書いたイリアスを読んでみようかなと思った訳です。

私は難しいことが嫌いなので、簡単に掴みたいということから、文字が大きくてしかも読みやすい子供向けの本が良いと思いました。それで図書館に行ったところ、例によって児玉にはなく、本庄の図書館から取り寄せてもらいました。

読んでみて初めて知ったことは、トロイ戦争は10年続きましたが、イリアスの内容はその9年目から終わりまででした。しかし、このイリアスが書かれた時期はトロイ戦争から400年後だということも初めて知りました。我々が江戸時代の初期を書くような感覚ですね。
尤もこれは神話だと思われていましたから、それがわかるのはシュリーマンがトロイの遺跡を発見してからですね。

そしてホメロスが書いている内容が戦いの終わり頃のことで、なぜトロイ戦争が始まったかなどについては、この時代の人々ならだれもが知っていることなので説明がされていません。そのため筆者が説明を加えてくれました。これは有難いです。

読んでみると、神話だと思われる部分がたくさんありました。ゼウスの意志で戦争が動かされていたり、アポロンが出てきたりビーナスが出てきたり、いろいろ神話の神様が出て来ては、どちらかを勝たせたり命を救ったりということをするのです。
だから、史実だとは思われないのも無理もありません。それを史実かもしれないと考えたシュリーマンがすごいですね。

木馬の計が有名ですが、そのことは最後の最後で軽く書いてあるだけです。特に新しい知識はありませんでした。ラオコーンのことはでてきません。カッサンドラも出て来ましたが、アポロンとの関係や木馬の計を見破ってみんなに知らせるけれど、誰も耳を貸さなかったことなどが書いてありません。

ただ、戦争に勝って、ギリシャに戻ったアガメムノンがカッサンドラを連れて帰ったとき、従兄弟から殺されたと書いてありました。10年戦って漸く帰ったら、殺されてしまうなんてどうなっているのだろうと思いますね。そのとき、奴隷として連れてきたカッサンドラも一緒に殺されたそうです。

このことは、初めて知りました。

アキレウスとアガメムノンの喧嘩がなければ、ギリシャはもっと早くに勝っていたようです。なぜなら、劣勢だったギリシャを勝利に導いたのは、アキレウスだからです。アキレウスが出て来たとたんにギリシャが勝ってしまいます。
しかし、そのアキレウスはパリスが放った矢で簡単に殺されてしまいます。このことも簡単に書いてありました。アキレウスのアキレス腱を射抜かれたとか、そこだけが弱点だったという表現がありません。その辺が面白い筈なんですけどね。

母親は、テティスという神様で、アキレウスが鋼の体になるようにある液体につけるのです。しかし、足首を持って液体に浸けたため、足首だけが液体に浸からなかったのです。
だから、そこがアキレウスの弱点でした。という説明がほしいですよね。

あまりに有名であたりまえなので、説明されていないのかもしれません。

ーーーーーー
もう一つのオデュッセイアですが、オデュッセウスはギリシャの武将でした。トロイを打ち破って、ギリシャに帰るのですが、途中で嵐に遭い、いろいろなところを彷徨って、10年かかってやっとギリシャに戻るという話です。ギリシャでは、死んでしまったのではないかと考えられていましたが、妻は無事に帰ることを信じて、10年間待ち続けたという美談となっています。

このオデュッセウスもイリアスの中で、重要人物として出て来ます。

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アガメムノンは、スムーズに帰ったということですが、帰ってすぐ従兄弟に殺されるという話でした。実は、先日のテレビで、トロイを破ったアガメムノンがギリシャに帰る途中、エジプトに立ち寄って、ラムセス2世に会うということが出て来ました。全くの作り話だと思うのですが、時代的には一致するのでしょう。しかし、当たり前ですが、そんな話は出て来ませんでした。

パリスの審判という絵がとても有名でいろいろな画家が描いているようです。
そのパリスが、ビーナスを選んで、ビーナスからいただいたご褒美が、世界一の美女と結婚できるとことでした。だからパリスがギリシャに行ってヘレネと出会い、駆け落ちをするということになるのです。
ヘレネは、世界一の美女と言われます。スパルタの王の妃でした。だから今で言えば不倫ですね。パリスは自分にも妻がいたのです。しかし、とても世界一の美女だとは思いませんでした。それが、ヘレネに出会ってしまうのです。ヘレネもパリスに一目ぼれをするので、けっして拉致ではありません。二人で駆け落ちをしたのです。

そのことで、怒ったスパルタがトロイを攻めたというのが、トロイ戦争のきっかけです。
しかし、そのことは出て来ません。だれもが知っている常識なのです。

だから、神話のビーナスが原因を作ったとも言えるのです。

美術史を学ぶには、ギリシャ神話を学ぶ。そうすると、トロイ戦争につながり、イリアスを読むということにつながりました。
美術史のためなので、これ以上深入りはしませんが、楽しく読むことができました。

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追加説明

アガメムノンはギリシャの総大将ですが、スパルタ王の兄です。
スパルタ王の妃であるヘレネを取り返すための戦争でした。

ヘレネはトロイが攻め落とされて、城から救いだされます。パリスも死にました。
普通なら許されない不倫ですが、スパルタ王が許すのです。そして、二人はいつまでも幸せに暮らしたそうです。世界一の美女なので許されたのでしょうと書いてありました。美女は得ですね。

もう一つ余計なことを付け足すと、この時に敗れたトロイの人々が逃げて行った先がローマで、ローマ帝国の先祖になるようです。住み着いて何代か後にロムルスとレムスの話が出て来ます。



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美術史クイズ 38

2010-06-21 | 美術史クイズ
美術史クイズ 38


第1問 ルネッサンスの頃、自画像を最初に描いた画家は誰ですか?

第2問 バロックの時代に、自画像をたくさん描いて有名な画家は誰ですか?
    光の当て方に特徴があります。斜め45度からの光です。

第3問 ゴッホは、頭に包帯を巻いた自画像があります。なぜ包帯を巻いていたのでしょうか?
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高校生の絵 23

2010-06-21 | 高校生の絵
これは、芸術コース1期生のAさんが描いた60号の水彩画です。

水彩連盟展に入選しました。この年、水彩連盟展に11人出品して、10人入選しました。
時期が県展制作と重なるため、作品がたくさんある人のみ出品させましたが、ほとんど入選してしまいました。



これは、学校から1キロくらい東の風景ですが、生徒たちは毎日このくらいの距離を歩いて、描きに行きます。この時期は寒かったでしょうね。

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サッカー、ワールドカップ オランダ戦

2010-06-21 | いろいろ
オランダと戦って、0-1で惜敗。

優勝候補のオランダと戦って、0-1ということは、決勝戦のスコアーと見てもおかしくないと思います。要するに優勝候補とほぼ対等の戦いができる力を日本が持っているということです。

私は、上手く行ってこのスコアー、悪ければ3-0とか5-0ということにもなりかねないのかなと思いつつ、応援しながら見ていました。

しかし、サッカーの技術とチームの力が、勝っていてもサッカーの場合は、得点にそのまま現れるとは限らないのですね。それだけ得点を取るというのは、運も必要ということです。

ということは、私は、ワールドカップで日本が優勝する可能性もあると感じました。
もし、オランダに10-0で負けるというような場合は、どう考えても勝つことはあり得ませんが、この試合を見ている限り、場合によっては、勝てるとも思いました。

あの時、大久保のシュートがゴールの右隅の方に飛んでいたら、岡崎のシュートが枠に行っていたら、松井のトラップミスのような浮いたボールをボレーのように打ったシュートがキーパーの正面でなかったら、などと考えると、3点取る可能性もあったのです。

もちろん、オランダにもそのようなチャンスが数回ありました。川島キーパーがよく防いでくれたと思います。ディフェンスのトーリオ選手も高い身長を生かして、よく守りました。

今回の予選リーグを見ていると、優勝候補と言われるチームがかなり苦戦しています。
力が拮抗してきていることと、先程言った力と得点が必ずしも比例しないのが、サッカーなのだという気がします。

日本が、やっとの思いで決勝に進めた場合、一発勝負のトーナメントでは、何が起こるかわかりません。私はその意味で、日本がベスト4などというより、優勝の可能性さえあると思うのです。

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