ホメロスのイリアスを読みました。
ホメロスというと、イリアス、オデゥッセイアと誰もが知っているでしょう。
私も、棒暗記で覚えました。そして、内容はトロイ戦争のことだと。
美術史を勉強していると、ギリシャ神話を勉強した方が良いとわかり、勉強して行く内に
トロイ戦争につながりました。それでホメロスが書いたイリアスを読んでみようかなと思った訳です。
私は難しいことが嫌いなので、簡単に掴みたいということから、文字が大きくてしかも読みやすい子供向けの本が良いと思いました。それで図書館に行ったところ、例によって児玉にはなく、本庄の図書館から取り寄せてもらいました。
読んでみて初めて知ったことは、トロイ戦争は10年続きましたが、イリアスの内容はその9年目から終わりまででした。しかし、このイリアスが書かれた時期はトロイ戦争から400年後だということも初めて知りました。我々が江戸時代の初期を書くような感覚ですね。
尤もこれは神話だと思われていましたから、それがわかるのはシュリーマンがトロイの遺跡を発見してからですね。
そしてホメロスが書いている内容が戦いの終わり頃のことで、なぜトロイ戦争が始まったかなどについては、この時代の人々ならだれもが知っていることなので説明がされていません。そのため筆者が説明を加えてくれました。これは有難いです。
読んでみると、神話だと思われる部分がたくさんありました。ゼウスの意志で戦争が動かされていたり、アポロンが出てきたりビーナスが出てきたり、いろいろ神話の神様が出て来ては、どちらかを勝たせたり命を救ったりということをするのです。
だから、史実だとは思われないのも無理もありません。それを史実かもしれないと考えたシュリーマンがすごいですね。
木馬の計が有名ですが、そのことは最後の最後で軽く書いてあるだけです。特に新しい知識はありませんでした。ラオコーンのことはでてきません。カッサンドラも出て来ましたが、アポロンとの関係や木馬の計を見破ってみんなに知らせるけれど、誰も耳を貸さなかったことなどが書いてありません。
ただ、戦争に勝って、ギリシャに戻ったアガメムノンがカッサンドラを連れて帰ったとき、従兄弟から殺されたと書いてありました。10年戦って漸く帰ったら、殺されてしまうなんてどうなっているのだろうと思いますね。そのとき、奴隷として連れてきたカッサンドラも一緒に殺されたそうです。
このことは、初めて知りました。
アキレウスとアガメムノンの喧嘩がなければ、ギリシャはもっと早くに勝っていたようです。なぜなら、劣勢だったギリシャを勝利に導いたのは、アキレウスだからです。アキレウスが出て来たとたんにギリシャが勝ってしまいます。
しかし、そのアキレウスはパリスが放った矢で簡単に殺されてしまいます。このことも簡単に書いてありました。アキレウスのアキレス腱を射抜かれたとか、そこだけが弱点だったという表現がありません。その辺が面白い筈なんですけどね。
母親は、テティスという神様で、アキレウスが鋼の体になるようにある液体につけるのです。しかし、足首を持って液体に浸けたため、足首だけが液体に浸からなかったのです。
だから、そこがアキレウスの弱点でした。という説明がほしいですよね。
あまりに有名であたりまえなので、説明されていないのかもしれません。
ーーーーーー
もう一つのオデュッセイアですが、オデュッセウスはギリシャの武将でした。トロイを打ち破って、ギリシャに帰るのですが、途中で嵐に遭い、いろいろなところを彷徨って、10年かかってやっとギリシャに戻るという話です。ギリシャでは、死んでしまったのではないかと考えられていましたが、妻は無事に帰ることを信じて、10年間待ち続けたという美談となっています。
このオデュッセウスもイリアスの中で、重要人物として出て来ます。
ーーーーーーーーー
アガメムノンは、スムーズに帰ったということですが、帰ってすぐ従兄弟に殺されるという話でした。実は、先日のテレビで、トロイを破ったアガメムノンがギリシャに帰る途中、エジプトに立ち寄って、ラムセス2世に会うということが出て来ました。全くの作り話だと思うのですが、時代的には一致するのでしょう。しかし、当たり前ですが、そんな話は出て来ませんでした。
パリスの審判という絵がとても有名でいろいろな画家が描いているようです。
そのパリスが、ビーナスを選んで、ビーナスからいただいたご褒美が、世界一の美女と結婚できるとことでした。だからパリスがギリシャに行ってヘレネと出会い、駆け落ちをするということになるのです。
ヘレネは、世界一の美女と言われます。スパルタの王の妃でした。だから今で言えば不倫ですね。パリスは自分にも妻がいたのです。しかし、とても世界一の美女だとは思いませんでした。それが、ヘレネに出会ってしまうのです。ヘレネもパリスに一目ぼれをするので、けっして拉致ではありません。二人で駆け落ちをしたのです。
そのことで、怒ったスパルタがトロイを攻めたというのが、トロイ戦争のきっかけです。
しかし、そのことは出て来ません。だれもが知っている常識なのです。
だから、神話のビーナスが原因を作ったとも言えるのです。
美術史を学ぶには、ギリシャ神話を学ぶ。そうすると、トロイ戦争につながり、イリアスを読むということにつながりました。
美術史のためなので、これ以上深入りはしませんが、楽しく読むことができました。
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追加説明
アガメムノンはギリシャの総大将ですが、スパルタ王の兄です。
スパルタ王の妃であるヘレネを取り返すための戦争でした。
ヘレネはトロイが攻め落とされて、城から救いだされます。パリスも死にました。
普通なら許されない不倫ですが、スパルタ王が許すのです。そして、二人はいつまでも幸せに暮らしたそうです。世界一の美女なので許されたのでしょうと書いてありました。美女は得ですね。
もう一つ余計なことを付け足すと、この時に敗れたトロイの人々が逃げて行った先がローマで、ローマ帝国の先祖になるようです。住み着いて何代か後にロムルスとレムスの話が出て来ます。
ホメロスというと、イリアス、オデゥッセイアと誰もが知っているでしょう。
私も、棒暗記で覚えました。そして、内容はトロイ戦争のことだと。
美術史を勉強していると、ギリシャ神話を勉強した方が良いとわかり、勉強して行く内に
トロイ戦争につながりました。それでホメロスが書いたイリアスを読んでみようかなと思った訳です。
私は難しいことが嫌いなので、簡単に掴みたいということから、文字が大きくてしかも読みやすい子供向けの本が良いと思いました。それで図書館に行ったところ、例によって児玉にはなく、本庄の図書館から取り寄せてもらいました。
読んでみて初めて知ったことは、トロイ戦争は10年続きましたが、イリアスの内容はその9年目から終わりまででした。しかし、このイリアスが書かれた時期はトロイ戦争から400年後だということも初めて知りました。我々が江戸時代の初期を書くような感覚ですね。
尤もこれは神話だと思われていましたから、それがわかるのはシュリーマンがトロイの遺跡を発見してからですね。
そしてホメロスが書いている内容が戦いの終わり頃のことで、なぜトロイ戦争が始まったかなどについては、この時代の人々ならだれもが知っていることなので説明がされていません。そのため筆者が説明を加えてくれました。これは有難いです。
読んでみると、神話だと思われる部分がたくさんありました。ゼウスの意志で戦争が動かされていたり、アポロンが出てきたりビーナスが出てきたり、いろいろ神話の神様が出て来ては、どちらかを勝たせたり命を救ったりということをするのです。
だから、史実だとは思われないのも無理もありません。それを史実かもしれないと考えたシュリーマンがすごいですね。
木馬の計が有名ですが、そのことは最後の最後で軽く書いてあるだけです。特に新しい知識はありませんでした。ラオコーンのことはでてきません。カッサンドラも出て来ましたが、アポロンとの関係や木馬の計を見破ってみんなに知らせるけれど、誰も耳を貸さなかったことなどが書いてありません。
ただ、戦争に勝って、ギリシャに戻ったアガメムノンがカッサンドラを連れて帰ったとき、従兄弟から殺されたと書いてありました。10年戦って漸く帰ったら、殺されてしまうなんてどうなっているのだろうと思いますね。そのとき、奴隷として連れてきたカッサンドラも一緒に殺されたそうです。
このことは、初めて知りました。
アキレウスとアガメムノンの喧嘩がなければ、ギリシャはもっと早くに勝っていたようです。なぜなら、劣勢だったギリシャを勝利に導いたのは、アキレウスだからです。アキレウスが出て来たとたんにギリシャが勝ってしまいます。
しかし、そのアキレウスはパリスが放った矢で簡単に殺されてしまいます。このことも簡単に書いてありました。アキレウスのアキレス腱を射抜かれたとか、そこだけが弱点だったという表現がありません。その辺が面白い筈なんですけどね。
母親は、テティスという神様で、アキレウスが鋼の体になるようにある液体につけるのです。しかし、足首を持って液体に浸けたため、足首だけが液体に浸からなかったのです。
だから、そこがアキレウスの弱点でした。という説明がほしいですよね。
あまりに有名であたりまえなので、説明されていないのかもしれません。
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もう一つのオデュッセイアですが、オデュッセウスはギリシャの武将でした。トロイを打ち破って、ギリシャに帰るのですが、途中で嵐に遭い、いろいろなところを彷徨って、10年かかってやっとギリシャに戻るという話です。ギリシャでは、死んでしまったのではないかと考えられていましたが、妻は無事に帰ることを信じて、10年間待ち続けたという美談となっています。
このオデュッセウスもイリアスの中で、重要人物として出て来ます。
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アガメムノンは、スムーズに帰ったということですが、帰ってすぐ従兄弟に殺されるという話でした。実は、先日のテレビで、トロイを破ったアガメムノンがギリシャに帰る途中、エジプトに立ち寄って、ラムセス2世に会うということが出て来ました。全くの作り話だと思うのですが、時代的には一致するのでしょう。しかし、当たり前ですが、そんな話は出て来ませんでした。
パリスの審判という絵がとても有名でいろいろな画家が描いているようです。
そのパリスが、ビーナスを選んで、ビーナスからいただいたご褒美が、世界一の美女と結婚できるとことでした。だからパリスがギリシャに行ってヘレネと出会い、駆け落ちをするということになるのです。
ヘレネは、世界一の美女と言われます。スパルタの王の妃でした。だから今で言えば不倫ですね。パリスは自分にも妻がいたのです。しかし、とても世界一の美女だとは思いませんでした。それが、ヘレネに出会ってしまうのです。ヘレネもパリスに一目ぼれをするので、けっして拉致ではありません。二人で駆け落ちをしたのです。
そのことで、怒ったスパルタがトロイを攻めたというのが、トロイ戦争のきっかけです。
しかし、そのことは出て来ません。だれもが知っている常識なのです。
だから、神話のビーナスが原因を作ったとも言えるのです。
美術史を学ぶには、ギリシャ神話を学ぶ。そうすると、トロイ戦争につながり、イリアスを読むということにつながりました。
美術史のためなので、これ以上深入りはしませんが、楽しく読むことができました。
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追加説明
アガメムノンはギリシャの総大将ですが、スパルタ王の兄です。
スパルタ王の妃であるヘレネを取り返すための戦争でした。
ヘレネはトロイが攻め落とされて、城から救いだされます。パリスも死にました。
普通なら許されない不倫ですが、スパルタ王が許すのです。そして、二人はいつまでも幸せに暮らしたそうです。世界一の美女なので許されたのでしょうと書いてありました。美女は得ですね。
もう一つ余計なことを付け足すと、この時に敗れたトロイの人々が逃げて行った先がローマで、ローマ帝国の先祖になるようです。住み着いて何代か後にロムルスとレムスの話が出て来ます。