スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

王座戦&第五部定理一五証明

2017-07-29 19:10:39 | 将棋
 昨日の第65期王座戦挑戦者決定戦。対戦成績は中村太地六段が0勝,青嶋未来五段が1勝。
 振駒で青嶋五段の先手となりノーマル四間飛車穴熊。中村六段も穴熊に潜りました。
                                     
 後手が飛車を寄って角の頭を攻める構えをみせた局面。先手はじっとしていられませんから☗4五歩と仕掛けました。こうなれば☖同歩☗3三角成☖同金直で角交換。先手は☗6四歩☖同歩と突き捨ててから☗4五飛と走りました。後手が飛車を7筋に回ったのでひとつの狙い筋。☗8五飛と回られてはいけませんから☖8二飛と戻りました。
 ただ,この局面で先手に思わしい手段があまりなかったようです。いきなり☗7一角と打ち込み☖8三飛☗5三角成☖同飛の手順はさすがに無理筋という感じがしました。
 すぐに8筋に飛車を回らず☗4四歩☖4二金としてから☗8五飛。これには☖8三歩の一手。
 どうするのかと思いましたが☗6三歩と垂らして☖同飛に☗7二銀と打っていきました。後手が☖5三飛と逃げたときに☗8一銀成で桂馬を取り☖4四金☗9一成銀で香車も入手。ただ☖5五歩と突かれました。
                                     
 先手が香車を取ったのは☗4九香と打つ狙いで,実戦もそう指したのですが☖5六歩以下一直線に近い攻め合いとなり,後手が勝っています。5六の銀を飛車先の歩で取られるのは痛すぎたようで,☗9一成銀のところでは☗4五銀とぶつけてしまった方がよかったのでしょう。
 中村六段が挑戦者に第61期以来4年ぶりの王座戦出場。第一局は9月5日です。

 僕の試論が成功しているか否かはともかく,第三部定理五三でスピノザがいわんとしているところを僕がどのように解しているのかということについては理解してもらえたものと思います。なのでここからは第五部定理一五の証明Demonstratioの検証に移行します。
 まずスピノザは,もしも人間が自分自身や自分の感情affectusを明瞭判然と認識するなら,その人間は喜びlaetitiaを感じるとし,このことを第三部定理五三に訴求しています。第三部定理五三は感情について何かをいっているわけではありませんし,直前の第五部定理一四も,感情について言及しているわけではありません。ただスピノザは身体の変状corporis affectiones,affectiones corporisと感情とを,あまり区別することなく使用することがあります。ここはその一例といえるでしょう。ただ,第三部要請一は,身体の変状によってある感情に刺激され得るということは少なくとも示していて,感情とは身体の変状の一部であると解せなくもありません。厳密に検討するならこれも追求しなければならないでしょうが,僕はこのことについては今は問題視しないことにします。
 次にスピノザは,この喜びが神の観念idea Deiを伴っていなければならないといい,これについては第五部定理一四を援用します。ここでも身体の変状と感情の混同がみられますが,このこともここでは問題視しないことにします。
 さらにスピノザは,それが神の観念を伴っているなら,第三部諸感情の定義六によってそれは神への愛amorであるといっています。この定義Definitioをみると分かるように,単に観念を伴っているconcomitanteのではなく,原因としての観念を伴っているconcomitante idea causae場合にそれは愛といわれます。つまりスピノザは,第五部定理一四には,因果関係が含まれていると前提していることになります。第五部定理一四証明第一部定理一五を援用するとき,この定理Propositioは因果関係を抜きには考えられないと僕はいいました。したがってこれが神に対する愛であるということについては僕は同意します。
 最後にスピノザは,だから自分自身および自分の感情を認識することがより多くなるほど,それだけ多く神を愛することになるといっています。それまでの部分に同意できれば,この部分には異論は出ないでしょう。
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