スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

京浜盃&第一部定理三六

2008-03-26 21:01:16 | 地方競馬
 南関東クラシックの最大の前哨戦が,今晩の京浜盃。中央でいえば,弥生賞に相当するようなレースでしょうか。
 逃げたいタイプが揃い,先行争いはひとつの注目でしたが,ヴァイタルシーズとブライトフェースの2頭が後ろを少し引き離す展開に。ペースはもちろんハイペースで,ディラクエは悠然と後方2番手に構えました。
 3コーナーに入るあたりでペースが落ちました。ディラクエは自然と外を上がっていき,4コーナーではよい手応えで先頭に並びかける勢い。そのまま追われるとしっかり伸び,後ろに5馬身の差をつける圧勝。好位から中団でレースを進めたディアヤマトが2着。飛ばした2頭を見る形だったロイヤルマコトクンが3着。
 優勝したディラクエは10月に北海道2歳優駿で重賞を勝って以来の勝利。父はフサイチコンコルド。前走の全日本2歳優駿2着を最後に北海道から川崎に移籍。ということで南関東重賞は初制覇。騎乗した川崎の今野忠成騎手は9月の戸塚記念以来となる南関東重賞制覇。川崎の内田勝義調教師ともども,京浜盃はこれが初優勝。
 例年,このレースで支持を集めて勝った馬は,クラシックでも好走する傾向にあります。とくに今日のレースは,後方から外を回って他馬を突き放すという強いもので,力の違いをみせつけた感がありますので,順調なら,次の羽田盃も最有力候補でしょう。

 第一部定理二五系の個物による神の属性の表現を,個物が原因となってほかのものを結果として生じさせることというように理解すると,それだけでほとんど証明されたも同然と思えるような定理が『エチカ』にはあります。それが第一部定理三六です。
 「その本性からある結果が生じないようなものは一として存在しない」。
 スピノザによるこの定理の証明から考えますと,スピノザはここでは個物を念頭に置いているといっていいと思います。というのはその証明の最初に,第一部定理二五系に訴えているからです。
 ただしスピノザは,このことをすぐに第一部定理一六には訴えずに,神の本性と神の力は同一であるということを迂回し,したがって,個物が神の本性を表現するということは,個物が神の力を表現するということと同じことであるといってから,第一部定理一六に訴えます。これはスピノザが,ある事物が何らかの結果を生じさせるということは,その事物にとっての力であると考えているからだと思います。しかしいずれにしても,どんな個物もそれが原因となって,必然的に何らかの結果を生じさせるということは,こうした観点から証明できていると考えていいと思います。
 第一部定理二三により,個物から無限様態が生じるということはありませんので,個物を原因としては個物だけが生じます。したがって第一部定理二八はここから演繹的にも証明されていると思います。よって,第二部定理九における該当部分の意味も,ここから演繹的に証明されているとみていいのではないかと思います。
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