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思考の部屋

日々、思考の世界を追求して思うところを綴る小部屋

コロンビア白熱教室第3回・「選択日記をつける」

2011年12月12日 | 思考探究

[思考] ブログ村キーワード

 コロンビア大学ビジネススクールのアイエンガー教授による「選択の科学」の講義Eテレ「コロンビア白熱教室」の第3回目の放送が昨夜ありました。

 「選択」することが困難を切りひらく力となるというアイエンガー教授の授業、昨夜は過去に間違った選択をしていてもついまた同じような選択をしている私たち、この過ちを正すツールの授業で、「選択日記」(よりよい選択を下すために選択の記録をつける)つけてみましょうという内容でした。

 私にとってはテンポの速い授業で、著書『選択の科学』(文藝春秋)もあるのですが著書にもない事例と説明もあり一度ぐらいでは記憶にとどめることができません。

講義が昨夜
、直観的選択がいいのか理性的な選択がよいのか
より良い選択(最良の選択)をするための実践的なknow-howを伝授するものは「選択日記」、過去の記憶がいかにあやふやなものかということは誰でも体験していることで、これは有効な方法になるというものでした。

 行動をするにあたっての選択、その何かを選択しようと決断しようとするとき、「何を知っているのか自分に問い」直観的にまたは理性的な選択をしています。

 頭に浮かぶことの枠組みを変えて正反対の視点で考えてみたり、あえて自分の見解に反対するものを探したり、自分の考えと反対のことを言って人の反応を見たりしています。

 方法にははいろいろあり、すべてを理性的な判断だけにたよると大変疲れる話になってしまいます。そこに登場するのが直観的な選択。

 直観を頼りに私たちは「選択」していることに築きます。ここで軍人ポール・バン・ライパー(元海軍中将)・心理学者ポールエグマンの事例が紹介され授業は進みます。

 戦略とは直感による。

 直観は、情報に基づく直観であり豊富な経験から来るもの、ライパー元海軍中将は、常に戦場でメモを持ち歩きその場で気づいたことをメモし、部下に常にこれまでに起ったことに基づき指示していたそうです。


心理学者のポールエグマンは元々動物の研究家で動物のごくわずかな顔の動きを観察していたそうです。

 攻撃する前の表情

 交尾をする前の表情

 食事をする前の表情

を常に見比べそこに、基本的にはそれらは人間の表情にも通じるものだという結論に達しました。ですからこの心理学者は嘘を見破る名人なのだそうです。

 「直観とは何か?」社会科学者ハーバート・サイモンの次の言葉が紹介されました。

 直観とは認識以上のもので
 それ以下のものでもない
 認識の一つのパターンである。

 情報に基づく直観を身につけるには、明らかに経験が必要で、食べ物に対する好き嫌いも情報に基づく直観の一つといえるのだそうです。

「何度も繰り返すことで情報を分類・整理する能力が培われる。」

しかしそれは練習だけで見につくものではなく、フィードバックも必要です。

何がよくて、何が悪かったのか。

なぜ失敗したのか。

フィードバックを行なう際は目標をはっきりさせておことく必要があり、それが唯一自分がどれだけ進歩したかを決める基準になるものだから。

また失敗したら、別な方法を試す実験も重要とのこと。

 以上の練習、フィードバック、実験という三つの要素がよい選択には必要です。

<情報に基づく直観で得られるものは何か>
 自分の知識の限界を知る能力が備わり、さらにその能力は自分をその過信から守ってくれるものとなるということです。

 情報を多く持っている人は匂いで嗅ぎ分けることができるという話はよく耳にします。番組では名言が紹介され、ここで中国の孔子の言葉、

 知るを知るとなし
 知らざるを知らずとなす
 これ知るなり

が紹介されました。

情報に基づく直観

理性的な選択を通じて得た情報をもとにした直観

理性的な選択は何度も繰り返すことによって、習慣となり直観と思えるまでになる。

直観と理性を別々に置いたとしたら情報に基づく直観はその二つを掛け合せたものになる。

仏教でいうところの中道のようなもの。

元チェス世界チャンピオンのガルリ・カスパロフは、どう決断すべきか聞かれた時に、「先を見ないこと」だと答え、

「大切なのは今そこにある選択肢に集中し、それは何か、どんな要素が含まれているかよく見ること。そしてそれらを正しく評価すれば何を選ぶべきかは自ずと見えてくる。」

と言っているそうです。

どうすれば情報に基づく直観を得られることができるか。分析や選択するときに仕える方法として「選択日記」をつけることを教授は薦めます。

選択日記は、

 少なくとも週に一度は付けること。

 ただ自分が選択をしたことを書きだすこと。
 
それは事の大小を問わず、そしてその選択について考えること。

どんな思考プロセスを経たのか、

何がうまくいき、何がうまくいかなかったのか、

選択がどれだけ成功したか、点数を表わす。

時間が経つと当てにならないので数字で表す。

これを定期的に行い振り返る。すると共通している特徴・要素が分かってくるそうです。

上手くいった時の特徴・要素

上手くいかなかった時の特徴・要素

これが分かってくるということです。

 これは特別な人のものではなく誰にでもできることで、「よい選択をする」ということは、

「情報に基づく直観を養うことで可能になる。」

 このように「情報に基づく直観を育てる作業」は、非常に価値のあるもので、なぜなら究極的には私たち全員が自分の選択によって評価されることになるからだ。

と教授は語ります。

 すばらしいリーダーは選択の科学をひたむきに実践する人であり、私たちひとりひとりにそれを身につける力があると信じている。

今こそ始める時なのです。

という言葉で番組は終わりました。

勉強になりました。

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
いい講義でした。 (ゆら)
2011-12-12 12:50:09
はじめまして。私も昨日の教室にはいろいろ感銘をうけました。夜、寝る前に選択日記をつけてみました。ご飯を作りながら聞いていたので、今日このブログで日記のつけ方を再確認できて助かりました。ありがとうございます。
返信する
御礼遅れました。 (管理人)
2011-12-14 19:25:59
>ゆら様
コメントありがとうございます。恐縮です。
 とても興味をそそられる番組です。参考書として『選択の科学』(文藝春秋)がありますが第3回目に関しては10%程度しか参考になる部分がありません。
 3回目の選択日記はとても有効な手段だと思います。ビジネス然りですが、私の場合は生活一般に利用しています。
 録画をしノートし、しっかり理解したいと思っています。また講義内容から別な考えを浮かべるのが私の癖、これもまた楽しいことになっています。
 番組の最後の大事な部分のみ書きましたが、それに至る理論的な面は細かに説明されています。
 通勤時間帯約50分今夜帰宅時も聞いてきました。
 今後もよろしくお願いします。
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