思考の部屋

日々、思考の世界を追求して思うところを綴る小部屋

「止む」と「病む」の話し

2012年07月21日 | 思考探究

[思考] ブログ村キーワード

 各地で大雨、長野県内も長野市が洪水に見舞われました。降り続く雨。直接雨の影響が懸念される地域の早く雨が止むことを願うばかりです。

 今日も雨は降り続くようで、まさに「雨障み(あまつつ・み)」「雨障り(あまざは・り)」です。「罪(つみ)」というやまと言葉で以前いも書いたことのある「雨障み」、意味は「雨に降られて家に閉じこもっているいること」です。

岩波の古語辞典には万葉集巻の520が参考詩歌として紹介されています。

「ひさかたの 雨も降らぬか 雨障み 君にたぐひて この日暮らさむ」

「たぐいて」てが「寄り添って」という意味ですから、この洪水にはふさわしくない歌であることは確かです。

 「あまつつみ」のもうひとつの言いまわし「あまざわり」に注目します。素人が考えて「あめ」+「さはり」であることが分かります。「さはり」古語辞典には、

さは・り【障り・触り】 自動詞形と名詞形があり自動詞形の意味は、
 行くてをさえぎるものに引っかかって行き悩むのが原義。転じて、ものごとに持続的に接触する意。
1 障害となる。
2 さしつかえる。
3 ひっかかる。
4 当り触れる。ちょっと接触する。
5 相手から差された盃を受けずに、重ねて相手に酒を飲ませる。

となっています(岩波古語辞典)。

 5番の意味は険悪ムード漂う感じをうけますから、対人関係に引っかかるものがあるようです。

 障害ですので「雨の障り」は止(や)んでほしいということになります。「止む(や・む」とは何か。言うまでもなく「止まる」ことですが、「とまる」が動作主体はそこに存在しながら動作を停止する意を表わすのに対し「やむ」は、継続していた動作・作用が中断して消失あるいは終息する意を表わす(ベネッセ古語辞典)のだそうです。

 このような解説に触れるとなぜか感動します。関係のない話ですが、いまタイプを打つ際に「つまる」と誤打してしまいました。「とまる」「つまる」で両方とも+「まる」の言葉です。「止(と)まり」「詰(つ)まり」と「り」でも意味なす言葉です。そこで「まり」もついでに辞書(岩波)を見ると、

「余(ま)り」 (あまりの「あ」が脱落した形)

「ま・り」 (大小便をする)

がありました。「余計なもの」「持て余すもの」と余りある事態とでも言ったところです。

 話があらぬ方向にそれそうですが「余り」という言葉、前にも言いましたが「余情」という概念を思うとイロハ47文字の組み合わせの日本語の深遠さを感じます。

 参考ですがこの47という数字は不思議な数で「47文字」でサイト検索してください。

 本当に話がずれました。さて「や・む」という言葉ですが、標準で発音すると右上がりの発音になります。聞き手は通常右上がりの発音で「止む」を理解できることになります。

 右上がり(この場合は横書きですので、そう言っているだけです)があるわけで、右下がりになるとどうなるのか。

「止む」という右下がりの言葉です。当然ですが「病む(や・む)」という言葉があります。「患う。傷つく」の意味がある「病む」です。この言葉岩波の古語辞典では「や・み【病み】で出ています。今朝使用している別辞典ベネッセでは「や・む【やむ】」で出ていて「や・み」はありません。岩波の古語辞典を参考にしますと、

や・み【病み】 『四段』《身心が病に侵される意。類語ワズライ(煩)は、心労や病根になるものに、触れ、長くかかずるあう意》
1 病気にかかる。
2 (酒の毒が回って)気分が悪くなる。
3 苦しい思いをする。
4 (怪我などが)痛む。うずく。

 今朝は、「止む」と「病む(病み)」の話しでした。
 右上がり、右下がりの言葉、イントネーションと言いますが、日本語はいろいろな言葉をこのイントネーションによって意味理解をし、またこのイントネーションは方言とも絡むもので<日本>は特別な国とは言わないまでも不思議さを私は感じます。

特別・不思議という言葉に反応して、「まとも」でない話を捕捉します。

今朝のサイトニュースに「鳩山元首相、官邸前の反原発デモに参加」という見出しがありますが昨夜からテレビニュースでも放送されていました。

 首相官邸前で行われた脱原発と原発の再稼動反対を訴える抗議活動に鳩山由紀夫元首相が参加し、「国民の声を官邸に届けよう」などと声を上げた。

というニュースです。一方サイトニュースには、

「ママからまたビッグな『お小遣い』 鳩山兄弟、84億円を今度は何に使うのか」

という見出しが生るではありませんか。

 鳩山兄弟に親族からそれぞれ約42億円も贈与を受け、その使い道に注目が集まっている。
  母親の安子さん(89)から月1500万円もの資金提供を2人が受けていたことが2009年に発覚したときは、「子ども手当」と皮肉られた。このときは、6年間でそれぞれ10億円ほどもの「お小遣い」が出たが、今度はそれをはるかに上回っている。

というニュースですが、私などは大学生の娘が働きがいいので追徴課税と取られました。飲む・打つ・買うには縁遠く穏やかに静かに暮らしているのですが、降ってわいたような話し、娘に干渉しなかった私が悪かったのですが、本人の自主性というよりも「ありのままに生きろ」スタイルがモットーですので・・・・・これが報いなのか・・・・情けなさに涙こぼるる、です。

 日本の国は「やんでいる(病んでいる)」、止めて欲しいのです。

余にもひどい話で、心煩い、病んでしまいそうな国民。止むこと無き、闇の世界の永劫回帰なのです。

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