先日イラン大使館で目にしたイランの珍しい楽器(>> 記事)。帰宅してから、若林忠宏『民族楽器を楽しもう』(ヤマハミュージックメディア、2002年)を開いたが載っていなかった。翌日、同じ著者の『民族楽器大博物館』(京都書院、1999年)もあったなと思い出し探してみると、ありましたありました。
太鼓の「Daf」は、中央アジアに伝わって名前が微妙に変化した「Dap」があった。大型のものは「Doira」とも言われるようで、なぜかシルクロードの東端ではアラビア語で呼ばれるそうである。
弦楽器「Tar」は、立派なものが紹介されている。胴は桑の木をくりぬき、「入手困難な牛の胎児の皮や、子牛の心臓の皮を守るため、駒の下とバチの当る部分を薄皮で保護してある」ということだ(凄いね)。
弦楽器「Santur」は、ピアノのルーツだとされている。
弦楽器「Rabab」については、数奇な運命がまとめられている。このタイプはアフガニスタンで弓奏から撥弦に変わり、東進し、三味線元祖系と交わり沖縄にも伝わった、とある。
ピアノや三線のルーツを聴いていたのだと考えると楽しい。
こうしてみると楽器とは何と多彩で摩訶不思議なものかとおもう。
若林忠宏『民族楽器を楽しもう』は、楽器の数を抑えて、ひとつひとつの解説やエピソードを色々と紹介している。いつかモンゴルの馬頭琴を演奏したいという妄想に囚われて買ったものだが、結構値がはるし(当たり前だが)、サックスも満足に吹きこなせないで何が馬頭琴だ、と、ツマに真っ当な指摘をされて妄想のまま放置している。でもいつか弾きたいと夢想している。