トニー・ウィリアムスが1960年代末から率いたグループ、ライフタイムのDVD『Montreux Jazz Festival 1971』を見つけた。
Tony Williams (ds)
Arthur Juini Booth (b)
Ted Dunbar (g)
Warren Smith (perc)
Charles Don Alias (perc)
Larry Young aka Khalid Yassin (org)
メンバーも何も書いていないので調べてみると、何だ、Youtubeにアップされているじゃないか。DVDは所詮プライヴェート盤で、Youtubeと同様に画質が悪い。
ただ、演奏は凄い。特に、主役のトニー・ウィリアムスはまだ20代後半であり、当然ながら、後年のように、自分自身のスタイルを再生産する前の段階にある。ドラミングの一叩き、一叩きが超高速であり、正確無比であり、タイコも痛いだろうなというほど強靭であり、しかもそれがずっと続けられる。
オルガンのラリー・ヤングは、相変わらず、でろでろ音を延々と垂れ流す。もちろんそれがカッコ良いわけで、ギター、マリンバとのミクスチャーによって、さながら恍惚空間を創りあげている。
実は、ライフタイムをあまり聴いてこなかった。ラリー・ヤング、ジョン・マクラフリンとのタッグによって従来のジャズから逸脱していったという歴史は認識しているし、最初の盤『Emergency!』も愛聴してはいるのだが、後続の作品については、メンバーの変遷も含め、よく知らないのだ。しかし、40年以上前の音楽に痺れるのだから、もっと探索したいところ。
●参照
マルグリュー・ミラー逝去、チャーネット・モフェット『Acoustic Trio』を聴く
マイルス・デイヴィスの1964年日本ライヴと魔人
ハンク・ジョーンズ
トニー・ウィリアムスのメモ
特にこの一週間は興奮でした。
僕も1987年に一ヶ月ほどNYに滞在したことがあり、
その時以来の、久しぶりにあの空気を味わえて、個人的にとても楽しめたレポートでした。
僕がジャズにのめりこんだきっかけがトニー・ウィリアムスだったこともあり、遂に勇気をふるって(笑)コメントしたわけですが、この頃のトニーはあまり聴いておらず、今回の記事に関する良いコメントは書けそうにありません。
ですが初メッセージということで、このちょっとズレたコメントをお許し下さい。
以前、ジャック・ディジョネットに関する記事があったと思うのですが、貴殿の評価は芳しくなくちょっと残念でした。
ディジョネットはマイルスバンドでの、トニー・ウィリアムスの後釜なわけですが、ディジョネットの真価は、タイトなトニーのドラミングを「書道的にくずし」たところだと思います。このスタイルを最も極めたのがキース・ジャレット・トリオでの80年代のプレイなのですが、それ以降はだんだんとその特徴から離れ、そのあたりから僕も貴殿同様に、最高の評価はできなくなります、しかしあの「スペイシーでブルージーな、くずし体」は、フリージャズドラマーを目指していた僕にとって、至高のコンセプトでした。そしてそれは日本人の感覚にとても近く、楽器を問わず、和ジャズとして展開しても素晴らしいものになるのではと夢見ているのですが・・
Standards Vol.2 や、Tribute 1、 The Cureでのディジョネットのプレイに、それはよく現れていると思います。
まぁ、好みもあるのでなんとも言えないのですが、今まで貴殿のブログを読んできて、この人にはわかってもらえるはず・・という身勝手な期待からコメントしてしまいました。唐突ですいません。
ディジョネットについて、当方の放言がちょっと過ぎましたね。言い訳めいていますが、わたしも、Special Editionの諸作とか(マレイ入りの第1作、チコ・フリーマンとの連作、90年代前半のサムシンエルス盤)や、スタンダーズ初期の頃には好きなものが少なくないのです。言われてみれば、スペーシーという表現はしっくりきますね。
あえて言えば、スタンダーズ自体がマンネリ化してしまったこと(キースには他の野心的な音楽に手を広げてほしかった)、90年のParallel Realitiesがどうも中途半端なものに感じられたことへの気持もあって。
魅力を教えていただいたほうが、断然、その後の受けとめかたが愉しくなります。ありがとうございます。