川島誠+西沢直人『浜千鳥』(Homosacer Records、-2016年)を聴く。
Makoto Kawashima 川島誠 (as)
Naoto Nishizawa 西沢直人 (perc)
ワビサビとか枯淡とか言うのは容易だが、それは結果である。それに、枯淡と言うよりも身体を反転させた生の感覚がある。
川島誠のアルトは思索するように、間を置いて、微風でも揺れ動きながら、ときに弱弱しく音を発する。ときに田舎の忘れ去りたい音風景でもある。内面への旅というのか、記憶の深奥へと降りていって、何かの残滓を拾い集めてきては、身体の外に出すこと。それを感知しながら西沢直人のパーカッションが音風景に響きを重ね合わせてゆく。
これはそうしたきびしい過程の一断面なのではないか。
●川島誠
川島誠『HOMOSACER』(-2015年)