続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

マグリット『説明』

2016-04-24 06:42:15 | 美術ノート

 『説明』(二作品)
 ガラス瓶と人参、ガラス瓶と人参の合体したものが描かれている。
 一方は、石のブロック(人智)の上にあり、背景はダークグリーンのベタ(無空)である。
 もう一方は、板(?)の上にあり、背景は見渡す限り山また山の頂である。

 このガラス瓶と人参の関係を称して『説明』と言っている。

 ガラス瓶(無機質)と人参(有機質)は、元来付着・融合はあり得ない。ガラス瓶は人知の賜物であり、人参はおおむね自然の賜物である。
 要するに異質であり、世界を共有することなどは絶対に不可能なものを、無理に・・・暴力的に結びつけている。

 物理的な無理難題も、精神界では可能である。言葉で否定されるような状況も、即物的な絵画表現(イメージ)ではまかり通ることの『説明』である。
 
 過去・現在・未来の錯視された複合、現世と冥府の接合など、時空を自在にコラージュしていることの、わたくし(マグリット)の『説明』であります。


(写真は国立新美術館『マグリット』展・図録より)


『城』2296。

2016-04-24 06:05:44 | カフカ覚書

「三年間でこんなになってしまわれたんですか」と、Kはたずねたが、依然としてふたりの老人と家族用テーブルのある部屋の隅っこ全体にたいしてはなんの同情ももたず、嫌悪だけを感じていた。


☆新しい圧迫(迫害)でこんなになってしまったんですか。ずっと前のいけにえのの台に代わって、来世での少しも憐みのない親し気な低さは、単に不快なだけだった。