対馬をはさんで向かい合う大都市、福岡と韓国の釜山はなんとなく似ているという印象を勝手に持っています。と言っても理由はたった2点だけなのですが。
1点目はどちらも地下鉄があってなおバスが大変元気で目立っていることです。西鉄バスだらけの福岡はひょっとすると日本で一番バスの存在感が強い街ではないでしょうか。
一方そもそもバスの存在感が日本よりずっと強い韓国で第二の都市となれば当然と言うべきか釜山も市内バスだらけです。
2点目はなんとなく似ている食べ物の存在です。福岡に行くととりあえず豚骨ラーメンを食べてしまいます。
豚骨ラーメンを食べていて思い出すのが釜山の豚骨スープごはん「テジクッパ」です。これも行くととりあえず食べたくなります。麺とごはんの違いはあれど豚の香りと盛んに走り回るバスの姿が重なって似ているという印象が残ってしまうというわけです。
似たもの同士の話はここまでにするとして、では釜山の麺ものはというと「ミルミョン」という小麦粉麺の冷麺が浮かびます。これは豚骨から離れてあっさりさっぱり系ですけれども。
それなら福岡のあっさり系麺も、ということで軟らかいうどんです。
と福岡と釜山の麺ものを見ていて、間の対馬にもいろいろな麺ものがあったのを思い出しました。両側を見て真ん中を無視しては失礼、というわけで対馬の麺ものも見ていくことにします。せっかくなので(?)両都市にあわせて対馬交通バスにも登場してもらいましょう。
まず比田勝で食べたアナゴラーメンです。対馬はアナゴ漁が盛んなことからそれを活かそうと最近考えられたもので、スープはアナゴの骨でとるそうですから豚骨ならぬ穴骨ラーメンとでも言えばいいのか上品なコクがあり美味しいものでした。アナゴとラーメンという組み合わせは私はこれが初めてですがほかの地域にもあるのでしょうか。
麺からちょっとそれますがアナゴの刺身も対馬で初めて食べました。アナゴは焼いたり煮たりして食べるものとばかり思っていたのでびっくりです。刺身でもウマいものですね。
さて新顔のアナゴラーメンに対し、古くから伝わる変わった麺ものに「ろくべえ」があります。
ろくべえはサツマイモの澱粉を麺状にしたものを温かい醤油味の汁で食べるというものです。冷麦よりは太くうどんよりは細く、ぷつぷつと切れていてあまり長さがありません。やや透明の灰色で口に入れるとぷるんぷるんしていました。
そういえば澱粉を麺にするとき切ったり伸ばすのではなく穴から押し出す方法をとるのは日本では珍しい気がします。一見のシロウトが安易に伝播を考えてはいけないのですが、押し出し麺の盛んな朝鮮半島の影響が頭に浮かんでしまいました。(ちなみにろくべえ・六兵衛は島原にもあります。食べたときの話はこちらをご覧下さい。)
最後は「いりやきそば」なるものを見ていきます。「いりやき」とは鶏肉とか魚や野菜を使った醤油味の寄せ鍋のことで、そのシメにそばなど麺を入れて食べることがあるそうです。それを最初からくっつけたメニューにしたのが「いりやきそば」という流れで、野菜・鶏ダシの醤油味とそばの組み合わせは親しみやすくなんとなくほっとさせられるものがあります。
というわけで福岡・釜山・対馬の麺もの(とクッパ)を並べてみました。国境を越える乗り継ぎをしながら麺の食べ継ぎ(?)もまた楽しいものです。
(韓国~九州乗り継ぎ話一覧)
■(1)釜山→対馬(比田勝)
■(2)比田勝
■(3)韓国展望台
■(4)日本の離島最長路線バス(比田勝→厳原)
■(5)対馬(厳原)→壱岐(郷ノ浦)
■(6)郷ノ浦~勝本
■(7)フェリーみしま
■(8)壱岐(郷ノ浦)→唐津
■(番外)福岡・釜山・対馬の麺もの(このページ)
1点目はどちらも地下鉄があってなおバスが大変元気で目立っていることです。西鉄バスだらけの福岡はひょっとすると日本で一番バスの存在感が強い街ではないでしょうか。
一方そもそもバスの存在感が日本よりずっと強い韓国で第二の都市となれば当然と言うべきか釜山も市内バスだらけです。
2点目はなんとなく似ている食べ物の存在です。福岡に行くととりあえず豚骨ラーメンを食べてしまいます。
豚骨ラーメンを食べていて思い出すのが釜山の豚骨スープごはん「テジクッパ」です。これも行くととりあえず食べたくなります。麺とごはんの違いはあれど豚の香りと盛んに走り回るバスの姿が重なって似ているという印象が残ってしまうというわけです。
似たもの同士の話はここまでにするとして、では釜山の麺ものはというと「ミルミョン」という小麦粉麺の冷麺が浮かびます。これは豚骨から離れてあっさりさっぱり系ですけれども。
それなら福岡のあっさり系麺も、ということで軟らかいうどんです。
と福岡と釜山の麺ものを見ていて、間の対馬にもいろいろな麺ものがあったのを思い出しました。両側を見て真ん中を無視しては失礼、というわけで対馬の麺ものも見ていくことにします。せっかくなので(?)両都市にあわせて対馬交通バスにも登場してもらいましょう。
まず比田勝で食べたアナゴラーメンです。対馬はアナゴ漁が盛んなことからそれを活かそうと最近考えられたもので、スープはアナゴの骨でとるそうですから豚骨ならぬ穴骨ラーメンとでも言えばいいのか上品なコクがあり美味しいものでした。アナゴとラーメンという組み合わせは私はこれが初めてですがほかの地域にもあるのでしょうか。
麺からちょっとそれますがアナゴの刺身も対馬で初めて食べました。アナゴは焼いたり煮たりして食べるものとばかり思っていたのでびっくりです。刺身でもウマいものですね。
さて新顔のアナゴラーメンに対し、古くから伝わる変わった麺ものに「ろくべえ」があります。
ろくべえはサツマイモの澱粉を麺状にしたものを温かい醤油味の汁で食べるというものです。冷麦よりは太くうどんよりは細く、ぷつぷつと切れていてあまり長さがありません。やや透明の灰色で口に入れるとぷるんぷるんしていました。
そういえば澱粉を麺にするとき切ったり伸ばすのではなく穴から押し出す方法をとるのは日本では珍しい気がします。一見のシロウトが安易に伝播を考えてはいけないのですが、押し出し麺の盛んな朝鮮半島の影響が頭に浮かんでしまいました。(ちなみにろくべえ・六兵衛は島原にもあります。食べたときの話はこちらをご覧下さい。)
最後は「いりやきそば」なるものを見ていきます。「いりやき」とは鶏肉とか魚や野菜を使った醤油味の寄せ鍋のことで、そのシメにそばなど麺を入れて食べることがあるそうです。それを最初からくっつけたメニューにしたのが「いりやきそば」という流れで、野菜・鶏ダシの醤油味とそばの組み合わせは親しみやすくなんとなくほっとさせられるものがあります。
というわけで福岡・釜山・対馬の麺もの(とクッパ)を並べてみました。国境を越える乗り継ぎをしながら麺の食べ継ぎ(?)もまた楽しいものです。
(韓国~九州乗り継ぎ話一覧)
■(1)釜山→対馬(比田勝)
■(2)比田勝
■(3)韓国展望台
■(4)日本の離島最長路線バス(比田勝→厳原)
■(5)対馬(厳原)→壱岐(郷ノ浦)
■(6)郷ノ浦~勝本
■(7)フェリーみしま
■(8)壱岐(郷ノ浦)→唐津
■(番外)福岡・釜山・対馬の麺もの(このページ)
芋のノズル押し出し麺のこと、知りませんでした。サツマイモ澱粉てのもあり、まるで冷麺ですね。
ろくべえのほか日本に押し出す作り方の麺があるか考えてもトコロテンくらいしか思いつかず不思議です。近いけれど案外伝わらないものもあるというの面白いものですね。
福岡など九州の豚骨ラーメンと、釜山など慶尚道のデジクッパは、こちらもこれらの地へ足を運ぶ度に…と言っても過言ではない程食す機会が多い定番メニューですが、後者は韓国人でも結構好みがわかれ、慶尚道以外に居住する韓国人の中には、デジクッパは…という声も時折出ますね。
また対馬のろくべえは、彼の地の観光情報などを調べている内に興味を持ち、昨年末に対馬を初訪問した際にも、彼の地では最も至便な場所と言える厳原バス停すぐそばのショッピングセンター内で扱っている店があり、試してみたものでした。
ろくべえはあまり歯応えがなく、変わった食べ物という印象を受けたものでしたが、名物氏にしては値段も比較的手頃ですので、彼の地へ足を運んだ際には、ご当地名物として食すのも…と感じたものでした。
また対馬ではあなごも食す機会はありましたが、ラーメンは初耳で、有名なろくべえやとんちゃんと共に、新名物としてもっと出回っても良いかもしれませんね。
韓国料理というと牛ダシが多いのでテジクッパは異色の料理という感じがしますね。私は関東人なので初めて豚骨ラーメンを食べたときはかなりのカルチャーショックでしたが、同じような感覚の(慶尚道以外の)韓国人もいるのではないかとちょっと親近感が湧くところです。