乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

ぐんまワンデー世界遺産パス(後編)上毛電鉄

2018-11-04 | 群馬県
(前回のつづきです。)
 上信電鉄だけで「ぐんまワンデー世界遺産パス」のモトはとれたもののもう少し欲張りたいので両毛線に乗り前橋に出ました。言うまでもなく(?)上毛電鉄に乗るためです。前橋から中央前橋までは100円(こども50円)で乗れる途中無停車のシャトルバスを利用しました。運行間隔は日中30分毎で上毛電鉄に合わせているようです。こういう事実上の鉄道連絡バスならぐんまワンデー世界遺産パスのフリーエリアに入っていればいいのにとも思うところですがそもそもこういう路線があるだけありがたく文句は言えません。


 シャトルバスは車両の内外装が凝っていて発車するときには運転士さんが紐を引っ張り発車ベルを鳴らすという具合なので1kmちょっとしかない前橋~中央前橋の行き来に使われているのがなんだかもったいない気がしました。もっとも座席が木のベンチでは短距離向きですけれども。


 あっという間に中央前橋に着くと小さな上信バスも停まっていたのでなかなかのターミナルに見えました。考えてみれば県庁所在地前橋の中央というくらいなのでこここそが群馬県の中央という見方もありかもしれませんね。


 上毛電鉄は元井の頭線3000系で揃えているものの井の頭線の頃よりやや派手な色合いに変わっているのが面白いところです。さらに当たった編成が水族館風に飾られたものだったので派手さがひとしおという感じがしました。急行の種別板を差していたところにスポンサーの名札を差すとはうまい使い方だと感心です。


 水族館風の絵で飾られた天井をながめファンデリアの京王マークはなくなっているのかそれなら上毛のマークを入れて欲しいなあなどと思ったりしていると暗くなった赤城に着きました。ここからは東武です。この辺りに来ると釣り掛けがしぶとく頑張っていた頃を思い出し寂しくなります。


 東小泉乗り換えで西小泉に出て駅名標を見たら日英中韓葡西と6言語もありました。


 西小泉というと割と地味な駅舎のイメージだったのですが新しくキレイになっていたので驚きました。日本有数のブラジルタウンらしく黄色と緑のブラジルカラーなのはさすがですね。


 駅からそう遠くないその名もブラジルというこれまたブラジルカラーのレストランに入りたまに食べたくなるフェイジョアーダを頼みました。夕食のために西小泉に足をのばしたわけです。


 せっかくここまで来たので散歩でもしたいところですがもう暗くなっているうえまだ東京は遠くのんびりしていると帰りが遅くなるので食後は駅前の宮城商店で買い物するくらいにとどめ館林に向かいました。


 宮城商店でインカコーラが安かったのでつい買ってしまいこれを館林で乗ったりょうもうで開け名物の(?)大きな折り畳みテーブルに載せるとホッとしたりもう家路かとちょっと残念になったりです。館林から東京に帰るくらいで特急料金を払うのはもったいない気もするのですが「夜割」で少し安くなっているのでまんまと引っ掛かってしまいました。群馬に行ってブラジル料理食べてペルーのインカコーラを飲んだりょうもうは台鉄普悠瑪号カラー、といろいろ混ざったシメになるのも悪くないものです。


 結局この日ぐんまワンデー世界遺産パスで乗ったフリーエリア内の普通運賃分の合計は5280円分になり3180円の「儲け」になりました。一番たくさん乗った上信電鉄がほぼタダだったようなものなので文句なくありがたい結果です。
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ぐんまワンデー世界遺産パス(前編)上信電鉄

2018-11-03 | 群馬県
 先だって「サンキュー千葉フリーパス」を使ったあとでそういえば似たような乗り放題きっぷ「ぐんまワンデー世界遺産パス」が群馬県にあったのを思い出しました。群馬県内のJR・私鉄(上信電鉄・上毛電鉄・東武・わたらせ渓谷鉄道)に1日乗り放題(大人2100円)というものです。2日間有効なので2日連続日帰りをするはめになったサンキュー千葉フリーパスにくらべ1日単位だと気軽に使いやすいのがありがたく、これで群馬県に行ってみることにしました。

 ではどこに行こうかとぐんまワンデー世界遺産パスのフリーエリアをながめたらなぜか群馬県内だけでなく埼玉県の深谷まで入っています。世界遺産といえば伊勢崎市にある「田島弥平旧宅」は利根川南岸で群馬・埼玉県境のすぐそばですから埼玉県側の高崎線の駅もフリーエリアに含めて利用者の便を図ったのでしょうか。その辺りの事情はよくわかりませんが世界遺産目的でなくとも東京から高崎線で行く場合群馬県内の新町までより深谷までの方が切符代が安く済むので助かります。
 そんなわけで群馬県内ではなく埼玉県の深谷でぐんまワンデー世界遺産パスを買い、まずは上信電鉄に乗ろうと高崎に向かいました。上信電鉄の改札を通って久々に来たなあなどと思いつつホームに入ると「上信電鉄~0番線の故郷~」なる演歌のポスターが貼ってあって「上信電鉄推薦曲」とありびっくりです。


 ホームの端には廃車になった200形を開放した待合室があり中の座席は元々のロングシートだけでなくJR211系のグリーン車で使われていたリクライニングシートも並んでいます。Suicaの使い方案内なんかもまだ書いてあるのでタダで座ったらなんだかトクした気分になりました。
 という具合にゆっくりできる雰囲気の高崎駅0番線からまず乗ったのは250形で、そういえばここは中古車ではなく生え抜きが多いなあと改めて思ったりです。


 上信電鉄は車両の種類に富んでいるので乗り放題を活かし適当に乗ってみることにしました。お次は200形です。この車両は西武っぽい3扉なのに東武の顔がついているので見るとなんだか妙な気分になるもののこういうゲテモノっぽさというのはいいなあと改めて思いました。


 車内の古そうな広告を見ると「スミス商会テレサ」という何の店だかよくわからないものや「世界のアクセサリー舶来雑貨イル・モンド高崎サヤ町」といった渋い雰囲気のものでした。広告と共に鏡も貼られなかなかいい味わいです。


 200形は非冷房なので窓を開けると景色と空気の両方が楽しめ、上信電鉄は結構飛ばすので心地よい揺れとジョイント音も加わります。窓と上信のロゴ入り扇風機両方からの風を浴び残りわずかになった首を垂れる稲穂を見ていると気分が良くなりこれで下仁田まで乗り通すことにしました。


 名物駅名(?)の南蛇井は平仮名だけで「なんじゃい」と大きく書かれているといよいよ引き立ちますね。下仁田に着き東武顔じゃない方を見るとどこにでもありそうでいてないようなウインク顔でやっぱりヘンテコな車両だなあと思いました。


 この辺で昼食にしようと駅舎内に置かれていた「昭和レトロぐるめぐり」なる案内冊子を眺めたら卵で閉じていない醤油ダレのカツ丼を下仁田カツ丼と大きくうたっていたのでそれを食べることにします。下仁田カツ丼を出す食堂はいくつも書いてあるものの特にあてもないのでこの冊子を持って行くとドリンク1杯サービスとあった駅近くの「きよしや食堂」にしました。カツ丼はボリュームはあるもののあまりくどくなくほどよい満腹感になりサービスの三ツ矢サイダーも飲んだらいよいよ機嫌がよくなります。


 下仁田から高崎への戻りで1枚窓の6000形と西武の中古150形に乗ったのでこの日は計4種の車両に乗ったことになりました。上信は車両のバラエティに富んでいるなあと改めて感心です。


 高崎駅が近づくと廃車になったぺったんこカマボコ顔の150形とJR107系が並んでいました。107系は今後上信で活躍するそうですから入れ替わりでさらに廃車が出るとすると非冷房の200形などいかにも危なそうですね。


 整備中らしき107系を見たらなんだかうらめしくなりましたがこればかりは仕方がありません。


 そんなこんなで結局上信電鉄には普通運賃で3190円分乗ったことになりこれだけでぐんまワンデー世界遺産パスのモトがとれたどころか大いに「儲け」が出ました。ちなみに通年販売されている上信電鉄(だけの)一日全線フリー乗車券は2220円とぐんまワンデー世界遺産パスより高く値段が逆ではないかと思ったりです。
(こちらにつづきます。)
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