去年9月から今年1月にかけて、Wattenscheid という地区の学校で、アートプロジェクトをおこなった。
対象学年は5年、9年、12年生だが、12年生との仕事が主だった。
12年生というと、体格もすっかり大人。。。街角で彼らに出会ったら、学生とは思わ無いかもしれない。。。。という顔がずらり並んでいる。 17,8歳だものね。
驚いたのは、60人(2クラス合同)の中で、3分の1くらいはドイツ名ではなかったこと。
(これは全員の名前をカタカナで書かされたので判明。。。60人の名前プラス私自身の名前を書くのはなかなか辛かった。でもここでついでに一言記しておくが60人分でことは済んだわけでは無い。5年生、9年生のクラスにも行ったのだが、結局話の成り行きで彼らの名前も書く羽目に陥り、計120人分書いた結果になった。。。。彼らにとっては日本語で書かれた自分の名前がクールなんだね)
それはともかく、私の小品、特に本のオブジェを沢山抱えて教室に入った。
”あなたにとって アート とは何ですか?”なんて聞かれたら、なんて答える?何だろう?私は何を考えて作品を作り続けているのだろう? かつて読んだ大家の言葉などが頭の片隅をよぎって行ったけれど。。。
”う~ん、それは哲学的な質問だよね。私にとって製作する事は、栄養を摂取するような事なんのだから、まあここでは必要不可欠なものといっておくけれど、しばら考えてみる事にします。”といえただけだった。
いつも前のほうに座って興味深そうに観ている男の子:”あの~ 今日は油絵なんか持ってきてないんですか?”
私:”???油絵? いやもって来てないよ。何で?”
彼:”僕油絵って、実物見たこと無いんですよね。だから楽しみにしてたんだ”
私:”美術館とかいった事ない?”
彼:”ないです”
そうか、ないのか。。。。そんな子もいるのだなあ。まあ、どこかで触れていても意識してみていなかっただけだと思うのだけど。
ひとしきりそのような質疑応答が続いた後、今度は作品を見せ説明をしながらそれらについての質問に答えてゆく。
彼らに与えられた課題は、まず私の携えて行った物を観て、触れて、その感想を書くこと。(それって、でも怖いよね。ものすごく)
次に各自が本のオブジェを制作すること。
4~5人のグループに分かれて”ココン”を製作する事(これは、現在進めている私の作品プロジェクトから発生。)
各自が小さな同じ既製ノートを使ってオリジナル本を製作すること。
本のオブジェ、なんてジャンルを知らない生徒も多く、それだけに皆面白がっていたみたいだけど、いざ課題製作に入ると困っている生徒も多かった。
”アイディア無いんですけど。どうしたら良いんですか?助けてください。”とギブアップするものもいれば、こんなのつくりたいけれど、どう思う?と聞いてくるものもいる。
一枚一枚、本のページを繰るように、私自身も新しい”もの”を一緒に作る気持ちで、対応していった。
”本の持つ本来の意味って何かな?情報が蓄えられたもの。それを手に取ると簡単に引き出せる。
または、伝達できる物。。。通常の本の形を持たなくても良いし、マテリアルも紙にこだわらなくても良いよね。まずかんがえてみようよ”という風に。。。
これは私にとっても面白い作業でもあり、自分が日頃行ってる作業の確認にもつながった。
結果、皆面白いものが出来て、楽しかった様子。自分の成果を実に得意気に見せてくれる生徒もいて、私も満足。もちろん、中には考えなかったのね。。という作品も出来ている。
”ココン”の方はもう少し時間も欲しかったし、話あう時間も少なかったのが、そのまま結果に表れたのには残念だった。もっと本のオブジェに集中しても良かったんじゃないかと思うけれど、同じテーマを長期続ける事も難しいみたい。
最終日は私も一緒に展覧会を行った。
”今までの展覧会の中で今回のが一番楽しくて、クール!”と言う声があちこちから聞こえて、
私もうれしかった。
こういうきっかけから物作りの楽しさを少しでも伝えられたら、そして彼らが、将来自己のアイディンティティを表現する手段として製作する、という方向があることを知ってくれたら。。。。
このせちがらい現代、自己表現手段をそんなところに見つける人が増えたら、世の中少し平和になると思いませんか?
対象学年は5年、9年、12年生だが、12年生との仕事が主だった。
12年生というと、体格もすっかり大人。。。街角で彼らに出会ったら、学生とは思わ無いかもしれない。。。。という顔がずらり並んでいる。 17,8歳だものね。
驚いたのは、60人(2クラス合同)の中で、3分の1くらいはドイツ名ではなかったこと。
(これは全員の名前をカタカナで書かされたので判明。。。60人の名前プラス私自身の名前を書くのはなかなか辛かった。でもここでついでに一言記しておくが60人分でことは済んだわけでは無い。5年生、9年生のクラスにも行ったのだが、結局話の成り行きで彼らの名前も書く羽目に陥り、計120人分書いた結果になった。。。。彼らにとっては日本語で書かれた自分の名前がクールなんだね)
それはともかく、私の小品、特に本のオブジェを沢山抱えて教室に入った。
”あなたにとって アート とは何ですか?”なんて聞かれたら、なんて答える?何だろう?私は何を考えて作品を作り続けているのだろう? かつて読んだ大家の言葉などが頭の片隅をよぎって行ったけれど。。。
”う~ん、それは哲学的な質問だよね。私にとって製作する事は、栄養を摂取するような事なんのだから、まあここでは必要不可欠なものといっておくけれど、しばら考えてみる事にします。”といえただけだった。
いつも前のほうに座って興味深そうに観ている男の子:”あの~ 今日は油絵なんか持ってきてないんですか?”
私:”???油絵? いやもって来てないよ。何で?”
彼:”僕油絵って、実物見たこと無いんですよね。だから楽しみにしてたんだ”
私:”美術館とかいった事ない?”
彼:”ないです”
そうか、ないのか。。。。そんな子もいるのだなあ。まあ、どこかで触れていても意識してみていなかっただけだと思うのだけど。
ひとしきりそのような質疑応答が続いた後、今度は作品を見せ説明をしながらそれらについての質問に答えてゆく。
彼らに与えられた課題は、まず私の携えて行った物を観て、触れて、その感想を書くこと。(それって、でも怖いよね。ものすごく)
次に各自が本のオブジェを制作すること。
4~5人のグループに分かれて”ココン”を製作する事(これは、現在進めている私の作品プロジェクトから発生。)
各自が小さな同じ既製ノートを使ってオリジナル本を製作すること。
本のオブジェ、なんてジャンルを知らない生徒も多く、それだけに皆面白がっていたみたいだけど、いざ課題製作に入ると困っている生徒も多かった。
”アイディア無いんですけど。どうしたら良いんですか?助けてください。”とギブアップするものもいれば、こんなのつくりたいけれど、どう思う?と聞いてくるものもいる。
一枚一枚、本のページを繰るように、私自身も新しい”もの”を一緒に作る気持ちで、対応していった。
”本の持つ本来の意味って何かな?情報が蓄えられたもの。それを手に取ると簡単に引き出せる。
または、伝達できる物。。。通常の本の形を持たなくても良いし、マテリアルも紙にこだわらなくても良いよね。まずかんがえてみようよ”という風に。。。
これは私にとっても面白い作業でもあり、自分が日頃行ってる作業の確認にもつながった。
結果、皆面白いものが出来て、楽しかった様子。自分の成果を実に得意気に見せてくれる生徒もいて、私も満足。もちろん、中には考えなかったのね。。という作品も出来ている。
”ココン”の方はもう少し時間も欲しかったし、話あう時間も少なかったのが、そのまま結果に表れたのには残念だった。もっと本のオブジェに集中しても良かったんじゃないかと思うけれど、同じテーマを長期続ける事も難しいみたい。
最終日は私も一緒に展覧会を行った。
”今までの展覧会の中で今回のが一番楽しくて、クール!”と言う声があちこちから聞こえて、
私もうれしかった。
こういうきっかけから物作りの楽しさを少しでも伝えられたら、そして彼らが、将来自己のアイディンティティを表現する手段として製作する、という方向があることを知ってくれたら。。。。
このせちがらい現代、自己表現手段をそんなところに見つける人が増えたら、世の中少し平和になると思いませんか?