散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

リキテンシュタイン

2010-09-29 09:21:13 | 美術関係















友人と共にリキテンシュタイン展を観るためにケルンに向かった。 (Museum Ludwig)
ぐずついた天気だったが傘を必要とすることも無く、展覧会鑑賞にはもってこいの日和。

リキテンシュタインについて私は知っているようで良く知らなかったことがわかった。
それほどじっくりと、多くの作品を鑑賞したことも無かったというのが事実だ。
記憶に間違いが無ければ、昔昔(ふた昔以上も前、昔が三つほど連なるほどに昔)日本でリキテンシュタインの展覧会を軽井沢(だっただろうか?どこだか思い出せないが展示空間をうっすら思い出せる。東京だったのか?一体何処だったのだろう?思い出そうとしているとだんだん不確かになってゆく)の美術館で見た事があった。
当時すきでも嫌いでもない作品の部類でもあった。
今回改めて見て面白いなあとおもった。

今回は有名なコミックから起した作品はほとんど無く、名画を特有の手法で変換した作品群が主だった。
良く観るとドットを置いている部分、コミックのようなブラッシストローク、ドットの配列や大きさなど、緻密に計算された画面だ。
なるほどねえ、としきりに遠くに言ったり近くに寄ったりしているうちに錯視効果に襲われて、無いものまでもが見えはじめて船酔いしたような気分になった。

それにしても膨大な作品の量、そして最後までラインを曲げずにドットを書き続ける継続力には圧倒される。
根底に流れるしっかり構築されているコンセプトは揺らがない。
圧倒的なドットの波に襲われ、視覚も脳みそも不本意にもすっかり掻き回され、美術館をでると街の景色が時々リキテンシュタイン風に変換されて見えて来る気がして、
おかしな感覚がしばらく続いた。




見つけた。

2010-09-27 10:58:50 | 植物、平行植物
金曜日のオープニングが終わってから黒い雨雲のような気分を引きずっていた。疲れたのかもしれない。
いつも切り替えの早いのが唯一の私の取り柄なのだがどうもいけない。
そんなわけで気分転換をしたくて、昨日の日曜日は相棒とWuppertalにあるTony Cragg FoundationによるSklupturpark-Waldfrieden(彫刻公園)を訪ねることにした。
なかなか気持ちのよい山の中にあって散歩も楽しめる。
Tony Craggの作品を好きで追っているわけではないけれども、森の中で観るCraggの作品は思いがけなく悪くないなと思った。



ところが山の中に散在する彫刻を見ながら私の視線は彫刻から茸探しモードに切り替わっていった。
芸術の秋という看板が味覚の秋に架け替えられてしまう瞬間である。

。。。ということで美術鑑賞の話は今回あえて省略したい。

 

とにかく一回り見学し、彫刻公園の脇にあるカフェで珈琲とケーキを戴き休憩してから、Remscheidの森に散歩に行くことになった。


目当ては”茸”の状況観察だ。
日曜の午後、昼食の後の散歩時間だからか人出も多く賑やかだった。




 
褶曲の様子が見える岩を横目に登る。


山道に入ってまもなく茸の匂いが辺りに充満しているのに気がついた。
灰色シメジの匂いに似ている。
。。。と思えば、

Clitocybe nebularis=ハイイロシメジが菌輪(きんりん)を作っているのが見えた。



大きく息を吸い込んでわき道急斜面をあがってゆくと針葉樹の固まる一角があり、オニナラタケが山ほど出ている。
もう半分ほど収穫された後だったが、その残りの一部をいただいた。
アメリカで発見されたオニナラタケの菌床はとてつもなく大きなものだったようだが、このオニナラタケの菌床もひょっとしてこの山一つ包んでいるのかもしれない。
 Armillaria ostoyaeオニナラタケ

その脇で見つけたのは


薄青いSpongiporus caesius=アオゾメタケ


鮮やかな黄色のCalocera viscosa=ニカワホウキタケ

 
毒キノコなのにかわいさで得をしているAmanita muscaria var. muscaria=紅テングダケ


Boletus badius, syn. Xerocomus badius=ニセイロガワリもみつけた。これもかなりよい食菌。


Helvella crispa=ノボリリュウも幾つか収穫。これは茸自体の味が無い所為かそれほど騒がれない茸だが、きくらげのような食感が良い。


その他いろ見かけたが、そんなものはどうでもよくなって踊ってしまうものを発見したのだ。


Boletus edulis L.=ヤマドリタケだ。まだ幼菌だったが4つほど収穫できた。嬉しい。
私の頭の上に漂っていた黒い雨雲が吹き飛んで消えた。食い意地に助けられたというべきか?
ゲンキンだね。

早速帰宅して、オニナラタケを茹でこぼしして豚肉と一緒に炒め、ライム、胡椒、唐辛子、塩に日とたらしの醤油で一品を作り、ポルチーニ茸(ヤマドリダケ)は少量なのでさっとバターで炒めてご飯と和え、ニセイロガワリとノボリリュウはオリーブオイル炒めにしてみた。
おかげで思わずおいしい秋の味覚を楽しむことになった。



















金曜日

2010-09-27 08:03:47 | 美術関係
金曜日の夜、オープニングを無事に終えた。
天気はあまりよくは無かったが、沢山の来客あり。
今回の疲労感は自分でも意外。
いろいろな意味で切り替えなければ。









どんな場所でも、条件でも、展示をしてゆくこと。
そのたびに展示を変化させながら”場所”を吸収してゆくこと。
そして種をまくこと。

昨日はあまりに天気がよかったので。。。。

2010-09-24 12:00:51 | 美術関係
天気がよかったので外に出たくてうずうずしていた。
。。。というより「行かなければ」という強迫観念も少し混ざっていたような気もする。
最近部屋の中を歩き回る以外、動くかず仕舞いだったのだ。

Tシャツ2枚にデニムのジャンバーを羽織っていたら暑くて、すぐに上着を脱ぐ。

久しぶりにのんびりした気分になった。
時間が無いとかそういう問題ではなくて、しばらく周りの空気に同化しながらのんびり漂うということが出来ないでいた。
散歩していてもいつも頭の隅に必要か不必要かわからないけれどもやけに忙しく働いている部分があって、落ち着かないという気分だった。
ぼんやりというのとも違う、心地よい感じ。

そんな幸せな木曜日の昼、足の向くままに”Nam Jun Paik”の展覧会を観ることに決めた。
パイクの作品と人物については大まかなことしか知らなかったのだが、沢山の資料と作品を並べて見せられることで今まで見えていなかったものが見えてきた気がする。
今更なのだがパイクは音楽を作りたかったのだということがわかった。。といっても実のところよく理解できたわけではない。
作品はもとよりこの作家自身を同時に観る必要があるのだろうか。

メディアアートは間口が広いだけに難しいジャンルだ。
白いテントの中にいろいろな光の線が踊るインスタレーションがあった。
テントの下におかれたマットレスの上に思い思いに寝転んで光を追う。
来ていた若者たちはひとしきり眺めた後
「ふうん。。。いまどきの若者には、こればかりのことじゃ驚きもしないよね、近所のディスコで見慣れているもんね」
と、言い合いながら去っていった。





観終えてから外に出るとまったりとした陽射しにのんびりした気分が更に包まれて、中庭に置かれた寝椅子で日光浴を楽しんでいる人たちの間に混ざった。
これは美術館の用意した寝椅子で歩き回って疲れた脚を休ませるのに実に具合がよい。
しばらく噴水の飛沫を受けながら新聞をちらちら読んでいると眠くなってくる。
。。。噴水のあがった先端が踊り始めた気がする。
そのままうとうと眠ってしまうのはまずいので、また歩き始めた。
ライン川岸のプロムナードに並んだ飲食店は軒並み賑わっていた。
そこをテクテクとまっすぐ歩いてゆくとKITというギャラリーにぶつかる。この展示場は魅力的だけれど、面白ろ過ぎて案外難しいかもしれない。
案内の写真を見てちょっと興味をそそられたのだったが、それほど私のアンテナは反応せず。一回り歩いて再び外へ出た。

そこからStadtmuseumの中庭のがどうなっているかを点検。街の中心部に隠れた秘密の庭のたたずまいなのだ。咲き終わりかけたバラがそれでも彩を添えている。

旧市街の市場も点検し、評判でいつも混んでいるパン屋でパンを買い帰宅。



何でも無い一日を上手に楽しめた日というのは、得した気分でとても嬉しい。





寒午後台所

2010-09-22 08:44:51 | 思考錯誤



寒くなってきたせいか、朝起きるのがつらい。
最近6時半といったらかなり暗い。


Itaro Calvinoの Marcovaldo oder Die Jahreszeiten in der Stadtを読み始めた。

マルコヴァルドさんは仕事に向かう途中街の中にある季節の変化を見逃さない。
枝にかろうじて一枚しがみついている葉の事や屋根瓦に引っかかった鳥の羽などのことだ。
停留所の脇などに生えようとしている茸を見つけて宝の山を発見したかのようにいてもたってもいられない。
やがてそれが大勢の知るところとなって、人々と茸を少しずつ分け合って食べる羽目になるのだけれど、結局そのおかげで死なずにすみましたっけ。。。
というような話から始まる。

私も街を歩いていると街路樹の足元のほんの1平米ほど剥きだした地面にごそっと立ち上がろうとしている茸や、教会の脇の空き地に生えている茸を見逃さないつもりだ。
だからマルコヴァルドさんの視線の動きはとてもよく理解できる。
でも、茸にはご用心。


近所の家の前庭の芝にいろいろなきのこが顔をだす。
その庭はおととしは紅テングダケがにぎやかで美しかったが去年も今年も紅色ボールが現われない。
通りがかるたびに眺めている。
今日、またその脇を通り抜けると茶色の傘のテングダケが出ていた。こちらは紅テングダケよりも毒性が強いらしい。
その脇には幾種類かの別の茸が並んでいる。一体何種類くらいあるものだか。。。ちょっと数えただけでも6,7種類はえている。
中の一つはイグチ系の茸があるのだけれど、可食菌ではないようにおもう。(一体なんだろう?うまく写真が撮れなかったのが残念だ。下茸写真)
いづれにせよ人様の家の庭に入り込むわけにはいかないので垣根の外からちょっと写真を撮らせてもらった。







マロニエのピカピカ光っていかにもおいしそうな実が道に転がって車に轢かれている。
もう栗も落ちているのだろうか?















  今日のおやつ







美味礼賛

2010-09-20 17:31:19 | 飲食後記



このトマトがあんまり甘くておいしいので、思わず記念撮影。









作品を届けに行った先でケーキと珈琲をいただき戻ってくると、テラスの工事が本気で悲しい状況になっていた。
思わず台所にあったリキュールをコップに注いで一気にあおった。。。。といっても小さなリキュールグラスに注ぐだけの
理性あり。







日曜日の散歩

2010-09-20 12:58:17 | 自然観察

Lycoperdon pyriforme


Panaeolus foenisecii


Mycena pura


Ramaria stricta


Auricularia auricula-judae


Cyathus striatus


どこからか何が運んできたか?いきなりひまわりが咲いていた。


ガマの穂が沢山出ている、ツリフネソウ(帰化植物)が辺りを一面に覆っている。


いきなり浄水場に出会う。


トンネルの中




午後三時過ぎ薄暗い森の中では手ぶれて茸をうまく写真を撮ることが出来ない。
三脚担いで行く意気込みは今無い。
ほかにも多種見つけたが、手ブレがひどかったので廃棄処分。 



沈黙の会話

2010-09-20 08:39:13 | 美術関係

日曜日の昼前に友人のかかわった音楽家と美術家のコラボレーションを覗きに行った。
郊外にある古い教会だった。
音楽家(コンポニスト)と二人の美術家が半年ほどかけて互いの製作にインスピレーションを与え合ったのだそうだ。
面白い作業だと思うが、そう簡単ではないなあと演奏を聴きながら思った。
これが最終的な結果ではなく、過渡的な報告としての発表であったなら今後に期待したい。
音楽を見つめ、美術を聴くこと。。。


















忘れ去られて朽ち果てそうな教会の壁に残る時の足跡をたどる。

一日だけ新しい干渉を受けた空間はこれからどの様に変化するのだろう?







たまに太陽が覗く雲の多い空模様の下、風が冷たくもうほとんど深秋の身支度で歩いた。
















救出

2010-09-18 18:29:23 | 思考錯誤


テラスの修繕作業はいまだ続いている。大きなバーナーを使うため熱で沢山の植物が傷んでしまった。

数少ない今年の林檎、落とされてしまう前に収穫。



ぽいぽいと放り投げられてしまった鉢にバラが咲いていた。
私から見えないところでにぎやかに咲いていたので手折る。




あれこれ

2010-09-15 19:06:23 | 思考錯誤


先週末森の散歩で見つけた物体。
おそらくリスの食べかすだろうと思われる、胡桃の殻。苔も生えている。




 ぐるぐる回る森の中。









    テラスで実ったバラの実やルッコラの花や吾亦紅やマツムシソウの種は。。。。


 敷石の山裏、泥まみれ。。。

バラの花は遠くに
追いやられている。









朝から昼までゴウゴウとひっきりなしの騒音を立てながらアスファルト防水。
ひっきりなしの騒音は脳みそ周辺を掻き乱して痛く、匂いで頭痛までしてくる。
仕事中の職人さんたちはなれているのだろうけれど、とてもじゃないが堪らないのでアトリエに逃避。








 
電車の中でようやく井上靖の"猟銃”を読み終えた。
しかし、私には退屈で仕方なかった。
今度原文で読んでみようとおもう。












  9月24日オープニングの展覧会。先週末に展示。




蠅が2匹ぶんぶんとわざとらしく私の頭にまとわりついたり非常に五月蝿い。
しばらくは我慢して放っておいたものの昼間の屋根修理の騒音で神経をさかなでられていた私は、
堪忍袋の緒がすでに磨り減っておりまもなく切れた。
ハエタタキを振り回すこと一分。
とどめはバックハンド空中戦で一撃にしとめたが、
まだ一匹どこかに隠れているらしい。
ジ、ジジ...と物音がしている。。。。。









急遽テラス大工事

2010-09-14 00:03:05 | 植物、平行植物
 



























テラスの修繕に来てもらっている。我が家のテラスは階下店舗の屋上にあたっていて
最近いろいろ厄介なことが出てきた。

それはともかく部屋の中に外から湿気が侵入してきていたので見てもらうと、なんだか大変な工事になってきてしまった。
テラスの植物を移動し敷石をはがして隣のテラスとの間に立ててあった板塀をはずし。。。。
とにかく大騒動だ。

私はほとんど目を瞑ってこれから何が起こるかなど無視することに決めた。
何かが起こるなら、起こったときに考えよう。

しかし、ひょっとするとこれからぐっと植物を減らさなければならない事になるかもしれない。

するとこの部屋を選んだ理由が消える。


引越しするかなあ。。。


。。。と考えながらぼんやり山積みの敷石を眺めていたら、子ウサギがぴょこぴよこと跳ねていったりきたりしているのを発見。
やっぱりまだ住み着いているのか。。。。いったいどこで冬を越すものか。。。

ものすごく
だ。







Rose Impression

2010-09-13 08:22:04 | 植物、平行植物
La Rose du Petit Prince

Rosen von Delbard
Delbard 2008


アニスとシトロン系の香り



















咲き進むにつれてモーヴに退色してゆく。
このあせた色が魅力的。









急激に日が短くなり始めているような気がする。

にび色の空に薄淡い紫がよく似合う。







9月11日

24日からの個展の準備95%終了。
幾人もの手を借りて展示。感謝
ドローイングをぎりぎりまで描いていた所為か、
うつらうつらする度にドローイングの夢を見た。
展示中に、どこか足りないのではないかと心配をする夢も見た。

9月12日

アトリエに寄った帰りに散歩をしようともくろんでいたら雨が降り始めた。
草臥れて、中途半端になって映画でも見ようということになり、相棒と一緒に
近所の映画館に出かけてM.ナイト・シャマランの「the legend of aang」を観た。
子供向けと考えても今ひとつ二つ冴えない。
草臥れて何もする気が無い時だったので、まあよしとする。

9月13日

今朝やっと屋根屋がきてくれた。
今日中に修理するといっているが本当かな?
今日は掃除、洗濯、アイロンがけの山を片付け、
作品リストとポスターの下図を画廊に送って
10月はじめのプロジェクトの話をまとめて

まだ何かあったような気がするけれどなんだったのか。。。?